■有川浩

2016/05/06

『シアター!2』 有川浩


『シアター!』
からの流れで読みました。このまま『シアター!3』も読みたいところですが(ry

前作が劇団の話だとするならば、2は劇団員のお話。シアターフラッグのメンバーひとりひとりにスポットを当てて各人を掘り下げているわけですが…やっぱり絡んできますよね恋愛。だって有川浩だもの。

司も入れて11人の小劇団で複数の恋愛が進行していることを「らしい」と頷くべきか「多すぎるだろ」と突っ込むべきか悩むところですが、個人的にはゆかりと小宮山のetude:03が好みです。あれはいい。小宮山が男前すぎる。

そして前作では千歳を天女のように扱っていた巧ですが、すっかり牧子にお熱の様子。いや、牧子の頑張りが報われた以外の何物でもないわけですが。兄弟の三角関係も読みたかったような残念なような。

ただ、私としては『シアター!』シリーズに恋愛要素はそれほど求めていないのです。あくまでも七転び八起きしながら借金返済のため一致団結していくサクセスストーリーだと思っているので。十分に射程圏内(返済可能)だけれど予期せぬ問題が起こったら…というフラグがビンビンに立ったまま以下続刊!して早5年。『シアター!3』が読みたいです。

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2016/05/03

『シアター!』 有川浩

今年の重点目標である既読未レビュー作品の再読です。本当は『シアター3』が出て、完結してから再読したかったんですけどね。

借金の肩代わりの条件として小劇団「シアターフラッグ」が呑んだのは2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。 できない場合は劇団を潰せという約束。この過酷かつ無謀なチェレンジに個性的で魅力的なキャラクタたちが挑むサクセスストーリー。

春川兄弟と千歳の三角関係もうっすらありますが、やはりサクセスストーリーと紹介するのが妥当でしょうね。兄あるいは親になった気持ちで素直に彼らを応援したい。個人的には冒頭、小学生巧がようやく淘汰されない道へと歩き出したあたりの描写(司目線)が涙腺決壊ポイントなんですが早すぎでしょうか。

千秋楽の事故は残念でしたが、単純なサクセスストーリーも簡単には終わらせてくれないところが有川浩でしょうか。そして、本当に簡単には終わってない…完結編のシアター3はいつ読めますか?2も読めば3も読みたくなるのが必定!でもこの世に存在しない!ジレンマですがもちろんこの流れで2も読みます。

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2014/11/06

『旅猫リポート』 有川浩

恋愛ものじゃない有川浩なんて、とこれまで食指が動かなかった一冊。

結果、号泣。

ノリコおばさんの頼みごと、あのシーンでぽろぽろ涙がこぼれました。泣くまいと思っていたのに。

悟の3組の友人たち、彼らが語る昔話も良かった。個人的にはスギ&チカコの…というかスギの屈折した感情がわかりすぎて痛い。『ヒア・カムズ・ザ・サン』の父親に感じた痛さと同じかな。最近の有川作品の裏テーマなのでしょうか。

とりあえず、読了後に猫を撫でたくなる一冊。猫は良い。

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2014/02/17

『ヒア・カムズ・ザ・サン』 有川浩

物に宿った想いを視ることのできる男、そんな大まかなあらすじ一つから生まれたふたつの物語。

個人的にはParallelの方が好きかな。父親の痛々しさが刺さる刺さる。昨日読んだばかりの『三匹のおっさん ふたたび』ではリアルすぎてちょっと…みたいなことを書きましたが、それは求めているものが違うってだけで、痛々しいものを痛々しく、ままならないものをままならないまま、正面から相手取る有川作品の男らしさが好きです。

それにしても真也のこの能力でもう少し作品が書けそうですよね。シリーズ化に期待。

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2014/02/16

『三匹のおっさん ふたたび』 有川浩

ドラマ観てます。ノリのキャスティングした人はわかってます、最高です。

そんな『三匹のおっさん ふたたび』は前作に比べると痛快さに欠けるというか、もやもやが残るというか、正直期待したものと違います。

増しているリアリティの所為だと思うのですが。対岸の火事じゃない、いつ我が身に降りかかって来てもおかしくない(ご近所)トラブル…なんだけれど、私がこのシリーズに求めているのはそこじゃなくて、やっぱり爽快・痛快な勧善懲悪なんですよね。

物語の中でくらいスカッとしたい、させて欲しい。そんな願いを込めつつ『三匹のおっさん 三たび(?)』があることを期待します。

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2014/02/02

『県庁おもてなし課』 有川浩

もちろん映画は観ていませんが、高知を堪能するのなら映画より実地で!とおもてなし課のふたりなら言ってくれるのではないかと思う『県庁おもてなし課』。かなりのボリュームですがあっという間に読了。

有川作品の中でも恋愛成分薄め、あくまでもおもてなし課の思考錯誤がメイン。サクセスストーリーと書かなかったのは、彼らのおもてなしはまだまだ始まったばかりだから。東京オリンピック誘致ですっかり有名になった「お・も・て・な・し」のフレーズですが、「おもてなしマインド」って素敵ですね。友人を自宅に呼ぶとき、掃除をしたり美味しいものを用意したり…そんな気持ちを思い出して、裏返して、自分がその「おもてなしマインド」を受け取ったら嬉しいなあと思ったところで、おもてなし課のふたりにまんまと嵌められているなあと思いました。

