■北山猛邦

2018/10/31

『ダンガンロンパ霧切6』 北山猛邦

ダンガンロンパ霧切シリーズ第6弾。

前回までの状況を把握する(思い出す)のに相応の時間が必要なのであらすじが欲しい。描かれているゲームの数は3つ。2件目、北山流そして誰もいなくなっただ読めるかと思ったらあっという間にゲームが終了してしまった…。さらっと明かされた解決によるとかなり大掛かりな物理トリックが用意されていたようなので、いつかスピンオフとして是非。ゼロクラスの探偵の力が見てみたい。

遊園地を舞台にしたゲームは読みごたえあり、とても楽しめた。胸糞悪いTAC50の描写は必要なのだろうか。でも、伏線になってるからなあ…。あと、トリック直結の挿絵(イラスト)があるので、読む前にパラパラしてみるのはNGです。あの銃撃方法は個人的にどうかと思うけれど。

(ここからネタバレしてます)ゲームには負けてしまったので、結たちが手に入れたには近道切符ではなく参加賞でしたね。まだまだ続くぞという強い意志を感じます。嬉しいけれど、序盤から楽しむためにどうかあらすじと登場人物紹介のページをお願いします。

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2018/10/07

『『アリス・ミラー城』殺人事件』 北山猛邦


(全面的にネタバレしています)
再読。私は叙述トリックが大好きで、大抵の作品は前のめりで絶賛するのですが、この作品はアンフェアだと考えています。

作者のやりたいことはわかります。アリスという人物がいないものと(読者に)誤認させる。一部ではその思惑は成功していると言えます。でも、やはり違和感のある部分が多すぎる。

窓端が殺された事件で、海上が「事件現場でアリスを見た」という重要な発言をしているのに皆が皆、それどころか海上自身もそれを無視する合理的な説明が欲しい。海上がすっかり発狂しており、その発言に信憑性がないという主張はわかります。であるならば、登場人物の誰かにその旨を発言させる必要があると思うのです。なぜ海上の発言を重要視しないのか、推理として除外するのか、彼らが作中で探偵を名乗っている以上はそれをしなくてはならないと私は考えるのですがいかがでしょう。

また、ラスト直前で无多&入瀬と古加持が4つの駒が並んだチェス盤の前で話すシーンがあり、兵卒から女王になった駒が入瀬だと指摘するシーンがあります。その指摘をした上で尚、古加持は无多&入瀬が犯人であると疑い怪我を負わせます。ここでも強い違和感が。疑心暗鬼になるのはわかります。でも、目の前のふたりよりも先に疑う人物がいるでしょう。チェス盤を仲良く移動していたふたつの駒が无多&入瀬だと思っているならば、自分が犯人ではないと知っているならば、もうひとり姿の見えない(死体も発見されていない)アリスが黒の駒=犯人である可能性を一言も指摘しないのはおかしい。

登場人物たちが徹底的にアリスを無視しているようにしか見えない。親友であるはずのルディがアリスの無事を一度も願わないのも変です。きっと彼らも考えていなかったわけではないと思うのです。その思考が作者によって意図的に削除されただけで。でも、それをしたことによって彼らが無能な探偵に見える。それがとても残念です。

残念ながらこの叙述トリックは強引すぎて、私は引き込まれませんでした。その反面、密室の作成方法や斧の振りおろしなど、物理の北山らしいトリックのためのトリックにはワクワクしてしました。

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2017/08/12

『ダンガンロンパ霧切 5』 北山猛邦

大好きダンガンロンパ霧切シリーズ第5弾。4巻のレビューで残りの3つの事件+霧切のピンチ+組織(龍造寺月下)との対決を次巻1冊で書ききるのは難しそうと書いたのですが、しっかり書ききってくれました。ちょっと小粒でしたが。

一番大きな扱いは主人公である結の事件。久しぶりに“物理の北山”を思い出して嬉しくなりました。かなり大掛かりなトリックですが見取り図のおかげで推理しやすい。難易度は低め。それよりもBARと博物館のトリックが蓋然性に乏しすぎやしませんかね。成功する確率の方が低いと思うのですがいったいいくらのトリックだったんだろう。

霧切のピンチと龍造寺との対決はあっさり終わってしまいましたね。リコルヌ有能すぎ…るので敵にまわるのは勘弁してください。4、5巻での暗躍はルールを守ろうと思ってとの談ですが、その様子から6つどころか12全部をひとりで解決できただろうリコに霧切&結だけで対峙するのは心許無さすぎますね。不比等おじいちゃんに期待。

あと2巻くらいで終わりでしょうか。早く読みたい。早く読まないとこれまでの物語を忘れてしまう(笑)今回、協力してくれている探偵たちのパーソナルな部分と状況がすっかり頭から抜けてしまっていてかなり困ったので、次巻からはあらすじかキャラクタ一覧があると本当に助かります。これから読む方は3~5巻一気読み推奨です。

