●歴史モノ

2008年11月19日 (水)

『タイムスリップ明治維新』 鯨統一郎

タイムスリップ明治維新 (講談社文庫) Book タイムスリップ明治維新 (講談社文庫)

著者:鯨 統一郎
販売元:講談社
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1860年にタイムスリップしてしまった女子高生・うらら

うららが現代に帰る方法は唯一つ

明治維新を成立させること

『タイムスリップ森鴎外』を読むことなしにいきなり読んでみました『タイムスリップ明治維新』…まさかキャラクタ引継ぎのシリーズモノだったとは。でも大丈夫、この時代は私のストライクゾーンだから♥(なにが大丈夫なのかさっぱりわからん)

「新撰組が好き♥」とか言うともう腐女子丸出し、似非歴史スキーだと罵られても好きなんだもんしょうがないじゃんと開き直り。まぁ、本作は主題が明治維新なので新撰組は脇役扱いせざるを得ないのですが。歴史を正しに行ったのに、新撰組(幕府)勝たせちゃったらどうしょうもない。

というわけで、1860年から明治維新が成るまでの8年間を駆け抜ける1冊。なので、もちろん内容は薄いです。要所要所は押さえてありますけれども。しかし、本作のメインテーマ「明治維新の黒幕は誰なのか」でございますが…『邪馬台国はどこですか?』の宣伝じゃないですか!?いや、コロコロと自説を変えても困るのですが。それにしたって(苦笑)

でも、歴史の本流支流の概念やヒストローム値なんかはなかなか練りこまれていて面白かったです。リンカーンが日本にやってきたりするとだだ上がりするヒストローム値。なんかもう10超えててもおかしくないじゃないかと思ったり思わなかったり。

明治維新って何ね?教科書なんてロッカーロッカー。なにこのミミズ文字下手くそ!という方は是非本作で楽しく歴史を学んでいただけたら。歴史は楽しむのが一番。某高田氏のQEDはどうも読めんという方はこちらを。

本作を読んで中村半次郎の高感度だけが妙に上がったことだけ、ここに記しておきます。

2007年4月14日 (土)

『信長の棺』 加藤廣

信長の棺 Book 信長の棺

著者:加藤 廣
販売元:日本経済新聞社
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1582年、明智光秀の謀反によって、本能寺で倒れた織田信長。

焼失した本能寺から信長の遺体は見つかることなく。

消失した遺体の謎に挑むのは、太田牛一。

前首相が絶賛したことで知られる『信長の棺』。その話題性のため図書館で入手することが難しく、戦国スキーの私もすっかり忘れておりました一作です。本作は歴史とミステリの融合という形でも話題となりましたので、今回のレビューはミステリ読者視点で挑戦してみましょうか。

『信長公記』の著者として知られる太田牛一が『信長記』執筆を決意し、信長の一生を追い求めてゆくうちに、信長遺体消失の謎に取り付かれてゆく…というストーリー。謎に取り組むきっかけとしては上々。

その謎解きの過程に登場するのが、謀反の知らせを受け、奇跡的とも云える中国大返しをみせ、信長の後継者として全国統一を果たした豊臣秀吉。死期が刻々と近づく秀吉と、その周囲に蔓延する不穏な空気。牛一の執筆した『信長記』にあれやこれやと注文を出し、桶狭間での合戦を記した箇所では異常なまでの反応を示した秀吉に、秘密を見て取った牛一。

秘密があることを知ってしまったら、暴かずにはいられないのが探偵の心情。秀吉の秘密と、突然自分の元へと送り込まれてきた飯炊き女・沙耶の秘密が交差するとき、新たに開かれた真相への道。そして見つけた“秘密を知る者”。かの者に出逢ったとき、牛一が16年追い求めた本能寺の変の真相と、信長の遺体の行方が明かされる…。

という物語。そうねぇ、ミステリ読者視点から突っ込ませていただくと、推理っちゅー推理してないやんか!でしょうか。秘密を解き明かす過程がほとんど伝聞だし、秘密を知る者に矢の如く突き刺さる指摘をして口を割らせるのかと思いきや、拷問的行為、あるいは牛一の人となりに相手が感動して勝手に喋りだす…ってな寸法だし。あれ?自動自白装置か牛一って?

