■霧舎巧

2019/03/12

『マリオネット園 《あかずの扉》研究会首吊塔へ』 霧舎巧

あかずの扉シリーズ第4弾。舞台は斜塔・首吊塔。

首吊塔の内と外、ふたりの名探偵がそれぞれ事件に巻き込まれていく必然がいい。どちらも護りたい女のために動いてる。鳴海さんはキザなところを除けば(それが本体では?)とてもいいひとなので、そろそろしあわせになって欲しい。

トリックもてんこもりで、特に○○○○○○に仕掛けられた物理トリックは秀逸。再読なのでそのトリックは記憶していたが、わかって読んでいても頭がこんがらがる。自殺する人形が壊された理由も素晴らしい。

あとは後動さんが鳴海さんの否定を受けてさっと引きさがるところもいい。名探偵と名探偵をぶつけた場合、VSするのは最高だけど、協力するのだって最高なんです。

あかずの扉シリーズは本当にどれも良いので、ぜひたくさんの人に読んでもらいたい。そしてシリーズ続刊をどうか…どうか…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019/03/03

『ラグナロク洞―「あかずの扉」研究会 影郎沼へ』 霧舎巧

あかずの扉シリーズ第3弾。館、孤島ときて嵐の山荘モノ。そして鳴海さんによるダイイングメッセージ講義。

バタバタと殺人が起こり、次々と遺されるダイイングメッセージ。これぞ新本格。しかも、名探偵自ら、現実ではダイイングメッセージなんて発生し得ないとそれを否定してみせる。確かに、最期の力を振り絞って犯人の名前を遺すよりも助けを呼ぶ方が自然なわけです。でも、私はダイイングメッセージを正しく受け取ろうと探偵があれこれ頭を捻るミステリが大好きなわけで。

残り数ページで二転三転する犯人もよい。メタ読み勢もびっくり。

ジョーマエさん明らかにしたある秘密がなかなか巧くて、個人的にお気に入りです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018/10/20

『霧舎巧 傑作短編集』 霧舎巧

霧舎巧デビュー前に書かれた作品を中心にまとめられた短編集。しかしながら、あかずの扉シリーズを先に読むことをおすすめしたい。シリーズ内で仄めかされていたアレコレがここに。

短編ひとつひとつもレベル高くまとまっています。個人的ベストは「まだらの紐、再び」か「紫陽花物語」か。「動物園の密室」もにやにやしちゃうし、つまりはどれも良い。あかずの扉シリーズを再読したくなる作品集。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/08/01

『新・新本格もどき』 霧舎巧

『新本格もどき』続編。趣向は変わらず新本格の有名作品をもどく連作短編集なのだけれど、連作の部分にこだわり教団関係を縦軸に入れた関係で複雑&強引な作品になってしまったのが本当に残念。

普通に吉田さんの記憶を取り戻すためにお馴染みのメンバーが新本格をもどくだけではいけなかったのだろうか。単純にナースのエリさんとの関係が深まっていくのを縦軸にすれば良かったのでは?なんと言いましょうか、教団関係の連続殺人がまさに“意味のない殺人”なんですよね。描写もなにもない。ただ死体発見と素性の文章があるだけ。ミステリはそういうものだけれどさすがにこれは…。

そんな中で個人的ベストを挙げるとするならば「殺人史劇の13人」でしょうか。「人狼病の恐怖」で化粧室からいきなり縦ロールが出てくるシーンも良かったですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/07/08

『新本格もどき』 霧舎巧

綾辻行人、法月綸太郎、安孫子武丸に有栖川有栖など新本格の有名作品を“もどいた”連作短編集。やはり本歌を知った上でにやにやしながら読むのが楽しい。

個人的ベストは館モノとしても十分、登場人物たちにデジャブを感じる「三、四、五角館の殺人」でしょうか。○○トリックの「ニ、三の悲劇」も好き。吉田さんがいきなりナベつかみで話しだす「人形は密室で推理する」も本歌を知っているか知らないかでにやにや度は相当変わってきますね。「13人目の看護師」のぶっ飛んだ感じも。

そして、ラストで明かされる吉田さんの正体はあのシリーズをもどいたものでした。さんざん名探偵を気取って(名乗って)おきながら、最終的に謎を解くのは別の人。あれ?霧舎作品に似たような名探偵がいたような…(って、2人いるのが問題だ)。ああ、開かずの間シリーズの新作が読みたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/09/30

『推理は一日二時間まで』 霧舎巧

霧舎巧の新刊が出ると聞いてとても楽しみにしていたのですが、ただただ残念な読了です。

レンタルスペース「秘密基地」で起こる日常の謎を愉快な利用者たちと解決する短編集なのですが、個性的()なキャラクタたちに最後まで馴染めませんでした。会話中心に物語が進んでいくのですが、つまらない小ネタが入ってくるのでテンポは悪いし、分かりにくい。それでも謎の方におもしろみがあればまだ読めるのですが、正直ひとつもおもしろいと思う謎はありませんでした。

