『彼女は存在しない』 浦賀和宏
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彼女は存在しない (幻冬舎文庫) 著者:浦賀 和宏 |
私が彼女と向き合うたびに思い出すものは、
夕方の横浜駅と、オービタルの『ハルシオン』と、
貴治が演じたバズ・ライトイヤーだった。
私のオールタイムベスト10
にグイッと喰い込んでくる浦賀和宏『彼女は存在しない』が本日のメニューです。『時の鳥籠』と迷ったのですが、あの厚さのノベルス本を通勤のお供に据えるのはどうかと…でも『天帝のはしたなき果実』をノーカバーでお供に据えている男性と車輌を同じくしたことがあるな。あの男性の読書癖を聞いてみたい。
というわけで、奇才・浦賀和宏の本領発揮。安藤直樹シリーズは積極的にはお薦めしないけれど、この『彼女は存在しない』はもう積極的にお薦めしちゃう。
読め!読むべきだ!!
って、命令になってるからすみません。でも、そのくらいお薦めです。騙されたと思って騙されながら読んでください。作中のエログロは浦賀作品には必須なので、そこだけ眼を瞑ってくださると嬉しい。
ふたりの人物の視点を交互に切り替えて進む物語。いま5行くらいあらすじを書いたのですが、うっかりネタを割りそうになりました。ネタを割らずにレビューを書こうレビューを書こうとすればするほど、ネタを割っている罠。本作には『こわれもの』指定が必須です。とりあえず文庫版裏のあらすじを丸写ししよう。こんなこと、このブロ愚始まって以来だわ。
平凡だが幸せな生活を謳歌していた香奈子の日常は、恋人・貴治がある日突然、何者かに殺されたのを契機に狂い始める……。同じ頃、妹の度重なる異常行動を目撃し、多重人格の疑いを強めていた根本。次々と発生する凄惨な事件が香奈子と根本を結びつけていく。その出会いが意味したものはー。
バズ・ライトイヤーが物語の良いところでモノローグ的に登場するのが最高なんですよね。バズなのに綺麗。もの凄く綺麗。綺麗といえば表紙も。「なぜこんな陰湿な作品に、こんな爽やかな表紙を?」と最初は思っていて欲しい。最後まで読めばこの表紙の良さがわかるはず。
私はこの作品をミステリとは捉えていない節があって。いや、もうどこをどう切り取ってもミステリでしかないのだけれど…でも、私はいつも本作を恋愛小説だと思って読んでいる。既読の方からは「頭、大丈夫ですか~?」って聞かれてしまいそうだけれど(苦笑)主題は重いし、グロいし、救えないけれど、最後と表紙のあの爽やかさは異常だと思うんだ。
できれば、あまり頭を使わずに、流れに文章にまかせるままに読んでもらいたい作品。あと、登場する浦田先生は浦賀ではないと思って読んでもらいたい(笑)浦田先生、あの作品で新人賞って凄いね斬新だわ…
って、また知らないうちにネタ割ってる!?
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