そして、推理の材料となる“光秀、謀反の動機”“秀吉、中国大返しの謎”“本能寺の隠し通路”の全てが自明の事実だということ!目新しいことないじゃないですか!?本作のメインの謎が“遺体の行方=埋葬場所”だとは云え、そんなこと本気で知りたがっている読者はそう多くないはず…殆どがあの本能寺の変の裏にあった新事実を知りたい読者ではないでしょうか?本作で明らかにされた埋葬場所は真実であったとしても、いまからそれを掘り起こそうってな人は居ないに違いない。たぶんきっともう無いし。

まぁ、学術書でなく、小説で新事実を知りたい…だなんて、なまぐさかつ横着者な私が悪いんですけれども。でも、やっぱり戦国は良いなぁ、愉しいなぁ。戦国無双と戦国BASARAの再プレイがしたくなってしまいました。その前に到着ほやほやの逆転裁判に手を付けちゃうんですけれどね!

というわけで、明日から当ブロ愚はミステリブロ愚から逆転裁判プレイ日記ブロ愚に生れ変わります。ご容赦ください。

2006年10月 7日 (土)

『新選組血風録』 司馬遼太郎

新選組血風録 Book 新選組血風録

著者:司馬 遼太郎
販売元:中央公論新社
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幕末の世を生きた新撰組隊士たちを描く15の短編集。

現在、脳が読書仕様でない為、読了にえらい時間がかかりました『新選組血風録』。『血風録』は初読ではないのですが、やはり名の知れない平隊士の話は印象に残り辛く、半分くらいは初読の気持ちで読めました。やっぱり沖田とか斎藤の話が読みたいお年頃。

お年頃といえば、沖田は労咳のため25歳で没したと伝えられておりますので、私はもうすぐ沖田の生きた年月を追い越そうとしているのですか。甲子園で活躍する高校球児たちが年下になってゆくのと同じ感傷が沸き起こってまいりますね。『血風録』では沖田大喀血=池田屋となっているのですが、これには諸説あるので私は池田屋以後だと思っている口です。池田屋の時点で喀血するほど病が進んでいたとしたら、新撰組隊士としての沖田の剣技がこれほど有名になるとは思えないので。

この『血風録』に沖田並に登場するのが、監察方の山崎蒸。読書するときに私は文章を映像化して読むのですが、山崎蒸だけは「幕末恋華 新選組」の影響でなぜか女装しております…。この「幕末恋華 新選組」は主人公が新撰組に入隊し(女性として。ここが『風光る』との違い)有名隊士たちと恋愛関係になりつつ幕末の時代を生き抜く…というオタク女子のためのゲームなのですが(ここでもやっぱり斎藤一が一番好きでした。でも沖田役が愛しの石田彰さんだったんだよなぁ)このゲームの中で山崎蒸は見事な女装を(常に)披露するオカマとして登場しております。近藤といっしょに長州視察にまで出掛ける剣の達人でもあり、隊の要であった山崎蒸ですが、私の中であのイメージが先行してしまうとはなんとも不憫な。

全然『血風録』の話してませんね。『血風録』は新撰組史の中から部分部分を切り取って、平隊士の話にまで掘り下げて描かれているので、入門書としては適していないと思います。時代背景を理解していないと読めない(と思う)。それでも司馬遼太郎の描く新撰組作品として超有名(映画化された『御法度』の原作も収録。私、映画は実は観てない)ですので、手にとられた方はきっと多いと思います。『血風録』で楽しむべきなのは、新撰組の隊規がいかに厳しく、その隊規によって処罰された隊士がどれだけ多かったのか。その厳しい隊規を作り出した土方はどんな新撰組を求めていたのか。入門書的な作品では割愛されてしまう生の(もちろん創作作品なのですが)新撰組を読むのに適しているのが、この『血風録』だと思っております。