最後の謎であり、タイトル『推理は一日二時間まで』の元にもなっている高左右くんの正体も個人的には微妙で、もっと魅力的な結末を期待していました。というか、高左右くんの活躍が中途半端なんですよね。彼が○○だとしても、「秘密基地」の面々が右往左往している横で名探偵気取って謎を解けたはずなんです。そうしないと高左右くんという存在を作った意味がない。それなのにいつもヒントを出す程度の登場しかしないのでオチのカタルシスがないんですよね。

どこを褒めたらいいかわからない、期待していただけにとても残念な1冊でした。やはりガチガチの本格ミステリを読みたい。霧舎巧は今の時代にそれができる貴重な作家のひとりだと思っています。あと、霧舎学園シリーズをなんとか終わらせて欲しいです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013/03/27

『一月は合格祈願×恋愛成就=日常の謎』 霧舎巧

書店で「まさか未だ続いていたとは…」と呟いてしまった私立霧舎学園ミステリ白書、今月の主題は「日常の謎」です。

が、私は「いつ日常の謎が提示されるんだろう」と思っていたんですよね、最後まで。そして、あとがきで各章に小さな日常の謎を潜ませた連作短編集を気取っているみたいなことが書かれていて吃驚。どこに謎があったのだろう…各章でひとつずつ謎が提示されていたということは8つの謎があったってこと?嘘だろ?とまあ、割と本気で思いましたとも。

言われてみれば確かにお賽銭が消えたりといった事件はあったかもしれませんが、探偵が「推理する」という場面がなかったように思うんですよね。観察者(キャラクタ)が状況を確認しただけでなにが起こったのかは明白じゃないですか。どこに謎があったというのか。

キャラクタと言えば大団円に向けて新キャラ(高天原マヤ)が登場しましたが、これまで登場した既存キャラだけでもう誰が誰だか状態なのでお腹いっぱいです。これが毎月発売の大河ノベルだったなら多少登場キャラクタが多くても許されたのかもしれませんが…四月が出たのは何年前だっけ?そして三月はいつ出るのかな…あまり期待しないでいようと思います。そうすれば傑作に出逢えるかもしれないからね!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/12/27

『十一月は天使が舞い降りた見立て殺人』 霧舎巧

十一月は天使が舞い降りた見立て殺人 私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス) Book 十一月は天使が舞い降りた見立て殺人 私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス)

著者:霧舎 巧
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

突然落下してきた臼はさるかに合戦への見立て?

文化祭目前、またもや事件に巻き込まれるふたり

女が謎を紡ぎ、男が謎を解く-霧舎学園シリーズ最新刊

なんというか、超久々のレビューがこの作品(シリーズ)ってのもどうかと思うのですが…ただいま。

とりあえず、御託は並べずにレビュー始めます。っていうか、

で?

っていう出来だったので、あまり書くこともないのですが。いや、もしかしたら『十二月』を読んだら化けるのかもしれませんが…あまり期待はしておりません。

えーっと、書くことないとか云いながら、ツッコミたいことは山程。とりあえず、あとがきからツッコんでおきますか…いきなり引用です。

これまで『私立霧舎学園ミステリ白書』シリーズを読んだことがない方は、どうぞこの作品から読み始めてください。(中略)このあとがきを読んでいるシリーズ未読の方がいらっしゃいましたら、あなたはラッキーです。

って、おい!?過去シリーズのネタバレ(?)てんこもり、過去シリーズのちょい役てんこもりで、既読読者すら置いてけ堀にした癖に未読読者なんて付いて来れるわけあるまい!!
なんだろう、霧舎氏のこの自信はどこから来るのだろう。しかも、

作中のある人物が別の意味を持って行動していたことに気づかれるでしょう。

って、あの「百合」のことじゃないよね?そんな自信満々に云うようなことじゃないと思うのですが。

その他ツッコミどころとしては八重ちゃんのイギリス留学とか…ネタバレ配慮?でも、本当に未読読者が『十一月』から読み始めて『四月』を読んだら…ある意味トリックが成立するかもしれませんね、盲点でした。

あとは保先輩ね。今回はちょっと活躍しましたね。でも、(これは保先輩だけじゃないけど)

その推理が正解かどうか未だ判らないよね!

ミステリなのに…いや、もう既にこのシリーズはミステリではないのかもしれん。最後の最後にどんどん情報出てくるし、かと思えば推理に必要なデータがグレーどころか「僕、真っ黒です!」って主張してるし。やっぱり久しぶりに読んだミステリがコレって…失敗だったかもしれません。

とりあえず、今回の「あかずの扉」シリーズとのリンクは鴻巣玄次でしょうか?これって『虚無』ですよね?「あかずの扉」で『虚無』について語ったシーンなんてあったっけ?あちらもしばらく読んでないからなぁ…っていうか新刊は未だですか?

