2006年6月25日 (日)

『銃とチョコレート』 乙一

銃とチョコレート Book 銃とチョコレート

著者:乙一
販売元:講談社
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大怪盗ゴディバを追うのは子どもたちのヒーロー・名探偵ロイズ。

ゴディバの隠し地図を発見した少年・リンツは、ロイズと共に捜査を開始する!

ロイズはゴディバの正体を暴くことができるのか!?

超楽しみにしていた『銃とチョコレート』。はっきり申し上げて良いですか?

おっ、面白くなかった…。

はっきり申し上げるとか云っておいて、乙一ファンの逆襲を恐れて反転です。乙一氏好きな方は、決してドラックしませんように。

このレビューを書く前に、評判をググってみたのですが、皆さん「おもしろかった」って書かれているのですよね…。乙一氏らしさもなく、ミステリとしてのスリリングさもなく、文章にキレもなく…。キレがないのはジュブナイル仕様で書かれているからだけではないはず。妙に残酷なのも、本当に必要?それが乙一氏らしさではないでしょう?

ロイズはあくまでも名探偵で居て欲しかった。純粋にわくわくさせてくれる冒険ものが読みたかった。勝手にロイズの活躍を事前に想像していた私の負けですか?なんだろうなぁ、うまく表現できないのですが、期待していたものとは大き違っていました。名探偵ロイズが実は…っていうのは悪くないのですよ。でも、あんなに人間臭くなくても。悪くても超人的な人であって欲しかった。有名になりたい、いつまでも人に覚えていてもらえる人でありたい、という気持ちはわかります。でも、謎を解き明かしたいという気持ちを忘れないで欲しかった。

二転三転する(私はそう思いませんでしたが)悪役も、みんな中途半端。それが現実なのかもしれないし、その中途半端を描くのが乙一氏の作風なのかもしれませんが、それでは夢がないではないですか。やっぱり私は勧善懲悪が好きだな。

ストーリーにもうちょっとメリハリがあれば…って、それは乙一氏の作風ではないって?

酷評というか、ただの批判レビューになってしまって残念。でも、同じように感じた人はきっと私だけではないはず。乙一氏好きな方は「よく知らない素人がなにか戯言を云っているわ」と思って大目にみてください。

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2006年6月18日 (日)

『黄金蝶ひとり』 太田忠司

黄金蝶ひとり Book 黄金蝶ひとり

著者:太田 忠司
販売元:講談社
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両親が5度目の新婚旅行に行っている間、父方の祖父にお世話になることになった僕。

祖父は万能学を教え、犬たちと牧場で暮らす、ちょっと変わった人だったんだ。

その夏、僕が体験するとっても不思議な物語。

結局、例のブツってなんだったんですかね?

いきなりネタバレから失礼いたしました。

ミステリーランドもあらかた読み終わり、残すところ竹本健治氏の『闇のなかの赤い馬』と乙一氏の『銃とチョコレート』のみとなりました。ミステリーランドの良いところは、“少年少女のための”と銘打っているため、ファンタジーに対する許容範囲が広いということです。この『黄金蝶ひとり』もすっかりファンタジー。ファンタジーを許容できないと、上記の私のような感想になってしまいます。

いや、ストーリーとか、ミステリ部分は結構良かったのですが(叙述トリックとか)、例のブツが一体何だったのか?という最大のファンタジー部分がどうしても気になってしまって、どうにも落ち着かない読了。不思議は不思議のまま残しておくのもアリなんですが、ちょっとは解説とか回答とか欲しかったです。宇宙からの飛来物でも構わないんですがね。

あと、びっくりしたのが、いきなり頭の体操からストーリーが始まったこと!ヒトラーが地獄の門の前でいきなり問題を一方的に投げかけるくらいの衝撃がございました。レベルは小学生レベルなので、手を止めるまでも無いのですが、こういうお遊びってすごく好きです。高田崇史氏の「千波くんシリーズ」が読みたくなってしまいました。

そうそう、冒頭の“キミに挑戦”も遊び心いっぱいで良かったですね。本一冊使ったトリックって好きです。清涼院流水氏の『ジョーカー』あたりもそうですよね?