高知に行く機会があるかどうかは微妙ですが、もしその機会があれば絶対にパラグライダーはやります。あのシーン、掛水くんが見た景色が思い浮かぶようでしたが…思い浮かんだその景色より、実物はもっともっと素敵なのでしょう。やりたい。心が弾みます。

うん、すっかりおもてなしされてしまったようです。

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2013/07/29

『フリーター、家を買う』 有川浩


ドラマは観ていなかったのですが、フリーターが財テクして夢のマイホームゲットだぜ!というサクセスストーリーだろうなと思い込んでいたら、母が鬱になりましてという重たいお話だった本作。

3か月で会社を辞め、働くということからも母親からも家族からも逃げて目を背けていた主人公がまっとうな人生を歩もうと努力する物語。その点からサクセスストーリーというのは間違いではないのだけれど、サクセスの度合いが身の丈にあった…というと感じが悪いけれども、彼の辿り着いた場所は「人並み」なんですよね。

でも、この「人並み」って決して悪いことではなくて、笑えなくなった母親を「人並み」にすること=新天地に引っ越すこと=家を買うこと、ができて彼は充分に満足だったはず。父親との確執…というか、プライドがエベレストな難しい父親とかその父親とうまくやれない主人公とかリアルすぎて有川浩すげー!って感じなんですが、とにもかくにも家族とは何かを考えさせられる一冊。

だから、有川作品おなじみのラブが薄い…というか、取って付けた感があるのはご愛嬌ということで。ラブがなくても充分に魅力的なお話です。

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2013/07/15

『三匹のおっさん』 有川浩

このタイトル、この表紙でゲロ甘なラヴストーリーだったらどうしようと思っておりましたが、このタイトル、この表紙から想像するままの勧善懲悪、痛快活劇ものでした『三匹のおっさん』。

剣道家、柔道家、頭脳派の参謀にして最大の危険人物という三匹のおっさんがご近所で起こるトラブルを解決してまわるというのがメインの物語ですが、そこに家族愛あり、甘酸っぱい青春あり、胸糞悪い虐待あり…と飽きさせません。そして、おっさんたちの魅力的なことと言ったら!これまでの有川作品に登場したおっさんもみな魅力的でしたが、今回のおっさんたちは少し毛色が違うのですよね。格好良いだけじゃなく、愛嬌もあり、アカンところもあり。

個人的にもっとも好きなシーンは「則夫・エレクトリカルパレーーーーードッ!」ですね。文庫版に添えられているイラストがまた(笑)シーンとしては笑えないシーンかもしれないけれど、あの場面でああいうことが言えるおっさんが素敵です。

そして若人たちの恋も。おっさん同士が仲良しだと別れたとき大変…とか思わないでもないですが、そんな懸念を吹き飛ばすくらい良い関係をふたりには築いて欲しいものです。あ、でも、ふたりが喧嘩してそこにおっさんが絡んでくる話も読んでみたいかも。夫婦喧嘩は犬も食わないんですけどね。まぁ、ふたりは夫婦じゃないし、おっさんも犬じゃないのでアリでしょう。

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2013/07/12

『ストーリー・セラー』 有川浩

Story Seller=物語を売る人、書く人、小説家が死と向き合うふたつの物語が収録されているのが本作『ストーリー・セラー』。

物語はSideAとSideBに分けられていて、SideAについては小説新潮別冊『Story Seller』にて発表、SideBはAに合わせて書き下ろされたものですが…

私、このお話が少し苦手。

物語の一部として死を扱ったものはこれまでの有川作品のなかにもちろんあったと思うのだけれど(記憶にあるものだけでも『塩の街』『海の底』、っていうか自衛隊3部作はどれも誰かがなくなってますよね)これまでのどの作品よりも死のにおいが色濃いというか…ここまで真正面から「死」について書かれたのは有川作品では初めてではないかと。そして本作は、有川作品に求めているのがゲロ甘な恋愛模様である私としては読むのがつらいのです。

もし、収録されているふたつの作品を、「死」を切り取ったところで比べるのならSideBの方が好きかな。お世辞抜き、ストレートに自分の作品を好きだと言ってもらえて舞いあがってしまった私の感情変化がとても微笑ましかった。そして、そんな微笑ましいところからの「死」はやはりつらいものなのです。

有川作品の異色作、私はそう思います。

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2013/03/09

『ゆず、香る』 有川浩


本作は何年か前にドラッグストアで購入したもので、30ページほどの文庫本と入浴剤がセットになった企画商品。有川浩の他に森見とかあさのあつこもラインナップされていたのだけど、第2弾にお目にかかれなかったことを考えると売れなかったのだろう。コンセプトは悪くないと思うのだけれど、期待に沿ってお風呂で読んだ人は果たしてどれくらいいるのかっていうね。ちなみに私は炬燵。

描かれるはゆずのように甘酸っぱい恋物語。有川氏の本領発揮というところですが、なんせ30ページと薄いのでちょっと物足りないかも。でも、なぜか、炬燵で読んだのに鼻腔にはゆずの清々しい香りが届いたのだから不思議。昨日読んだばかりの初野晴『初恋ソムリエ』じゃないですが、記憶を呼び起こすのに香りが重要なファクターになることを思うと、今後ゆずの香りを嗅いだときにはこの作品のことを思い出すのかもしれません。

作中の彼女がこれから、ゆずの香りを嗅ぐたびに故郷だけじゃなく…彼のことも思い出してはしあわせな気持ちになるように。

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