2009年1月28日 (水)

『トリプルプレイ助悪郎』 西尾維新

トリプルプレイ助悪郎 (講談社ノベルス) Book トリプルプレイ助悪郎 (講談社ノベルス)

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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トリプルプレイのスケアクロウ

一回の盗みにつき三人殺す

維新×流水、JDCトリビュート!!

失踪中に読んだ(らしく)未レビューだった本作。大好きなJDCと西尾維新がコラボしたJDC トリビュート『トリプルプレイ助悪郎』が本作のメニューです。

本作は比較的、西尾維新色の強い作品に出来上がっておりましたね。JDC読んでいる、というよりは西尾維新を読んでいる、と言った方が正しいと思いました。西尾維新らしい遊び心満載。

総著作数53冊、総文字数が一体どのくらいかなんて考えたくもない髑髏畑百足の小説には誤植が一切ない。そんな、完璧人間・緒川○まきもびっくりな髑髏畑百足の最後の小説を廻って、ふたりの娘、執事、編集者、探偵、怪盗が裏腹亭に集まる。『あかずの間』の前に陣取った探偵…にも関わらず、扉は開かれていないにも関わらず、室内で見つかった他殺死体。そして、犯行声明。

果たして怪盗・スケアクロウは如何にして最後の小説を奪っていったのか。もちろん西尾作品ですので、ありきたりな結末は用意されておらず。西尾作品では珍しい(初めての?)「読者への挑戦状」付き。確かに、挑戦状にも書かれているように、殺人事件の真相と最後の小説については解けるかもしれない。けれど、あまりにも堂々と張られた伏線に気付ける読者はどのくらいいるのだろうか。そういえば、石崎幸二氏『あなたがいない島』レビューのときに、このトリックについて言及してますね…まさかお眼にかかれるとは思っておりませんでした単なる冗談だと思っていたので。

今回もオリジナルJDC探偵で登場したのは龍宮のみですか。西尾氏は龍宮がお好き?私は龍宮が大好きです。あぁ、JDC読みたくなってきた。でも、本棚に陣取るあのピンクの背表紙を眺めるだけでやる気が無くなっちゃうんだごめんね龍宮。

人間は誰しも小説の登場人物。けれども、それは、誰かに操られているわけではなく。いつでも、いつまでも、作者は自分で居たいものです。

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2008年12月27日 (土)

『メフィスト 2009年1月号』

メフィスト 2009年 01月号 [雑誌] Book メフィスト 2009年 01月号 [雑誌]

販売元:講談社
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久しぶりにメフィスト買いました。西尾維新氏の『きみとぼくの壊れた世界』もんだい編が掲載された号を買ったのが最後かと思いますので…何年ぶりでしょうか少なくとも5年は経ってますね月日の流れるスピードが異常だ歳ですか?では、そんな浅いお付き合いしかしていないメフィストを今回購入した契機ですが、

40代のタタル&熊を拝みたかったからに相違ありません

でも、それだけじゃない。今回のメフィストは私のスキスキ作家さんが多くてにんまり。以下、連載以外で私が読了した作品(しかも読んだ順)のレビューです。

「QED~flumen~ 出雲大遷宮」 高田崇史
残念ながらタタルの嫁情報は入手できませんでしたが、それでもいろいろと無視できない情報が散りばめられておりました本作。まず、タタルたちが“あの事件”と呼ぶ9年前の事件。どうやらこの事件がQEDの終焉となる模様ですが…舞台は出雲ですか(出雲に足を踏み入れることはないようですが)なんか、ついに本丸に攻め込んだ感じですね。そして、その事件の鍵を握る(らしい)中島晴美…正直「誰それ?」状態だったのですが、『QED~flumen~ 九段坂の春』に登場した奈々の同級生だそうで。全く覚えておりませんでしたてっきりモブかと。そう思って『九段坂の春』再読中なのですが、やっぱりモブでしたし。そして、なによりもなによりも見逃せない情報が。熊、子連れ女性と結婚したんですか!?なんか熊っぽい選択ですね違和感なく受け止められました。子どもの名は「大地くん」だそうで。きっと終焉までには「大地くんの母親」も登場してくれると思うので(まさか既出ってことはないよね!?)その辺りにも注目しつつ残り3作のQEDを追いかけてゆきたいと思います。しかし、タタルってば狐憑きからは卒業したようで大人になりましたね。

「薬剤師とヤクザ医師の長い夜」 椹野道流
QEDトリビュートとして登場した本作。椹野道流氏と聞いてもピンとこなかったのですが、ミチルンと聞いて「あぁ!」高田崇史氏のエッセイでお馴染みのミチルンじゃないですか。さて、そんなミチルンの「伊月崇」と本家QEDの「桑原崇」というW崇でお送りする「薬剤師とヤクザ医師の長い夜」。タタルが若干別人ですが、トリビュートだし挿絵のタタルが異常に男前だったので成績は「優」。あの環境下で出雲大社あたりの薀蓄を語り出したら本物のタタルだったんですけれど(笑)でも、本作ではお目にかかれない漢方薬局勤務のタタルが垣間見れてやっぱり満足でした。これを契機にミチルンの作品にも手を伸ばしてみようと思います。ティーンズからだけでなく、講談社ノベルスからも「鬼籍通覧(伊月崇)シリーズ」が出ているようですし。そういえば、「薬剤師」と「ヤクザ医師」が「やくざいし」でかかってますね。いま変換してみて始めて気がつきました(駄目な仔)。

「零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係」 西尾維新
零崎シリーズラストを飾る『零崎人識の人間関係』。ノベルス化したときに一気に読むべきか…と一瞬だけ悩みましたがそれも一瞬。読んで良かった崩子ちゃん可愛いよハァハァ。勝手に『人間関係』は長編だと思っていたのですが、『零崎曲識の人間人間』と同様に短篇をいくつかまとめる形式なんですね。wikiによると「匂宮出夢との関係」「無桐伊織との関係」「零崎双識との関係」「戯言遣いとの関係」とのこと。これでふたつ目が発表されたことになるのですね。俄然「零崎双識」と「戯言遣い」が気になるところですが…どっちか書き下ろしにしないと販売戦略上マイナスでしょうから、ってそんなこと私が気にするところじゃないかそれよりもなによりも崩子ちゃん可愛いよハァハァ。「無桐伊織との関係」とは言いつつも主役は戯言遣いの抱き枕=闇口崩子ちゃんと、その存在自体が主役=哀川潤の両者かと。死神の最期の願いを叶えるべく闇口衆の拠点たる大厄島に乗り込んだ4人。4人の前に立ち塞がるは生涯無敗結晶皇帝(凄いネーミング)。「かけっこ」であり「鬼ごっこ」でもある大厄ゲームの詳細は省きますが、崩子ちゃんと伊織ちゃんの戦いは良かったですねキュンキュンします。やっぱり戯言シリーズは女の子が可愛い。女の子が涙流しながら頑張っている様を読むのは嬉しい…って私はどんな変態だ。人識の人間関係については4篇で1作だと思いますので、それはノベルス化したときにたっぷりじっくり語りたいと思います。戯言シリーズの後日談とも言える本作、はやく全部通して読みたい!

「密室殺人ゲーム2.0 Q5 三つの閂」 歌野晶午
『密室殺人ゲーム大手飛車取り』の第2弾である本作。その5問目です。前作をべた褒めしました私ですが、本作もその遊び心はそのままに出題レベルもそのままに、とにかく嬉しいはやくノベルス化して欲しいこれまでの4問も読みたい!今回のお題は雪密室。雪密室に対する登場人物たちのツッコミ(「積雪の条件が整うまで、ひたすら何年も待ちますか?中略。だったら雪の密室トリックなぞ使わず、別の方法でさっさと殺しますよ」)とか互いへの罵倒とか…あぁ、気持ち良い。殺人現場の情景も美しいですよね。処女雪に聳え立つ透明ボックス…まさに非日常的非現実的ファンタジーですよ。ボックスが自作ってところがミステリ的には残念ですが、その頑張りには涙です。前作はラストに蛇足感ありましたが、本作はどんなラストでもってゲームを終わらせるのでしょうか。それも楽しみです。

「隙魔の如き覗くもの」 三津田信三
長篇だけかと思っていたら短篇でも美味しくいただけるんですね刀城言耶シリーズ。今回の怪異は隙間から現在過去未来、心の隙間に付け入る幻を見せる隙魔。隙魔が隙間に見せるは小学校校長が鬼に追われる幻…けれど、その校長が虐殺されたと知っては?刀城言耶シリーズらしいアリバイ崩しは健在。納得のゆく結末に思わずにんまり。動機を蔑ろにし(頁数の関係やもしれませんが)殺害機会の点だけで犯人指摘するその美しさにうっとりです。

「答えのない絵本」 麻耶雄嵩
メル久しぶり!というか麻耶雄嵩氏久しぶり!新刊というものをここ数年拝見しておりませんが…久しぶりの新作がこんなバカミスだなんて(笑)ロジックではこうなるのかもしれませんが、こんなのが認められるわけないじゃないですか!?衝撃のラストへあなたを誘うって本当だよ!是非読んでください。ラスト直前まではバッキバキの本格です。可能ならばラスト直前で自分なりの犯人を見付け、そこでメフィストを閉じていただけたら。

「嘘つき紳士」 北山猛邦
ミステリというよりはセンチメンタル…かと思いきやなんとも後味の悪い感じ=私の好み作品きました。ハートウォーミングな結末が待っているに違いないと思っていただけに、この裏切られた感が堪らないですね。『キョーコ』はどんな気持ちであんなピュアなメールを打っていたのだろうその心の闇を覗きたい。でも、TOKYOにそんな力があるかどうかは…疑問。

