2009年3月15日 (日)

『野球の国のアリス』 北村薫

野球の国のアリス (ミステリーランド) Book 野球の国のアリス (ミステリーランド)

著者:北村 薫
販売元:講談社
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不思議の国のアリスは知ってる

鏡の国のアリスも知ってる

じゃあ、野球の国のアリスは?

目指せミステリーランドコンプ!ということで、本日は北村薫氏の『野球の国のアリス』をレビュー。ミステリーランドと云いつつもミステリーじゃない作品も混ざっておりまして、本作はそんな非ミステリー作品の中でも1、2を争う個人的好みです。

アリスは野球の大好きな女の子。けれど、女の子が野球の世界で生きてゆけるのは…精々小学生のうち。中学生にもなれば体型だって力だって…悔しいけれど男の子には敵わない。そんなアリスの野球とのお別れをファンタジーで味付けして描いたのが本作。『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』を大胆にオマージュ、宇佐木を追って鏡の世界への迷い込んだアリス。そこは裏の世界、下手くそな野球を見世物にする世界。

もちろん野球少女・アリスが世間を「ぎゃふん」と云わせるサクセスストーリー。北村氏の筆力によるドキワクな試合展開も良し。そして、何よりも、アリスと共に戦う仲間たちの存在が素晴らしいんですよね。

アリスの女房役・兵頭くんはもちろん…

五堂くんが最高なのよ!

お姉さんキラーの中学生。ハ○カチ王子やハ○カミ王子に夢中になるオバサマの気持ちが少しだけ理解できました。五堂くんが「所詮、女のピッチャーなんて」的なことをのたまった相手チームに食って掛かるところに胸キュン。そして、帰りのバスの中…

「ほれろよ」っておいっ!この女ったらし!!

なぜアリスがこれだけ良い漢である五堂くんに惚れないのか謎。いや、惚れる日も近いと思いますけれども。

って、こんなしょーもない話をするのは是非読んでいただきたいから。大人向けの1冊とは云えませんが、童心に戻って読んでみてください。読了後、キャッチボールかバッティングセンターに行きたくなるはず。

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2009年3月 6日 (金)

『透明人間の納屋』 島田荘司

透明人間の納屋 (講談社ノベルス) Book 透明人間の納屋 (講談社ノベルス)

著者:島田 荘司
販売元:講談社
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僕は真鍋さんが大好き

真鍋さんは僕にいろんなことを教えてくれる

星のこと、宇宙のこと、透明人間のこと

ミステリーランド再読中。本日も第一回配本から。そして、当ブロ愚4年目にして初めての島田荘司氏…あら意外。

舞台は昭和52年、題材は密室、透明人間なんて眉唾がタイトルに付されてますが、中身は本格。そして、裏主題まで。裏主題の方は重過ぎるので今日はスルーさせていただきます悪しからず。ここはミステリブロ愚なので悪しからず。

ホテル・エルシノア401号室で起こった女性消失事件。テーブルには食べかけの寿司とカラオケの歌本…そこに荒れた様子はなく、まるで彼女が自発的に部屋を去ったかの様。けれど、窓は嵌め殺し、唯一のドアの前には従業員の眼が4つ。そして証言する「誰も401号室から出てきてなどいない」。

わぉ、不思議ですね。魅力的ですね。ただ、素敵な謎に素敵な答えが用意されているとは限らないのですが…用意されていた答えは非常に現実的でした。いや、その現実性こそが島田荘司氏だし、その脱出劇を想像するだけでゾッとしますし、ここで本当に透明人間が登場しても興ざめなんですが。

それよりも僕と真鍋さんの触れ合いの方が素敵。ふたりの交差点はもう少しで交わるところだったのに…信号が狂ったばっかりに。真鍋さんが僕を凄く凄く大切にしていることがわかって、本の外に居る私にもわかるのに…どうして本の中の僕には伝わらないんだろう。悲しい虚しい切ない。

ミステリとしての難度も裏主題の難度も高めで、かつて子どもだったあなた向けの1冊だと思います。でも、やっぱり、島田荘司氏は面白い。

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2009年3月 1日 (日)

『くらのかみ』 小野不由美

くらのかみ (ミステリーランド) Book くらのかみ (ミステリーランド)

著者:小野 不由美
販売元:講談社
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子どもの育たない家

行者の祟り、座敷童子

夏休みの思い出

ミステリーランド再読中。本日は「ミステリーランドってなぁに?」状態のときに出逢った小野不由美女史『くらのかみ』。「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」というコンセプトだけ伝えられて既出作品のない中…小野不由美女史の試行錯誤が窺えます。

面白半分に始めた「四人ゲーム」が全ての契機。「四人ゲーム」とは部屋の四隅に4人が散らばり、ひとりずつ壁伝いに移動しぐるぐるぐるぐる…遭難時睡魔対策として有名なアレです(この説明だけで理解できた方は凄いわ)。当然このゲームは成立しないので、だからこその怪談なのですが、この物語でも成立しちゃったんですね、成立させてくれたのはくらのかみさま=座敷童子。増えてしまった子ども。居なかった子どもは誰?

