●ミステリーランド

2013/01/23

『ぼくが探偵だった夏』 内田康夫


「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ミステリーランドですが、本作はあの浅見光彦少年が主人公とあって「かつて子どもだった」私が大喜びで読ませていただきました。

軽井沢で過ごす夏、妖精の森を抜けた先にある緑の館、そこで見た犯罪のにおいがする光景。その謎に浅見光彦少年が挑むわけですが、まぁハラハラさせられましたとも!子どもの好奇心と冒険心を舐めちゃいけませんね。そして、それを描くのがとてもお上手です内田氏。

ミステリというよりは冒険譚なので、大掛かりなトリックが用意されていたり複雑な人間関係が描かれているわけではありません(浅見光彦シリーズには有りがちだけどね!)でも、浅見光彦がどんな少年時代を過ごしたのか、彼がどんな少年だったのかを知りたい方は2時間も掛からずに読めてしまいますので、ぜひ。

というか、光彦ぼっちゃまが可愛くて、もう。

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2009/03/15

『野球の国のアリス』 北村薫

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著者:北村 薫
販売元:講談社
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不思議の国のアリスは知ってる

鏡の国のアリスも知ってる

じゃあ、野球の国のアリスは?

目指せミステリーランドコンプ!ということで、本日は北村薫氏の『野球の国のアリス』をレビュー。ミステリーランドと云いつつもミステリーじゃない作品も混ざっておりまして、本作はそんな非ミステリー作品の中でも1、2を争う個人的好みです。

アリスは野球の大好きな女の子。けれど、女の子が野球の世界で生きてゆけるのは…精々小学生のうち。中学生にもなれば体型だって力だって…悔しいけれど男の子には敵わない。そんなアリスの野球とのお別れをファンタジーで味付けして描いたのが本作。『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』を大胆にオマージュ、宇佐木を追って鏡の世界への迷い込んだアリス。そこは裏の世界、下手くそな野球を見世物にする世界。

もちろん野球少女・アリスが世間を「ぎゃふん」と云わせるサクセスストーリー。北村氏の筆力によるドキワクな試合展開も良し。そして、何よりも、アリスと共に戦う仲間たちの存在が素晴らしいんですよね。

アリスの女房役・兵頭くんはもちろん…

五堂くんが最高なのよ!

お姉さんキラーの中学生。ハ○カチ王子やハ○カミ王子に夢中になるオバサマの気持ちが少しだけ理解できました。五堂くんが「所詮、女のピッチャーなんて」的なことをのたまった相手チームに食って掛かるところに胸キュン。そして、帰りのバスの中…

「ほれろよ」っておいっ!この女ったらし!!

なぜアリスがこれだけ良い漢である五堂くんに惚れないのか謎。いや、惚れる日も近いと思いますけれども。

って、こんなしょーもない話をするのは是非読んでいただきたいから。大人向けの1冊とは云えませんが、童心に戻って読んでみてください。読了後、キャッチボールかバッティングセンターに行きたくなるはず。

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2009/03/06

『透明人間の納屋』 島田荘司

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著者:島田 荘司
販売元:講談社
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僕は真鍋さんが大好き

真鍋さんは僕にいろんなことを教えてくれる

星のこと、宇宙のこと、透明人間のこと

ミステリーランド再読中。本日も第一回配本から。そして、当ブロ愚4年目にして初めての島田荘司氏…あら意外。

舞台は昭和52年、題材は密室、透明人間なんて眉唾がタイトルに付されてますが、中身は本格。そして、裏主題まで。裏主題の方は重過ぎるので今日はスルーさせていただきます悪しからず。ここはミステリブロ愚なので悪しからず。

ホテル・エルシノア401号室で起こった女性消失事件。テーブルには食べかけの寿司とカラオケの歌本…そこに荒れた様子はなく、まるで彼女が自発的に部屋を去ったかの様。けれど、窓は嵌め殺し、唯一のドアの前には従業員の眼が4つ。そして証言する「誰も401号室から出てきてなどいない」。