「トーキョー語り」 辻村深月
新刊2冊放置してメフィスト短篇から読ませていただきましたが…やっぱり高校生くらいの女の子の心情を描くのが巧いですなぁ。なにか劇的な出来事が起こるでもなく、劇的な出来事を起こすでもなく。私たちの身にも起こりそうな起こっていたような日常を切り取っているはずなのに、なんとなくキラキラ。本作には一美というキャラクタが登場するのですが、まぁ居ますねこういう悪い女。少なくとも私の中には居る。そして、そんな一美(私)にしてみたら主人公のさくらは鼻につきますよ。篤志の「イライラする」件はまさに。だけど、そこはトーキョーじゃないから知らないふりは出来ないから、だからいっしょに過ごすしかないの。そして、せっかくいっしょの時を過ごすなら、楽しいほうが良いに決まってるじゃない。そんな当たり前のことを当たり前に描いた作品だと思う。だから、特に特質すべき点はありませんの。

「Aカップの男たち」 倉知淳
倉知淳氏久しぶり!と思ったらそんなバカ作品とは(笑)最近男性用ブラジャーが話題になってますが、倉知淳氏がさっそく作品に取り入れてきました。作品は一応ミステリ風味ですが、それよりもブラジャーの件が印象強くって特に感慨はございません。それよりもゴ○ゴサイドから叱られませんか?スナイパーがブラジャーって(笑)

だんだんレビューが短くなくなるテキトーになるのはご愛嬌ということで。この他にも法月綸太郎氏のグリフィンシリーズの連載も始まったのですが…連載もの読んじゃうと次のメフィストも欲しくなるなるからなぁどうしようか悩み中。でもグリフィンシリーズはなかなか面白かったので、絶対読みたくなるんだと思います。
  

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2008年12月18日 (木)

『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』 西尾維新

不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス) Book 不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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名前に一本筋を通す男、串中弔士

囲われきった彼の前に再び現れた病院坂迷路

世界が再び廻りだす

「DISSIDIA」が到着する前に読まないと!と焦って読んだら1時間くらいで読めちゃった世界シリーズ第4弾『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』一息では読み上げられない。そして、競うかの如く長いタイトルのCDが発売された中学時代を思い出させる…そんな学校という閉鎖空間で起こった連続殺人事件の物語。

まぁ、西尾維新の、しかも世界シリーズのことだから、真っ当なミステリなんて有り得ないんだけど。十戒に見事に抵触しておりますので、ミステリではないでしょう。というか、世界シリーズがミステリだったのはいつまでだろう。『不気味で素朴な囲われた世界』はミステリだったと思うたぶん。

この作品の楽しみどころはどこだろう?やっぱり成長した串中弔士なのだろうか。彼に対してびっくりするくらい興味ないんだよなぁ、私。全く魅力を感じない。ってまさか西尾維新の罠に嵌ってる!?だって、串中弔士=何者でもない人間ですらあってはならない孤高の存在、なんだもの。西尾維新はそのつもりで書いてるんだもの。あら、この発見は一寸驚き。

そうそう、ミステリの話だったのよ。とりあえ○○トリックの存在は確認、しかも2回も。ミスリードのつもりだったのだと思いますが…というかそのくらいやらないとミステリにならないからか?しかし、病院坂迷路はなんのために登場したのだろうか?迷路である意味はあったのだろうか?別の病院坂ではダメだった?うーん、バックアップであるとはいえ迷路である=○○トリックを成立させ易いという利点はありますよね、既読読者にとっては。

と、ここまで読んでくださった方はお判りかと思いますが、とても楽しい1時間を過ごすことが出来たわりに、なにも得られなかったという不思議な作品。このなんとも居心地の悪い感じが、不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界、に紛れ込んでしまった感覚なのでしょうか?それとも、そもそも読書からなにかを得ようとする方が無理な注文?

とりあえず、世界シリーズは次回の中学生黒猫さんで終焉を迎えるようで。黒猫さんの過去はなかなか興味ありますが…そうすると櫃内サマが登場しないことになってしますのですが。シスコンで女ったらしの櫃内サマは好きです。まぁ、病院坂一家とは何者ぞ!?という謎は明かされぬまま終わるんだと思います。もう覚悟はできている。

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2008年4月15日 (火)

二つ名メーカー

ブログお友達のきりりさんのブログで拝見してからずっと試してみたかった二つ名メーカーに挑戦してみました。
どんな悪い二つ名で命名されるのかとうっきうきしながら入力。

とりあえず、ブロ愚ネームのまじょ。で入力

アンバランスランチャー
空笑念慮

なかなか悪い♥念慮ってのは希死念慮の念慮ですから…精神に異常をきたして笑みが止まらない感じ?笑いながら相手をぼっこぼこ…悪っ♥これは殺し名でしょう。ランチャーだし。グレネードランチャーを四方八方にぶっ放しながらクツクツ微笑…って、どんだけ(笑)

ちなみにまじょ。を取ってみましたら

ゴシックペナルティ
贖罪関数

と相成りました。あら?こっちの方が素敵?贖罪ってのが良い♥すんごい悪事をはたらいておきながら、「すみませんすみません」って謝ってばっかりなの。ちなみに、私は数学はさぱーりなので、関数ってのはフェイクで。こっちは呪い名っぽいですね。黒幕を追い詰めてみたら「すみませんすみません」って謝ってばっかりの女…みたいな?しかし、自分で黒幕って…せめて捨て駒くらいにしておきなさい。

西尾維新スキーならきっと愉しめると思いますので、是非お試しください♥

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2008年3月16日 (日)

『零崎曲識の人間人間』 西尾維新

零崎曲識の人間人間 (講談社ノベルス ニJ- 21) Book 零崎曲識の人間人間 (講談社ノベルス ニJ- 21)

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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“殺し名”第三位に列せられる殺人ファミリー・零崎一族

そんな零崎を脇役として支え続けた“少女趣味”の物語

「零崎を始めるのも、悪くない」

うわぁ…ピュアラヴストーリーじゃないですかっ!?

殺さずにはいられない殺人鬼ファミリー・零崎一族の中で、“菜食主義者”と呼ばれる異質な存在…それが“少女趣味”こと零崎曲識。『人間人間』はそんな曲識を脇役に据えた4つの物語です。

「ランドセルランドの戦い」では策師が零崎一族に仕掛けた“小さな戦争”を、「ロイヤルロイヤリティーホテルの音階」では財力・暴力・権力の3世界を股に掛けた“大戦争”と最強の成りかけを、「クラッシュクラシックの面会」では両手を失った少女と刺青少年が創る新しい家族の形を、そして「ラストフルラストの本懐」では殲滅されゆく零崎一族の最期を。時系列も事件も登場人物も、とにかくバラバラな本作。共通するのは脇役として登場する…零崎曲識。

正直、もっと逝っちゃってる人を想像していたのですが(笑)結構普通の人でした、零崎曲識。いや、燕尾服でコントラファゴット吹いてる長髪のにーちゃんを“普通”と評するのはどうかと思うのですが…西尾作品だから、ね。某巨大鋏や某釘バットのようなわかり易い(笑)得物は持たない曲識の得物はズバリ“音楽”です。楽器を用いて、楽器が破壊されれば自らの声帯を用いて、相手の神経に音を送り込み操ってみせる零崎曲識。そんな彼の唯一のポリシィは…通り名でもある“少女趣味=少女以外は殺さないこと”。

その“少女趣味”の誓いを立てることとなった契機が冒頭の「ピュアラヴストーリーじゃないですかっ!?」の叫びなんですが…ちょっと良いですよ、胸キュンしちゃいますよ、貴方。偶然果たした一瞬の邂逅を忘れることができずに、あの日の少女の面影を捜し求めて、少女だけを殺め続ける曲識。そんな曲識の最期の時に現れたのは…誰よりも出待ちが長く、誰よりも出どころを心得ている赤い最強。『人間試験』には負けますが、じわーっときました。あぁ、零崎として生きてきて良かったねって。

そんな零崎ファミリーのハートフルかつアットホームな関係は「クラッシュクラシックの面会」でも垣間見ることができます。零崎の生き残りである人識&舞識が、共に生きてゆく決意を決めた瞬間。泣かない舞識を痛々しく思う人識と、人識と連弾でき得る可能性を秘めた舞識。そんなふたりの前途を祝すかの如く、曲識が贈った一冊のノート。解らないなら解らないままで良い…そんな難解なメッセージがまさしく零崎流。

零崎シリーズは次なる人識の物語で終焉を迎える模様。壊滅した零崎のたったひとつの希望である人識が、そんな物語を紡ぐのか…終わってしまうのは寂しいけれど、早く読みたい。複雑です。

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2008年3月 2日 (日)

『不気味で素朴な囲われた世界』 西尾維新

不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス ニJ- 20) Book 不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス ニJ- 20)

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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奇人三人衆、そして静かなる人払い令

本物を眼の当たりにし、自分が偽者であることを自覚する日々

ついに壊れた時計が動き出す

1ヶ月に亘る放置プレイからの復帰第1弾レビューは、『きみとぼくの壊れた世界』と同じ世界観を成す本作『不気味で素朴な囲われた世界』…タイトルを覚えるのも一苦労です。

本作の主人公は名前に一本筋を通す男、串中弔士。日常を揺るがすような、日常が非日常に至るような、そんな瞬間を待っている中学1年生。奇人変人に囲まれ、自分が“偽者”であることを強く強く意識する日々。そんなある日、愛すべき姉が殺されるという非日常が唐突に襲い掛かって…という物語。

本作で探偵を務めるのは『きみとぼくの壊れた世界』で探偵役を務めた病院坂黒猫の従姉妹・病院坂迷路。「目は口ほどにモノを言う」を地でゆく、決して脚色でなく嘘のように「一言も喋ることのない」探偵役です。もう、どんな人間なのか想像することもできません。迷路(黒猫と区別の為こう呼ぶ)の台詞はすべて主人公たる弔士が代弁してくれるのですが、このあたりに叙述トリックが用意されているのではないか?と個人的には疑いました。ある意味この読みは外れていなかったと言えるかもしれない、本作。

時計台を使った物理トリックは、小串(弔士の姉)の体を下方にひっぱるほど○○が下に向くのであれば、狂った時間は4時間半以上になるのではないか?と思ったり。でもまぁ、なかなか面白い物理トリックだと感じました。まさに「思いついたらやらずにはいられない」系のトリック。

本作はこの手の風刺が効いた作品でしたね。「思いついたらやらずにいられない」が推理小説家からすれば「思いついたら(このネタで1本)書かずにいられない」になると読み替えてみたり。現在のミステリ界に警鐘を鳴らす…とまで大袈裟なものではありませんが、なかなか鋭い思考だと思いました。