この増えた子ども問題とは別に、田舎の旧家に起こる相続争い。御家を繁栄させるために、御家の存続のために、子どもを持つ親が相続権を持つ。けれど、一度当主になってしまったが最後…子どもには恵まれない運命が待ち受ける。だから御家は続かない、だから良くない噂が広まる。

内容はバキバキの本格ミステリ(アリバイ崩し?)なのですが、難易度は「かつて子どもだったあなたには普通、少年少女には難しめ」でしょうか。それもまぁ…ミステリを解こうと思えば、ですけれども。少なくとも私はそんな気持ちさっぱり起こりませんでした。なんででしょう、記述がもの凄くわかり辛いんですよね、登場人物多すぎる所為だと思うのですが。「最後に犯人の名が明かされれば誰であっても良い」と本気で思っていた。

まぁ、少しトリックも用意してあるのですが。子どもを持つ親が相続権を持つことは先程お伝えしました。では、その子どもを持つ親の命を狙うのは?ヒントはひとつ、ひとり座敷童子が化けた子どもが居るよ。

ミステリーランドにしては、ちょっとおどろおどろしい雰囲気あふれ過ぎかな?もうちょっとドキワクが欲しい…そんな1作でございました。

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2009年2月21日 (土)

『魔女の死んだ家』 篠田真由美

魔女の死んだ家 (ミステリーランド) Book 魔女の死んだ家 (ミステリーランド)

著者:篠田 真由美
販売元:講談社
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美しく咲き誇るしだれ桜の下、

倒れゆく「おかあさま」

「おかあさま」を撃ったのはこのピストル?

ミステリーランド再読フェア中にも関わらず、うっかり「ペル○ナ3」に手を出してしまい、就寝前数分と地下鉄通勤中にしか読書タイムを設けていないので、更新スピードが鈍化しております。ミステリーランドなんて1時間半もあれば読めるのに。ぺさんをクリアするまで(あと50時間もプレイすればクリアできると思います)ご容赦くださいまし。

さて、篠田真由美女史の『魔女の死んだ家』が本日のメニュー。ミステリーランドであることを意識し過ぎた所為か、平仮名と漢字の割合がおかしくないですか篠田女史?すっごい読み辛かったのですけれども。「『すうはいしゃ』は漢字じゃなくって『螺旋階段』は漢字かよ!」みたいなツッコミに忙しくって、内容よく覚えておりませんのおほほ。

とりあえず『すうはいしゃ』を従えた『魔女』もしくは『女王陛下』の死の真相を辿る物語。叙述トリックもどきが仕掛けられておりましたけれども…伏線があからさま過ぎるので感想は特にありません。ミステリとして読んでみた感想も特にありません。死ぬ必要はあったのか?守り通すことはできなかったのか?とは思いますけれども。

それよりも前髪で顔を隠した青年が桜井京介ではないか?とか思ってしまったことの方が。桜井京介にしては話が長く、毒舌も控えめで、親切心あふれ過ぎかな?とは思いましたが、いわくつきの洋館と桜井京介はセットですからね。篠田女史もHPで名前なしの登場人物が現れたら桜井京介である可能性を疑え!なんて仰っていたし…でも、年代については考えてなかったわ。古めかしい感じはするけれども。

というわけで(どんなわけだ)更新滞ります。ぺさん頑張ります。

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2009年2月19日 (木)

『魔王城殺人事件』 歌野晶午

魔王城殺人事件 (ミステリーランド) Book 魔王城殺人事件 (ミステリーランド)

著者:歌野 晶午
販売元:講談社
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「レジドラ」って知ってる?