とりあえず、最終的な評価は『十二月』を読んだ上で!って、もうかなり毒吐いているような気もしますが。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2009/01/24

『ドッペルゲンガー宮』 霧舎巧

ドッペルゲンガー宮―“あかずの扉”研究会流氷館へ (講談社文庫) Book ドッペルゲンガー宮―“あかずの扉”研究会流氷館へ (講談社文庫)

著者:霧舎 巧
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

≪あかずの扉≫研究会へようこそ

この研究会では≪あかずの扉≫の真相を、歴史を、真贋を

調査し、壊さずに開けてみせます

そこからなにが飛び出すかは…おたのしみに

消化すべく再読。まだ半分にも到達していないんですかさくさく読み進めているような気がしたのは錯覚か…受賞作レビュ。

メフィスト受賞作の中でも新本格の色合いが特に強い、霧舎巧氏の≪あかずの扉≫シリーズが本日のメニュー。とんと新作が発表されておりませんが…あと2~3作は続きます設定も決まってます、みたいなことを霧舎氏が仰った(書いた)ものを読んだことがあるような気がするのですが。このトリアタマの捏造でしょうか。

なんてったって、このトリアタマは『ドッペルゲンガー宮』の印象も捏造してましたから。

あれ?こんなに読み難かったっけ?

あぁ、毒吐いたまた毒吐いちゃった。でも、「名探偵、皆を集めてさてと云い」の前に棄却した意見(推理)の再登場率高すぎる。しかも、文章が下…むにゃむにゃ…なので、その推理が棄却されたのかグレーのまま維持されたのかよーわからんのですよ。

いろんな要素詰め込みましたミステリ愛!は充分に感じるんですけれど。館モノ、モチーフに『そして誰もいなくなった』、W名探偵にお馬鹿なワトソン。双子トリックに入れ替わり、毒殺刺殺絞殺のオンパレード。動機も異常。主だったミステリ要素は全て収められていると云っても過言ではないかと…それらが喧嘩しないとは限りませんが。

館に仕掛けられたトリックはかなり大胆ですよね。なんてたって『斜め屋敷の犯罪』に出てくる「流氷館」と同じ名前を持つ館ですしね!!そして、そのトリックを解いたのはジョーマエさん…この≪あかずの扉≫シリーズは登場人物多くってしんどいんですけれど、それぞれにしっかりと役割が振られていて要らない人間がいない。そのあたりに霧舎氏の信念を感じます。あっ、でも集められた10人の方は誰が誰だかさっぱりわからなかったので…捨て駒感満載。ニンゲンガカケテナイ。

そんな私はカケル♥ユイの恋愛模様が楽しみで楽しみで。2番目同士の恋、素直になれないふたりが可愛いですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/06/14

『十月は二人三脚の消去法推理』 霧舎巧

十月は二人三脚の消去法推理 私立霧舎学園ミステリ白書 Book 十月は二人三脚の消去法推理 私立霧舎学園ミステリ白書

著者:霧舎 巧
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

“晴れの特異日”に行われるは…

体育祭?それとも殺人?

レギュラメンバ勢揃いの十月編。ようやく登場。

講談社ノベルス6月の新刊は事前準備バッチリ☆の「霧舎学園シリーズ」十月編。どんと来~い!超常現象!!

まずは恒例となりつつある“おまけ”紹介から。今回は霧舎学園体育祭プログラム(ついにフルカラーでは無くなったか…)と体育祭実行委員である琴葉の名刺。いつものツッコミからゆきますか?

この名刺、栞以外にどう使えっちゅーねん。

嗚呼、すっきり。この名刺がどれだけ事件解決に関わるのかと思ったら…

さっぱり。

嗚呼、すっきり。最近「ライアーゲーム」にゾッコンな私は、カードを見ると側面にキズが付いていないか確かめる癖ができました。そんな仕様にはなっていないようで一安心(なにが?ねぇ、なにが?)

さて、十月のミステリテーマは“消去法推理”とのことですが…

どこに消去法推理があったよ??

あれ?私、30頁くらい読み飛ばした?あれれ??消去法と云えば、神・ホームズ曰く「全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」ですので、どんな奇天烈な結末もどんと来~い!と覚悟してたのに…ワクワク損だ。ワクワク詐欺だ。

まぁ、霧舎氏お得意の読者を煙に巻こうと物語まで煙に巻いてしまう作戦が功を奏したと云うことで。アリガトウゴザイマス。

さて、十月はこれまた「あかずの扉シリーズ」とのリンクが少なくって。「あかずの扉シリーズ」の時間経過を飛び越してしまった?(でも、カケル&ユイのラヴ話舞台はクリスマスだったような)とりあえず、保少年がご存知の大学生が

英国に行く

らしいので、次の「あかずの扉シリーズ」舞台はイギリスでしょうか?ホームズ様とのコラボでしょうか?た、愉しみです(←きっと妄想に終わる)

というわけで、まったくレビューになってませんが、消去法推理というタイトルに惹かれて手に取ると痛い目をみると思います(悪だね、貴女)。あっ、おかえりなさい○○ちゃん。

| | コメント (2) | トラックバック (0)