■円居挽

2017/08/09

『日曜は憧れの国』 円居挽


円居挽らしからぬ普通の日常モノミステリ。私が円居作品に求めるのは軽快痛快な語り口とどんでん返しなので、そのふたつを封じられて戸惑うばかり。それら無しで読ませる何かがあるわけでもなく、いつおもしろくなるんだろうと思っているうちに終わってしまいました。

ロジックが一番綺麗だったのは「レフトオーバーズ」でしょうか。個人的におもしろそうな講座だと思ったのが「幾度もリグレット」。

4人のJCの成長物語としても微妙で絶望的におもしろくないわけではないのだけれどコレジャナイ感が残る作品でした。

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2016/08/04

『シャーロック・ノートII 試験と古典と探偵殺し』 円居挽

『シャーロック・ノート 学園裁判と密室の謎』に続くシリーズ第2弾。前作より学園モノらしく、裁判パートも増し増しということでとても楽しく読みました。

このシリーズは九哭将(ナインテイラーズ)や十格官(デカロゴス)と言った中二病設定がたまらないわけですが、今回は九哭将の出番が多くて嬉しい。しかも大人(九哭将)と子ども(学生たち)の対比がうまく出来ていて、学園モノ=成長モノの図式も見事です。

さらに意外な人物が黒幕というミステリのお約束まで守ってくれていて言うことなしです。連作短編集の強みを存分に活かした作りですね。

と、ここまで手離しで褒めたので当然続きが読みたい!わけですが、第3弾はいつでしょうか。完全に続きものであちこち伏線だらけですが…とりあえず、今回出番の多かった学生5人(成、からん、暦、残、浅葱)で組んだチームが探偵登録第一号になるかもしれないなどと予想しておきましょうかね。

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2016/05/23

『シャーロック・ノート 学園裁判と密室の謎』 円居挽

『キングレオの冒険』と世界観を同じくする作品。サブタイに学園裁判と書かれているのでダンガンロンパ的な作品かと思い、確かに第一章の「学園裁判と名探偵」にはそういう側面もあったのですが、思ったよりも学園ものじゃないというかまさかの続くです。

個人的には第一章には大満足です。星覧仕合は始まるまでどんなものかイメージできなかったのですが、始まってしまえば双龍会です。口八丁手八丁、嘘を吐いてでもギャラリーに自分の主張を認めさせればいい。まさしく双龍会。それまでに得られた情報から得られたオチ…というか真実だったわけですが、それも良かった。円居流の舌戦、大好きです。

第二章からは学園を離れ、主人公である成のパーソナルな部分に踏み込んでいくわけですが、(ネタバレします)成が経験した家族や街の住人がごっそり入れ替わってしまうなんて出来事は実行可能なのかどうか。まず疑うのは成の記憶障害ですが…本作では結論は出ないんですよねえ。歯がゆい。第三章で記憶を操った男が出てくるのは何かのヒントなのか。気になります。

気になると言えば古野まほろでも読んだぞ探偵養成学校と、JDCに良く似た日本探偵公社ですね。九哭将(ナインテイラーズ)や十格官(デカロゴス)と言った設定は個人的に大好きです。もっと読みたいもっと知りたい。設定集が欲しいくらいです。

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2016/01/28

『キングレオの冒険』 円居挽

城坂論語、再び

と思ったら、次から次へと知った名が登場してにやり。龍樹山風(落花の父親)が双龍会の龍師ではなく、JDCみたいな探偵公社の理事に納まっているという素晴らしい設定のルヴォワールのパラレルにしてシャーロックホームズへのオマージュ作品集。

とりあえず、論語が黒幕ってしっくりくるわぁ()

双龍会がなく、論語が生きることに飽き飽きしたら犯罪を唆すくらいはするでしょうよ。飽くまでも唆すってところが論語らしくてとても好きです。そして論語と対峙するのはキングレオこと天親獅子丸と天親大河。あら、知った苗字が出て来ましたね。あちらは寅と豹でしたが。

というわけで、ルヴォワールシリーズを読んでいた方が3倍くらい楽しめると思う本作。キングレオ単体ならば「なんたらの紐」が好み。「あれがかの○○○○外しだ」って、引用なのにネタバレだから伏字にしてみましたが、とにかくミステリ読みなら一度は遭遇してみたいシーン。書き下ろしの「悩虚堂の偏屈家」は双龍会を彷彿とさせる二転三転の斬り合いで大満足でした。論理も綺麗だったと思います。