でもやっぱり、試衛館以来の仲間たちは厚い絆で結ばれていて欲しいと思う、オタク女子の私なのでした。

幕末恋華・新選組 Video Games 幕末恋華・新選組

販売元:D3PUBLISHER
発売日:2004/12/22
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2006年9月10日 (日)

『輪違屋糸里』 浅田次郎

輪違屋糸里 上 Book 輪違屋糸里 上

著者:浅田 次郎
販売元:文藝春秋
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文久3年9月18日、芹沢鴨暗殺。

この暗殺劇に潜んだ、女の物語があった。

『壬生義士伝』の浅田新撰組、再び登場。

はぁ、新撰組はやっぱり良いわぁ☆

『女信長』に続いての歴史モノです。個人的な歴史小説好き好き度は“新撰組>三国志>戦国時代”ですので、沖田や斎藤さんが登場するとなれば、それだけで満足だったりするのですが、さすが浅田次郎。そこいらの新撰組モノとは違います。

『壬生義士伝』は号泣に継ぐ号泣で、家族への思慕と男の世界を描き切りましたが、この『輪違屋糸里』は転じて新撰組に翻弄される女の世界を描いております。島原で芸を為す天神たちと、新撰組屯所として彼らを住まわす女将、そして云わずと知れたお梅。新撰組小説といえば、むさっくるしい男どもが遊女を誑かし弄ぶものと相場が決まっておりますが(決まって無い無い。断じて無い)この『輪違屋糸里』はどこまでもピュアです。

物語は新撰組の初期も初期、芹沢鴨暗殺までが描かれておりまして、新撰組全盛期の剣呑とした雰囲気とはまた違った趣があります。芹沢鴨はとにかく極悪非道な手の付けられない奴…というイメージが先行していたのですが、最近になって芹沢鴨像が大きく見直されてきているように思います。個人的にはあまり好きじゃないんですけれどね。ただ、お梅といっしょに死ぬことができたことだけは、不幸中の幸いだったといつだって思います。

そして、本作で大きくクローズアップされたのが永倉新八。新撰組が京に上った経緯や、人物相関図などはすべてこの永倉の視点で描かれます。この部分がまた丁寧で丁寧で。新撰組を全く知らない人でも、永倉の語りを読めば大よその新撰組初期像は掴めるのではないでしょうか。『風光る』の影響か、永倉と云えば原田・藤堂と並ぶ三馬鹿トリオのイメージなのですが(し、失礼…)Wikipediaから引用するならば「剣の腕は、一に永倉、二に沖田、三に斎藤一ともいわれた程だった」というのだから、驚きです。私の勝手なイメージだと“沖田>一之太刀が外れた斎藤>永倉”という感じなのですが。斎藤の一之太刀が決まったならば、最強は斎藤ということで。

そして、本作を語る上で外せないのは女性たち。島原の天神として登場する“おいと”がおぼこくて。土方みたいな百戦錬磨に本気で惚れちゃ駄目だYO!女癖の悪さも含めての土方なのですが、あんなおぼこい(=うぶな、くらいの意味です)娘を自分の策略のために騙くらかすなんて、非道な。浅田先生はそのあたりにもきちんと配慮されているのですが、それがフォローにしか読めない私は土方をどれだけ悪い奴だと思っているのでしょうか。いや、土方も好きなんです。近藤と組のためにどこまでも鬼であり続け、最後まで意志を貫き通した土方は好きなんですよ…。

あぁ、やっぱり新撰組は良いなぁ。新撰組ネタ妄想はどこまでも広がります。この度、新撰組カテゴリを作成したので、どんどん新撰組モノを再読してゆきましょうかね。あとは『風光る』のレビューもこのカテゴリで!

