■中山七里

2019/07/03

『セイレーンの懺悔』 中山七里

 

誘拐事件をマスコミの立場から描いた作品。中山七里の引き出しの多さよ。

しっかし、主人公の女性のいけ好かなさよ。まったく好きになれませんでした。ラストの訴え、あれがセレイーンの懺悔なのだろうが、私にはあまり響かなかった。なにをいまさら、と。それでなにかわかった気になっているの?と。

事件、特に警察の動きをマスコミの立場から見るのは新鮮で、加熱し加速する思い込みの怖さが光っていた。

 

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2019/07/02

『嗤う淑女』 中山七里

 

稀代の悪女・蒲生美智留に騙され、人生を狂わされた人々と美智留自身の物語。

詐欺師につけ込まれる隙を持っていない人などいなくて、誰もが心のどこかで美智留のような人との出会いを求めていると思う。美智留が詐欺のために使った手法、それを正当に…犯罪ではない形で社会に、人に還元出来たら良かったのだろうけれど。うーん、じわじわと宗教になりそうな予感()

銀行での横領があんなにもバレないわけがない…とか突っ込みどころは多々あるが、読みやすいエンターテイメント作品でした。

 

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2019/03/31

『連続殺人鬼カエル男ふたたび』 中山七里

『連続殺人鬼 カエル男』続編。

グロい殺人は続くが、事件の全貌がなかなか掴めないまま物語は進行します。そして驚きの真相。完全にミスリードに嵌ってしまいました。そうきたか。彼が犯行を行っているとは思っていませんでしたが、その先までよく考えていなかった。確かに、あの人以外に相応しい(あれだけのことをやってみせる執念?怨念?がある)人もいないわけで。

刑法39条について考えさせられる1冊。彼女についての決着がつかぬまま終わってしまったので、きっと続編もあると信じています。彼女を捕えるのは古手川なのか御子柴なのか。古手川が掌の上から飛び立てますように。

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2018/10/01

『悪徳の輪舞曲』 中山七里

大好き御子柴シリーズ第4弾。今回、御子柴が弁護するのは実の母親。どんどんと御子柴の棘が削れて丸くなってゆく。悪くはないが少しむず痒い。まるで思春期の少年のようなんだもの。

事件の真相に気付いたのは200ページを過ぎたあたり。なにが刺激になったのかわからないがふっと降りてきて、急いで冒頭に戻った。今回、御子柴の反証(どんでん返し)が始まるのが残りページがかなり少なくなってからだったが、その分切れ味が抜群だったと思う。ああ、おもしろかった。

次はどんな事件の弁護をすることになるのか。個人的な予想は事務員の洋子さん。

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2018/09/11

『月光のスティグマ』 中山七里

『総理にされた男』とリンクする本作。地震と地震とテロとエロが書きたかったのかなあという印象。

大人になった優衣に魅力がなさすぎて。是枝に騙されているならまだしも。しかもラストで少女だった頃の優衣まで下げる下げる。タイトルのスティグマがミステリ部分と関係してくるのかと思いきや…ミステリって?と言わんばかりにさらりと明かされてしまう過去。

東京地検特捜部の潜入捜査ものとして読んでも今ひとつ。恋愛小説としても微妙です。

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2018/09/02

『静おばあちゃんにおまかせ』 中山七里

『テミスの剣』に登場した高遠寺静(おばあちゃん)がミスマープルのように安楽椅子探偵するお話。静おばあちゃんの印象が『テミスの剣』とやや異なると感じたのですが、退官したからか孫の前だからか。まあ、まさかのオチ(正体)にそんなことはすっかり吹き飛んでしまったのですが。

警察が公然と(民間人である)円に捜査を依頼するガバガバなところはありますが、さらっと読める一冊だと思います。個人的ベストは「静おばあちゃんの童心」でしょうか。「静おばあちゃんの醜聞」も好きです。犬養さんが最も活躍したお話。

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2018/08/19

『テミスの剣』 中山七里

テミスとはギリシア神話における法の女神のことで、法廷モノのドラマなどを観たときに裁判所の入り口にその像が立っていたりしますね。本作はそんなテミス=正義の在り方を問う作品。

とりあえず、中山作品だからどんでん返しがあるだろう→もっとも正義らしく描かれている人が黒幕ならどんでん返し効果がいちばん大きいに違いないというメタ読みは止めましょう(笑)素直に楽しむのがいちばんです。冤罪を扱っているので作品に流れる空気はかなり重苦しいですが。

人を裁くということ、神の代行、力を持つこと。エンタテイメントでありながら考えさせられる一冊。

ちらっと犬養の名前(だけ)が出てきましたのが中山作品らしいファンサービスです。

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2018/07/05

『翼がなくても』 中山七里

『切り裂きジャックの告白』に登場する犬養刑事と、『贖罪の奏鳴曲』から始まる大好きシリーズ御子柴弁護士がvsすると聞いて楽しみにしていた本作。でも、メインはそこじゃなかった。事故により片足を失った女性アスリートが新しい翼を掴みとる物語。

(ここからネタバレします)沙良が幼馴染の死によってよってもたらされたお金を使うことに抵抗を感じていなかったとは思わないし、意図的に描写されていないのだとわかるのだけれど、ポンポンと義足を買い替えていく様はやはり非情に見えます。最後の告白だけでは足りない。とことん絶望したことはわかります。パラの世界に希望を見出したことも。その希望に縋りつくしかなかったことも。それでもデビッドに対する脅迫まがいの態度や、フォーム改造を断行した描写から伝わってくるのが「狂気」なんですよね。彼女の未来に待っているのが幸せだと良いのだけれど。

一日かからずに読みきるほど物語として楽しく読みました。犬養と御子柴の共演は嬉しかった…けど、もっと激突しても良いのよ。またふたりが対決する日を待っています。

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2017/07/27

『ヒポクラテスの誓い』 中山七里

大好き法医学教室モノの連作短編集。北川景子でドラマ化したようですね。光崎教授に柴田恭平はイメージよりかなり渋い。

真琴の成長物語として読むも良し、連作短編らしく通しのどんでん返しを楽しむも良し。(ここからネタバレします)個人的には津久場先生への思い入れが少なかったので登場人物ほど驚けなかった印象。まさかあの人が…とさせたいならもう少し津久場先生の出番があっても良かったのも。もっと善人感強めで良かった。でも変に教室外の人を絡ませるとまとまりが悪くなりそうですね。ちなみにドラマでは古谷一行が演じている模様。うーん、ちょっと悪そう(笑)

個人的ベストは「母と娘」でしょうか。代理~はまたか…という感じですが作中に流れる薄暗い空気が好きです。

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2017/01/08

『七色の毒 刑事犬養隼人』 中山七里


『切り裂きジャックの告白』に続く刑事犬養隼人シリーズ第2弾。収録されている作品(毒)の数は7。

中山作品らしいどんでん返しは短編でも健在。7つもあれば飽きる人もいそうですが、私はこういう展開大好きなので大満足です。

個人的ベストは「黄色いリボン」でしょうか。犬養が犯人ではない人物に真相を語るという意味で異色であることと、単純に自分の読みが当たったので(笑)

「黒いハト」も好きですね。その悪意に擁護する隙がなく、ただただ残酷なところが良いです。

「白い原稿」はそんなこと書いちゃっていいのか…と思いましたが、某出版社と付き合う気がないならいいのか。収録されている作品の中では一番の問題作だと思います。

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