遊び心満載のミステリーランドらしい一冊。ただ、例のブツが一体何だったのか、とても気になるところです。あれなら戦争に勝てるよ…。

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『ラインの虜囚』 田中芳樹

ラインの虜囚 Book ラインの虜囚

著者:田中 芳樹
販売元:講談社
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コリンヌは亡き父の名誉を勝ち取るため、3人の仲間と共にライン河ほとりの“双角獣の塔”へ向かう。

“双角獣の塔”に虜囚として捕らえられているのは、9年前に亡くなったとされる、かのナポレオンなのか?

コリンヌの過酷な旅が始まる。

惹きつける時代設定と魅力的なキャラクタの光る冒険記でございました。冒険記って本当にわくわくさせる力がありますよね!私はすごく好きです。

コリンヌと共に旅をする女にだらしない3人の仲間たち(笑)が本当に魅力的です。陸に上がった海賊と、謎を抱えた老齢剣士、自称天才作家の3人。自称天才作家は思い返してみると特になにもしてない…という地味な驚き。参謀ですらなかったですね。でも、憎めない良い味醸し出しております。

ラストで、実はこの3人がこんな大物でした!という後日談があるのですが、そこまで読んだ読者なら「あいつらならそのくらいやるだろう…」と思うに違いないという、素敵な描かれ方をしております。

田中芳樹氏がこの『ラインの虜囚』を執筆するにあたって読んだ参考文献の一覧がずらっと並んでいるのですが、田中氏の努力(?)を窺い知る事が出来ます。この時代(フランス7月革命あたり)の時代背景やナポレオンのことがしっかりと肉付けとして描かれていて、安心して読めるのですね。細部まで丁寧に描かれている作品は読んでいて気持ちが良い。好きです。

子どもたちがこの『ラインの虜囚』を読んだら、きっと次に『三銃士』や『鉄仮面』を手に取るんだろうなぁと思います。私も小学生のときに読んだっきり(『鉄仮面』はもうちょっと後か)ですので、また読んでみようかなと思いました。『三銃士』は小学生のときに読んだジュブナイルの中でも、とりわけ好きな一冊だったなぁ。

田中芳樹氏といえば『創竜伝』が御馴染みですが(続さん愛しちゃってます)、新たな一面を見ることが出来ました。どきどきわくわくの一冊でございました。

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2006年5月21日 (日)

『いつか、ふたりは二匹』 西澤保彦

いつか、ふたりは二匹 Book いつか、ふたりは二匹

著者:西澤 保彦
販売元:講談社
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ぼくは眠っている間だけ、ジェニィになることができるんだ。

今日もぼくはジェニィになってピーターのところでお昼寝をする。

そんな猫と犬の冒険物語。

この話も良かった!

ミステリーランドって本当に粒揃いですよね。設定で遊ぶことができることによって、内容が活きる活きる。この『いつか、ふたりは二匹』も完全に設定の勝利です。どうしてぼくがジェニィになることができるのか…なんて野暮なことを聞いてはいけません。いきなりジェニィなぼくのシーンから始まるので、違和感もかなり解消されているし。

小学校6年生のぼくも周りから“トモジイ(爺)”なんて呼ばれるおませさんという設定で、両親の不在がそのおませさんに説得力を持たせております。ニュースくらいしかテレビは観ないなんて小学生、なかなか居ないと思うぞ。

さて、この『いつか、ふたりは二匹』はジェニィとピーターの友情物語であり、しっかりとした作りのミステリでもあります。ミステリーランドの中でも1・2を争う出来ではないでしょうか。ジェニィとして見聞きしたことをうまくつなぎ合わせて、起こっている小学生連続誘拐未遂事件の真相を看破する。この看破までの流れが非常にスムーズ。ジェニィとしてのぼくを肯定さえしてしまえば、違和感無く読み進めることができます。秀逸。

