■椹野道流

2016/05/16

『池魚の殃 鬼籍通覧』 椹野道流

何年かぶりの鬼籍通覧シリーズ。いつもレビューで(親愛を込めて)法医学教室オカルトファイルなんて呼んでますが、今回はオカルトじゃないよ!

オカルトじゃないけど殺人事件も起こってないよ!

法医学のメスが事件を解決に導く展開が好きなのですが、今回も法医学関係ないところで事件解決してしまいましたね。ミイラを解剖する展開は新しかったですが。それでも犯人に辿り着こうとするなかに法医学的アプローチがあったので満足です。

伊月とミチルが拉致監禁されるシーンからのスタートは手に汗にぎりました。なぜ犯人はそのような事件を起こしたのか。犯人と、その目的を探るホワイダニットですが(ネタバレします)

事件起こす必要ありましたかね?

ミチルに直接問いかけて彼女の存在を思い出してもらうのではダメだったのでしょうか?手が込んでいるだけでなく、犯罪を犯す必要があったとは到底思えない。ミチルに彼女の追体験をしてもらって何になるんだろう。責めたいわけでないのなら尚更。犯人の行動意図がわからず四章は???でした。それまでが良かっただけに残念です。

レビューを振り返ってみたところ『亡羊の嘆』のレビューが飛んでいるので近々に再読したいと思います。なんだか辛口レビューになってしまいましたが大好きなシリーズなので。新刊も待っています。

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2015/03/14

『ローウェル骨董店の事件簿 センチメンタル・ジュエリーの謎』 椹野道流

『ローウェル骨董店の事件簿』シリーズ第2弾。前作同様、まったく骨董店の事件簿ではないけれど、キャラクタ紹介にページを割かなくて良い分、ミステリ要素濃いめです。

デューイの元にセンチメンタル・ジュエリーを持ちこんだ男の死から始まる本作。今回もデリックがいい働きしましたが、検死官としてではなく名探偵っぽく推理してました。検死シーンも好きなのですこし残念ですが、デリックの発見やエミールの頑張りで謎がひとつひとつ解れていく様は丁寧で良かったです。

デリック中心のキャラ読みだと、今回はデューイとケイが中心で少し物足りない感じ。某女優さんとのやりとりはなかなか良かったけれど。親友になったというふたりですが、やっぱり色恋方向に振れてみませんか?

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2014/12/21

『ローウェル骨董店の事件簿』 椹野道流

タイトルに即した骨董品からの解決アプローチがもう少し読みたかったそんな一作。第一次世界大戦後のロンドン、ローウェル骨董店に持ち込まれるいわくつきの骨董品を中心に描かれるミステリかと思いきや、作者らしい法医学のアプローチ満載のミステリでした。

とりあえず、デリックめっちゃいい男!

久しぶりにキャラ読みがたのしい。女ったらしで甘えん坊(ブラコン)で心と顔に消せない傷を持っていて…書き出せば書き出すほど最強萌えキャラ。デリックのためにシリーズ続刊を読みと誓ったほど。これはたのしい。

正直、兄弟の仲違いや復縁には興味がないのですが()きっとふたりの仲は改善するに見せかけてしないというもどかしい道を辿るだろうと予想。ミステリの進行を妨げない程度に描いて欲しいと願うばかり。ミステリに関しては小粒ながらもまとまっていて好印象。この時代ならこういう動機もあり…なのか?明るくないのでわかりませんが。

改めて法医学ミステリいいなあ。最近は法医学ミステリと法廷ミステリが熱い。そんな印象です。

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2014/12/11

『名探偵だって恋をする』

タイトル詐欺甚だしいアンソロジー

名探偵が恋をした作品はひとつもありません。名探偵と恋という組み合わせに惹かれて読んだのに。ついでに言えば表紙のイラストっぽいお話もない。表紙詐欺だ。

そんな中で個人的ベストを上げるならば森晶麿氏の「花酔いロジック」でしょうか。まさかの甲類。

次点は相変わらずのまほろワールド全開の「消えたロザリオ」。ミステリよりもやはり世界観に引き込まれた感がありますが。『セーラー服と黙示録』シリーズですよね。気になっていたので早急に読みます。

