■本多孝好

2019/07/09

『dele2』 本多孝好

 

deleシリーズ第2弾。ドラマが大好きでした。メインのふたりはもうあのふたりしか考えられない。脳内再生余裕。

作品の、優しいのに重くて苦しい、それでいて透明な空気感が初期の本多孝好を連想させてとても好きです。「チェイシング・シャドウズ」は基本的なストーリーはドラマと同じですが、終わり方がドラマよりやわらかで、すぐにケイから連絡があってもおかしくないくらい。

アンチェインド・メロディ」は最後のどんでん返しがミステリ的で良き。

『dele3』はどんな感じで始まるのか。予備知識がないのでとにかく楽しみです。

 

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2019/07/05

『ストレイヤーズ・クロニクル ACT-3』 本多孝好

 

読んだのは単行本(ソフトカバー)版ですが、アマゾンで探し出せなかったシリーズ第3弾にして最終巻。

武部の正体が明らかになったシーンが最も滾った。これこれ、これを求めてたんだよ!という感じ。ミステリスキーの血が湧きました。あのおじいちゃんはミスリードだって知ってた。きっと身近な人だって思ってた。だとするともうあの人しか残ってないけど、わかってたけど、わかってても興奮することってあるんです。

ラストがどうなるのかもわかってました。誰ひとりとして心(真)から救われてないところが本多作品らしい。昴、アゲハ、それぞれの疑似家族が自分たちの境遇を忘れて穏やかに暮らしている様が読みたい。ラストの続きが知りたい。つまり彼らは目的を達したのだろうか。難しい。シリーズを通して本多節が利いているようで利いていないようで、自分のなかの評価(置き場)に困る作品。

 

 

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2019/07/04

『ストレイヤーズ・クロニクル ACT-2』 本多孝好

 

シリーズ第2弾。

アゲハとの対立が本格化。井原の組織=常人ではまったく歯が立たない、能力者たちの水面下の駆け引き。戦闘シーン多めなので、映画(映像)でも楽しめそうだなあと思いながら読了。そういえば、今回は映画キャストを事前にチェックしていなかったので、脳内は田島絵で再生されておりました。イラストの昴は切れ味の良いナイフのイメージですが、岡田将生だと少しまろやかになりますね。学の染谷将太は言うことなし。

昴やアゲハが最終的にどうなりたいのか、どうなれるのか、最後が気になる。けど、もっと熱くなりたい。なにがどう足りないのかよくわからないけれど、読んでいて気持ちの昂りが欲しい。

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2019/07/01

『ストレイヤーズ・クロニクル ACT-1』 本多孝好

映画化もされた本作。シリーズ第一弾にして序章。

彼らのバックグラウンドどころか能力もよくわからないままに事件は起こり、解決され、その始末の付け方が後味悪くて最高だった。もっと盛り上がっても良かった。けれど、この静けさこそが本多孝好らしさか。難しい。

ちらちらと見え隠れする彼らの過去、素性が明らかになるのが楽しみ。

 

 

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2018/09/24

『dele』 本多孝好

みなさま、ドラマはご覧になったでしょうか?

大好きな本多孝好原案のドラマが観られるだけでしあわせなのに、脚本まで書かれて、ドラマも全話おもしろいとかこの上ないしあわせでした。原作に収録された作品は映像化されたものではないので、新たなふたりの活躍が読めて嬉しい。

主役のふたりは脳内で完全にドラマのまま再現されますね。あて書きした本多孝好がすごいのか、演じたふたりがすごいのか。きっとみんなすごい。

収録されている作品はどれも優しさと虚しさが入り混じっていて、この独特なバランス感覚が本多孝好の良さだと再実感。個人的なベストは「ファースト・ハグ」でしょうか。ミステリ度がいちばん高い。とにかくスマホを探し、最後に放り投げてしまうところがいい。

小説であることが活かされている「シークエット・ガーデン」でケイの呼び名が決まったシーンも良い。いろいろ試していることにはまったく気がつきませんでした。

いちばん報われない「ストーカー・ブルーズ」も好きだなあ。つまりはどれも好き。既に2まで刊行され、3(続編)も発表された本作。本多孝好の代名詞になりましたね。できればドラマも続編を。最高のドラマでした。

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2013/01/21

『at Home』 本多孝好

愛して止まない本多孝好氏の「家族」をテーマにした作品集です。

描かれている家族の形は4つ。もちろんどの家族も「絵に描いたようなしあわせな家族」であるわけがなく、むしろそんな家族は世界のどこにもないのだと思いますし、そんな家族があったならそれはそれで異常なことだと思うのですが、とにもかくにも「普通とは違う」「歪さ」を自覚しながらも家族として生きている「家族」の物語なのです。

個人的なベスト、ラストのシーンで嗚咽が止まらなくなったのが表題作の「at Home」。どんな家族なのか…を詳らかにしてしまうとネタバレ以外の何物でもなくなってしまうので避けますが、ラスト、お父さんが土下座するシーン、その言葉にぶわっと涙が溢れました。家族の繋がりとは血の繋がりなのか、絆の繋がりなのか、記憶(想い出)の繋がりなのか…人によって解釈は様々だし、正解なんてないのだけれど、敢えて言いたい。あの5人は家族だ、と。そして、そんなことお前に言われなくてもわかってるよ、と返ってきそうな「at Home」がたまらなく好きです。

ところで。私が持っているハードカバーの装丁は黄色ベースのものなのですが、現在は違うタイプ(↑)に代わってしまったのですね。本多孝好と書かれた見慣れないものはなんでも買ってしまいそうになるので、この装丁チェンジは私にとってトラップ以外の何物でもありません()

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2009/02/08

『MOMENT』 本多孝好

MOMENT (集英社文庫) Book MOMENT (集英社文庫)

著者:本多 孝好
販売元:集英社
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死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら

貴方はなにを願いますか?