残る謎はピーターなのですが…それは読んでからのお楽しみ。でも、ピーターについてはちょっと想像を働かせるだけで容易に看破できます。看破してからのピーターはとても愛らしく感じますよ。あぁ、ちゃんと愛しているんだなぁと。

良い作品を読んだときはネタバレせずにオススメする。これ基本。ということで、是非お読みください。

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2006年4月23日 (日)

『カーの復讐』 二階堂黎人

カーの復讐 Book カーの復讐

著者:喜国 雅彦,二階堂 黎人
販売元:講談社
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古代エジプトでは死者の魂は“カー”となってその身に戻ってくると信じられていた。

そして、王家の墓を研究のために暴いた学者が何者かに狙われ始める。

果たして“カー”は本当に存在するのか?アルセーヌ・ルパンがこの謎に挑む。

ミステリ好きにとって“カー”といえばディクスン・カーですので、タイトルを見た時はてっきりディクスン・カーものの(あるいは“ばりの”)推理小説だと思っておりました。まさかアルセーヌ・ルパンものだったとは…。

さて、肝心の内容ですが、本家のアルセーヌ・ルパン(本当はリュパンの表記の方がしっくりするのだけれど)ものに則ってただただ記述が続くつまらない冒険小説になっておりました…。本家は翻訳ものの性からか、どうしてもそういった形式になってしまうものですが、そこには強いルパンの個性が存在するので楽しむことが出来ます。

でも本作はね…。起きたことがただただ描かれているだけで、そこにぐっと引き込む要素が無い。起きてる事象も隠し通路がどうしたこうしたという、想定の範囲内の出来事ばかりだし。そして、肝心なルパンの魅力を筆力から感じることができないのですね。

きっとルパンならここですごい隠し玉を持っていて、ラストにびっくりさせてくれるんんだろうなぁ…という私の期待をすべて裏切ってくれました。ある意味ルパンの変装をした別人だったのではないだろうか?と。

金庫の件がもしかしたらびっくりに相当するのかもしれませんが、ある程度想像力を持った大人なら金庫の件がストーリーにのぼった時点で、とっくに真相を看破していることでしょう。それだけで大泥棒なら私も大泥棒ですよ…。

ということで、非常に不本意だった一作。

二階堂氏は昨年、ご自分の本業ではないところでミステリ界を賑わせておりました(人の土俵で相撲をとるどころか、住んじゃったみたいな)ので、ちょっと嫌煙気分だったのもありますが…。

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2006年4月17日 (月)

『ぼくと未来屋の夏』 はやみねかおる

ぼくと未来屋の夏 Book ぼくと未来屋の夏

著者:はやみね かおる
販売元:講談社
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一学期最後の日、ぼくが出会ったのは未来屋。

未来屋とぼくが過ごした小学校最後の素敵でちょっと不思議な夏休み。

ミステリーランドの執筆陣って本当に豪華ですよねぇ。ノベルスのアツい講談社だから出来るラインナップといいましょうか。その中でもおそらく大人よりも子どもに絶大なる人気を誇るであろうはやみねかおる氏の一冊が今日のレビューです。

はやみね氏の著作で最初に読んだのは青い鳥文庫の「そして五人がいなくなる」でございました。大学生時代、家庭教師先のお嬢さんが読んでいたのをちょっと読ませてもらったわけです。彼女が算数の問題を解いている間にね。(そんな彼女もきちんと有名中学校に合格致しました。よよよ。)

そのときの感想が「子ども向けのジュブナイルなのに、ミステリマニアうはうはネタ満載だなぁ」というものだったのですが、まさか本職のミステリ作家さんだったとは。(今回はもちろん知ってて読みましたのよ。ほほほ。)

さて、肝心の感想はというと…ちょっと物足りない!ここのところ読むミステリーランドミステリーランド、どれもこれも後味の宜しくない凄みのある作品ばっかりだったので、ここまで少年少女のために書かれた純粋な作品では物足りなくなってしまいまいした。

未来屋って本当に未来がわかっちゃう不思議な人なのかなぁって思ってたのですが、案外人間臭く描かれているものですから。いや、実際にそんな人いたら奇人変人の部類で、宗教起こしちゃいますか?ってな具合なんですが、もうちょっと神秘性を持たせてくれたら良かったってことなんですよ。

でも、この作品こそがミステリーランドなんでしょうね。

今度ははやみね氏の講談社ノベルスシリーズの方に手をつけてみようと思っております。

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2006年4月16日 (日)

『ほうかご探偵隊』 倉知淳

ほうかご探偵隊 Book ほうかご探偵隊

著者:倉知 淳
販売元:講談社
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ついに僕が不用物連続消失事件の第4の被害者に!