そして、本作で尤も優れているのが…事件の動機なんですよ。実際の犯人たちの動機はちょっと弱いのですが(いくらコントロールされていたからって、そんなに簡単に一線を越えることはできない…と、本作の趣向を理解した上で言いたい)、黒幕(?)の動機が最高なんですよね。これなら頷ける。「好きな人といま以上に接近したいから」「好きな人がこちらを振り向いてくれなくて苦しくて」そんな理由で人は殺せないかもしれないけれど、黒幕が持っていたこの動機なら…殺せるかもしれない。そう一瞬でも読者に思わせる力強さがあったと思う。

そうそう、黒猫の再登場も嬉しかったです。やっぱり意味も無く饒舌な探偵役の方が私は好きです。

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2007年4月22日 (日)

『アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』 西尾維新

×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル Book ×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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世に不思議は多けれど どれほど奇天烈 奇々怪々なデキゴトも

ヒトが居なければ ヒトが視なければ ヒトが関わらなければ

ただのゲンショウ ただ過ぎていくだけの コトガラ

人 ひと ヒト

ヒトこそこの世で 最も摩訶不思議な イキモノ

半年以上前に(コストとパフォーマンスが合わないかな?と思って)図書館予約しました『アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』が漸く到着しました。私が予約したときに10人待ちくらいだったので…ストッパーがいた模様です

さて、本作はCLAMP原作『×××HOLIC』の西尾維新版ノベライズ。原作とのお付き合いは漫画喫茶で3巻まで…という中途パンパースな感じなのですが、同時発売の『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』よりも、より原作と西尾節との融合具合が高かったように感じました。

侑子さんと四月一日(ワタヌキ)の会話テンポがまさに西尾節。

若干、ワタヌキのキャラが違うかなぁ…とも思いましたが、所詮漫画喫茶で3巻までのお付き合いですから。ワタヌキについては『ツバサ』(同じくCLAMP作品。『HOLIC』とのリンク有)で逢った回数の方が多いかもしれないし。

さて、そんな願いも叶う店-ただしそれ相応の対価を代償に-という、妖しい店を舞台に繰り広げられるあやかしの物語、それが『×××HOLIC』の世界です。あやかし(例えば幽霊)が存在するか存在しないか…そんな禅問答は作中で侑子さんが語ってくれておりますので割愛しますが、あやかしの存在を信じ、それに憑かれてしまった人間たちを、まるで人が息をするかの如く、いとも簡単に祓ってしまう店主。その“変則的憑き物落とし”を言葉遊びと共に描いた作品が本作です。

幸福を享受することに耐えられない第一話の悩み人。「幸せになるからにはそれなりの対価が必要-だとすれば、過度な幸福というのは、自分にとっては害悪よね。それに匹敵するだけの『努力』をし、『労力』を払わなければならないのだから」そう語る侑子さん…深い!『努力』や『労力』を払いたくないから自分を“ちょっとだけ”不幸にする、“ちょっとだけ”先払いをすることで、自分を納得させ安牌とも云える人生を送る…ずるい生き方を知らず知らずに選んできた悩み人。そんな“甘えた”悩み人に侑子さんはとても厳しい。

「自分自身が主人公であるという思い違い-オンリーワンであるという錯覚。自分なんて、個人なんて、人間なんて、ワン・オブ・ゼムに過ぎないのにね」そう説く侑子さん。これまた深い。読んでいて、身につまされる想いでした。登場する悩み人だけでなく、読者に対しても“憑き物落とす”一作でした。

さて、最後にどうでも良いお話をひとつ。サブタイトルのランドルト環とは視力検査の“C”に似たアレのことですが、現在視力0.02を誇る私も一度だけ2.0を獲得したことがあります。あれは小学校4年生のことだったかしら。背の順だったか、保健室に入った順番だったか、とにかく最後の方に検査することになった私でしたが、なにを思ったか(おそらく暇だった)1.0以下の小さい“C”を全部覚えて(そのころは1.0くらい見えていたのだと思う。4×4=16個くらい容易でしょ?)検査に挑み、見事2.0を獲得したわけです。どう考えても主旨を理解していない馬鹿な子供だったと懐かしい。西尾維新氏のあとがきを読んで、不意に思い出したので。

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2007年3月28日 (水)

『新本格魔法少女りすか3』 西尾維新

新本格魔法少女りすか3 Book 新本格魔法少女りすか3

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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“六人の魔法使い”を片っ端から倒し、最終目的へと近づくべく旅に出た彼等。

しかし、彼等を待ち受ける試練!試練!!試練!!!

ラストを目前に、物語は加速する。

ココログメンテに負けず、なんとか更新できました『りすか』最新作。長時間メンテをきっかけにネッ闘逃亡する負のジンクスは解消できた…かも?

さて、『りすか3』は3作の短編が収録されているのですが、その様はまさに連作短編集。魔法使い魔法使い魔法使いの3連コンボです(あっ、あっさり倒された一人がカウントされていて、魔法使い封じはカウントされていなかったり。正確でしょ?)。今回も設定は無茶苦茶ですが(キズタカが大人過ぎる件についてはもう慣れました)とにかく読ませる。1時間一気読みです。

収録されている作品の中で最も好みなのは「夢では会わない!!」なのですが、それはすべてきずなさんの力です。きずなさん、好きだなぁ。きずなさんは魔法使いでは無かったはずなのに…というツッコミは夢オチで回避でしょうか?でも、きずなさんならあのくらいやってのけそう。キズタカパパも魔法使いを素手でぶっとばすくらいのことは普通にやってのけそうだし。キズタカパパも好き。キズタカったら、ファザコンなんだから。

そうそう、魔法使い封じの彼は良い味出してましたね。部屋を出て、携帯に電話を寄越してきたときの性悪な彼が好きです。基本的に笑顔で性悪なことやってのける人が好き。絶対魔法封じの期間は14日じゃないよ。長いか短いかは知らんが、絶対14日じゃないさ。

本作で明らかにされたニャルラトテップの“箱舟計画”でございますが、そのくらいのことニャルラトテップ自身はできんのか?という疑問が今更ですが浮かびます。だって、りすかを創り出したのがニャルラトテップ自身なんだからさ。“六人の魔法使い”はりすかを成長させるための捨て駒、という読者の裏(?)をかいてきた本作ですが、さらにその裏を読んでみようと妄想してみる。

りすか&キズタカの物語の次巻で最終回。「ファウスト」誌上ではこの続きが掲載されたのでしょうか?「ファウスト」はノーチェックなのですが…来年あたりに4巻が読めることを期待。しかし、最後にはニャルラトテップまで…辿り着くんだろうな。是非、ニャルラトテップ=キズタカパパ的な驚きの結末を!!

しかし、唯の感想文に成り果てておるな。このレビューは読んだ人にしかわからん。す、すみません。

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2007年2月10日 (土)

『化物語(下)』 西尾維新

化物語(下) Book 化物語(下)

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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怪異呼び寄せ体質と貸した阿良々木暦。

彼女との愛を育みながらも、他の女の子にも手を出さずにはいられない節操無し。

そんな節操の無さが呼び寄せるのは…やっぱり怪異なのです。

なんとかエンド(図書館返却)に間に合わせることができました、えがった。さて『化物語(下)』レビューでございますが…怪異なんて、全体の一割くらいしか登場しませんでしたね…。

忍野メメをナビゲーターとする化け物語りにも、興味深々だった私にはちょっと残念でした。こう立て続けに読むと、阿良々木くんのツッコミにどんどんキレが失われてゆく様が気になってしまいますねぇ。でも、最初(上巻)は苦手だった、神原のノリが最後にはいっとう心地よく感じられたのは僥倖でございました。さずが、百合パワー。

しかし、阿良々木くんはこれからどんな道を歩んでゆくつもりなのでしょうか?下巻は忍野氏の手を(殆ど)借りることなく、怪異と対峙してきた彼。忍野氏の後を継ぐお積もりですか?怪異をきっかけに、怪異のおかげで、新しく清々しい萌え萌えな生活を手に入れた彼。そこに至るには捨てられた、捨てねばならなかったものもあったのかもしれませんが、やはり怪異は怪異であり、人とは相容れないものだという障り猫の主張は正しいのだと思います。優しいだけの男には、いつか飽きが来ますよ?優しさを越えたなにかを掴みつつある彼が、どんな未来を迎えるのか?

って、適当に書き殴りましたが、そんなことにはちっとも興味がなかったりする私。真面目じゃない世界に真面目テイストを織り込んでみたかっただけです。

でもまぁ、忍野氏のラストの決断からみるに、このシリーズはこの上下巻でエンドを迎えそうな気配ですね。あの萌えキャラたちをもエンドを迎えてしまうのは哀しいので、なんらかの形で彼等のその後が読めたら良いなぁと思います。とくに、百合っ子・神原と蝸牛浮遊霊・真宵ちゃんは惜しい。今度は阿良々木くんの妹たち・栂の木二中のファイヤーシスターズを主役に、是非。(追記:Wikipediaによると、『無物語』もしくは『傷物語』として、2008年の刊行を宣言とあるので、どうやら続いてゆく模様ですね!