輪違屋糸里 下 Book 輪違屋糸里 下

著者:浅田 次郎
販売元:文藝春秋
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2006年9月 9日 (土)

『女信長』 佐藤賢一

女信長 Book 女信長

著者:佐藤 賢一
販売元:毎日新聞社
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大うつけと呼ばれながらも、天下への階段を着実に登っていった織田信長。

信長がそこまで大躍進した理由は唯一つ、“女”であったから。

直木賞作家・佐藤賢一が描く新しき織田信長像。

佐藤賢一氏は結構好きで、『王妃の離婚』とか『カルチェ・ラタン』なんかを読みふけった時期があります。佐藤賢一氏が『王妃の離婚』で描いた女性像なんかは、女性の本質を巧く突いていて感心したのですが、この『女信長』では巧く機能していないかも…。

信長は“女”だったからこそ、古きものをばっさりと切り捨て、新しきものを斬新に採用することができた。この発想はとても面白かったです。ならば、信長はとことん女であれば良かったのだと思う。女の武器である体を惜しげもなく差し出したかと思えば、女だからと馬鹿にするなと激昂する。この作品で描かれているのは“人間”なので、そう簡単に居直ることはできないって?それならば、天下にあそこまで近づくこともできなかったのではないでしょうか。読んでいて、常に中途半端な気持ちにさせられました。それが残念。

後半になると、“女”であることが利だったのではなく、“天命”があったからこそここまで大きくなることができたのだと信じる始末。“天命”がすべてなら、“女”であったことの意味が全くありませんよね。この人格の変遷も『女信長』のテーマだったのかしれませんが、私にはうまく馴染めませんでした。全然関係ないですが、“天命”=三国志に登場する人物たちが大好きな言葉という図式が私の中で出来上がっております。全然関係ないわね。

でも、基本的なストーリーは史実に即していて良かったです。パラレルであっても、史実は曲げて欲しくないというのが私の願い。史実に即して描くから、歴史小説のパラレルは難しいのであって、設定に合わせて史実まで曲げてしまったら、もうなんでもアリではないですか。まぁ、ラストの天海ネタはサービスとしても。ちなみに、私の戦国知識はおおよそが戦国無双から得た知識です。邪だな、おい。でも、『女信長』を読んでいて知らない言葉や出来事は無かったので、ストーリーに充分集中できて良かったですね。侮れません、戦国無双。

さて、ここからはかなり下世話な話になりますので、ご注意ください。

まずねぇ、信長の最初のお相手がマムシ(斉藤道三)だっていうんだから驚きです。しかも手管が素晴らしいですか…よ、読みたくねぇ。権六(柴田勝家)とも契っちゃうし(しかも一回きりなのに…権六って一途)、長政に至っては鬼畜プレイじゃないですか。しかも、かなりの鬼畜。戦国一の美男子・浅井長政は鬼畜プレイがお好きですか…。もう、あの鬼畜っぷりが頭から離れません。次に戦国無双をプレイするときに、長政を見て正気でいられるかどうか…。

あとはミッチー(明智光秀)ね。ある意味、ミッチーが主役とも云えるこの作品。私は個人的に信長はミッチーが嫌いで嫌いで仕方なかったのだと思っているので、あそこまで心酔されると困ってしまいます。あとはね、私の中でミッチーは長髪の麗人なもんで、金柑頭金柑頭と連呼されると、違和感がね…。

2006年6月28日 (水)

『風光る 20』

風光る 20 (20) Book 風光る 20 (20)

著者:渡辺 多恵子
販売元:小学館
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☆レビュー☆

新撰組についてこのブロ愚で書くのは意外にも初めてなんですねぇ。まじょ。はミステリフリークであり、新撰組フリークでもあったりします。今日は漸く手に入れた『風光る』20巻のレビューと新撰組についてupすることにいたします。

まずは『風光る』について。この『風光る』は父と兄の敵討ちのため、女子でありながら新撰組に入隊したおセイちゃんの成長と、沖田総司との恋物語を描いた少女漫画です。おセイちゃんが女子であることは沖田のみが知っており、なにかと気にかけているうちに…という少女漫画にありがちな設定なのですが、しっかりと史実に基づいたストーリー展開はちょっとした新撰組入門書としてオススメできるほど。もちろん、創作である以上、作者の史観による若干の相違はございますが…。