とりあえず、他の面子にも登場してもらってシリーズ続編が読みたい。流とかこの世界観でもうまく生きていけそうに思うのだけれど、麻雀のシーンに出てきませんでしたね。一応論語が高校生の設定(過去)だからかしら。

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2015/09/10

『河原町ルヴォワール』 円居挽

ルヴォワールシリーズ第4弾にして、弟・大和による落花殺しから始まる衝撃の最終巻。

落花という最強のキャラクタをあっさりと殺すのもルヴォワールらしいような気もして、まったく疑っていなかったところからの落花戻し。やられた。あの改変の記述ね。あれすら「有り得る」と思ってしまうあたりルヴォワールな世界観に入りこまされている証拠か。

これまでのシリーズ作より(物理的に)薄いような気がするのだけれど、最初から最後まで詰め込めるものすべて詰め込まれていてサービス満点。論語vs撫子の結末が若干チープなのは本流じゃないのもあるだろうし、撫子という龍師の腕にもよるだろうか。やっぱり落花には劣るよなあ。さっき読んだばかりだけれど、また落花戻し読みたくなってきたもの。vs大和の斬れ味ったらもう。

あと、流かわいい。個人的にはうゆうさんが良かったけど(まだ言うか)達也に甘える流かわいい。

まだまだ彼らの双龍会が読みたいのだけど、これ以上は蛇足なのでしょうね。

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2015/08/20

『今出川ルヴォワール』 円居挽

権々会と達也の過去がメインのルヴォワールシリーズ第3弾。権々会は映像で魅たい。

個性的過ぎるキャラクタたちに好きと言う感情で順位を付けるなら論語≧落花>流>>>>撫子≧達也だと改めて気付いた本作。達也の過去、興味ないとは言わないけれど少しくどく感じてしまったのも事実。結局のところ、達也の(学園での)復讐は勘違いから生まれた不要なものだったということなのだけれど。これまでの記述からはそのように終わったとは読みとれないというか肩透かし。だからこその権々会、邪の音は七つだったと言われればそれまでですが。

あとは双鴉の計が読者には丸わかりだったのが少し残念だったか。章の名は天火だし、赤壁だし。読者と同じだけの情報を持って読み解けない撫子じゃないでしょう?

とりあえず、流にはうゆうさんが良かった。くそう。

ルヴォワールシリーズも次巻でラスト。7巻分の構想を詰め込んだ傑作との呼び声。とても楽しみです。

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2015/08/09

『烏丸ルヴォワール』 円居挽

『丸太町ルヴォワール』に続くルヴォワールシリーズ第2弾。

前作でデビューした新人龍師3人(論語、達也、撫子)にそれぞれ花を持たせつつも、これは流の物語。双龍会はあっさり。山月の筋書き通り。それよりもなによりも、

うゆうと少女にやられた…!

第一章で予告なく現在と過去と倒錯すると知らしめてからの、うゆうと少女。まさかあの少女が○○○の○だなんて。ラスト、達也に連れられうゆうと再会した一連の流れでぶわーっと氷解。やられた。ついでに、達也の反応にもやられた。

とりあえず、うゆうと少女と達也の三角関係がキャラ読み的に気になるのと、達也の過去ね。税所先生ってば何者なのよ。

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2015/05/03

『丸太町ルヴォワール』 円居挽

祖父殺しの罪を着せた初恋の女を見つけるためだけに私的裁判“双龍会”の被告となる…といういろいろおいしい設定の本作。設定だけでなく○○トリックもてんこもりですが、ちょっと盛り過ぎた印象。

どんでん返し大好きな私ですが、ちょっとサービスし過ぎでしょうか。どんでん返して返して元に戻ったと思ったら思ってもみないところから真相が現れ、やっと初恋の女の正体がわかったと思ったらやっぱりフェイクで…という展開には少々疲れました。もう少し読み易ければ良かったのかもしれませんが。雰囲気作りに一役買っているのはわかりますが、もう少し読み易い文章をお願いします。

双龍会というシステム、個性的なキャラクタたち、彼らが織りなす丁丁発止のやりとりは大好物ですのでまた読みたい。『ルヴォワール』と名のついた他の作品はシリーズ続編なのでしょうか。リサーチです。

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