というわけで、西尾維新らしい、西尾維新でなくては紡げない作品を読むことができました。

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2007年2月 9日 (金)

『化物語(上)』 西尾維新

化物語(上) Book 化物語(上)

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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阿良々木暦が遭遇する怪異。

それは吸血鬼となった春休みに起因する。

怪異は怪異を呼び…怪異をまとった萌え少女と暦の化け物語り。

まるで赤本のような装丁とお値段とのコストパフォーマンスが気に入らなくて、あろうことか図書館予約で済ませてしまった西尾維新作品。そのツケは下巻が先に到着するという事態を招いてくれました。合掌。ミステリブログお友達のソラチさんにお伺いしたところ、下巻から読んでも問題なさそう…とのことでしたが、無事リミット前に上巻が到着致しました。えがったえがった。

本来なら上下巻ものは一気にレビューするべきなのでしょうが、この『化物語』は短編集ですし、発売すらも一ヶ月相違があるということで、もう別々にレビューしちゃうことに致します。下巻でもしかしたらとんでもないことが起こるかもしれないし(下巻の事前知識一切無し。暦くんの吸血鬼事件と羽山委員長の猫事件が描かれていれば良いなと思ってますが、西尾維新作品でよく使われるチラリズム手法なのでしょう…きっと)。

さて、今回のテーマはタイトル通り“化け物”=吸血鬼とか猫とか蟹とか蝸牛とか猿とかが祟ってくれちゃう物語かと思いきや、上巻あとがきで西尾維新氏が語るように「本書は怪異を主軸に据えた三つの物語-では、ありません。」…なんじゃそりゃ?なお言葉ですが、長いお付き合いですからね、そのくらいではもう驚きません。でも、西尾氏の意図する「とにかく馬鹿な掛け合いに満ちた楽しげな小説」にしっかりと出来上がっていたと思います。

とにかく馬鹿な掛け合いだらけ。もちろん楽しませて頂きました。ただ、この作品で扱っているネタすべてを理解できる層って、かなり限定されていると思う。少なくとも健全に生きていらっしゃる方には楽しめない…って、自分が不健全だということを認めてしまっておりますが。かなり内角の際どいところに投げてきた感覚。この『化物語』はどこまで西尾維新の脳内に入り込めるかにかかっているような気がする。

まぁ、会話のテンポや蟹少女の毒舌を純粋に楽しめれば、それだけでハイエンドなのかもしれませんが。

私としては吸血鬼の抜け殻と化した忍ちゃんにもっとスポットが当たれば萌えれるのにと…ロリコンぶり(女が女の子に萌えることもロリコンと云うのだろうか?)を発揮しつつ。

でも忍野メメ氏の憑き物落としにも興味があって、既におまけの様相を示しつつある化け物語りも楽しい。妖怪系のお話はド嵌りしないまでも、さらっと解説書読んだりするのが好きです。あの怪異は既存のものなのか、西尾氏の妄想なのか…きっと既存のものなのだと思うのですが、本作のようにうまいこと少女たちの想い(依存)と絡めて紹介していただけると、興味も倍増効果です。

さて、それでは土曜日がエンドの『化物語(下)』に取り掛かりましょうか!

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2006年12月 3日 (日)

『新本格魔法少女りすか2』 西尾維新

新本格魔法少女 りすか2 Book 新本格魔法少女 りすか2

著者:西尾 維新
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

無敵とも思えるキズタカ&りすかの前に立ちはだかった“天敵”。

その“天敵”は思ったよりも大物で?

西尾維新の描く魔法少女物語、第二弾。

この『りすか2』でプチ西尾維新祭も終了で御座います。読んだ読んだ、来る日も来る日も西尾維新。もうしばらく西尾維新は良いです(って貴女、『化物語』は?『HOLIC』は?)

さて、『りすか1(便宜上)』であれだけ酷評致しました本シリーズ。本作はりすかの天敵登場に、城門管理委員会との遭遇、そして「六人の魔法使い」とのバトル。うーん、盛り沢山なのですが、やっぱりキズタカの大人口調には馴染めないっす。

個人的に『りすか2』で最も気に入っているのは「出征!」だったりします。きずなさん、良い性格してますね。キズタカが最初に出逢った魔法使い=りすかという方程式は、これまでに何度も確認されていることなので、騙されることはありませんでしたか、キズタカが初めて母親と呼んだ女=きずなさんという方程式には、ちょっとだけグッときました。きずなさんの安否が気がかりで御座いますが、きっと以降の物語できっちりと回収してくれるものと期待します。

そして、キズタカパパの登場。キズタカパパ、ダンディこの上ないですね。私の妄想をここで吐き出すならば、キズタカパパ=ニャルラトテップ=りすかパパみたいな!りすかは自分の父親、見たことないでしょうから。キズタカパパがそれであっても気付かないみたいな!って、私如きに予想されるようなオチにはならないと思いますので、私の妄想で御座います。でも、そうでもないとキズタカパパのあの存在感は説明出来ないっす!

そうそう、この『りすか2』には□が延々と続いたり(きっと112個)、魔法使いを殺しというフレーズが延々と続いたり(きっと93個。もちろん数えておりません)する箇所があります。あとはまっさらな頁が一枚挟まってたり。すわ、落丁か?と思わせますが、演出です。でもねぇ、ニ段組の上段すべて□ばっかり…みたいな本を読まされてもねぇ。新しい作品の形なのかもしれませんが、頭の固い私にはやっぱり合わなかったりします。

というわけで、3人(えっ?3人ってもうひとり誰よ?とお思いの方は是非作品をお読みください)の行く末が気になる今日この頃。「ファウスト」は私、読んでいないので、この後の作品が発表されているのかどうかもわかりませんが、まさかここで終わらせたりはしないだろ…と願いつつ。

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2006年11月29日 (水)

『新本格魔法少女りすか』 西尾維新

新本格魔法少女りすか Book 新本格魔法少女りすか

著者:西尾 維新
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

“城門”で隔離された長崎県。そこは魔法の王国だった。

“城門”を潜り、こちらの世界にやってきた「赤き時の魔女」と共に、

僕は「ニャルラトテップ」を捜す戦いに挑む。

地味にまだ終焉を迎えていなかった、プチ西尾維新祭。『きみとぼく』捜す際に、『りすか』の方が2分も早く見つかったものですから、キープしておいたわけです。

さて、本作『魔法少女りすか』ですが、タイトルの前に付いた『新本格』ってなんですか?今、タイトル入力する場面に遭遇するまで全く無意識下でした。まさか、この作品が『新本格』だっていうわけじゃ無いですよね?無いですよね?まぁ、私の偏った読書遍歴では『新本格』と云えば綾辻以後の本格ミステリムーブメントのことですが、皆が皆『新本格』という言葉でそれを連想するわけが無いので、きっと私の知らない『新本格』なのだと思います。思いたい。

それでは、今度こそ本当に『りすか』について。りすかこと「赤き時の魔女」は、自らの父親であり大魔法使いである「ニャルラトテップ」を捜すため、魔法の王国たる長崎県を飛び出し、こちらの世界にやってきた少女。彼女は“ある目的”のため自らの手足となる駒を捜す少年・キズタカに出逢い、互いの目的を達成するために手を結ぶ…というストーリーです。はっきり云って、

なんじゃそりゃ?

ですよね。それでは、『りすか』のそりゃないだろ!ポイントその壱・キズタカ大人思想過ぎ!大人の私でも弱冠小学5年生のキズタカ思想についてゆけません~。実際、どんなにIQの高いお子様でも、あそこまでの思考回路は持ち合わせてないと思う。思考というのは生まれてきたときから備わっているものではなく、成長する過程で身につけるものだと思うんですよね。どうやって思考すれば良いのか、経験を経て構築してゆくものだと思います。だから、キズタカの言葉が常に嘘くさく感じてしまうわけです。最終的に辿り着くポイントは同じでも、小学5年生が辿る思考回路はそこじゃないだろ?と。

そりゃないだろ!ポイントその弐・いくらなんでも死んだら発生する時限装置式魔法式って無茶じゃないですか!この『りすか』には、キズタカの作戦のもとにりすかを“死なせて”、大人バージョンりすか(りすかは死ぬとセクシーダイナマイトな未来のりすかに変身可能になります)でトドメを刺す…という王道パターンが存在するのですが、そのりすかが死ぬシーン(特に第二話「影あるところに光あれ。」)がグロイです。ちょっと気分が悪くなります。王道パターンがあるっていうのは決して悪いことじゃないのですが、わざわざりすかを死なせること前提にした作戦っていうのがセコイ。もちろん、死なずとも良い作戦も携えては行くのですが、結局「りすかが死ねばなんとかなるんだからあっさり死んでもらおう」的な安易さが見え隠れしていて。それが残念でなりません。

その壱その弐まで書きましたが、なんか批判的なレビューになっていて自己嫌悪。うーん、なんか書きたかったレビューと違うな。批判しようと思ったら、とことん批判しちゃう悪い自分が出てきちゃってますね。でも、『りすか2』も持っているという事実で、この作品自体が嫌いではないということが判ってもらえればと思います。現在、『りすか2』読書中。『りすか2』でプチ西尾維新祭は終焉の予定です。次はどの本を読もうかな?お楽しみに!!

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2006年11月28日 (火)

『きみとぼくの壊れた世界』 西尾維新

きみとぼくの壊れた世界 Book きみとぼくの壊れた世界

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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シスコン?僕はそんなんじゃない。ただ妹が大切なだけ。

大切な妹を守るため、妹に群がる虫と対峙したと思ったら…

本当に退治されてしまった彼。彼を殺したのは一体誰なのか?

戦国BASARA2購入後も、未だ開催中のプチ西尾維新祭。見つけることができたら…と弱気発言をしておりました『きみとぼく』、本棚と格闘すること5分ようやく掘り当てました(この表現がまさにぴったり。もうキャパをオーバーしちゃってて、普通に並べられないんですよ)。

さて、本作『きみとぼく』は西尾作品の中で唯一と云って良い、真っ向勝負のミステリではなかでしょうか?「もんだい編」「たんてい編」「かいけつ編」の3章に分けられた本作。「もんだい編」はメフィスト誌上で発表され、犯人当ての形式をとっていたように記憶しております(あぁ、実家に置いてあるメフィストがあればすぐ解るのに)そのころ私は西尾維新(戯言)デビューしてなかったので、特に興味もなく(←あっ!)応募もしなかったのですが、ちゃんと犯人&トリックは解りましてよ!!