収録作品に魅力は感じなかったけれど(まったく恋が絡んでこなかった驚き)椹野道流のローウェルシリーズも気になっていたので読みたい。恋が絡まなかったと言えば宮内悠介氏の「空蜘蛛」もファンタジーだと思えば悪くない。アンソロジーに収録されると意外と楽しめるタイプの作風か。

とりあえず、いますぐタイトルに沿ったアンソロジーを出してください。それが読みたい。

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2009/02/18

『禅定の弓』 椹野道流

禅定の弓 鬼籍通覧 (講談社ノベルズ) Book 禅定の弓 鬼籍通覧 (講談社ノベルズ)

著者:椹野 道流
販売元:講談社
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新人刑事・筧兼継が初めて任された事件…

動物連続殺害事件!?

でも、事件に大小なんてない

命に大小なんてないんだから

さくさく読み進めております、法医学教室オカルトファイル。今日もフォントを少し大きくしてみましたが、本作もオカルトではない。どちらかと云うとミステリ、どちらかと云わなくてもミステリ、歴としたミステリなんですが…

ミステリを求めていたはずなのに、
ミステリを読まされると物足りないなんて

ミステリの難易度の問題です。『暁天の星』『無明の闇』はその難易度が高く、「これがミステリだったら名作」状態だったのですが(だからこそのオカルトオチなのかもしれませんが)本作の難易度は普通どころかジュブナイル並みです。いや、伏線の張り方次第だと思うのですよ、張り方次第ではミステリとして上質なものになったと思うのですが…この展開で犯人が○○○だとわからないわけがない。

既にオカルトファイルですらなく、伊月崇成長の物語でもなく、立ち位置はすっかりBL小説。今回も思わず突っ込まずにはおれないBL要素を披露したく。まずね、「誰かと(他人と)いっしょに過ごすのが苦手」と云って叔父の家を出ることにした伊月ですが…

だからって筧と同棲してどうする

叔父にはまだ血の繋がりがあるのに、筧は全くの他人なのに。しかも、龍村に筧を紹介するときに「(俺の)ツレ」って…

伴侶を紹介するときの言葉よね?

別に筧と漫才コンビを組んでいるわけではないので。ししゃも(猫)は愛娘呼ばわりだし。うーん、この展開は凄いな。男性読者&婦女子(not腐)の皆様がこの展開を読んでどう思うのか聞いてみたい。

全く内容に触れていないな。今回は解剖シーンも少なかったですしね、メインの解剖はうさぎさんだったし。でも、この鬼籍通覧シリーズの解剖に対するスタンスは決して派手なものじゃないから。伊月の言葉を借りるなら「すげえ地味な仕事で、一生懸命やったって報われない」仕事で、テレビドラマのように「難解な事件の解決に貢献する」ことなんて無くって。それが真実で現実なのだろうと思う。でも、必要な仕事。

とりあえず次の『亡羊の嘆』で出版されている分は読み終わりですね。でも、これからも追いかけてゆきたいナイスシリーズです。

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2009/02/13

『隻手の声』 椹野道流

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著者:椹野 道流
販売元:講談社
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法医学教室期待の新人・伊月崇

いま彼が嵌まっているもの

寝ても覚めても…オンラインゲーム

法医学教室オカルトファイル=鬼籍通覧シリーズ第4弾『隻手の声』が本日のメニューです。

オカルトファイルを最大フォントにして強調してみましたが、今回は驚くことにオカルトじゃない。ただ、ミステリでもないので…どう分類したら良いのだろう。今回の主題は“傷を負う子どもたち”。「私がお父ちゃんのホンマの子供やったら、お金ようけもらえるて。なーんも心配なくなるて」なんて褪めたこと云わなくて良いのに。ママのしあわせを壊したくないから内縁の夫に暴力を振るわれることを秘密になんてしなくて良いのに。愛情を注がれる妹に嫉妬なんてしなくて良いのに…我慢さえしなければ、あんな最悪な事態に陥ることも無かったのに。

うーん、この展開ならばオカルトの方がマシ…とか思っちゃった私は悪でしょうか。やっぱりミステリ脳なんだ、文学系は合わないんだ、生まれ育った環境だから仕方無いんだ、うんうん。なので、物語として面白くなかったわけではないんだけど、物足りなさが残る本作。こうなったら