わぉ、不思議ですね。魅力的ですね。ただ、素敵な謎に素敵な答えが用意されているとは限らないのですが…用意されていた答えは非常に現実的でした。いや、その現実性こそが島田荘司氏だし、その脱出劇を想像するだけでゾッとしますし、ここで本当に透明人間が登場しても興ざめなんですが。

それよりも僕と真鍋さんの触れ合いの方が素敵。ふたりの交差点はもう少しで交わるところだったのに…信号が狂ったばっかりに。真鍋さんが僕を凄く凄く大切にしていることがわかって、本の外に居る私にもわかるのに…どうして本の中の僕には伝わらないんだろう。悲しい虚しい切ない。

ミステリとしての難度も裏主題の難度も高めで、かつて子どもだったあなた向けの1冊だと思います。でも、やっぱり、島田荘司氏は面白い。

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2009/03/01

『くらのかみ』 小野不由美

くらのかみ (ミステリーランド) Book くらのかみ (ミステリーランド)

著者:小野 不由美
販売元:講談社
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子どもの育たない家

行者の祟り、座敷童子

夏休みの思い出

ミステリーランド再読中。本日は「ミステリーランドってなぁに?」状態のときに出逢った小野不由美女史『くらのかみ』。「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」というコンセプトだけ伝えられて既出作品のない中…小野不由美女史の試行錯誤が窺えます。

面白半分に始めた「四人ゲーム」が全ての契機。「四人ゲーム」とは部屋の四隅に4人が散らばり、ひとりずつ壁伝いに移動しぐるぐるぐるぐる…遭難時睡魔対策として有名なアレです(この説明だけで理解できた方は凄いわ)。当然このゲームは成立しないので、だからこその怪談なのですが、この物語でも成立しちゃったんですね、成立させてくれたのはくらのかみさま=座敷童子。増えてしまった子ども。居なかった子どもは誰?

この増えた子ども問題とは別に、田舎の旧家に起こる相続争い。御家を繁栄させるために、御家の存続のために、子どもを持つ親が相続権を持つ。けれど、一度当主になってしまったが最後…子どもには恵まれない運命が待ち受ける。だから御家は続かない、だから良くない噂が広まる。

内容はバキバキの本格ミステリ(アリバイ崩し?)なのですが、難易度は「かつて子どもだったあなたには普通、少年少女には難しめ」でしょうか。それもまぁ…ミステリを解こうと思えば、ですけれども。少なくとも私はそんな気持ちさっぱり起こりませんでした。なんででしょう、記述がもの凄くわかり辛いんですよね、登場人物多すぎる所為だと思うのですが。「最後に犯人の名が明かされれば誰であっても良い」と本気で思っていた。

まぁ、少しトリックも用意してあるのですが。子どもを持つ親が相続権を持つことは先程お伝えしました。では、その子どもを持つ親の命を狙うのは?ヒントはひとつ、ひとり座敷童子が化けた子どもが居るよ。

ミステリーランドにしては、ちょっとおどろおどろしい雰囲気あふれ過ぎかな?もうちょっとドキワクが欲しい…そんな1作でございました。

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2009/02/21

『魔女の死んだ家』 篠田真由美

魔女の死んだ家 (ミステリーランド) Book 魔女の死んだ家 (ミステリーランド)

著者:篠田 真由美
販売元:講談社
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美しく咲き誇るしだれ桜の下、

倒れゆく「おかあさま」

「おかあさま」を撃ったのはこのピストル?

ミステリーランド再読フェア中にも関わらず、うっかり「ペル○ナ3」に手を出してしまい、就寝前数分と地下鉄通勤中にしか読書タイムを設けていないので、更新スピードが鈍化しております。ミステリーランドなんて1時間半もあれば読めるのに。ぺさんをクリアするまで(あと50時間もプレイすればクリアできると思います)ご容赦くださいまし。

さて、篠田真由美女史の『魔女の死んだ家』が本日のメニュー。ミステリーランドであることを意識し過ぎた所為か、平仮名と漢字の割合がおかしくないですか篠田女史?すっごい読み辛かったのですけれども。「『すうはいしゃ』は漢字じゃなくって『螺旋階段』は漢字かよ!」みたいなツッコミに忙しくって、内容よく覚えておりませんのおほほ。