でも、犯人とトリックが解っても、その動機が解けないと良しとはならなかったはずです。「かいけつ編」で病院坂もそう云っていたような気がする(おいおい、まだ読了後3日も経過してないのに、もううろ覚えかよ!っていうか、読了後3日間も何してたんだよ?BASARAです!!)とにかく、ごろごろ登場する天才によってミステリとしての体裁から外れてしまった『クビキリ』よりも、もっともっと普通のミステリ。西尾維新の作品の中では、きっと最も逆に異色。

まぁ、『きみとぼく』の中にも西尾維新らしいポイントはしっかり詰まっているんですけれどね。最たるものが“シスコン”“ブラコン”兄妹。ブラコンマウンテンの頭頂部まで登り詰めてしまった妹・夜月ちゃん。本当に西尾維新は兄妹モノが好きですね。その兄妹の読書癖はなかなか興味深いものがありました。夜月ちゃんの本棚整理テクの一欠でも私にあればな…。でも、レインボー本棚になんてしちゃったら、所望する本を探すのにそれこそ5分以上掛かりそう。ちなみに私の本棚はオーソドックスに作者順→出版社順→サイズ順です。

というわけで、西尾作品の中で最も真っ当なミステリ作品『きみとぼくの壊れた世界』でございました。未読の方は、ぜひ「もんだい編」読了後に頁を捲る手を止めて、犯人当てに挑戦してみてくださいませ。

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2006年11月25日 (土)

『ネコソギラジカル(下)』 西尾維新

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い Book ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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ついに迎えた世界の終わり。

それは敵の所為でも、人類最終の所為でも無く、愛する青色の所為だった。

戯言シリーズ大団円、お別れなんてしたくない!

シリーズ作品を絶頂期に終わらせるのって、本当に潔く格好良いことだと思うのですが、やっぱり寂しいですよね。しかも戯言は

シリーズ通して振りまいてきた伏線をまったく回収せずに終焉!!!

結局そこなんです。いーちゃんと青色の過去とかいーちゃんの本名とか、とにかくいーちゃん関係あっさり未回収。せ、せめていーちゃんの本名くらい。狐さんにラストで宣戦布告したときに公表してくれたって良かったものを。まぁ、ネットで調べましたけれどもね。『クビツリ』のあのヒントで解き明かそうっていう剛の者はすごいねぇ。

というわけで、『クビツリ(下)』の副題は『クビキリ』と同じく「青色サヴァンと戯言遣い」、やっぱり戯言の主人公は青色と戯言遣いなんですよね。青色と居る世界こそが戯言遣いにとっての世界なのです。その青色が世界から消えれば…下巻の焦点はそこです!

にも拘らず!!!

青色の登場、最初と最後だけ!!ぎゃぼ!!!中巻ラストがあの衝撃的な一文でしたので、どれだけ青色出ずっぱりなのかと期待してたのに。どれだけ青色好っきゃねん、自分。

狐さんとのバトルもあっさりと停滞。降伏宣言して親子水入らずの隠遁生活でございますか。別に狐さんとのバトルなんて、かなりどうでも良かったんですけれど(あっ、云っちゃった!)大風呂敷広げたわりにアレじゃあねぇ。

でも、絶対にバッドエンドだと確信していた私にとって、あのハッピーエンドは嬉しい誤算。偶然持って生まれたサヴァンとしての才能をいーちゃんとの未来に活かした青色。青色が青色でなくなるのは青色スキーの私にとってとてもとても哀しいことなのですが、青色が自分で望んだ幸せなら良いや。直ちゃんもきっと目を細めて見守ってくれることでしょう。

そうそう、エンディングで思い出したのですが、潤さんの「親父がまた-何か、するつもりらしいぜ」は一体どういうことなんでしょうね?いや、いーちゃんがあそこで狐さんを殺していれば、いーちゃんはきっと世界から逸脱したモノになってしまったのだと思いますが。また何かするつもりなら、狐さんはなにを持ってして「死んだ」状態になったのか?初志貫徹してないじゃないですか?狐さん、私的にかなりどうでも良いんですが、ミステリ好きとしてこういうところ気になります。

というわけで、戯言シリーズの大団円としては(かなり期待していただけに)ちょっと不満の残るラストなのですが、青色が幸せならもうそれで良いや。西尾氏、いつか青色といーちゃんの過去について描いてくださいね?(まさか、特に考えてないなんてことは…?)

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2006年11月24日 (金)

『ネコソギラジカル(中)』 西尾維新

ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 Book ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種

著者:西尾 維新
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

橙なる種・想影真心によって次々と倒れ行く僕の仲間たち。

そして、僕の身に迫りくる危機を救ったのは…人間失格。

物語の終焉を前に集まるべくして集まった“大切な人たち”を僕は守れるのか?

はい、西尾維新に根こそぎ睡眠時間を奪われております私。肌荒れだって気になりません。だって、気になるのは世界の終わりの方だもの。

『ネコソギ(中)』は中巻としての役割をしっかりと果たしてくれた一作。橙なる種・想影真心の圧巻とも云える登場から、人間失格との再会、そしてラストの一文。

ラストの一文!

この『ネコソギ(中)』が出てから、下巻が発売になるまでの5ヶ月間。この5ヶ月間は長かった!長かったんだよ!あのラストが、あのラストの一文が下巻でどうやって回収されるのか?ハッピーエンドが待ち受けているのか、いーちゃんの前にはバッドエンドしか有り得ないのか、というか私の青色をどうしてくれようってのか?と怒りにも似た感情を携えての5ヶ月間でした。上中下3巻セットで完結なら、間髪いれずに発売してくれよ講談社。

というわけで『ネコソギ(中)』レビュー。まずは橙なる種のお話から。私、今回再読するまで真心はずっと男だと思っていたのですが、実は女の子ですか?いーちゃんのER3時代のルームメイトだっていうから、なんの疑問も持たずに男の子だと認識していたのですが。でも、メイドがメイド服着せちゃうくらいだしなぁ。メイドはそのあたりしっかりしてそうだから、男の子にメイド服着せたりしないだろうし。『ザレゴトディクショナル』は未読なので、そのあたりも判明しているようでしたら教えていただけると助かります~。

そして人間失格。零崎一賊全滅って!全滅って!!人識と舞織が残って居る以上、零崎は生まれながらにして零崎なのではなく、ある日突然「成る」ものである以上、もう一度零崎コミュニティが出来る…ことはあるかもしれませんが、悲しいですよね。“愚神礼賛”があの場に居ないってのが寂しい。『人間人間』で活躍予定の“少女趣味”の物語にも終わりが見えてしまっているってのも、淋しい。それをなんともないことのように振舞う人識も哀しい。辛くないわけないもの。人識であっても、ね。

そして「チーム」の面々。宴九段=屍(トリガーハッピーエンド)ネタには萌え。しかも、かなり重要な役割果たしてくれちゃって!≪蒼≫に盲目なまでに背信する≪屍≫であっても、むしろ背信しきっちゃてるからこそ起こった初めての裏切り。いーちゃんへの密告。ラストの一文。いーちゃんの代替品になれなかった≪屍≫はどんな気持ちでいーちゃんと対面したのでしょうか?≪蒼≫にどんな気持ちで挨拶を交わしたのでしょうか?≪蒼≫はどんな気持ちでその挨拶を受け入れたのでしょうか?あぁ、私の想像力のなさが恨めしい!!

そして、云わずにはいられない。萌太くん、お疲れ様。崩子ちゃんはいー兄に任せて、安らかに死神に身を委ねてください。

物語も次巻で終焉。私の青色がどうなるのか?『ネコソギ(下)』のぶっ壊れレビューは今しばらくお待ちください。あともうちょっとで下巻も読了します故。

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2006年11月23日 (木)

『ネコソギラジカル(上)』 西尾維新

ネコソギラジカル (上) 十三階段 Book ネコソギラジカル (上) 十三階段

著者:西尾 維新
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「よう-俺の敵」

不適な笑みを狐の仮面で隠し、僕の前に現れた僕の敵。

孤独だと思っていた僕にも、こんなにたくさんの仲間がいるから-もう逃げない。

厚い、厚いよ!『ネコゾギラジカル』!!

ついうっかり始めてしまったプチ西尾維新祭。『ネコソギ』まで読むつもりは全く無かったのですが、頁を捲る手が止まりません。いや、『ネコソギ』も発売当時に一回読んだっきりだったので、丁度良い機会だったのかもしれませんが。

『ネコソギ』は上中下の三段構えで“どしーん”と私の前に立ちはだかっており、全部読んだ後に一気レビューすることも考えたのですが、こんなに厚い本3冊も読むのにレビューは一個なんて勿体無い!と超浅ましい私は各巻毎のレビューに取り組むことと相成ったわけです。

さて、『ネコソギ(上)』でいーちゃんの運命はたいして進展しません。いーちゃんと狐さんの因果、そして“殺し名”“呪い名”の説明に終始する感じ。戯言ファンにはこの辺りの世界観説明がもう堪らないんですけれど。もう一回云いましょう、堪らないんですけれど。これまでの作品で「?」だった部分が徐々に徐々に解消されてゆく感覚。この調子で謎がどんどん解けてゆくんだろうと期待していたら痛い目遭うんですけれど。ぎゃぼ。

そして、シリーズ終焉に向けてキャラ総動員。まず、登録人物表見てびっくり。多っ!!『ネコソギ』で初登場のキャラはもちろん、既出のキャラであっても「これ誰だっけ?」状態です。『ヒトクイ』で強烈なインパクトを残した匂宮出夢はもちろん、小唄さんに真姫さん(あっ、登場はしてない?)に、赤音ちんまで登場!!あっ、赤音ちんの登場はあれだけですか?赤色の再登場に華を持たせるためだけに、ヒューストンくんだりからやってきたのですか!?なんて不憫な赤音ちん。七愚人設定も私、大好きなんですよねぇ。

そして闇口崩子&石凪萌太兄妹が満を持してフル登場です。崩子ちゃん、いーちゃんなんかと契約したら貞操の危機ですわよ!7年待って下さい…って7年経ったってダメなもんはダメですよ!そして萌太くんに萌え。デフォルトであの口調ですか!それだけで私のモロ好みです。本当にこの兄妹好きだなぁ。兄妹ネタの多い戯言ですが、いっとぅ好きな兄妹です。でも、実戦経験は無いと云っていた萌太くんですが、『人間ノック』のアレは実戦には含まれないのでしょうか?“死神”の云うことはようわからんです。

そして、メイド!メイド!!あのメイドはあかりさんなのかひかりさんなのか、はたまたてる子さんなのか!!!個人的にはてる子さん設定でお願いします。心の中じゃ「あぁ、こんな奴早く死ねばいいのに!」なんて思いながら、笑顔で「ご主人様」と頭を垂れなくてはならないのですからね!てる子さん、一生の不覚!!でも、あのメイドさんが誰だったにせよ、あの最後の言葉は真だったのだと思いたい。この数ヶ月で本当に成長したよね、いーちゃん。

さて、『ネコソギ(中)』は物語が動いてゆきます。橙なる種の登場、そして人間失格との再会。うん、いまから読んじゃって眠れるのかしら私。あぁ、頁を捲る手が止まらない!!