クラスの要らないものばかりを盗んでいるのは誰なのか?

ほうかご探偵隊が真相に挑む。

やっぱり倉知氏の作品に唐沢なをき氏のイラストは合うなぁ…ゴールキーパーの彼の惚けた顔なんか最高です!

と、いきなり本編とは関係の無い感想で申し訳。

倉知氏のミステリーランドは大人用と少年少女用に二つオチが用意されていて、なかなか楽しめました。ちょっと猟奇的な大人用と円満解決の少年少女用。ひねくれた大人代表の私としては大人用のオチの方が好きです。だってミステリだもん。

さて、今回の探偵役であります龍之介くんはやっぱり○○先輩の○っ子(先輩が隠れていない辺り伏字ではないな)なのでしょうか?もしそうなら、どんなひねくれた大人になってしまうのか、お姉さんは心配です。

特に決まった仕事はしてないみたいだけど…って主に後輩にタカって生きてるのだよ。いや、私も○○先輩好きですよぉ。まるで猫のように愛くるしいおめめをした先輩が。

さて、今回の作品で妙に納得の面白い解釈がひとつありました。怪人二十面相は変装した姿を目撃してもらえるまで、じっとじーっと待ってなくてはならない…というもの。可愛いよね、とっても!

「びっくりするだろうなぁ。むふふ。」なんて独り言を呟きながら物陰に隠れて何時間も待ち続ける怪人二十面相。可愛すぎる。

怪盗は前から好きですが、もっと怪盗が好きになっちゃいました!いや、奇想天外なカッコした怪盗ばかりじゃないですが。

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2006年4月 9日 (日)

『怪盗グリフィン、絶体絶命』 法月綸太郎

怪盗グリフィン、絶体絶命 Book 怪盗グリフィン、絶体絶命

著者:法月 綸太郎
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「ライト・シング、ライト・プレイス」をモットーとする凄腕怪盗グリフィン。

彼が巻き込まれることになったフェニックス作戦とは?

かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド第9回配本。

怪盗もの、好きです。

最初に怪盗ものに出会ったのはルパンで、そのあとリュパン。個人的にルブランの作品はリュパン表記の方がしっくりきます。こだわり。

さて、今回は法月氏がミステリーランドのために創造した怪盗グリフィンが主人公。最初、怪盗グリフォンだと思い込んでいてなかなか修正できませんでした。グリフォンの方が音馴染みが良くって。

グリフィンが巻き込まれることになるフェニックス作戦ですが、スリリングかつ二転三転する結末で非常に楽しい読書をさせていただきました。怪盗ものは騙し騙されがその醍醐味ですので、依頼人が怪盗に嘘をつくなんてのは当たり前。むしろ正直に盗みを依頼する方が怪しいってなもんです。

怪盗としての盗みのテクニックと、依頼人の本当の目的を探るための名推理。怪盗ものはこの二つの楽しみを一度に楽しむことができるから止められません。

あとはかつて子どもだったあなたへのファンサービス。今回は怪盗ものということで、ニック・ヴェルヴェットへのオマージュが。怪盗ニックも私の好きな怪盗の一人。カクテルの名前がニック・ヴェルヴェットだなんて、なんてありそうな名前なのでしょう。飲んでみたいわ。

本作はここのところ読んできたミステリーランドの中でも飛びぬけて子ども向きな作品でした。少年少女はきっと満足のゆく読書ができるでしょう。

法月氏、是非グリフィンに次なる活躍の機会を!楽しみにしております♪

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2006年4月 8日 (土)

