■堂場瞬一

2017/04/15

『刑事の絆 警視庁追跡捜査係』 堂場瞬一

警視庁追跡捜査係シリーズにして『凍る炎 アナザーフェイス5』直後から物語が始まるコラボ作です。

大友はなぜ撃たれたのか、撃ったのは誰なのか。沖田と西川が犯人に迫る過程で大友が扱った過去の事件や私生活を暴いていくわけですが、それがなかなかおもしろい。なんだかアナザーフェイスシリーズを読むより大友のことがわかる1冊なような気がします。

犯人(真相)については予想通りでしたね。あの電話の件はあからさまでしたものね。

個人的には読んだばかりの『交錯』の内容がかなり物語に絡んできたのが驚きでした。『交錯』が2010年、本作が2013年出版ですが、いつかこの設定を使おうと温めておいたのでしょうか。『交錯』→『凍る炎』→『刑事の絆』の順で読んだ人で『凍る炎』の段階で彼らの正体に思い至った人はいるのかな。とにかくキャラの把握のためでしたが『交錯』を読んでおいて良かったです。

沖田と西川はすっかり仲良くなってましたね。いつか『交錯』と『刑事の絆』の間の物語も読みたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/07

『交錯 警視庁追跡捜査係』 堂場瞬一

追跡捜査係シリーズ第1弾。『凍る炎 アナザーフェイス5』 の続きはこちらの『刑事の絆』になると知り、シリーズキャラクタを知る目的で読んでみました。

行き詰った捜査を別の視点で見直すために存在する追跡捜査係。その係に所属する犬猿の仲、沖田と西川が本作のW主人公です。無差別殺傷事件と貴金属店強盗事件が次第に交錯し、沖田と西川の関係も交錯する。静と動、冷静と情熱の間()、なかなかよいコンビネーションです。

(ネタバレします)個人的には無差別殺傷事件の犯人を刺して逃亡した男が西川と懇意にしていた青年だったというのは都合が良すぎるような気がしましたが、それもまた物語でしょうか。いや、絶対に彼だと思ってましたけどね。そうじゃないと作中で彼の失踪に触れる意味がない。

続いては『刑事の絆』を読む予定ですが、シリーズも5弾まで進みふたりの距離はどこまで近づいているのか。楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/03/21

『凍る炎 アナザーフェイス5』 堂場瞬一

アナザーフェイスシリーズ第5弾。

ICカードで出入りが管理された研究施設で密室殺人が発生!?という本格ファンが泣いて喜びそうなスタートを切った本作ですが、その後密室がクローズアップされることはありませんでしたよ。

前作『消失者』同様、事件がどんどんとスケールアップしていくのですが個人的にはひとつの事件にどっぷり腰を据えて取り組んでもらいたいです。事件に振り回されるだけ振り回されて、大友が活躍しているようでしていないモヤモヤした展開…

を、吹き飛ばすかのようなラスト

一体大友になにが起こったというのか。劉の電話を止めたことが100%関係していると思いますが、例えば劉が大友の殺害をキャンセルしなかったとして劉が拘束されている今、律義に依頼をこなそうとしますかね。ゴルゴ13かな?

とりあえず次回作が気になる。せっかく大友が本格復帰を決めたのに、なかったことになりそう。とにかく次巻です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/03/14

『消失者 アナザーフェイス4』 堂場瞬一

アナザーフェイスシリーズ第4弾。

ひったくりから殺人、そして二課の登場と物語がどんどんとスケールアップした本作。とりあえず一課と二課は仲良くやろう。

お馴染みメンバーの安定したやりとりの中に不安因子がふたつできましたね。指導官の変更と息子の親離れ。後継者である後山参事官は個人的にとても好きなタイプ。茶道を捨て警察官になったいきさつや、問題があるという家庭のこと、これからの絡みが気になります。息子の親離れは当たり前のこととはいえ、大友を縛るストッパーがひとつ外れることを意味するので物語に大きく影響しそうですよね。今回もほとんど家に帰らず、息子の世話もせず、事件に没頭していましたし。

ただ、今回お馴染みのメンバーに関するシーンのなかで一番スカッとしたのは新聞記者が水をぶっかけられるシーンです(笑) ああでなくては新聞記者などやってられないのかもしれませんが、本当に性格悪いですよね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/02/22

『第四の壁 アナザーフェイス3』 堂場瞬一


アナザーフェイスシリーズ第3弾。

舞台上で発生した殺人事件。そして脚本をなぞる様に事件は進み…とこれまでのシリーズとは毛色の違う、まるで本格ミステリのような筋書き。ただ、あくまで警察小説なのでロジックで犯人を追い詰めたりはしません。そのちくはぐさが個人的にはマイナスかな。

かつでの仲間たちが被害者であり容疑者であるため、客観性を保てずふらふらとする大友に引きずられるように物語もふらふらしていて残念でした。大友が個を取り払って(役者になって)探偵を演じきるか、あくまでも刑事として骨太に捜査してくれれば良かったのですが…って先のセンテンスと同じこと書いてますね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/02/08

『敗者の嘘 アナザーフェイス2』 堂場瞬一

『アナザーフェイス』シリーズ第2弾。

容疑者の自殺、犯人とは思えない女弁護士の自首、拉致とてんこもりな1冊。そして(ここからネタバレします)結果的に警察内部の不正を暴くことになるのですが、その内容が黒い。黒すぎる。警察小説においてこの手のテーマはよくありますが、ここまで組織的であくどいのはなかなか読めません。だって警察が指示して女性を拉致(死亡もあり得た)ですよ。

結局、自殺した容疑者が真犯人だったので真面目に…とは言いません、きっと真面目に捜査していただろうから。なので、正しく捜査に当たれば真犯人に辿り着けたのに。残念です。

本作では柴にプラスして大友に心強い仲間が。例の新聞記者も出てきましたね。おそらくレギュラー化していると思うので、シリーズ続刊を読むのがいまから楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/02/01

『アナザーフェイス』 堂場瞬一

アナザーフェイスシリーズ第1弾。人の心に入り込むのがうまい、シングルファザー刑事が主人公。ドラマ化済みのようですが見ていないので脳内変換は西島秀俊でした。

事件は誘拐。誘拐ものは大好きです。個人的に後味が悪いのが好きなのですが、この作品はなかなかです。(ここからネタバレします)被害者少年の父親が筋書きを書いた言わば黒幕だったわけですが、大友の言うとおり本当の(血の繋がり云々ではなく心の繋がった)親子であれば息子を誘拐事件の道具にするなんて発想、絶対に出てきません。切羽詰まった状況でも、頭がそれしかないと思っても、怪我などしないと確約があっても、どうしたって決断できません。作中で父親が家族のためだと言い訳していましたが、言い訳にもなっていません。そもそも1社だけ融資を返してどうなるものでもないと思うんですよね。何度誘拐を起こすつもりだったのでしょう。

個人的には生意気な女記者がもう少し絡んでくるかと思ったんですが、シリーズ続刊で再登場したり、再婚相手候補になったりするんでしょうか。消極的な期待を寄せておきます。

すらすら読めておもしろかったです。地道な捜査が光る警察小説らしさと、大胆な真相が両立した1冊でした。

| | コメント (1) | トラックバック (0)