いま人気のゲームなんだけど

そのね、最終決戦の場“デオドロス城”が

僕の町にはあるんだ

「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ミステリーランド再読中フェア。同時平行的に歌野晶午も再読中フェア。となると必然的に本日のメニューは決まるわけで。

本作『魔王城殺人事件』はタイトルから丸判り、殺人事件がその主題です。でも、主人公は名探偵じゃない。“51分署捜査1課”の面々=5年1組第1班の5人のメンバがこの作品を動かします。彼らの町には“デオドロス城”と呼ばれる不気味な洋館があって。小学生=冒険大好き不法侵入?そんなもの「犬が迷いこんじゃって」「サッカーボールが飛び込んじゃって」でなんとかなるわい!と意気揚々と忍び込む彼ら。けれど、彼らはその行為を悔やむことになる。

だって、死体なんて見つけてしまった日には。

おぉ、ミステリだミステリだ。けれど、ここからが歌野晶午氏のミステリーランド。普通なら“51分署捜査1課”が小学生ながらに死体消失トリックの謎を解き、犯人へと続く道筋を辿る…というお約束展開が待ち受けているのですが、

本作はそういった過程はすべてスルー

いや、それが現実というものです。どこの世界に警察の捜査会議にバリバリ参加する小学生が居る?居るわけないじゃない。というわけで、彼らはある情報をもたらす事で事件解決に貢献しますが…貢献した瞬間に月日は過ぎてもうすっかり犯人逮捕です。逮捕劇?んなもん知らねー。

でも、死体消失トリックなんかは奇天烈刑事・ヒデ兄が解説してくれるので(小学生サービス)ご安心を。これを解かねば犯人を追い詰められないぜ!という類のものではないので、解けなくても支障ないですし。犯人逮捕にも支障ないと思う。いつも思うのですが、どうして犯罪に見ず知らずの他人を巻き込めるのでしょうか?人の口に戸は立てられないのに。

というわけで、本作を読む少年少女にしてみたらもっと“51分署捜査1課”に活躍してもらいたいんじゃないか?と思った1作。大人にしてみたら妥当なんですけれどね。

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2009年2月12日 (木)

『虹果て村の秘密』 有栖川有栖

虹果て村の秘密 (ミステリーランド) Book 虹果て村の秘密 (ミステリーランド)

著者:有栖川 有栖
販売元:講談社
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父親は刑事、自分は推理小説家になりたい僕と

母親は推理小説家、自分は刑事になりたいユーと

夏休み、ふたりが出遭った事件とは?

ミステリーランドもコンプ出来てないよなぁ、それどころか『銃チョコ』以来は新刊チェックすら忘れてた、あら北村薫はアリスモノなの?読まなきゃ、っていうか殆ど配本進んでないじゃない!と思ったとか思ってないとか。今日は有栖川有栖氏のミステリーランド第2回配本『虹果て村の秘密』をレビュー。

『虹果て村の秘密』と題しておきながら、「虹の麓には宝物が埋まっている」を使った冒険ものか?と思わせておきながら、密室殺人モノの本作。行間の広さや文字の大きさは児童向けですが、内容はきっと児童向けではない。だって、その推理はロジカル。

物語の主人公は「父親は刑事、自分は推理小説家になりたい」僕と、「母親は推理小説家、自分は刑事になりたい」ユーと。男の子と女の子、ふたりの小学生探偵が大人の力を借りながら…最後の最後は自分たちの力だけで…殺人の罪を告発する物語。

虹果て村には、ある意味お約束とも云える「殺人事件など扱ったことはございません」駐在さんと、新米(イケメン)刑事休暇中が居て。土砂崩れで警察の介入が遅れる中(古典!)虹果て村内部に「犯人を見つけてやろう」と思っていた人物は彼ら2人しかおらず。彼らは推理小説家になるために、刑事になるために、夢を叶えるために、よく動き、よく観察し、よく考えていたから…だから少し(いや、かなり)非現実的だけれど、事件を解決した賛美は彼らのものに。

大人が読むと少し物足りない内容でしょうか?ロジックの道筋は犯人と対峙したときに明かされますが、ある意味「天啓」のような閃きに近いものだったので、その道筋ができあがる過程が見事に抜けているのが残念(むしろ一方は寝ておった)。犯人を怪しむべき契機はきっと「あれ?」と思います。「えっ、この人、云ってることおかしくね?」系ね。

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2009年1月30日 (金)

『探偵伯爵と僕』 森博嗣

探偵伯爵と僕  /森博嗣/〔著〕 [本] 探偵伯爵と僕 /森博嗣/〔著〕 [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
セブンアンドワイ ヤフー店で詳細を確認する

夏休み

次々と消えてゆく友達と新しい出逢い

はじめての冒険

なぜか密林のアフィリが非表示だったので、今日はセブンアンドワイのアフィリにしてみました。1500円以上送料無料なのはどちらも共通ですが、密林はメール便の確率が高いのが玉に瑕。なので、本はあまり密林では買わなかったりする。