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2016/07/10

『ダンガンロンパ霧切4』 北山猛邦

本格×ダンガンロンパの煽りは伊達じゃない。よくぞここまでダンガンロンパな世界観を壊さずにスピンオフが書けるものかと感心します。発売のたびに北山氏の株がぐんぐん上がるダンガンロンパ霧切、第4弾です。

1、2巻はまだ単独で読めましたが、3巻からはもう完全に続きものですね。組織から届いた12の挑戦状。うち6件は3巻で(ほぼ知らぬうちに)解決。残り6件を6人の仲間で分担します。そう、仲間が増えました。正直、前巻(武田幽霊屋敷の事件)の内容をほとんど覚えていないので3人の探偵が現れた時には「??????」だったわけですが、それでも読めます。大丈夫です。

そして、今回解決された事件は2つ。そのどちらも難易度は高くないです。そう、高くないんです。私にもわかったくらいですし。でも、霧切が向かった双生児能力開発研究所事件のコストは5億超なんですよね。ここの部分のハッタリが実にうまいです。敵が霧切&結のふたりだけなら犯人の目論見はうまくいったに違いない…かな?ふたりだけでも諦めなかったとは思いますが。

それにしてもラスト。果たしてどうなっちゃうんでしょうか。彼女の生存は疑ってませんが、どうピンチを切り抜けるのか…楽しみです。

そして、どうにも読めないリコルヌの思惑。ただでさえ、残りの3つの事件(リコルヌの分はおそらく描写もされずに終了したのでしょう)+霧切のピンチ+組織(龍造寺月下)との対決を次巻1冊で書ききるのは難しそうなのにリコルヌの件までとなると…あと3巻は必要でしょうか。まだまだ続くのは嬉しいけれど、待つのはつらい。おもしろいだけにつらい。贅沢な悩みです。

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2016/02/08

『オルゴーリェンヌ』 北山猛邦

2016年本ミス10位、このミス4位。『少年検閲官』の続編です。

最高でした

ああ、おもしろかった。作中、ミステリの存在意義を問うていたエノに、こういう素晴らしい作品があるからミステリ読みはやめられないんだと力説したい1冊。

難点は世界観が独特で馴染むのにかなりの時間を要することでしょうか。2段組み381頁の本作ですが、第三章終了(258頁)くらいまで戸惑っていた記憶があります。挫折する人も多かろう。でも、第四章から始まる怒涛の推理合戦が素晴らしいので、どうかもう少し頑張って。3つの殺人事件×3人の推理が読める後半はあっという間です。うち2人の推理はもちろん真実ではないので、かなり強引だったり、それはないわーってものもあります。でも、あくまでも前座だから!

私は最後の最後まで犯人わかりませんでした。意外な犯人なんだろうなとは思っていましたが。なにせ『犯人』のガジェット登場してますから。これで意外な人物が犯人じゃなかったら嘘です。でも、

ここまで意外な犯人だとは…!

ちょっと鳥肌立ちました。いいミステリと読んだときに得られる快感ってやつです。まさかあんなところに伏線が貼ってあったとは。世界観の理解が苦痛な前半、でもしっかり読んでおいて欲しい。まさかの展開です。とりあえず、前作『少年検閲官』から読むことを強くお薦めします。

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2015/08/14

『ダンガンロンパ霧切3』 北山猛邦

世界観の説明が不要なので物語が実にスムーズ。でも、それがまた物足りなかったりもするシリーズ第3弾。

結の元に現れたトリプルゼロ。結と自分はよく似ているという彼が差し出したのは白と黒、ふたつの封筒。白は委員会への招待状、黒は委員会からの挑戦状。結が手にしたのはもちろん黒。そして始まった12の挑戦、12の密室。1週間以内にすべての挑戦を退ける為に仲間を増やすことにした結と霧切さんの元に行方不明のトリプルゼロ、御鏡霊の情報がもたらされて…?な1冊。

表紙から察することも可能かと思われますが(ネタバレします)

まさかの
ショタ

ですよ。嬉しい限りです。それでも充分
御鏡くんはぶっ飛んでいてトリプルゼロは伊達じゃないってところを魅せつけてくれますので安心してください。まあ、あくまでこれはダンガンロンパ霧切なので、霧切さんに全ての事件を解決して欲しかった気もしますが、まだ彼女はそのレベルではないのでしょう。もちろん、彼女の謎解きだって鮮やかなものでしたよ。

それにしてもこのシリーズ、風呂敷広げ過ぎじゃないですかね。いや、とても楽しませてもらっているのですが。北山作品ナンバー1のシリーズだと思ってますが。それでも、委員会が中学生の霧切さんに倒せる敵に思えないんだよなあ。ダブルゼロクラスの探偵をボスにした中小組織ってことにして、「ふふふ、委員会がやられたようだな。しかし、あいつはダブルゼロクラスの中でも最弱」みたいなことをトリプルゼロに言わせて幕を閉じるみたいな終わりで良かったのではないでしょうか。だって、霧切さんまだ中学生よ?