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2006年11月22日 (水)

『ヒトクイマジカル』 西尾維新

ヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹 Book ヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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“殺し名”序列第一位・一人で二人の匂宮。

コレを拾ってしまったことが間違いの始まり?

バックノズルな運命に翻弄される僕を、とくと御覧あれ。

ぐっはぁ!姫ちゃん!!!

『クビツリハイスクール』で救われた姫ちゃんを、この『ヒトクイ』でばっさり切り捨てましたか!初読の時のあの衝撃。忘れられません。いきなりネタバレレビューで大変恐縮なのですが、しばらくはこの姫ちゃんトークを続けさせてください。

いーちゃんが姫ちゃんを見つけたあの瞬間。あの瞬間が頭から離れません。好きな人がいると告白する姫ちゃん。青色が彼女ではないなら、いっしょに旅行なんてのも大丈夫ですよね?と笑う姫ちゃん。その笑顔に隠された決意を決して悟られることの無いようにと、ぎこちなく、とてもぎこちなく笑う姫ちゃん。その姫ちゃんが翌日にはあんな、あんな姿に。

西尾維新、恨みマス!!(のだめ風)

ってのは冗談にしても(本当か?)かなりショックでした。『ネコソギ』の萌太くんに匹敵する衝撃。告げるはずでは無かった想いを告げてしまった後に、はにかんで笑う姫ちゃんがあまりにもあまりにも可愛くって、あぁ姫ちゃんは本当に良い子だと、きっと新しい人生を真っ当に生きてゆけると確信したのに、その私の想いはあっさりとあっさりと裏切られました。

しかも、姫ちゃんが最期に想ったはずであろう、幸せだった日々のこと、そして師匠を守れなかったことへの悔い。姫ちゃんには悔いなんて残して欲しくねーっすよ!!でも、そんな悔いは最期に人喰いとバトルしたいーちゃんが晴らしてくれたのかな?戯言は最初の本格ミステリ路線を捨て、スタンドの皆様がバトルを繰り広げる不思議小説へと昇華してしまいましたが、『ヒトクイ』のこのバトルだけは、姫ちゃんのために存在したこのバトルだけは好きです。

姫ちゃん、おつかれさまでした。

さて、『ヒトクイ』は『ネコソギ』に繋がる小休止的作品として認識しております私(その小休止で最期を迎えた姫ちゃんって…よよよ)。狐さんの登場で、いーちゃんの運命の歯車は脱輪寸前まで加速を始めます。決して避けることの出来ない因果に出逢ってしまった瞬間。そして戯言遣いが戯言を捨てる瞬間。

もう、『ネコゾギ』まで読むしかないってか!?

ラストでいーちゃんに「友達」だと云われ年相応にはにかんで見せた崩子ちゃんのために、そして崩子ちゃんを愛して止まない萌太くんのために。そして人間失格と、人としての終わりを迎える青色のために。私は読みましょう、重量1キロはあろうかという(もちろん未測定)『ネコソギ』を。

というわけで、次は『ネコゾギ(上)』のレビューでお逢いしましょう。

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2006年11月21日 (火)

『クビツリハイスクール』 西尾維新

クビツリハイスクール―戯言遣いの弟子 Book クビツリハイスクール―戯言遣いの弟子

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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人類最強の請負人にスタンガンで失神させられた後、連れて行かれたのはクビツリハイスクール。

戯言遣い今回のミッションは首吊学園からひとりの生徒を助け出すこと。

果たして戯言遣いはインポッシブルミッションを成功させることができるのか?

いやぁ、本当に西尾維新はすごいなぁ。西尾維新氏と私は同級生なんですよ。いや、学舎がいっしょだったことはもちろんないです(立命館だなんて滅相も無い)ただ同い年だというだけで。だからこそ、リアルにすごいと感じる。

『クビツリハイスクール』は戯言シリーズの中でぎりぎりミステリとしての様相を保っている最期の作品でしょうか?密室本として出版された本作ですが、ハイテクな密室をローテクで作り出すという、ミステリの基本が詰まった一作。ただ、登場人物がもうびっくり人間大集合化してしまっているので、ミステリとして読めませんけれども。

プチ西尾維新祭の開催を決定付けた『人間ノック』で華麗なる再登場を見せた“策師”と“闇突”が本作で初登場。“策師”の彼女なんて、たった3つの質問で戯言ファンの頭を相当悩ませる“いーちゃんの本名”を解き明かしてしまうというのですから、超侮れません。ただ、『クビツリ』は如何せん短い(200頁無いの。読了まで1時間ってところなの)ため、彼女の“策師”たるお姿がどうも伝わってこないのが残念です。“闇突”なんて“ジグザグ”にあっさりだもの。でも『人間ノック』で描かれる彼女に比べたら、随分と大人になったこと。

そして姫ちゃん。姫ちゃんのラストを思うと、彼女のどんな言動も許せるってなもんです。姫ちゃんは師匠(=いーちゃん)と請負人に出逢えて本当に良かったよなぁ。戯言遣いが姫ちゃんに語った未来。その戯言の目的が単なる時間稼ぎに過ぎなかったにしても、その言葉は姫ちゃんの胸に突き刺さったことでしょう。『サイコロジカル』や『ヒトクイマジカル』で描かれる“正しい未来”のことを思うと、お姉さんは嬉しく思うよ。それにしても、青色といい姫ちゃんといい、人は見かけによらないっすね!

そうそう、『クビツリ』を語る上で外すことのできない要素といえば…

いーちゃんの女装と請負人の女子高生ルック!!

潤さん、最高に似合うじゃないですか制服。すんげぇ、可愛い。もちろん請負人にはそのカラーである赤を颯爽と着こなしてもらいたいのですが、たまにはそんなお姿も良いっすよね!いーちゃんも、姫ちゃんにかましたあの素敵な戯言が女装姿だったことを思うと頬がにやけてしまいます。青色にしかと見せてあげたかったよ。でも、プリーツスカートに入ったあのスリットは、絶対にやらしいと思います。

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2006年11月20日 (月)

『クビシメロマンチスト』 西尾維新

クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識 Book クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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遅れること一ヶ月で大学生活を開始した僕。

そこに現れる馴れ馴れしいったらありゃしない女と、まるで鏡に映したかのような人間失格。

そして巻き込まれる絞殺殺人事件。僕の首を絞めるのは一体…誰だ?

プチ西尾維新祭…という名の、レビュー未作品消化試合です。

戯言シリーズは青色の活躍する巻のみ消化済という、趣味に走った読み方をしておりましたので、ここらでちゃんとレビューしておこうかな?と。でも、『ネコゾギ』上中下まで読むのかは未だ思案中。だぶんきっと読まない。

本作『クビシメロマンチスト』は未だ戯言シリーズ第二弾でしかないんですよね。すごいな、西尾維新。シリーズ終焉まで読みきった今だからこそ解るネタがところかしこに。しっかりとしたシリーズ全体像がこの時点で描かれていないと、こんなに伏線張り巡らしておけないでしょう?手の動くまま、キーを叩くまま任せていたのだとしても、漠然と創造しておかなくてはこうはいかないはず。どんな思考回路しているのかしら?

さて、前作『クビキリサイクル』ではこれでもかっこれでもかっ!と天才が登場しましたが、本作『クビシメロマンチスト』に登場するのは凡人ばかり。戯言シリーズの中で最もフツーにミステリミステリしている作品だと私は思っているのですが、いかがでしょう?

本作のキーパーソンといえる凡人は、やはり葵井巫女子。≪あのミステリ作家が新作予告、ただし「このミス」私の隠し玉!みたいな≫口調で(この巫女子節はいまなんとなく思いついて書いてみました)戯言遣いを煙に巻く不思議少女。彼女の狙いは戯言遣いそのものだと云うんだから驚きです。貴方、戯言遣いのどのあたりにシンパシィ感じたの?

『クビシメ』の最大お気に入りポイントはいーちゃんがその戯言を武器に巫女子と対峙する場面なんですが、確信犯であれだけの言葉を吐いてみせるいーちゃんはやはり素晴らしい。そうじゃなきゃ、いーちゃんじゃないよ。『人間ノック』で青色が「街」に見せた暴君っぷりのように、いーちゃんにとっても青色だけが特別。それ以外の好意なんてすっぱりあっさりばっさり断ち切って欲しいものです。

そして、人間失格と欠陥製品の邂逅。正直、初読のときはよくわからなかったのですが、『人間試験』に『人間ノック』に『ネコソギ(中)』を読んだ今となっては、あぁそういうことかぁと思う部分がありましたね。人識株、最近急上昇中ですの。

兎にも角にも、戯言で巫女子をぶった切るところから、いーちゃんの証拠隠滅のくだりまでが『クビシメ』で最もアツイ箇所だと思ってます。あの部分こそが『クビシメ』の真髄だと個人的に確信しておりますの。

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2006年11月19日 (日)

『ダブルダウン勘繰郎』 西尾維新

ダブルダウン勘繰郎 Book ダブルダウン勘繰郎

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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一心不乱に日本探偵倶楽部(JDC)を見つめる探偵志望者。

そんな“探偵を志す者”と“かつて探偵を志した者”の出逢いがこの物語の始まり。

西尾維新の描くJDC TRIBUTE作品。

プチ西尾維新祭開催中です。

この『ダブルダウン勘繰郎』はJDC TRIBUTE作品ということで、清涼院流水氏の創作したJDCワールドが下敷きになっております。JDC(日本探偵倶楽部)とは一体なんなのか?西尾維新氏は読んでも、清涼院流水氏はちょっと…と仰る方が存外多いようなので、ちょっと解説を。