って、レビューしなさいよ貴女。

今日のメニューはミステリーランドとして配本された森博嗣『探偵伯爵と僕』。個人的ミステリーランドベスト3に入る1作。ちなみに残りの2作は『いつか、ふたりは二匹』『ラインの虜囚』ですね。『怪盗グリフィン、絶体絶命』も捨てがたいのですが。

「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」と銘打たれたこのミステリーランドには時々まったく少年少女のために書かれていない作品が紛れ込んでいるのですが(笑)森先生がここまで少年少女のための作品が書けるとは思ってませんでした。森先生の文章は綺麗だけれど、解かり易さに軸足が置かれているとは思っていなかったので。むしろ、付いてこれる奴だけ付いて来いのスパルタだから。

だから、まるで本当に、主人公たる新太くんが夏休みの日記(宿題)として物語を綴っていると言われたら信じてしまいそうな文章に嬉しい誤算。心なしか漢字が少なかった気がするのは木の精?

そして、なによりも誰よりも、伯爵について。再読の今回、私は伯爵がどんな人間でどんな立場でなにを目標としているか知っているから。だから、恥ずかしながらラストで眼を潤ませてしまった。犯人を追い詰めた伯爵が一体なにを思ってその手を強めたのか、その手を弱めたのか。初読よりも再読の方が数段良いと感じた箇所。

そして、最後におまけ的に明かされる○○トリック。別に読者を騙そうと用意されたものでは無いから、トリックとは呼べないかもしれないけれど。けれど、それを明かされたとき本気でゾクッとしたし、森先生は凄いと心底思った。きっと、正しく物語を紡いでいたら伯爵の言う「人間の醜さ」「社会の未熟さ」が全面に押し出された、少年少女のためとは言えないような物語が出来ていたと思うから。確かにそれはいつかは知らなくてはならないことだけど。けれど、もう少しモラトリアムを…だって、今は夏休みなんだもの。森先生がそう言っているように感じた。

ミステリーランド版(新書版)の山田章博氏の挿絵が好きだったので、文庫版には挿入されていなくて残念。そうそう、チャフラフスカさんは東京オリンピックで活躍した体操選手ってことでOKなのでしょうか?

探偵伯爵と僕 (ミステリーランド) Book 探偵伯爵と僕 (ミステリーランド)

著者:森 博嗣
販売元:講談社
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2006年6月25日 (日)

『銃とチョコレート』 乙一

銃とチョコレート Book 銃とチョコレート

著者:乙一
販売元:講談社
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大怪盗ゴディバを追うのは子どもたちのヒーロー・名探偵ロイズ。

ゴディバの隠し地図を発見した少年・リンツは、ロイズと共に捜査を開始する!

ロイズはゴディバの正体を暴くことができるのか!?

超楽しみにしていた『銃とチョコレート』。はっきり申し上げて良いですか?

おっ、面白くなかった…。

はっきり申し上げるとか云っておいて、乙一ファンの逆襲を恐れて反転です。乙一氏好きな方は、決してドラックしませんように。

このレビューを書く前に、評判をググってみたのですが、皆さん「おもしろかった」って書かれているのですよね…。乙一氏らしさもなく、ミステリとしてのスリリングさもなく、文章にキレもなく…。キレがないのはジュブナイル仕様で書かれているからだけではないはず。妙に残酷なのも、本当に必要?それが乙一氏らしさではないでしょう?

ロイズはあくまでも名探偵で居て欲しかった。純粋にわくわくさせてくれる冒険ものが読みたかった。勝手にロイズの活躍を事前に想像していた私の負けですか?なんだろうなぁ、うまく表現できないのですが、期待していたものとは大き違っていました。名探偵ロイズが実は…っていうのは悪くないのですよ。でも、あんなに人間臭くなくても。悪くても超人的な人であって欲しかった。有名になりたい、いつまでも人に覚えていてもらえる人でありたい、という気持ちはわかります。でも、謎を解き明かしたいという気持ちを忘れないで欲しかった。

二転三転する(私はそう思いませんでしたが)悪役も、みんな中途半端。それが現実なのかもしれないし、その中途半端を描くのが乙一氏の作風なのかもしれませんが、それでは夢がないではないですか。やっぱり私は勧善懲悪が好きだな。

ストーリーにもうちょっとメリハリがあれば…って、それは乙一氏の作風ではないって?