とりあえず『すうはいしゃ』を従えた『魔女』もしくは『女王陛下』の死の真相を辿る物語。叙述トリックもどきが仕掛けられておりましたけれども…伏線があからさま過ぎるので感想は特にありません。ミステリとして読んでみた感想も特にありません。死ぬ必要はあったのか?守り通すことはできなかったのか?とは思いますけれども。

それよりも前髪で顔を隠した青年が桜井京介ではないか?とか思ってしまったことの方が。桜井京介にしては話が長く、毒舌も控えめで、親切心あふれ過ぎかな?とは思いましたが、いわくつきの洋館と桜井京介はセットですからね。篠田女史もHPで名前なしの登場人物が現れたら桜井京介である可能性を疑え!なんて仰っていたし…でも、年代については考えてなかったわ。古めかしい感じはするけれども。

というわけで(どんなわけだ)更新滞ります。ぺさん頑張ります。

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2009/02/19

『魔王城殺人事件』 歌野晶午

魔王城殺人事件 (ミステリーランド) Book 魔王城殺人事件 (ミステリーランド)

著者:歌野 晶午
販売元:講談社
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「レジドラ」って知ってる?

いま人気のゲームなんだけど

そのね、最終決戦の場“デオドロス城”が

僕の町にはあるんだ

「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ミステリーランド再読中フェア。同時平行的に歌野晶午も再読中フェア。となると必然的に本日のメニューは決まるわけで。

本作『魔王城殺人事件』はタイトルから丸判り、殺人事件がその主題です。でも、主人公は名探偵じゃない。“51分署捜査1課”の面々=5年1組第1班の5人のメンバがこの作品を動かします。彼らの町には“デオドロス城”と呼ばれる不気味な洋館があって。小学生=冒険大好き不法侵入?そんなもの「犬が迷いこんじゃって」「サッカーボールが飛び込んじゃって」でなんとかなるわい!と意気揚々と忍び込む彼ら。けれど、彼らはその行為を悔やむことになる。

だって、死体なんて見つけてしまった日には。

おぉ、ミステリだミステリだ。けれど、ここからが歌野晶午氏のミステリーランド。普通なら“51分署捜査1課”が小学生ながらに死体消失トリックの謎を解き、犯人へと続く道筋を辿る…というお約束展開が待ち受けているのですが、

本作はそういった過程はすべてスルー

いや、それが現実というものです。どこの世界に警察の捜査会議にバリバリ参加する小学生が居る?居るわけないじゃない。というわけで、彼らはある情報をもたらす事で事件解決に貢献しますが…貢献した瞬間に月日は過ぎてもうすっかり犯人逮捕です。逮捕劇?んなもん知らねー。

でも、死体消失トリックなんかは奇天烈刑事・ヒデ兄が解説してくれるので(小学生サービス)ご安心を。これを解かねば犯人を追い詰められないぜ!という類のものではないので、解けなくても支障ないですし。犯人逮捕にも支障ないと思う。いつも思うのですが、どうして犯罪に見ず知らずの他人を巻き込めるのでしょうか?人の口に戸は立てられないのに。

というわけで、本作を読む少年少女にしてみたらもっと“51分署捜査1課”に活躍してもらいたいんじゃないか?と思った1作。大人にしてみたら妥当なんですけれどね。

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2009/02/12

『虹果て村の秘密』 有栖川有栖

虹果て村の秘密 (ミステリーランド) Book 虹果て村の秘密 (ミステリーランド)

著者:有栖川 有栖
販売元:講談社
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父親は刑事、自分は推理小説家になりたい僕と

母親は推理小説家、自分は刑事になりたいユーと

夏休み、ふたりが出遭った事件とは?