BL要素で擬似満足を

と云わんばかりに。今回のX文庫版は表紙からしてヤヴァイです。アフィリが表示できないのが非常に残念です。挿絵も凄いんだから、45頁とかもうBL以外の何物でもない。

とにかく、どんどんBL要素の増している鬼籍通覧シリーズ。でも、タイトル『隻手の声』とラストの伊月&ミチルのやりとりは、これまでのどの作品よりもしっくりきました(悪く云えばクサカッタ!)。このふたりの連携も、BL要素と同じくらいのスピードで増してるんですよね?ミチルン?

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2009/02/09

『壷中の天』 椹野道流

壷中の天―鬼籍通覧 (講談社ノベルス) Book 壷中の天―鬼籍通覧 (講談社ノベルス)

著者:椹野 道流
販売元:講談社
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私は間違いなく、この眼で死体を見た

私は間違いなく、この手で死体を触った

なのに、なぜ、死体は消えた?

ミチルンこと椹野道流嬢の鬼籍通覧シリーズ第3弾『壷中の天』が本日のメニューです。えーっと、本作は

法医学教室オカルトファイル

なので、その結末は非科学的、オカルト、ホラーです。なぜこのようにフォントを最大にして宣言しておくかというと、そうでもしないと自分を騙せないからです。いつも思う、

この謎に論理的な解決をもたらせたら最高のミステリになるのに

と。というわけで、『壷中の天』で提示される謎は死体消失です。

いつもは解剖のシーンから始まるのですが、本作は死体消失が主題ですので解剖は行われず。ただ、偶然とはいえ現場に遭遇し、まさに温かい死体と対面したから…その行方はどうしても気になるわけで。

本作は大阪と兵庫、ふたつの法医学教室が舞台となっていて。新キャラがナチュラルに登場したのですが、ミチルとの関係はどういった?私はアフィリに表示してあるノベルス版ではなく、X文庫版で本作を読んでいるので、

挿絵がどうもBL風味でして

普通なら伊月とミチルがくっつくところなのでしょうが、どうも伊月は筧とくっつけようとしているようで(伊月も筧も男性)読書中に幾度か苦笑が漏れました。ノベルスで読めばここまでBL風味を感じることはないのかもしれませんが…挿絵の力って偉大。

って、話が脱線しましたね。でも、結末について書くべきことは特になく。これがミステリなら「トリックがどうした」「伏線がどうした」って書けるのですが…オカルトは作者の匙加減でどうとでもなっちゃうから。決して批判しているわけではないのですが…本当に書くことがない。せめて論理的な結末のなかにひとつだけオカルトを残してくれるような書き方をしてくれたら…きっと、もっと、ゾクッとできるだろうに。いつもそう思う。

まだ本シリーズの主題や意図を理解できているとは云い難く。もうちょっと読めば…判ってくるのかな?そう願います。

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2009/02/03

『無明の闇』 椹野道流

無明の闇―鬼籍通覧 (講談社文庫) Book 無明の闇―鬼籍通覧 (講談社文庫)

著者:椹野 道流
販売元:講談社
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ミチルの法則その1

「続くときは同じような解剖ばかり続く」

でも…解剖なんて本当は無い方が良いんだ

『暁天の星』に続く鬼籍通覧シリーズ第2弾です。前回、

まさかのホラー!!

を2回言った私ですが、そもそもこの鬼籍通覧シリーズって「法医学教室奇談(オカルトファイル)」なんですね。ホラーで当たり前、もちろん第2弾もホラーです。

今回は先輩医師ミチルにスポットを当てて。ミチルの哀しいトラウマを癒すことを主題に。前回のように「法医学者の立場から事象を正しく検証し、警察の捜査に介入する」なんていう展開にならなかったのが少し残念ですが。あくまでもオカルトファイルですからね(ミステリでは無かったのが相当悔しい模様…だって凄く魅力的な謎が提示されているのに)。