酷評というか、ただの批判レビューになってしまって残念。でも、同じように感じた人はきっと私だけではないはず。乙一氏好きな方は「よく知らない素人がなにか戯言を云っているわ」と思って大目にみてください。

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2006年6月18日 (日)

『黄金蝶ひとり』 太田忠司

黄金蝶ひとり Book 黄金蝶ひとり

著者:太田 忠司
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両親が5度目の新婚旅行に行っている間、父方の祖父にお世話になることになった僕。

祖父は万能学を教え、犬たちと牧場で暮らす、ちょっと変わった人だったんだ。

その夏、僕が体験するとっても不思議な物語。

結局、例のブツってなんだったんですかね?

いきなりネタバレから失礼いたしました。

ミステリーランドもあらかた読み終わり、残すところ竹本健治氏の『闇のなかの赤い馬』と乙一氏の『銃とチョコレート』のみとなりました。ミステリーランドの良いところは、“少年少女のための”と銘打っているため、ファンタジーに対する許容範囲が広いということです。この『黄金蝶ひとり』もすっかりファンタジー。ファンタジーを許容できないと、上記の私のような感想になってしまいます。

いや、ストーリーとか、ミステリ部分は結構良かったのですが(叙述トリックとか)、例のブツが一体何だったのか?という最大のファンタジー部分がどうしても気になってしまって、どうにも落ち着かない読了。不思議は不思議のまま残しておくのもアリなんですが、ちょっとは解説とか回答とか欲しかったです。宇宙からの飛来物でも構わないんですがね。

あと、びっくりしたのが、いきなり頭の体操からストーリーが始まったこと!ヒトラーが地獄の門の前でいきなり問題を一方的に投げかけるくらいの衝撃がございました。レベルは小学生レベルなので、手を止めるまでも無いのですが、こういうお遊びってすごく好きです。高田崇史氏の「千波くんシリーズ」が読みたくなってしまいました。

そうそう、冒頭の“キミに挑戦”も遊び心いっぱいで良かったですね。本一冊使ったトリックって好きです。清涼院流水氏の『ジョーカー』あたりもそうですよね?

遊び心満載のミステリーランドらしい一冊。ただ、例のブツが一体何だったのか、とても気になるところです。あれなら戦争に勝てるよ…。

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『ラインの虜囚』 田中芳樹

ラインの虜囚 Book ラインの虜囚

著者:田中 芳樹
販売元:講談社
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コリンヌは亡き父の名誉を勝ち取るため、3人の仲間と共にライン河ほとりの“双角獣の塔”へ向かう。

“双角獣の塔”に虜囚として捕らえられているのは、9年前に亡くなったとされる、かのナポレオンなのか?

コリンヌの過酷な旅が始まる。

惹きつける時代設定と魅力的なキャラクタの光る冒険記でございました。冒険記って本当にわくわくさせる力がありますよね!私はすごく好きです。

コリンヌと共に旅をする女にだらしない3人の仲間たち(笑)が本当に魅力的です。陸に上がった海賊と、謎を抱えた老齢剣士、自称天才作家の3人。自称天才作家は思い返してみると特になにもしてない…という地味な驚き。参謀ですらなかったですね。でも、憎めない良い味醸し出しております。

ラストで、実はこの3人がこんな大物でした!という後日談があるのですが、そこまで読んだ読者なら「あいつらならそのくらいやるだろう…」と思うに違いないという、素敵な描かれ方をしております。

田中芳樹氏がこの『ラインの虜囚』を執筆するにあたって読んだ参考文献の一覧がずらっと並んでいるのですが、田中氏の努力(?)を窺い知る事が出来ます。この時代(フランス7月革命あたり)の時代背景やナポレオンのことがしっかりと肉付けとして描かれていて、安心して読めるのですね。細部まで丁寧に描かれている作品は読んでいて気持ちが良い。好きです。

子どもたちがこの『ラインの虜囚』を読んだら、きっと次に『三銃士』や『鉄仮面』を手に取るんだろうなぁと思います。私も小学生のときに読んだっきり(『鉄仮面』はもうちょっと後か)ですので、また読んでみようかなと思いました。『三銃士』は小学生のときに読んだジュブナイルの中でも、とりわけ好きな一冊だったなぁ。

田中芳樹氏といえば『創竜伝』が御馴染みですが(続さん愛しちゃってます)、新たな一面を見ることが出来ました。どきどきわくわくの一冊でございました。

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2006年5月21日 (日)

『いつか、ふたりは二匹』 西澤保彦

いつか、ふたりは二匹 Book いつか、ふたりは二匹

著者:西澤 保彦
販売元:講談社
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ぼくは眠っている間だけ、ジェニィになることができるんだ。

今日もぼくはジェニィになってピーターのところでお昼寝をする。

そんな猫と犬の冒険物語。

この話も良かった!