私はこの『風光る』に登場する斎藤一が大好きでね☆

『風光る』だけに限らず、新撰組隊士の中で一番好きなのが斎藤一です。『風光る』ではヒーローである沖田総司をイケメンに描かねばならず、その反動として超ファニーフェイスになってしまった斎藤一。残されているポトガラヒーを見る限り、かなり極悪な顔をされていたであろう斎藤一ですが、この『風光る』ではシリアスな場面もどうにも決まらないお顔です。それがまた良いんですけれど!ちなみに右サイドバーの“UNION”に納められている「どっきゅん同盟」は、『風光る』の斎藤一をこよなく愛する同盟です。お好きな方は是非クリック!!

発売されたばかりの20巻では、おセイちゃんへの恋心に漸く気付き始めた沖田総司が描かれておりますが、沖田の行く末を知っている未来の人間としては、なんとも切ない気持ちになります。沖田とおセイちゃんがどのような最期を迎えるのかは作者である渡辺多恵子氏しか知ることはできませんが、二人には必ず幸せになって欲しい。そうすると我等が一ちゃんは失恋してしまうことになるのですが…。でも、沖田の死を乗り越えた(このレビューを読んでいる方で、沖田の死を知らなかったという方は…いませんよね?)おセイちゃんの側に、その気持ちをしりつつ寄り添う一ちゃんという構図も良いな。ただ、藤田五郎としての史実があるから無理か…。

「flower」本誌では、女子であることで沖田に拒絶され、今にも死(出家)にそうなおセイちゃんですが、30日発売の最新号で沖田はどんな風に彼女への恋心を言葉するのでしょうか?今月号もふたりはバラバラっていうのは嫌よ。そして、セイが3番隊へ組替えされると意気揚々の一ちゃんはどうなるのか!一ちゃんの涙が見られると思うとうずうずしちゃう!(←やっぱりドSの私)

『風光る』以外の、新撰組を扱った作品でオススメなのは浅田次郎の『壬生義士伝』でしょうか。『壬生義士伝』に登場する斎藤一は正統派のかっこよさです。映画では佐藤浩市氏が斎藤一を演じましたが、年齢が全くといって良いほど一致していないことを棚上げするならば適役でございました。映画「壬生義士伝」で描かれている新撰組は、私の想像する新撰組にかなり近い。とにかくキャスティングが絶妙。大河「新選組!」では山南を演じた堺雅人氏が沖田総司を演じているのですが、ひらめ顔と伝えられる沖田は絶対あんな感じ。さらっと毒を吐く沖田を堺氏が好演されております。伊東甲子太郎のいかにも悪そうな感じ(『風光る』のかっしーにも通じるアンニュイに感じもあり)もばっちりだったし、まだご覧になられていない方は是非どうぞ。

壬生義士伝 DVD 壬生義士伝

販売元:松竹
発売日:2003/06/25
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私は新撰組のとっかかりが司馬遼太郎氏ではなかったせいか、司馬史観にはあまり染まっていないと自分では思っています。いろんな作品の好きなところを勝手に切り取って、まじょ。史観を創り上げて。たかだか150年前のことなのに、わからないことが沢山ある(龍馬暗殺の黒幕なんかは高田崇史氏の『QED 龍馬暗殺』を是非お読みください)のに、魅力を感じます。残されている史実と、想像で補うしかない部分のバランス加減が好きです。

いま一番望んでるのは、「無双」シリーズ(by光栄)で幕末をテーマにしたゲームがでること。「戦国無双」のミッチー(明智光秀を私は愛を込めてこう呼びます。ミッチーと。)の衣装チェンジが新撰組っぽくて、ずっと使っていたのが懐かしい。頼みます、光栄さん!!

2006年2月18日 (土)

『邪馬台国はどこですか?』 鯨統一郎

邪馬台国はどこですか? Book 邪馬台国はどこですか?