1件目2件目と赤ちゃんの解剖が続き…心が痛くなりました。けれど、医師が勝手に解剖記録を改竄する(死因を捻じ曲げる)ことが如何に思い上がった行為であるか…あまりにも重要で重大なことをルーキー・伊月に判らせるあの場面は凄く印象的で良かった。死体に口なし生者のこれからの人生が大事、なんてこと無い。誰しもが平等。そうじゃなきゃ、殺人を犯した加害者(生者)が被害者(死者)よりも守るべき存在だってことになっちゃう。

本作のオカルトな部分には興味がないので(おいっ!)事件の幕引きについては特に触れることはなく。それよりも、私が今回手にしたのがX文庫版(アフィリは講談社文庫版)だったので、挿絵が挿入されているのですが…国試に合格し晴れて医者となった伊月に筧が花束を持って駆けつける場面!!

これなんてBL??

珈琲噴出しそうになったよ。私の脳内イメージでは、筧刑事はイトノコ刑事みたいなナリなので、あの挿絵の筧刑事はスマートすぎる。そして、花束を渡されたほうの伊月よ…頬を染めないでくれ。

ノベルスよりは文庫版の方が持ち運び易い読み易い、という理由で文庫版を購入したのですが…これはちょっと考えものだな地下鉄で読めないじゃないか。ぎゃふん。

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2009/01/20

『暁天の星』 椹野道流

暁天の星―鬼籍通覧 (講談社文庫) Book 暁天の星―鬼籍通覧 (講談社文庫)

著者:椹野 道流
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死者の声を聞く仕事

法医学教室に迷い込んだヤクザ医師

彼は死者の声を聞くことができるのか?

ミチルンこと椹野道流嬢の鬼籍通覧シリーズ、初めましてです。『メフィスト 2009年1月号』に収録されたQEDトリビュート「薬剤師とヤクザ医師の長い夜」にて薀蓄薬剤師と対峙することとなったヤクザ医師・伊月崇の物語。

物語の舞台は法医学教室。司法解剖を行う教室…と言えば通りが良いのか?死者の声を聞く~なんてあらすじ紹介をしましたが、トゥルーコーリングとは違います。もっと現実的な…

現実的な??

なぜ、彼あるいは彼女は死ななくてはならないかったのか。どんな手段によって死はもたらされたのか。物言わぬ体にメスを入れ、その答えを聞く。新人歓迎会とばかりに、次々と運び込まれてくる死体に…なんとなく無視し難い共通点が。捜査は警察の仕事だけれど、その仮説は一笑されるような信じ難いものだから。だから、ヤクザ医師は死者の声を聞くものとして、独自の捜査を開始する。単なる自己満足かもしれないけれど。

なんとなくですが、法医学という「(死体に現れる)事象物象が全て」である教室が舞台なだけあって、現実的な結末に落ち着くんだろうなぁと思っていたのですが…

まさかのホラー!!

堂々たる結末で、流れに身を任せれば違和感を感じる隙を与えないのですが…

まさかのホラー!!

大事なことなので2回言いました。もし、この謎に現実的な結末を持ってこれたら名ミステリになったと思う。そのくらい謎が魅力的。魅力的だからこそ…不思議は不思議のままにしたいと思ったのでしょうか椹野道流嬢。

まさかのホラーではありましたが(3回目)シリーズとして、とても魅力的だと思いました続きも絶対読む。そういえば、たったいま偶然にもCMが流れたので知ったのですが、今クールドラマ「ヴォイス」の舞台も法医学教室なんですね。

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2008/12/27

『メフィスト 2009年1月号』

メフィスト 2009年 01月号 [雑誌] Book メフィスト 2009年 01月号 [雑誌]

販売元:講談社
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久しぶりにメフィスト買いました。西尾維新氏の『きみとぼくの壊れた世界』もんだい編が掲載された号を買ったのが最後かと思いますので…何年ぶりでしょうか少なくとも5年は経ってますね月日の流れるスピードが異常だ歳ですか?では、そんな浅いお付き合いしかしていないメフィストを今回購入した契機ですが、