ミステリーランドもコンプ出来てないよなぁ、それどころか『銃チョコ』以来は新刊チェックすら忘れてた、あら北村薫はアリスモノなの?読まなきゃ、っていうか殆ど配本進んでないじゃない!と思ったとか思ってないとか。今日は有栖川有栖氏のミステリーランド第2回配本『虹果て村の秘密』をレビュー。

『虹果て村の秘密』と題しておきながら、「虹の麓には宝物が埋まっている」を使った冒険ものか?と思わせておきながら、密室殺人モノの本作。行間の広さや文字の大きさは児童向けですが、内容はきっと児童向けではない。だって、その推理はロジカル。

物語の主人公は「父親は刑事、自分は推理小説家になりたい」僕と、「母親は推理小説家、自分は刑事になりたい」ユーと。男の子と女の子、ふたりの小学生探偵が大人の力を借りながら…最後の最後は自分たちの力だけで…殺人の罪を告発する物語。

虹果て村には、ある意味お約束とも云える「殺人事件など扱ったことはございません」駐在さんと、新米(イケメン)刑事休暇中が居て。土砂崩れで警察の介入が遅れる中(古典!)虹果て村内部に「犯人を見つけてやろう」と思っていた人物は彼ら2人しかおらず。彼らは推理小説家になるために、刑事になるために、夢を叶えるために、よく動き、よく観察し、よく考えていたから…だから少し(いや、かなり)非現実的だけれど、事件を解決した賛美は彼らのものに。

大人が読むと少し物足りない内容でしょうか?ロジックの道筋は犯人と対峙したときに明かされますが、ある意味「天啓」のような閃きに近いものだったので、その道筋ができあがる過程が見事に抜けているのが残念(むしろ一方は寝ておった)。犯人を怪しむべき契機はきっと「あれ?」と思います。「えっ、この人、云ってることおかしくね?」系ね。

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2009/01/30

『探偵伯爵と僕』 森博嗣

夏休み

次々と消えてゆく友達と新しい出逢い

はじめての冒険

なぜか密林のアフィリが非表示だったので、今日はセブンアンドワイのアフィリにしてみました。1500円以上送料無料なのはどちらも共通ですが、密林はメール便の確率が高いのが玉に瑕。なので、本はあまり密林では買わなかったりする。

って、レビューしなさいよ貴女。

今日のメニューはミステリーランドとして配本された森博嗣『探偵伯爵と僕』。個人的ミステリーランドベスト3に入る1作。ちなみに残りの2作は『いつか、ふたりは二匹』『ラインの虜囚』ですね。『怪盗グリフィン、絶体絶命』も捨てがたいのですが。

「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」と銘打たれたこのミステリーランドには時々まったく少年少女のために書かれていない作品が紛れ込んでいるのですが(笑)森先生がここまで少年少女のための作品が書けるとは思ってませんでした。森先生の文章は綺麗だけれど、解かり易さに軸足が置かれているとは思っていなかったので。むしろ、付いてこれる奴だけ付いて来いのスパルタだから。

だから、まるで本当に、主人公たる新太くんが夏休みの日記(宿題)として物語を綴っていると言われたら信じてしまいそうな文章に嬉しい誤算。心なしか漢字が少なかった気がするのは木の精?

そして、なによりも誰よりも、伯爵について。再読の今回、私は伯爵がどんな人間でどんな立場でなにを目標としているか知っているから。だから、恥ずかしながらラストで眼を潤ませてしまった。犯人を追い詰めた伯爵が一体なにを思ってその手を強めたのか、その手を弱めたのか。初読よりも再読の方が数段良いと感じた箇所。

そして、最後におまけ的に明かされる○○トリック。別に読者を騙そうと用意されたものでは無いから、トリックとは呼べないかもしれないけれど。けれど、それを明かされたとき本気でゾクッとしたし、森先生は凄いと心底思った。きっと、正しく物語を紡いでいたら伯爵の言う「人間の醜さ」「社会の未熟さ」が全面に押し出された、少年少女のためとは言えないような物語が出来ていたと思うから。確かにそれはいつかは知らなくてはならないことだけど。けれど、もう少しモラトリアムを…だって、今は夏休みなんだもの。森先生がそう言っているように感じた。

ミステリーランド版(新書版)の山田章博氏の挿絵が好きだったので、文庫版には挿入されていなくて残念。そうそう、チャフラフスカさんは東京オリンピックで活躍した体操選手ってことでOKなのでしょうか?

探偵伯爵と僕 (ミステリーランド) Book 探偵伯爵と僕 (ミステリーランド)

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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2006/06/25

『銃とチョコレート』 乙一

銃とチョコレート Book 銃とチョコレート

著者:乙一
販売元:講談社
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大怪盗ゴディバを追うのは子どもたちのヒーロー・名探偵ロイズ。

ゴディバの隠し地図を発見した少年・リンツは、ロイズと共に捜査を開始する!