ミステリーランドって本当に粒揃いですよね。設定で遊ぶことができることによって、内容が活きる活きる。この『いつか、ふたりは二匹』も完全に設定の勝利です。どうしてぼくがジェニィになることができるのか…なんて野暮なことを聞いてはいけません。いきなりジェニィなぼくのシーンから始まるので、違和感もかなり解消されているし。

小学校6年生のぼくも周りから“トモジイ(爺)”なんて呼ばれるおませさんという設定で、両親の不在がそのおませさんに説得力を持たせております。ニュースくらいしかテレビは観ないなんて小学生、なかなか居ないと思うぞ。

さて、この『いつか、ふたりは二匹』はジェニィとピーターの友情物語であり、しっかりとした作りのミステリでもあります。ミステリーランドの中でも1・2を争う出来ではないでしょうか。ジェニィとして見聞きしたことをうまくつなぎ合わせて、起こっている小学生連続誘拐未遂事件の真相を看破する。この看破までの流れが非常にスムーズ。ジェニィとしてのぼくを肯定さえしてしまえば、違和感無く読み進めることができます。秀逸。

残る謎はピーターなのですが…それは読んでからのお楽しみ。でも、ピーターについてはちょっと想像を働かせるだけで容易に看破できます。看破してからのピーターはとても愛らしく感じますよ。あぁ、ちゃんと愛しているんだなぁと。

良い作品を読んだときはネタバレせずにオススメする。これ基本。ということで、是非お読みください。

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2006年4月23日 (日)

『カーの復讐』 二階堂黎人

カーの復讐 Book カーの復讐

著者:喜国 雅彦,二階堂 黎人
販売元:講談社
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古代エジプトでは死者の魂は“カー”となってその身に戻ってくると信じられていた。

そして、王家の墓を研究のために暴いた学者が何者かに狙われ始める。

果たして“カー”は本当に存在するのか?アルセーヌ・ルパンがこの謎に挑む。

ミステリ好きにとって“カー”といえばディクスン・カーですので、タイトルを見た時はてっきりディクスン・カーものの(あるいは“ばりの”)推理小説だと思っておりました。まさかアルセーヌ・ルパンものだったとは…。

さて、肝心の内容ですが、本家のアルセーヌ・ルパン(本当はリュパンの表記の方がしっくりするのだけれど)ものに則ってただただ記述が続くつまらない冒険小説になっておりました…。本家は翻訳ものの性からか、どうしてもそういった形式になってしまうものですが、そこには強いルパンの個性が存在するので楽しむことが出来ます。

でも本作はね…。起きたことがただただ描かれているだけで、そこにぐっと引き込む要素が無い。起きてる事象も隠し通路がどうしたこうしたという、想定の範囲内の出来事ばかりだし。そして、肝心なルパンの魅力を筆力から感じることができないのですね。

きっとルパンならここですごい隠し玉を持っていて、ラストにびっくりさせてくれるんんだろうなぁ…という私の期待をすべて裏切ってくれました。ある意味ルパンの変装をした別人だったのではないだろうか?と。

金庫の件がもしかしたらびっくりに相当するのかもしれませんが、ある程度想像力を持った大人なら金庫の件がストーリーにのぼった時点で、とっくに真相を看破していることでしょう。それだけで大泥棒なら私も大泥棒ですよ…。

ということで、非常に不本意だった一作。

二階堂氏は昨年、ご自分の本業ではないところでミステリ界を賑わせておりました(人の土俵で相撲をとるどころか、住んじゃったみたいな)ので、ちょっと嫌煙気分だったのもありますが…。

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2006年4月17日 (月)

『ぼくと未来屋の夏』 はやみねかおる

ぼくと未来屋の夏 Book ぼくと未来屋の夏

著者:はやみね かおる
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一学期最後の日、ぼくが出会ったのは未来屋。

未来屋とぼくが過ごした小学校最後の素敵でちょっと不思議な夏休み。

ミステリーランドの執筆陣って本当に豪華ですよねぇ。ノベルスのアツい講談社だから出来るラインナップといいましょうか。その中でもおそらく大人よりも子どもに絶大なる人気を誇るであろうはやみねかおる氏の一冊が今日のレビューです。