40代のタタル&熊を拝みたかったからに相違ありません

でも、それだけじゃない。今回のメフィストは私のスキスキ作家さんが多くてにんまり。以下、連載以外で私が読了した作品(しかも読んだ順)のレビューです。

「QED~flumen~ 出雲大遷宮」 高田崇史
残念ながらタタルの嫁情報は入手できませんでしたが、それでもいろいろと無視できない情報が散りばめられておりました本作。まず、タタルたちが“あの事件”と呼ぶ9年前の事件。どうやらこの事件がQEDの終焉となる模様ですが…舞台は出雲ですか(出雲に足を踏み入れることはないようですが)なんか、ついに本丸に攻め込んだ感じですね。そして、その事件の鍵を握る(らしい)中島晴美…正直「誰それ?」状態だったのですが、『QED~flumen~ 九段坂の春』に登場した奈々の同級生だそうで。全く覚えておりませんでしたてっきりモブかと。そう思って『九段坂の春』再読中なのですが、やっぱりモブでしたし。そして、なによりもなによりも見逃せない情報が。熊、子連れ女性と結婚したんですか!?なんか熊っぽい選択ですね違和感なく受け止められました。子どもの名は「大地くん」だそうで。きっと終焉までには「大地くんの母親」も登場してくれると思うので(まさか既出ってことはないよね!?)その辺りにも注目しつつ残り3作のQEDを追いかけてゆきたいと思います。しかし、タタルってば狐憑きからは卒業したようで大人になりましたね。

「薬剤師とヤクザ医師の長い夜」 椹野道流
QEDトリビュートとして登場した本作。椹野道流氏と聞いてもピンとこなかったのですが、ミチルンと聞いて「あぁ!」高田崇史氏のエッセイでお馴染みのミチルンじゃないですか。さて、そんなミチルンの「伊月崇」と本家QEDの「桑原崇」というW崇でお送りする「薬剤師とヤクザ医師の長い夜」。タタルが若干別人ですが、トリビュートだし挿絵のタタルが異常に男前だったので成績は「優」。あの環境下で出雲大社あたりの薀蓄を語り出したら本物のタタルだったんですけれど(笑)でも、本作ではお目にかかれない漢方薬局勤務のタタルが垣間見れてやっぱり満足でした。これを契機にミチルンの作品にも手を伸ばしてみようと思います。ティーンズからだけでなく、講談社ノベルスからも「鬼籍通覧(伊月崇)シリーズ」が出ているようですし。そういえば、「薬剤師」と「ヤクザ医師」が「やくざいし」でかかってますね。いま変換してみて始めて気がつきました(駄目な仔)。

「零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係」 西尾維新
零崎シリーズラストを飾る『零崎人識の人間関係』。ノベルス化したときに一気に読むべきか…と一瞬だけ悩みましたがそれも一瞬。読んで良かった崩子ちゃん可愛いよハァハァ。勝手に『人間関係』は長編だと思っていたのですが、『零崎曲識の人間人間』と同様に短篇をいくつかまとめる形式なんですね。wikiによると「匂宮出夢との関係」「無桐伊織との関係」「零崎双識との関係」「戯言遣いとの関係」とのこと。これでふたつ目が発表されたことになるのですね。俄然「零崎双識」と「戯言遣い」が気になるところですが…どっちか書き下ろしにしないと販売戦略上マイナスでしょうから、ってそんなこと私が気にするところじゃないかそれよりもなによりも崩子ちゃん可愛いよハァハァ。「無桐伊織との関係」とは言いつつも主役は戯言遣いの抱き枕=闇口崩子ちゃんと、その存在自体が主役=哀川潤の両者かと。死神の最期の願いを叶えるべく闇口衆の拠点たる大厄島に乗り込んだ4人。4人の前に立ち塞がるは生涯無敗結晶皇帝(凄いネーミング)。「かけっこ」であり「鬼ごっこ」でもある大厄ゲームの詳細は省きますが、崩子ちゃんと伊織ちゃんの戦いは良かったですねキュンキュンします。やっぱり戯言シリーズは女の子が可愛い。女の子が涙流しながら頑張っている様を読むのは嬉しい…って私はどんな変態だ。人識の人間関係については4篇で1作だと思いますので、それはノベルス化したときにたっぷりじっくり語りたいと思います。戯言シリーズの後日談とも言える本作、はやく全部通して読みたい!