JDCとはJapan Detective Clubの略でして、未曽有の変態探偵を集めた集団です。探偵たちは一班から七班の“ランク付け”がなされており、一班の探偵となれば一流の名探偵であることはもちろん、一流の奇人変人たる資格をも持ち合わせております。JDCキャラクタの中で最も有名なのが九十九十九。彼はDOLLと呼ばれるJDCの上位団体からS探偵に任命させており、世界レベルの推理力を持ち合わせているのですが、彼を語る上で外すことのできないポイントはその美貌。素顔を晒せば、あまりの美しさに失神する者が多数。警視庁から外出の際にはサングラス着用を義務付けられているという剛の者です。(十九については舞城王太郎氏著の『九十九十九』に詳しい…のでしょうか?舞城とは決別宣言したので、未読なんです~)

そして、本作『ダブルダウン勘繰郎』にも登場する黒衣の貴公子・龍宮城之介。私は彼がJDCキャラクタの中でいっとう好きですが、彼は生粋の駄洒落スキーです。出てくる言葉出てくる言葉、すべて駄洒落。その駄洒落狂が自然と言葉遊びのプロとなり、暗号やアナグラムにかけて彼の右に出る者はおりません。愛用の黒いマント、黒い手袋、そして黒いフェルト帽から覗く愛らしいベビーフェイスに私はノックアウトなのですが、あの婚約劇だけはどうかと思います。

というわけで、『ダブルダウン勘繰郎』レビューと云いつつも、JDCへの愛を散々ぶちまけているだけになりつつあります。危ない危ない。本題に戻りましょうか。

『DEATH NOTE‐ANOTHER NOTE ロサンゼルスBB連続殺人事件‐』でも、人の土俵で鮮やかな舞を見せ付けた西尾維新氏ですが、デスノよりも前にその力を遺憾なく発揮されていたわけであります。JDCスキーな私でも、違和感なく読めるもの。龍宮の登場シーンなんて、清涼院氏が書いたのか?と思わせるほどです。

そして、TRIBUTE新探偵たち。あぁ、こんな奴等は本家のJDCにも絶対居るよ…と思わずにはいられません。西尾維新氏に多大な影響を与えた作家として良く挙げられるのが、森博嗣氏と清涼院流水氏ですが、流水イズムにこんなにもマッチするなんて。本家のJDCにもTRIBUTE探偵たちを登場させてやってください。

そして、おもしろいのが西尾流探偵論ですね。人間が必ず持っている“誰にも知られたく無い部分”を殺して解して並べて揃えて晒した挙句に、にやっと微笑む名探偵。自分の頭脳がいかに素晴らしいものであるかを時には控えめに、時には堂々と自慢し、他人を卑下する名探偵。た、確かに。現実世界にそんな奴が居たら、絶対にお近づきになりたくはありませんが、それでも名探偵が大好きな私はやっぱりミステリ狂なのかもしれません。

西尾維新氏が本作でかますトリック(ふたつあるのかな?)は、西尾維新氏らしいお遊びが含まれていて私は好きですね~。中でも“かつて探偵を志したもの”の変貌ぶりが素敵です。警備員に命令するときの、探偵にはもう失望してます(馬鹿にしてます)感が素晴らしかったですね。

というわけで、『ダブルダウン勘繰郎』レビュー部分よりも、JDC解説部分の方が長かったんじゃないか感(しかも、あっという間に書けた)は拭えませんが、この作品でJDCに興味を持つ人が出てくれば、西尾氏もそして私も本望なのだと思います。よぉし、それでは次は『クビシメロマンチスト』レビューでお逢いしましょう。

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2006年11月18日 (土)

『零崎双識の人間試験』 西尾維新

零崎双識の人間試験 Book 零崎双識の人間試験

著者:西尾 維新
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

殺人鬼・零崎一族の長兄にして斬り込み隊長・零崎双識。

自殺願望が“通り名なき可愛い弟”を探す旅の途中で出逢った可愛い妹。

彼女は果たして一族の希望たり得るのか?

『人間ノック』にすっかり感化されちゃって、『人間試験』の再読です。『人間ノック』が「意味不明の連中がただただ殺し合っている戦慄の小説」ならば、『人間試験』は「意味不明の連中がただただ殺し合っている中に描かれた家族の小説」です。新たな零崎の誕生、そして惜しいほど惜しい死。

舞織が双識の元に辿り着いた、あの瞬間がもう号泣なんですよ!

初読の際には、まさか西尾維新の小説で号泣してしまうとは…と、そりゃもうびっくらしました。

頬に刺青、運命の交差点で彼の道と触れ合ったが最期、当たり前のように殺す、通り名なき弟“零崎の中の零崎”零崎人識を、一族の長兄たる“自殺願望”がその気配を辿って探す旅の途中、出逢ってしまったのが本作ヒロイン・無桐伊織ちゃんです。零崎たる素質(性質)を持ちながらも、これまでの人生の中で誰ひとりとして殺してくることのなかったヒロイン。その“奇跡”その“希望”を彼女に見出しながらも、零崎であるにも関わらず巻き込まれてしまったトラブル。

トラブルについてはすべては“呪い名”の仕組んだこと…というオチです。まぁ、人識なら気まぐれで敵を見逃してやるくらいのことはしそうなものですので、諸手を挙げて賛成は出来かねます。長兄の手前、そう語っただけかもしれませんよ?それよりも重要なのが、人識の語る『欠陥製品』についての戯言。幼き頃から、いつか自分にとって大切な“誰か”に出逢うことを確信していた人識。その人識が出逢った『あいつ』のお話。それがたとえ零崎一族のコンビプレーを成立させるが為の、時間稼ぎの戯言であったにしても、戯言スキーにとっては聞き逃すことのできない戯言です。

いーちゃんは知らず知らずのうちに他人の運命を捻じ曲げて、自分の交差点内で事故を起こさせますからね。ある意味、石凪よりも死神です。

『クビシメロマンチスト』の巫女子ちゃんを彷彿とさせる、本作ヒロイン伊織ちゃんですが、彼女が覚醒し、死にかけの双識の元に辿り着いた際に、自らの止血なんて放り出して新たなる家族に駆け寄る双識。まさに“自殺願望”。そのふたりが醸し出す“零崎の家族の形”が最高です。「お兄ちゃん、独りじゃ、寂しいかなぁって」そう笑う彼女に、その嬉しさからかける言葉を失ってしまう双識。「妹を庇って死ぬなんて兄として本望じゃない。ねぇ、そうでしょ?お兄ちゃん」その台詞がすべてを表す、揺るぐことの無い零崎の家族愛。

たまんねっす!

普通にここで号泣しますからね。皆様、ご注意です。

孤独を知る者、孤独しか知らない者たちが集まった零崎コミュニティ。さぁ、零崎を始めよう-第三弾『零崎曲識の人間人間』がいまから楽しみです!

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2006年11月17日 (金)

『零崎軋識の人間ノック』 西尾維新

零崎軋識の人間ノック Book 零崎軋識の人間ノック

著者:西尾 維新
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

殺人鬼一族・零崎の中でも異彩を放つ“愚神礼賛”こと零崎軋識。

昨日も今日も明日だって、軋識の前に立ちはだかるのは敵・敵・敵。

さぁ、零崎を始めよう。

うぉぉぉぉ、戯言シリーズキャラ総動員じゃないですか?

前作『零崎双識の人間試験』が超感動巨編だっただけに(号泣した口です)、期待も脹らむ第二弾『零崎軋識の人間ノック』。作者・西尾維新氏にして「意味不明の連中がただただ殺し合っている戦慄の小説」と云わしめる本作。戯言シリーズ後期の流れを汲んだ作品ですが、それでもやっぱり西尾維新はおもしろい!

オープニングから飛ばしてくれます。十二国記の泰麒を連想させるお姿で登場した人識を筆頭に、『クビツリハイスクール』であっさり殺られてしまった“策士”と“狂戦士”の登場。

うぉぉぉぉ、アツイ!アツすぎる!!

読む前におまけのトレーディングカードを覗き見してしまったため(だって、本がしならないから読み難かったんだもの)、狙撃手が登場した瞬間に狂喜乱舞。あの「正々堂々手段を選ばず真っ向から不意討って御覧に入れましょう」という名台詞がもう一度読めるとは。策士、大好きです。

とにかく戯言キャラ満載の本作。請負人が登場するのはまだ予想できたにしろ、鉄仮面メイド(最強!!)に、死神・萌太くんまで登場しますか!萌太くん、きゃわゆいなぁ。やばいな、ショタの気がバレる。

そ、そして“暴君”の登場には度胆抜かれました。

まさに暴君だよ!

「うにー、いーちゃん髪くくってー」とか云ってた、あの萌え萌えの青色はどこに?そうかそうか、さっちゃんはやっぱりドMだったわけだ。「殴っていただいてありがとうございますって言ってくれるかな?」なんて云われて、正気の奴なら殴り返すところです。「ごほうびに右足の親指を六十秒、しゃぶらせてあげるよ」って、お風呂嫌いな青色の足の指をですか?正気で居たいのなら顔を背けるべきです。うわぁ、私の愛しい青色を壊さないでぇ!!

しかし、独白スタイルをとっているにしろ「(会話文)」で状況説明させ過ぎじゃないですか?登場人物全員、どこからどう見ても怪しい人ですよ。中身がもうぶっ壊れているんだから、外身くらい真っ当な一般人を気取らせてやってください。軋識は絶対に「街」姿のスーツの方がお似合いよ。惚れる。

そうそう、スーツと云えば双識はどうしちゃったんでしょうか?彼が念願の妹を得るのは5年も後のことになりますが、策士に溺れる彼もさることながら、戦闘中の様がかなり無様。鉄仮面メイドと軋識のバトルや、人識と狂戦士(あるいは人喰い)のバトルに比べたら見劣りするったらないです。本当に零崎において一・ニを争う殺人鬼ですか?これはもう、『人間試験』を読み返すしかないっすね!