『びっくり館の殺人』 綾辻行人

びっくり館の殺人 Book びっくり館の殺人

著者:綾辻 行人
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かの有名建築家・中村青司が建築したびっくり館。

必然のようにびっくり館で巻き起こる密室殺人事件。

かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド第9回配本。

お久しぶりっこ、御館様。

私は綾辻氏の「館シリーズ」を敬意をこめてこう呼びます。「御館様」と。

さて、ミステリーランドなのに正統な館シリーズ8作目となる本作。『暗黒館の殺人』の物理的にも心理的にもずっしりとした感じから離れて、『人形館の殺人』のようなシリーズ異色作に仕上がっております。

(ここから純粋に読了後の感想を書きます。当然ネタにも触れます。ご注意ください)

まず、本作は本格の骨子は残しつつあくまでも本格では無い、と。言うなればクリスティの『アクロイド殺し』でしょうか。ピンとくる人にはピンとくる記述があるので、ピンときた人にはトリックも犯人もピンとくるようになってます。この手のトリックは私は嫌いではないのですが、ちょっとあからさまかもしれませんね…。

あとは、名探偵の不在でしょうか。お馴染みの鹿谷氏が本作にも登場しますが、その登場の仕方がにくい。私個人的な本格論では名探偵が快刀乱麻に謎を解くというのがセオリーなので、その意味でも本格では無いとの結論。

あとは読み終わったあとの夢見の悪い感じ。これは麻耶雄嵩氏の『神様ゲーム』で感じた感覚に近いですね。ミステリーランドはその性質上、不条理で狂気を孕んだ謎をどこかに残しておかなくてはならないのでしょうか。その方が現在少年少女である彼らに残す物が大きいかもしれませんね。

最後に『虚無への供物』へのオマージュ。『虚無~』を読んだことのあるミステリファンならにやっとしそうな設定がいくつかありましたね。こういったかつて少年少女だったあなたに対するサービスが好きです。

次回の「館シリーズ」がいまから本当に楽しみ。お願いしますよ、御館様!!

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2006年2月26日 (日)

『神様ゲーム』 麻耶雄嵩

神様ゲーム Book 神様ゲーム

著者:麻耶 雄嵩
販売元:講談社
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猫殺しの犯人究明へと乗り出す探偵団。

そして彼らに突きつけられる友の死。

これは神様が仕組んだゲームなのか。

「このミス2006」第五位にランクインした「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ミステリーランド第七回配本です。

なんだか夢見が悪くなりそうな。

少年少女よ、これはフィクションですからね。

麻耶雄嵩氏の作品だけあって、トリックは申し分ございません。納得。

ただし、そこに描かれる人間関係が泥臭いですね。(ここからネタバレします。危険です。私はこの本のネタバレ被害にあってからこの本を読みました。いちおうフセ字ですが、警告!)

まずもぉ、お○さん!小学生相手にエッチなことしちゃダメですよ!いや、神様が天誅下したのはお○さんだから…嗚呼、夢見が悪い。

この作品の問題点は全知全能の神様が登場して、親友殺しの犯人と共犯者に天誅をくだしますが、その神様の描き方が巧い。ラストまで彼が神様であることを疑わせません。

ただ、親友殺しのトリックを信じるならラストのオチで彼は神様ではないし、彼を神様だと信じたいのなら自分で親友殺しのトリックを再構築させるしかない。

仕掛けてくれますね、麻耶氏。

ただ、もうひとつの解釈は神様も間違えることがあるということ。作中で神様自信が「間違えることなどない」と断言しておりますが、はてさて。そこにあるのは本当に真実なのかな?

ミステリーランドでここまで考えさせてくれるとは。

因みにミステリーランドの他のオススメは『探偵伯爵と僕』と『虹果て村の秘密』です。来月には綾辻行人氏の『びっくり館の殺人』(なんと、正式な「館シリーズ」)が配本予定ですし、なかなか侮れませんな。

少年少女よ、あくまでもフィクションですからね…。

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