著者:鯨 統一郎
販売元:東京創元社
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バーのカウンターで展開される歴史バトル。

これまで明かされることのなかった真実がここに!?

この作品は宮田六郎という怪しげな歴史研究家がこれまで謎とされていた(あるいはされていなかった)歴史に爆弾を放り投げるというスタンスで描かれております。

この作品集で爆弾を投下される歴史テーマは「仏陀」「邪馬台国」「聖徳太子」「本能寺の変」「明治維新」「イエス・キリスト」の6点。

うーん、残念。

テーマはどれも魅力に富んでいて、興味をそそるのですが…。

この手の作品の傾向として、ちょっと知っている知識に爆弾を投下されるとうっかり真実だと思い込んでしまう、というものがあります。あるいは滑稽なものほど真実だと感じてしまう。

この作品はこのあたりを狙っているのかもしれません。

私は一応大学で史学を専攻していたので、若干多少歴史の知識を多く持ち合わせていますが、ちょっと頷けない爆弾がこの作品には多い。

確かに魅力的だし、歴史が本当にこの通りだったら面白いだろうなぁと思います(邪馬台国の○○説なんかは、案外いけると思います)し、事実は小説より奇なりなんて言葉もありますが、やっぱり頷けないんです。

それは、私が教科書より多少つっこんで歴史を学ぼうとしていたから。

つまり、頭がすっかり堅くなっているんですよ。突飛な意見を受け入れることができない。

上記の残念はそういった意味で。

話を少し戻すと、私が好んで読んでいる歴史ミステリシリーズに高田崇史氏の「QED」シリーズがあります。このシリーズは「記紀」で描かれる神話をベースにした歴史の謎が描かれるケースが多いのですが、この神話ベースの話になるとその神話自体が嘘臭いので、すっかり信じてしまうという傾向が現れます。

ちょっと知っている知識に爆弾を投下されると~のパターンに一番陥っているのは私かもしれませんね…。

今夜は戦国マニアの同居人とこの本をベースにした「本能寺の変」で議論を交わしてみようかな、と思います。

2006年2月 5日 (日)

『成吉思汗の秘密』 高木彬光

成吉思汗の秘密 新装版 Book 成吉思汗の秘密 新装版

著者:高木 彬光
販売元:光文社
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名探偵・神津恭介が源義経=成吉思汗を証明するべく、一人二役の大トリックに挑む!

歴史推理小説の傑作。

この『成吉思汗の秘密』について書かれた記事を、ここのところ立て続けに読んだので、なにかの運命だと思って手にしてみました。

うん、おもしろかった。

なぜか「この伝説知ってる」「この文献読んだことがある」と不思議に思っていたら、大学生のときに史学ゼミのレジュメのネタにならないかと思って調べたことがあるという、自分の過去にぶち当たりました。

大学生だったころなんて、まだそんなに昔の話じゃないのに…。

それだけに、この『成吉思汗の秘密』に書かれている内容が嘘八百ではない、信憑性のあるものだと確信できて面白かったです。

私自身としては、源義経≠成吉思汗だと考えていますが、この作品で描かれている通り決め手はないのです。考察する人によって結末はそれぞれ。この説のここまではとれるけど、ここからはちょっと…なんてね。

夢のある話ですね。

歴史推理ものは最近では『QED』シリーズがありますが、1959年という何十年も前から、こんなにも素晴らしい作品が書かれていたことを嬉しく思います。

「歴史なんて勉強する意味ない。」という言葉をよく聞きますが、私はこの言葉を聞くたびに悲しくなってしまうんです。私はただの歴史好きにしか過ぎませんが。

確かに意味はないかもしれません。でも、この作品のが取り上げているテーマのように、歴史にはまだ判明していない、判明するかどうかもわからない数々の謎が残っています。

これらの謎を解くことができるのは、私かもしれないし、貴方かもしれない。

意味のないことだとは言わずに、楽しんでみてはいかがでしょうか?

謎が解けたときには、きっとそこに隠された意味が浮かび上がってくるでしょう。きっとね。

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