■川瀬七緒

2018/09/14

『紅のアンデッド』 川瀬七緒

大好き法医昆虫学シリーズ第6弾。

文章を脳内で映像化してはいけないのは変わらず、でも腫れあがった赤堀の顔だけは後学のために見てみたいですね。絶対に近づかないと決めたやけど虫。

これまでシリーズを追いかけてきた読者なら赤堀の明るさの裏になにがあるのか知りたいと思っていたはずですが、ついに本作で明らかになりました。シリーズラストで回収されるような伏線なのでしょうか。赤堀の心に平穏が訪れたとき=シリーズの終わりでは悲しいので岩楯刑事には頑張ってもらいたい。

今回から犯罪心理学の広澤を筆頭に仲間が増えましたね。疎まれた者たちが知識を持ち合うことで真実に到達(して見返して)する系がとても好きです。まだまだ活躍が読みたい。次は波多野さんでメインで。

事件については…私は肉が大好きです。

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2017/02/28

『潮騒のアニマ』 川瀬七緒

法医昆虫学シリーズ第5弾。今回はミイラ化した死体から聞こえない虫の声を聞くお話。

マンネリと言えばマンネリだけれど、安定したおもしろさです。最初は相手にされなかった赤掘がどんどんと認められていく水戸黄門的?な部分も良い。あとは決して文章を脳で映像化してはいけないところもきっと良いところ。

なにより赤掘・岩楯コンビの信頼感ですけどね。今回はコンビの登場が多かった。お馴染みの赤掘・岩楯、赤掘・大吉の他に岩楯と若手刑事、あとは赤掘・沖田でしょうか。最後の赤掘・沖田が最強で誰も彼らを止められません。考えていないようで考えているふたり。ラストのあたりで沖田先生が赤掘の腕を掴んだときは少しドキリとしました。

事件そのものが胸糞悪いのもいつもの通りでしょうか。家族の件も含め被害者に救いがない。被害者が選んだ(選ばされた)死に場所にちょっと民俗学のテイストが入っていて某シリーズの蘊蓄薬剤師などを思い出しました。彼ならごみ箱からアレを見つけてから30ページ分くらい喋るはず。

マンネリが悪いとは言わないけれど、少しテイストが違うものも読んでみたいと思いました。叙述トリック…は法医昆虫学とは相容れなさそうですね。

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2016/10/06

『メビウスの守護者』 川瀬七緒

大好きな法医昆虫学捜査官シリーズ第4弾。今回も安定したおもしろさです。そして相変わらずリアルな虫の描写。

今回もウジの齢から死亡推定日時を絞っていく赤掘ですが、それが解剖学から判定される経過日時と大きく異なっており、スタートから捜査会議で失笑を買います。でも赤堀にはもう岩楯という強い味方がいますからね。読んでいるこちらも心強い。そして赤掘が虫を信じて自分の主張を認めさせる=捜査を前進させる前半から読み応え十分なのですが…前半ハイライトでもある雨のシーンは本当にキツいです。来そうだなと思ったら想像力はオフにすることをお勧めします。このシリーズはこんなにおもしろいのにどうあっても映像化できなさそうなのが残念です。私も見ない。

ミステリ色が強くなっていく後半も最後まで犯人と動機を読ませない作りになっていて楽しめます。意外な犯人は誰かな…で考えると普通に当たるんですけどね。でも、この作品の良いところは犯人よりもその動機でしょうか。ミステリあるあるの言っていることは分かるけれどもこれっぽっちも理解できない系です。(ここからネタバレします)香水の調合に血液やら消化途中の食べ物ならが必要だから人ひとり殺してバラバラにしようっていうんだからぶっ飛んでますよね。そしてそれが世に出るまで黙秘を続け、ローンチされたから真相を語る。プロの犯行です。でも真相は語ったけれども肝心な部分は知らぬ存ぜぬを通しているから未だ逮捕できないでいるんでしたっけ。岩楯頑張れ。

今月末には第5弾の発売が決定しているのでそちらも楽しみです。本当におもしろい。もっとたくさんの人に読んでもらいたいシリーズです。想像力はオフで。

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2015/03/17

『水底の棘 法医昆虫学捜査官』 川瀬七緒

法医昆虫学シリーズ第3弾。講談社のプレゼントでサイン本をいただきました。

派手さはないけれど、各キャラクタの個性を存分に活かしてコツコツ真相に辿り着く良作。(○○による)死体の損傷が激しく、被害者の身元すら判明しない=捜査が進展しない中、文字通り虫の知らせで殺害現場を見つけ出し事件解決した赤堀は見事。

そんな赤堀ですが今回は悩んでましたね。取っ掛かりを見つけてからはいつもの猪突猛進でしたが。やっぱり腕を腫れ上がらせる赤堀が好きです。無謀ですけど。

シリーズ第4弾がいまからたのしみ。本シリーズ良いです。もっと知られて良い。ドラマ化は…虫がねえ。

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2014/09/27

『シンクロニシティ』 川瀬七緒

『147ヘルツの警鐘』(文庫化の折に『法医昆虫学捜査官』に改題)に続く法医昆虫学捜査官シリーズの第2弾。

レンタルスペースで発見された撲殺死体。身元も殺害現場も死亡推定日時すらをも不明という苦しい状況を打破したのは「虫の知らせ」を読むことのできる法医昆虫学捜査官・赤堀。死体発見現場には存在し得ない虫の痕跡から殺害現場を見つけ出し、捜査を前進させた彼女が辿り着いた真実とは…?みたいなお話ですが、

今回もぶっ飛んでますね、赤堀!

次回作からはモンペも彼女のトレードマーク入りするかもしれませんね。だが、そこが良い。というか、物語がスムースに進み過ぎて意識に登らなかったわけですが、彼女が虫の知らせ…性モザイクのトンボの痕跡を見つけ出さなければ絶対にあの場所には辿り着けなかったわけで。赤堀の活躍ピークは序盤も序盤だったわけですが、伊達じゃないですね法医昆虫学捜査官。これはシリーズ第3弾にも期待。

岩楯と月縞のコンビもなかなか良かったです。なぜか岩楯が田中哲司で脳内再生されるのは仲間由紀恵との結婚が発表されたばかりだからでしょうか。でも、赤堀=仲間由紀恵って案外ありじゃないかと思ったり。

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2013/12/26

『147ヘルツの警鐘』 川瀬七緒

法医学+昆虫学という新しいミステリのアプローチ。文字を脳内で映像化してはいけないという制約を除けばかなり楽しむことができました。

炭化した焼死体の腹部から見つかった虫の塊。死亡推定時刻から計算して“育ち過ぎ”のその虫たちが教えてくれる真実とは?とまあ、帯の文言借りつつあらすじ説明してみましたが、虫の塊とか片腹痛いよね。もっと直接的な表現で激しく狂おしく説明したくなる…赤堀の不思議な魅力に私もやられてしまっただろうか。

でも、本当に「次はなにをやってくれるだろうか」と期待したくなる吸引力を持った女性ですね、赤堀。実際に彼女が虫を追いかけている様を見たいとは全くこれっぽっちも思わないのだけれど()彼女が次にどんな真実を見つけ出して来るのかにページを捲る手は止まりません。岩楯との関係もね…気になるよね…。

ラスト、赤堀が拓巳のために、生きるために放った虫たち。映像化に相応しいシーンだと思うのだけれど、それまでの○○ボールあたりがそれを拒絶する。惜しい。

次回作にも期待。

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