はやみね氏の著作で最初に読んだのは青い鳥文庫の「そして五人がいなくなる」でございました。大学生時代、家庭教師先のお嬢さんが読んでいたのをちょっと読ませてもらったわけです。彼女が算数の問題を解いている間にね。(そんな彼女もきちんと有名中学校に合格致しました。よよよ。)

そのときの感想が「子ども向けのジュブナイルなのに、ミステリマニアうはうはネタ満載だなぁ」というものだったのですが、まさか本職のミステリ作家さんだったとは。(今回はもちろん知ってて読みましたのよ。ほほほ。)

さて、肝心の感想はというと…ちょっと物足りない!ここのところ読むミステリーランドミステリーランド、どれもこれも後味の宜しくない凄みのある作品ばっかりだったので、ここまで少年少女のために書かれた純粋な作品では物足りなくなってしまいまいした。

未来屋って本当に未来がわかっちゃう不思議な人なのかなぁって思ってたのですが、案外人間臭く描かれているものですから。いや、実際にそんな人いたら奇人変人の部類で、宗教起こしちゃいますか?ってな具合なんですが、もうちょっと神秘性を持たせてくれたら良かったってことなんですよ。

でも、この作品こそがミステリーランドなんでしょうね。

今度ははやみね氏の講談社ノベルスシリーズの方に手をつけてみようと思っております。

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2006年4月16日 (日)

『ほうかご探偵隊』 倉知淳

ほうかご探偵隊 Book ほうかご探偵隊

著者:倉知 淳
販売元:講談社
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ついに僕が不用物連続消失事件の第4の被害者に!

クラスの要らないものばかりを盗んでいるのは誰なのか?

ほうかご探偵隊が真相に挑む。

やっぱり倉知氏の作品に唐沢なをき氏のイラストは合うなぁ…ゴールキーパーの彼の惚けた顔なんか最高です!

と、いきなり本編とは関係の無い感想で申し訳。

倉知氏のミステリーランドは大人用と少年少女用に二つオチが用意されていて、なかなか楽しめました。ちょっと猟奇的な大人用と円満解決の少年少女用。ひねくれた大人代表の私としては大人用のオチの方が好きです。だってミステリだもん。

さて、今回の探偵役であります龍之介くんはやっぱり○○先輩の○っ子(先輩が隠れていない辺り伏字ではないな)なのでしょうか?もしそうなら、どんなひねくれた大人になってしまうのか、お姉さんは心配です。

特に決まった仕事はしてないみたいだけど…って主に後輩にタカって生きてるのだよ。いや、私も○○先輩好きですよぉ。まるで猫のように愛くるしいおめめをした先輩が。

さて、今回の作品で妙に納得の面白い解釈がひとつありました。怪人二十面相は変装した姿を目撃してもらえるまで、じっとじーっと待ってなくてはならない…というもの。可愛いよね、とっても!

「びっくりするだろうなぁ。むふふ。」なんて独り言を呟きながら物陰に隠れて何時間も待ち続ける怪人二十面相。可愛すぎる。

怪盗は前から好きですが、もっと怪盗が好きになっちゃいました!いや、奇想天外なカッコした怪盗ばかりじゃないですが。

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2006年4月 9日 (日)

『怪盗グリフィン、絶体絶命』 法月綸太郎

怪盗グリフィン、絶体絶命 Book 怪盗グリフィン、絶体絶命

著者:法月 綸太郎
販売元:講談社
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「ライト・シング、ライト・プレイス」をモットーとする凄腕怪盗グリフィン。

彼が巻き込まれることになったフェニックス作戦とは?

かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド第9回配本。

怪盗もの、好きです。

最初に怪盗ものに出会ったのはルパンで、そのあとリュパン。個人的にルブランの作品はリュパン表記の方がしっくりきます。こだわり。

さて、今回は法月氏がミステリーランドのために創造した怪盗グリフィンが主人公。最初、怪盗グリフォンだと思い込んでいてなかなか修正できませんでした。グリフォンの方が音馴染みが良くって。

グリフィンが巻き込まれることになるフェニックス作戦ですが、スリリングかつ二転三転する結末で非常に楽しい読書をさせていただきました。怪盗ものは騙し騙されがその醍醐味ですので、依頼人が怪盗に嘘をつくなんてのは当たり前。むしろ正直に盗みを依頼する方が怪しいってなもんです。

