『思考機械の事件簿Ⅰ』 ジャック・フットレル
2プラス2は4だよ、ハッチ君
それもときどきではなくて、
いつ、いかなるときにもだ
ときどき自分の脳内連想ゲームはどうなっているのか疑問に思うことがあって。『推理作家になりたくて 謎』に収録された泡坂妻夫氏「DL2号機事件」からの連想がフットレルの「十三号独房の問題」で。この「十三号独房の問題」、名作の呼び声高く読みたくて読みたくて仕方が無いのですが出遭いがなく。そもそも『思考機械の事件簿』自体が既に絶版、古書店で買い求めるしかなく未だ出遭えず、今日は図書館様にお世話になったのです。
というわけで、ホームズのライヴァルとの呼び声高いオーガスタス・S・F・X・ヴァン・ドゥーゼンが本シリーズの名探偵役。哲学博士、法学博士、王立学会会員、医学博士などなど多数肩書きを所有し、素人にも関わらずチェスの世界チャンピオンを15手で詰み、「思考機械」という称号(?)を得た奇人です。冒頭でホームズよろしく、後の相棒であるハッチ記者のバックボーンを当ててみせた思考機械。まぁ、この手の推理は作者の思うまま…あわあわあわシャーロキアンに襲われる。
『事件簿Ⅰ』に収録されている作品のなかでは「情報漏れ」が好きかも。密室から漏れ出た機密情報。この情報を入手できるのは本人(依頼人)とタイプライターを打つ秘書だけ。指示が遂行されるまで本人も秘書も部屋からの外出は赦されず、絶対に情報が漏れるわけがないのに。2+2=4なので(なぜ1+1=2ではないのかずっと気になっておりました)本人が情報を無意識下でも漏らしていないなら…当然秘書が怪しいわけで。では、秘書はどうやって情報を外部に伝えたのか?
思考機械の取り組む謎(解)はシンプルなものが多くって。派手な捕り物劇はなく、そこにあるのはロジックだけ。ロジック最強。最近の犯人たちは自分の力(知能)を誇示し過ぎですね、「実際に偉大な犯罪者は、絶対に発見されぬものです。なぜかというと、偉大な犯罪そのものが-つまり、彼らの犯行が-明るみに出ることがないからです」
「いま、この部屋で、あなたを殺すこともできます」
「そしてそれを知る者は一人もありません。疑われることもないのです。なぜでしょうか?ぼくはミスをおかさないからです」
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