ロイズはゴディバの正体を暴くことができるのか!?

超楽しみにしていた『銃とチョコレート』。はっきり申し上げて良いですか?

おっ、面白くなかった…。

はっきり申し上げるとか云っておいて、乙一ファンの逆襲を恐れて反転です。乙一氏好きな方は、決してドラックしませんように。

このレビューを書く前に、評判をググってみたのですが、皆さん「おもしろかった」って書かれているのですよね…。乙一氏らしさもなく、ミステリとしてのスリリングさもなく、文章にキレもなく…。キレがないのはジュブナイル仕様で書かれているからだけではないはず。妙に残酷なのも、本当に必要?それが乙一氏らしさではないでしょう?

ロイズはあくまでも名探偵で居て欲しかった。純粋にわくわくさせてくれる冒険ものが読みたかった。勝手にロイズの活躍を事前に想像していた私の負けですか?なんだろうなぁ、うまく表現できないのですが、期待していたものとは大き違っていました。名探偵ロイズが実は…っていうのは悪くないのですよ。でも、あんなに人間臭くなくても。悪くても超人的な人であって欲しかった。有名になりたい、いつまでも人に覚えていてもらえる人でありたい、という気持ちはわかります。でも、謎を解き明かしたいという気持ちを忘れないで欲しかった。

二転三転する(私はそう思いませんでしたが)悪役も、みんな中途半端。それが現実なのかもしれないし、その中途半端を描くのが乙一氏の作風なのかもしれませんが、それでは夢がないではないですか。やっぱり私は勧善懲悪が好きだな。

ストーリーにもうちょっとメリハリがあれば…って、それは乙一氏の作風ではないって?

酷評というか、ただの批判レビューになってしまって残念。でも、同じように感じた人はきっと私だけではないはず。乙一氏好きな方は「よく知らない素人がなにか戯言を云っているわ」と思って大目にみてください。

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2006/06/18

『黄金蝶ひとり』 太田忠司

黄金蝶ひとり Book 黄金蝶ひとり

著者:太田 忠司
販売元:講談社
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両親が5度目の新婚旅行に行っている間、父方の祖父にお世話になることになった僕。

祖父は万能学を教え、犬たちと牧場で暮らす、ちょっと変わった人だったんだ。

その夏、僕が体験するとっても不思議な物語。

結局、例のブツってなんだったんですかね?

いきなりネタバレから失礼いたしました。

ミステリーランドもあらかた読み終わり、残すところ竹本健治氏の『闇のなかの赤い馬』と乙一氏の『銃とチョコレート』のみとなりました。ミステリーランドの良いところは、“少年少女のための”と銘打っているため、ファンタジーに対する許容範囲が広いということです。この『黄金蝶ひとり』もすっかりファンタジー。ファンタジーを許容できないと、上記の私のような感想になってしまいます。

いや、ストーリーとか、ミステリ部分は結構良かったのですが(叙述トリックとか)、例のブツが一体何だったのか?という最大のファンタジー部分がどうしても気になってしまって、どうにも落ち着かない読了。不思議は不思議のまま残しておくのもアリなんですが、ちょっとは解説とか回答とか欲しかったです。宇宙からの飛来物でも構わないんですがね。

あと、びっくりしたのが、いきなり頭の体操からストーリーが始まったこと!ヒトラーが地獄の門の前でいきなり問題を一方的に投げかけるくらいの衝撃がございました。レベルは小学生レベルなので、手を止めるまでも無いのですが、こういうお遊びってすごく好きです。高田崇史氏の「千波くんシリーズ」が読みたくなってしまいました。

そうそう、冒頭の“キミに挑戦”も遊び心いっぱいで良かったですね。本一冊使ったトリックって好きです。清涼院流水氏の『ジョーカー』あたりもそうですよね?

遊び心満載のミステリーランドらしい一冊。ただ、例のブツが一体何だったのか、とても気になるところです。あれなら戦争に勝てるよ…。

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