とりあえず第4弾が楽しみ。あと、ダンロン×佐藤友哉ってなんですか!?

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2015/03/26

『ダンガンロンパ霧切2』 北山猛邦

『ダンガンロンパ霧切1』シリーズ続編。前作を北山作品のベストかもしれないとほめちぎったわけですが、本作も実におもしろかった。

謎解き部分はまあいいとして(13億の謎じゃない。現金10億が足枷になっちゃってるのが残念)ダンガンロンパ×ライアーゲームを思わせる探偵オークションが良い。ここからネタバレしますが、敵対するふたつのグループ、その資金額がイコールになってからの駆け引き、全額投入して万事休すかと思いきやどこから出てきたその100万円という実によく練られたライアーゲームに天晴です。

個人的にはダブルゼロのクズっぷりがたまらない。探偵は別に正義でなくて良いんですよ。そんなのは幻想です。探偵の在り方は探偵の数だけある。そんな絶望的な世界で霧切響子がどう成長し、どう組織に迫っていくかが本シリーズの読みどころですよね。

飽きさせることなく読み続けた2時間。表にでてきた黒幕。これからの展開がたのしみです。

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2015/02/05

『ダンガンロンパ霧切1』 北山猛邦 

大好きなダンガンロンパ、超高校級の探偵である霧切響子の中学生時代を描いた作品。

おもしろかった!!!

これまで私の北山ベストは『瑠璃城』なのですが、それを塗り替えたかもしれない。いや、どっちも好きですが。

とりあえず、探偵図書館と分類コードというどこか清涼院流水氏のJDCシリーズを思わせる設定がツボ。これだけであと100ページくらい書いて欲しいくらい好き。ゼロクラスの探偵はやく出てきてカモーン。

肝心のミステリも短い(実質、謎解きに関係したページって50ページくらいだったのはないかと推察)ですが、まとまっていて良いです。死体がバラバラだった時点でかの有名な『占星術殺人事件』を思い出したのは私だけではないはず。あらためて『占星術殺人事件』は偉大。本作とは関係ありませんが御手洗シリーズがドラマ化しますね。玉木宏と堂本光一とかぶっ飛んでますねとても楽しみです。

タイトルの通り『1』なので続きものですが、殺人事件の謎はしっかりと解決してくれたので安心。そして『2』に続くラスト、現れたダブルゼロ探偵。13億の謎。わくわくが止まりません。どうかこのクオリティのままでシリーズを続けて欲しいものです。霧切のキャラクタも違和感なく描かれていて、北山氏のこと見直しました。

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2013/03/11

『踊るジョーカー』 北山猛邦

引きこもりのニートだけれど推理力抜群の名探偵。坂木司を連想せずにはおれない設定の音野順シリーズ『踊るジョーカー』が本日のレビュー作。

収録されている謎は五つ。人が死ぬお話もそうでないお話もあるけれど、とりあえず「物理の北山」らしさはあまり見られないかな。表紙を飾る片山若子の柔らかい世界観がまさにぴったりの一冊で、推理の過程を楽しむといった読み方は相応しくないかも。

それならば、音野とその助手・白瀬の関係とか音野の内側=犯罪に対するスタンスやそれを解決できる自分の力をどう考えているのか…なんてのを読み解いて楽しもうかと思ったのだけれど。もしかしたら本人も考えていないのか気付いていないのか、あまり描写はない。それでも、流されているようにしか見えない音野が謎だったり犯罪だったりに真摯に向き合っていて、自分のできることをやろうとする優しい子だということはしっかり伝わってきました。

さて、この引きこもり二―ト探偵の未来は果たしてどんなものなのか、社会復帰(?)はできるのか、シリーズ続刊に期待です。

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2013/02/02

『猫柳十一弦の後悔』 北山猛邦


探偵という職業にステイタスがあり、大学に探偵助手学部なんて学部が存在する素敵世界が舞台の「猫柳十一弦シリーズ」を読みました。

北山氏と言えば「物理の北山」と呼ばれるほどの物理トリックフリーク(?)ですが、今回の…と言うかこの猫柳十一弦シリーズにおいて物理トリックは必要ありません。なんせ、この猫柳探偵、犯罪を○○○○○タイプの名探偵だから…ってことでネタバレ回避の伏字にしてみましたが意味あるでしょうか?

個人的な感想としては「とても中途半端な一冊」だと思っていて、驚くような物理トリックもなく、見立ても微妙、伏字にした猫柳探偵の特性も今回破られているし、レビュー冒頭に紹介した素敵な世界観の紹介も薄ければ全体的に文章(描写)も薄い…とあまり好印象ではなかったりします。せめてどの部分かに重点が置いてあれば少し違った印象になったかもしれませんが…もう、ラストで仄めかしてくれた恋愛描写が厚いのでも良いと思ったくらいです。っていうか、もっとわかり易く仄めかしてくれて良かったのにね。

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