■島田荘司

2016/07/31

『暗闇坂の人喰いの木』 島田荘司

今年の重点目標でもある御手洗シリーズ。かなり厚かった(671p)もののおどろおどろしい設定、次々と起こる事件、死体、謎と読ませる1冊でした。

トリックはまあ御手洗だし…という感じなのですが、(ネタバレします)偶然です(キリッ はちょっと笑います。あの場所から空中ブランコのように…という肝の部分は十分に推理?可能なので良いのですが。犯人も意図しない不可思議な状況ってのはミステリあるあるです。

対して、巨人の家の一件は綺麗にまとまってましたね。納得です。素晴らしい。

ところどころ挿入される手記を読みとれば犯人とその動機は自明かと。大楠を中心とした奇想な世界観と御手洗の名探偵っぷりを楽しむ1冊。

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2015/07/01

『御手洗潔のダンス』 島田荘司

御手洗が踊っているのか、御手洗に踊らされているのか。短編集とは思えないほど大胆な仕掛けと舞台で楽しませてくれる1作。

「山高帽のイカロス」はバカミス一歩手前ですよね。分類するなら『斜め屋敷の犯罪』と同じところ。でも、この奇想天外さが御手洗シリーズの良さかと。

ファンサービスな「近況報告」はいろいろ突っ込みどころ多過ぎて。読めば読むほど御手洗という人物のことがわからなくなること請け合いです。

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2015/06/06

『異邦の騎士 改訂完全版』 島田荘司

既読作もあるものの、刊行順に読むことにしました御手洗潔シリーズ。

第4弾である『異邦の騎士』はファンの間でも人気の高い1冊。そして、御手洗潔の最初の事件なわけですが(ここからネタバレします)

記憶喪失の男が○○○ってのがすごい

シリーズ4作目でこういう趣向の作品を持ってくるサービス精神?が好きです。

あれ?○○○が出て来ないぞ?と思う読者が大半だと思うので、も記憶喪失の男が○○○だと察することはもちろん可能ですが、私は充分に驚かせていただきました。とりあえず、○○の死の原因(犯人)は○○○だと思うのですがそこは触れてはいけないポイントなのでしょうか。もちろん刺殺(出血死)なので警察の捜査は行われたと思うのですが、あの家族が○○○のことを警察に話すわけがないし、操られ、言わば心神喪失状態の○○○を罪に問えたかと言えば疑問ですが、そのまま迷宮入りってのも微妙ですね。そもそも○○○の心情的にすっきりしない(いつ警察がくるか時効までビクビクする状態)ような気がするのですが。

私は恋愛小説にはあまり興味がないのですが、そういったアプローチから本作を評価する方も多いようです。あとは改訂前の方が勢いがあったとかなかったとか。

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2015/05/24

『御手洗潔の挨拶』 島田荘司

玉木ミタライ(カタカナが正しいのよね?)意外と良かったですね。そのとき改めて『占星術』や『斜め屋敷』といった代表作は読んでいるけれど、読み落としているものも多いと感じた御手洗シリーズを今年は重点的に読もうかと思います。映画化もするしね!

本作は『挨拶』がわりに御手洗という人物の様々な面に触れる短編集。紅茶(珈琲)、犬なんかがキーワードかと。あとはギターね。結果的に抽斗多すぎて御手洗という人物がさらにわからなくなったわけだけれど。

作品としては「紫電改研究保存会」が個人的ベスト。かなりホームズの「赤毛組合」です。

さて、次はどの作品を読もうか。順に読んで行くのなら『異邦の騎士』。映画化作品を拾っておくなら『星籠の海』。さらっと読みたいなら『御手洗潔のダンス』か。

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2009/03/06

『透明人間の納屋』 島田荘司

透明人間の納屋 (講談社ノベルス) Book 透明人間の納屋 (講談社ノベルス)

著者:島田 荘司
販売元:講談社
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僕は真鍋さんが大好き

真鍋さんは僕にいろんなことを教えてくれる

星のこと、宇宙のこと、透明人間のこと

ミステリーランド再読中。本日も第一回配本から。そして、当ブロ愚4年目にして初めての島田荘司氏…あら意外。

舞台は昭和52年、題材は密室、透明人間なんて眉唾がタイトルに付されてますが、中身は本格。そして、裏主題まで。裏主題の方は重過ぎるので今日はスルーさせていただきます悪しからず。ここはミステリブロ愚なので悪しからず。

ホテル・エルシノア401号室で起こった女性消失事件。テーブルには食べかけの寿司とカラオケの歌本…そこに荒れた様子はなく、まるで彼女が自発的に部屋を去ったかの様。けれど、窓は嵌め殺し、唯一のドアの前には従業員の眼が4つ。そして証言する「誰も401号室から出てきてなどいない」。

わぉ、不思議ですね。魅力的ですね。ただ、素敵な謎に素敵な答えが用意されているとは限らないのですが…用意されていた答えは非常に現実的でした。いや、その現実性こそが島田荘司氏だし、その脱出劇を想像するだけでゾッとしますし、ここで本当に透明人間が登場しても興ざめなんですが。

それよりも僕と真鍋さんの触れ合いの方が素敵。ふたりの交差点はもう少しで交わるところだったのに…信号が狂ったばっかりに。真鍋さんが僕を凄く凄く大切にしていることがわかって、本の外に居る私にもわかるのに…どうして本の中の僕には伝わらないんだろう。悲しい虚しい切ない。

ミステリとしての難度も裏主題の難度も高めで、かつて子どもだったあなた向けの1冊だと思います。でも、やっぱり、島田荘司氏は面白い。

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