「密室殺人ゲーム2.0 Q5 三つの閂」 歌野晶午
『密室殺人ゲーム大手飛車取り』の第2弾である本作。その5問目です。前作をべた褒めしました私ですが、本作もその遊び心はそのままに出題レベルもそのままに、とにかく嬉しいはやくノベルス化して欲しいこれまでの4問も読みたい!今回のお題は雪密室。雪密室に対する登場人物たちのツッコミ(「積雪の条件が整うまで、ひたすら何年も待ちますか?中略。だったら雪の密室トリックなぞ使わず、別の方法でさっさと殺しますよ」)とか互いへの罵倒とか…あぁ、気持ち良い。殺人現場の情景も美しいですよね。処女雪に聳え立つ透明ボックス…まさに非日常的非現実的ファンタジーですよ。ボックスが自作ってところがミステリ的には残念ですが、その頑張りには涙です。前作はラストに蛇足感ありましたが、本作はどんなラストでもってゲームを終わらせるのでしょうか。それも楽しみです。

「隙魔の如き覗くもの」 三津田信三
長篇だけかと思っていたら短篇でも美味しくいただけるんですね刀城言耶シリーズ。今回の怪異は隙間から現在過去未来、心の隙間に付け入る幻を見せる隙魔。隙魔が隙間に見せるは小学校校長が鬼に追われる幻…けれど、その校長が虐殺されたと知っては?刀城言耶シリーズらしいアリバイ崩しは健在。納得のゆく結末に思わずにんまり。動機を蔑ろにし(頁数の関係やもしれませんが)殺害機会の点だけで犯人指摘するその美しさにうっとりです。

「答えのない絵本」 麻耶雄嵩
メル久しぶり!というか麻耶雄嵩氏久しぶり!新刊というものをここ数年拝見しておりませんが…久しぶりの新作がこんなバカミスだなんて(笑)ロジックではこうなるのかもしれませんが、こんなのが認められるわけないじゃないですか!?衝撃のラストへあなたを誘うって本当だよ!是非読んでください。ラスト直前まではバッキバキの本格です。可能ならばラスト直前で自分なりの犯人を見付け、そこでメフィストを閉じていただけたら。

「嘘つき紳士」 北山猛邦
ミステリというよりはセンチメンタル…かと思いきやなんとも後味の悪い感じ=私の好み作品きました。ハートウォーミングな結末が待っているに違いないと思っていただけに、この裏切られた感が堪らないですね。『キョーコ』はどんな気持ちであんなピュアなメールを打っていたのだろうその心の闇を覗きたい。でも、TOKYOにそんな力があるかどうかは…疑問。

「トーキョー語り」 辻村深月
新刊2冊放置してメフィスト短篇から読ませていただきましたが…やっぱり高校生くらいの女の子の心情を描くのが巧いですなぁ。なにか劇的な出来事が起こるでもなく、劇的な出来事を起こすでもなく。私たちの身にも起こりそうな起こっていたような日常を切り取っているはずなのに、なんとなくキラキラ。本作には一美というキャラクタが登場するのですが、まぁ居ますねこういう悪い女。少なくとも私の中には居る。そして、そんな一美(私)にしてみたら主人公のさくらは鼻につきますよ。篤志の「イライラする」件はまさに。だけど、そこはトーキョーじゃないから知らないふりは出来ないから、だからいっしょに過ごすしかないの。そして、せっかくいっしょの時を過ごすなら、楽しいほうが良いに決まってるじゃない。そんな当たり前のことを当たり前に描いた作品だと思う。だから、特に特質すべき点はありませんの。

「Aカップの男たち」 倉知淳
倉知淳氏久しぶり!と思ったらそんなバカ作品とは(笑)最近男性用ブラジャーが話題になってますが、倉知淳氏がさっそく作品に取り入れてきました。作品は一応ミステリ風味ですが、それよりもブラジャーの件が印象強くって特に感慨はございません。それよりもゴ○ゴサイドから叱られませんか?スナイパーがブラジャーって(笑)

だんだんレビューが短くなくなるテキトーになるのはご愛嬌ということで。この他にも法月綸太郎氏のグリフィンシリーズの連載も始まったのですが…連載もの読んじゃうと次のメフィストも欲しくなるなるからなぁどうしようか悩み中。でもグリフィンシリーズはなかなか面白かったので、絶対読みたくなるんだと思います。
  

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