あ、あとね人識の「今度会ったら、すげえキスしてやるからな…」には爆笑させていただきました!あぁ、これが私の知ってる人識だよ。進学校で平均点90点以上取っちゃう人識ってのも、なるほど!と思ったけれども。

零崎シリーズ第三弾『零崎曲識の人間人間』が春から「メフィスト」で連載予定とのことですが、何年かぶりに「メフィスト」買ってみようかしら。その前に「メフィスト」置いてる本屋さんを探すのが先か。なんてマイナなんだ、「メフィスト」!

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2006年8月 7日 (月)

『DEATH NOTE‐ANOTHER NOTE』 西尾維新

DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件 Book DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件

著者:西尾 維新,大場 つぐみ,小畑 健
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

世紀の名探偵・Lがキラと出逢うまでに手掛けた「ロサンゼルスBB連続殺人事件」

Lが解決した3500の難事件の中でも、この事件は3指に入る貴重な事件だった。

そして、『DEATH NOTE』に欠かせないあの女性捜査官も登場!

の真っ最中なのに…。

日帰り旅行に出発した私ですが、合議制のもと急遽一泊旅行に変更になりまして、夜のホテルのお供に…と旅先でチョイスしたのが、この『DEATH NOTE‐ANOTHER NOTE ロサンゼルスBB連続殺人事件‐』なのでございます。伊坂幸太郎氏の『重力ピエロ』文庫版の購入を考えていたのですが、残り2冊しかなかった『BB事件』を目の前で男性が1冊購入して行ったのを見て、「残り1冊を私が買わずに誰が買う!」とSOLD OUTにしてやったわけです。

さて、『DEATH NOTE』本編と私の“お付き合い進展度”ですが、Lがキラに殺害される直前までコミックスを購入していたという、なんとも中途半端なお付き合いなのです。例えて云うなら…友達以上恋人未満デートは3回まで…みたいな?Lとキラの駆け引きの具合がなんともじれったくって、今なら高価買取!に思わず負けてしまったわけです。例えて云うなら…高学歴のお医者様とお見合いが決定!…みたいな?

でも、今回のノベライズはLがキラと出逢う前に手掛けた事件が題材でしたので、NOTEも死神も登場しません。ただ、『DEATH NOTE』の世界観はそのままに。Lの存在がそもそも世界にとって規格外なのですが、規格外の世界には規格外の存在がよく似合う。そこに、規格外の奇才・西尾維新とくれば、もう怖い物無しではありませんか?

というわけで、肝心の内容でございますが、あれ?規格内?

おもしろいです。確かにおもしろいです。でも、西尾維新色が薄い!原作の存在が大きすぎて(人気が有りすぎて)西尾維新特有の遊びが少ない。もっともっとトリッキーでファンキーな西尾維新ワールドを望んでおったものですから。

本格ミステリとして眺めたとしても、ちょっと物足りない。サクサクサクサクとストーリーが予定調和に進んでしまうので、推理する時間も必要も無い。トリックもミステリ作品としてはよく見られるもので、なんとなくピンときてしまいます。だって、他に考えようがないもの。それがまた残念で。

でも、おもしろいんですよ。既存作品のノベライズの中では、きっとずば抜けておもしろい。他者が創造した既存の世界をここまで活かして、新しい世界を構築するなんて、きっと並の作家ではできないと思います。読む価値は充分にあると思います。1000円以上の本はどうしても高いと思ってしまう私ですが、買って損したとはまったく思いませんでしたよ。

同時発売の『×××HOLIC』のノベライズはどうなのでしょうか?『HOLIC』は『ツバサ』で得られる知識しか持ち合わせていないのですが…(しかも『ツバサ』も途中で売っちゃった☆)また今回のように“旅のお供に1冊”という機会があれば、そのときは『HOLIC』の方を購入したいと思います。

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2006年6月 6日 (火)

『サイコロジカル』 西尾維新

サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し Book サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し

著者:西尾 維新
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

死線の蒼が向かった堕落三昧研究所で彼らを待ち受けていたのは害悪細菌。

そして起こる猟奇殺人事件。

戯言遣いはこの危機を乗り越え、囚われの死線の蒼を助け出すことができるのか。

敢えて意味わからないように内容紹介を書いてみました。死線の蒼は「デッドブルー」、墜落三昧は「マッドデモン」、害悪細菌は「グリーングリーングリーン」、戯言遣いは「モンキートーク」と読みます。例えルビを振ったって理解なんてできねぇ…。

さて、この『サイコロジカル』は「戯言シリーズ」最後のミステリといっても過言ではありません。まぁ「クビツリハイスクール」が既にミステリでは無いんですけれども…(個人的見解です)。というか、机上の空論も良いところですよね!こんな解決で納得する奴等(特に墜落三昧)の顔が見たいってなもんです。まぁ、そこは西尾氏が後日談でフォローしてくれておりますが、キャラ萌え作品としてこの『サイコロジカル』を読んだわけでは無い方は、読了後憤って仕方ないことでしょう。「結局、だからなんなんだ!」と。

『サイコロジカル』はいーちゃんのERプログラム時代のことや、友のチーム時代のことが描かれている貴重な一冊です。キャラ萌え。それだけでこの『サイコロジカル』を読んだ甲斐があるというものです。「戯言シリーズ」完結のあかつきにはこの辺りのことがすべて明かされると思って期待していたのですが…。明日発売(北海道じゃ明々後日だ)の『ザレゴトディクショナル』を読むと、このあたりのことが解決されるのでしょうか。購入予定はありませんが、皆様のレビューを読んで好評なのであれば、おいおい考えようと思います。

読み終わったのが一昨日なものだから、生の感想が書けなくて、ここまで書くのにも精一杯です。もう無理ポ。

『ザレゴトディクショナル』が良いようであれば、皆様教えてくださいませ。

サイコロジカル〈下〉曳かれ者の小唄 Book サイコロジカル〈下〉曳かれ者の小唄

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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2006年6月 3日 (土)

『クビキリサイクル』 西尾維新

クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い Book クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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絶海の孤島・鴉の濡れ羽島に集められた5人の天才とその介添人。

そこで起こる連続首切り事件。

このクビキリのサイクルを戯言遣いは見破ることができるのか?

去年終焉を迎えました「戯言シリーズ」はここから始まりました。

『クビキリサイクル』は最高にイイッ!!

「戯言シリーズ」は当初、こんなにもしっかりとした本格ミステリだったのに…と悔やむこと数回。このテイストで最後までいってくれたら、西尾氏は私の中で間違いなく神格化されたでしょう。

萌えと秘密を内包するキャラ創りと、小気味の良い戯言。このふたつが「戯言シリーズ」をここまで飛躍させたすべてだと思います。そして、圧倒的な世界観も。とにかく、私はいーちゃんと友が好きでね。友はヒロインにも関わらず、さっぱり物語に登場しないから、この『クビキリサイクル』と『サイコロジカル』は私の中でバイブルと化しております。

ミステリとしても丁寧に描かれていて、好感が持てます。ただ、トリックが『そして誰もいなくなった』同様“読む前からネタバレ”状態を起こしておりますので、容易に想像できてしまうのが残念。登場する最初の密室についても悩むことなく解決することができます。悪くはないけれど親切すぎる。

あと、感じるのは「天才のスケールがちっせぇ」ということ。現実世界で天才なんていう人種にお会いしたことはありませんが、電波受信人間=天才という構図はいかがなものかと。まぁ、鴉の濡れ羽島は彼女たちにとってアウェーであって、本来の力を発揮する場ではないので、言動だけで判断は出来かねますが。その意味では画家と料理家は本物の天才であったかもしれない。ちなみに占い師は持って生まれた才能であって、それだけで天才扱いはどうかと思います(占い師嫌いな私)。

って、なんだか酷評しておりますが、私はこの『クビキリサイクル』が本当に好きです。ライトノベル調(というかライトノベル?)なので、好き嫌いがはっきりと分かれてしまう一品ですが、好きならとことん好きになれると思います。ただ、終焉間近の戯言はどうかと思いますがね…。次はバイブル2冊目の『サイコロジカル』を読もうかな。

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2006年5月22日 (月)

『ニンギョウがニンギョウ』 西尾維新

ニンギョウがニンギョウ Book ニンギョウがニンギョウ

著者:西尾 維新
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

私は17番目の妹が死ぬたびに映画館に行く。

戯言シリーズで御馴染みの西尾維新ノン・シリーズ。

これを理解できる人はいるのでしょうか?

あまりに破綻したストーリーに、内容紹介を書くことすらできませんでした。というか、ストーリーなんてありましたっけ?誰か教えてください…。

戯言シリーズも『サイコロジカル』くらいまではまともに読めたんだけれどなぁ。『ヒトクイマジカル』『ネコゾギラジカル』あたりは、いーちゃんと蒼の過去くらいは解き明かして完結するだろう…という希望だけが私の手を動かしておりました。

西尾維新氏は確か私と同い年だったと記憶しております。西尾氏が“京都の二十歳”と呼ばれていた頃、私もちょうど二十歳だったものですから。『クビキリサイクル』を読んだときは、すんごいこと考える同級生がいるもんだと感嘆しましたが、もう西尾氏の考えていることがわかりません。

西尾氏は「ファウスト」創刊からもわかるように、出版界に新しいムーブメントを巻き起こしましたが、西尾氏のやることなすこと「はい、賛成!」という世情にはちょっと納得しかねます。だって、『ニンギョウがニンギョウ』をきちんと理解できる人がそうそう居るとは考えられないもの。この『ニンギョウがニンギョウ』が出版に至る…という世の中が信じられません。西尾氏のネームバリューだけで確かに売れるかもしれないけれど、出版業界というものは売れれば良いってものではないでしょう?その本を出版し、読者がそれを読むことでなにか新しい感覚・懐かしい感覚を呼び覚まして欲しい、そう願って本を創ることが出版業界に求められた使命だと思います。売れるからといって破綻した物語を世の中に出すことではないはず。

なにかが大きく変わってきている。その一端に西尾維新氏が居る。良いのか悪いのかは一個人では判断できないけれど、私の感情論で云えばそれは“否”なのです。

次に読む西尾氏の作品は『クビキリサイクル』にしよう。褒めちぎったレビューを書こうと私は誓うのでございます。

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