『青年のための読書クラブ』 桜庭一樹
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青年のための読書クラブ 著者:桜庭 一樹 |
薄絹のようなヴェールに包まれたお嬢様学校で
ひっそりと、その存在すら忘れられた
読書クラブ
ミステリスキーであって文学スキーではない私は、本作で引用されているような王道文学とお付き合いしたことは無く。けれども、その素敵引用にミステリ道を逸れてしまいそうになる『青年のための読書クラブ』が本日のレビュー。
舞台は薄絹のようなヴェールに包まれたお嬢様学校。政治家の娘が生徒会に、スター性のある華やかな容姿の娘が演劇部に、ニコンを構えゴシップを狙い撃つインテリヤクザが新聞部に所属し政権争いを繰り広げる中、世の喧騒から逃れるようにナポレオン・アパートでひっそりと過ごす読書クラブ。華やかな世界から遠ざかり、客観性を保持するから見えるものがある。読書クラブのクラブ誌は、学校が隠滅した過去の大事件を綴ったたったひとつの正史。
そんな正史(クラブ誌)で明らかになる真実は、実に阿呆らしくユーモアに溢れていて。王道文学から選りすぐられた引用が、これまた素晴らしい。「マクベス」の台詞が実生活の中ですらすら口から出てしまう女子高生がいたら閉口ですけれども。
本作は起こる騒動を愉しむだけでなく、騒動を語る言葉遊びを如何に愉しめるか…読者の力が試されている作品かと。文学の世界に傾斜し、文学と現実の世界の境目が解らなくなった、世間知らずのお嬢様たちが織りなす新しい文学。いや、そこに居るのはもうお嬢様ではなく青年なのだけれども。
女の世界を書かせたら最早、右に出るものは居ないかもしれない桜庭嬢。男性読者は桜庭作品を読んで何を思うのか。やっぱり女は解らない?これだから女は?でも、「男はバカのくせに頭のいいふりをするけど、女は頭がいいのにバカのふりが出来る」ことをお忘れなく(ライアーゲームからの引用だったりする)
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