怪盗としての盗みのテクニックと、依頼人の本当の目的を探るための名推理。怪盗ものはこの二つの楽しみを一度に楽しむことができるから止められません。

あとはかつて子どもだったあなたへのファンサービス。今回は怪盗ものということで、ニック・ヴェルヴェットへのオマージュが。怪盗ニックも私の好きな怪盗の一人。カクテルの名前がニック・ヴェルヴェットだなんて、なんてありそうな名前なのでしょう。飲んでみたいわ。

本作はここのところ読んできたミステリーランドの中でも飛びぬけて子ども向きな作品でした。少年少女はきっと満足のゆく読書ができるでしょう。

法月氏、是非グリフィンに次なる活躍の機会を!楽しみにしております♪

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2006年4月 8日 (土)

『びっくり館の殺人』 綾辻行人

びっくり館の殺人 Book びっくり館の殺人

著者:綾辻 行人
販売元:講談社
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かの有名建築家・中村青司が建築したびっくり館。

必然のようにびっくり館で巻き起こる密室殺人事件。

かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド第9回配本。

お久しぶりっこ、御館様。

私は綾辻氏の「館シリーズ」を敬意をこめてこう呼びます。「御館様」と。

さて、ミステリーランドなのに正統な館シリーズ8作目となる本作。『暗黒館の殺人』の物理的にも心理的にもずっしりとした感じから離れて、『人形館の殺人』のようなシリーズ異色作に仕上がっております。

(ここから純粋に読了後の感想を書きます。当然ネタにも触れます。ご注意ください)

まず、本作は本格の骨子は残しつつあくまでも本格では無い、と。言うなればクリスティの『アクロイド殺し』でしょうか。ピンとくる人にはピンとくる記述があるので、ピンときた人にはトリックも犯人もピンとくるようになってます。この手のトリックは私は嫌いではないのですが、ちょっとあからさまかもしれませんね…。

あとは、名探偵の不在でしょうか。お馴染みの鹿谷氏が本作にも登場しますが、その登場の仕方がにくい。私個人的な本格論では名探偵が快刀乱麻に謎を解くというのがセオリーなので、その意味でも本格では無いとの結論。

あとは読み終わったあとの夢見の悪い感じ。これは麻耶雄嵩氏の『神様ゲーム』で感じた感覚に近いですね。ミステリーランドはその性質上、不条理で狂気を孕んだ謎をどこかに残しておかなくてはならないのでしょうか。その方が現在少年少女である彼らに残す物が大きいかもしれませんね。

最後に『虚無への供物』へのオマージュ。『虚無~』を読んだことのあるミステリファンならにやっとしそうな設定がいくつかありましたね。こういったかつて少年少女だったあなたに対するサービスが好きです。

次回の「館シリーズ」がいまから本当に楽しみ。お願いしますよ、御館様!!

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2006年2月26日 (日)

『神様ゲーム』 麻耶雄嵩

神様ゲーム Book 神様ゲーム

著者:麻耶 雄嵩
販売元:講談社
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猫殺しの犯人究明へと乗り出す探偵団。

そして彼らに突きつけられる友の死。

これは神様が仕組んだゲームなのか。

「このミス2006」第五位にランクインした「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ミステリーランド第七回配本です。

なんだか夢見が悪くなりそうな。

少年少女よ、これはフィクションですからね。

麻耶雄嵩氏の作品だけあって、トリックは申し分ございません。納得。

ただし、そこに描かれる人間関係が泥臭いですね。(ここからネタバレします。危険です。私はこの本のネタバレ被害にあってからこの本を読みました。いちおうフセ字ですが、警告!)

まずもぉ、お○さん!小学生相手にエッチなことしちゃダメですよ!いや、神様が天誅下したのはお○さんだから…嗚呼、夢見が悪い。

この作品の問題点は全知全能の神様が登場して、親友殺しの犯人と共犯者に天誅をくだしますが、その神様の描き方が巧い。ラストまで彼が神様であることを疑わせません。

ただ、親友殺しのトリックを信じるならラストのオチで彼は神様ではないし、彼を神様だと信じたいのなら自分で親友殺しのトリックを再構築させるしかない。

仕掛けてくれますね、麻耶氏。

ただ、もうひとつの解釈は神様も間違えることがあるということ。作中で神様自信が「間違えることなどない」と断言しておりますが、はてさて。そこにあるのは本当に真実なのかな?

ミステリーランドでここまで考えさせてくれるとは。

因みにミステリーランドの他のオススメは『探偵伯爵と僕』と『虹果て村の秘密』です。来月には綾辻行人氏の『びっくり館の殺人』(なんと、正式な「館シリーズ」)が配本予定ですし、なかなか侮れませんな。

少年少女よ、あくまでもフィクションですからね…。

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