死の瞬間、その刹那、なにが見えますか?

『MOMENT』はハードカバ2冊(サイン本と読書本)と文庫(通勤本)を所有しているというなんとも勿体無いお金の使い方。本多氏の懐が少しでも暖かくなってくれれば本望、そして新しい物語がひとつでも多く生まれてくれたら感激、それくらい愛して止まない本多孝好氏の作品『MOMENT』が本日のメニューです。

いまでも本多氏のベストは『MISSING』の「瑠璃」だと疑わない私ですが、『MOMENT』も好き。キャラクタという意味では『MOMENT』の僕は『真夜中の五分前 side‐B』の捻くれた彼と同じくらい好きです。そういえば、本多氏の作品で主人公の名前を思い出せるものって無いかも(『MOMENT』の僕が神田だってことも、いま確認するまで思い出せなかった…トリアタマ)。

本作は病院の清掃夫に身を窶した僕が、貰いすぎた報酬を返済すべく働く4つの物語。死ぬ前にひとつだけ僕の出来る範囲で貴方の願いを叶えましょう…その中でその刹那、浮き彫りにされゆく生と死の肖像。個人的には復讐とか脅しとか、そんなものとは無縁の、ただただ意味のないただただスマートな会話がその場を支配する「FIREFLY」が好みでしょうか。

価値のない人間なんていなくって、価値のない人生なんてなくって。最終的にそれを判断するのは自分だから…そんなわけないじゃない。表題作「MOMENT」の言葉が印象的。

自分の勝手な事情で、自分で勝手に死にたいのなら、自分が関わったすべての人の同意を取り付けるべきです

なにも考えていないように見えて、常に冷静であるように見せて、いつくもの死を見送っておきながら、むしろいくつもの死を見送ってきたからこそ、生まれることのできた言葉…そんな印象を持った印象的な言葉に同意したい。

『MOMENT』にはもうひとつ物語があって、それは読書が大好きな私たちみたいな人種には死と同義かもしれない物語で。必殺仕事人は登場しないけれど、本作よりも少し未来が見える物語も是非とも堪能ください。

もうひとつの『MOMENT』はこちら

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2008/09/19

『FINE DAYS』 本多孝好

FINE DAYS (祥伝社文庫) Book FINE DAYS (祥伝社文庫)

著者:本多 孝好
販売元:祥伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

恋に切なさが付き物ならば

その切なさに種類があるのはご存知?

本多孝好が織りなす4つの恋愛小説

本多孝好スキーを公言している割に『FINE DAYS』はそんなに好みじゃなくって2回くらいしか読んだことなかった私。でも「イエスタデイズ」映画化で意識してしまったが最後。短編集は通勤時に読むという独自ルールを守るために、文庫本をわざわざ購入してまで読ませていただきました。この印税が少しでも本多氏の懐に入ってくだされば本望。

さて、『FINE DAYS』には4つの恋愛小説が収録されているのですが…

「イエスタデイズ」が一番人気って本当ですか?

個人的には一番不人気なのが「イエスタデイズ」なんですが。やっぱり私の感覚ってズレているんだろうか。私は「眠りのための暖かな場所」を映画化して欲しかった…その理由は主人公が好みってだけなんですが。本多作品で女性が主人公って珍しいですよね。初めてじゃないかってくらい。でも、読んでいて『MISSING』を思い出した…彼女は本多初期作品の主人公たちに近いのでしょう。好きです。

「シェード」も良い。昔話と今とが交差する感覚が自然で好きです。でも、ベッタベタ。

表題作の「FINE DAYS」も好きです。主人公に関わる人間が誰も幸せになれないところが、ダックスフントを挟んで寝るところが、「お前は天才だ」と肩を叩かれて微笑む神部が、好きです。

4つ全ての作品に共通して云えるのが、不思議を不思議のまま受け入れながら(受け入れると云うよりは受け流すが正しいかもしれませんが)どこかで折り合いをつけながら、人間は生き続けるということを描いている点。恋愛に挫けて、人生に挫けても、生き続ける限り人間は寝て、食べて、排泄をする。そんな“生”を4つの作品から感じました。

なにはともあれ、これで映画「イエスタデイズ」の特典小説が読める。今晩寝る前にさくっと読んじゃうつもりです。あの薄さなら5分くらいで読めるでしょう。感想レビューは…ネタバレどころの話じゃないので書くかどうかは微妙です。すんごい良かったら(あるいは良くなかったら)書くかもしれないです。

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2008/09/13

祝・映画化

私の愛して已まない本多作品、
初の映画化!!

『FINE DAYS』収録の「イエスタデイス」映画化情報をキャッチしたのが一昨日。そして勝手にNO残業デーを敢行し、特典付き前売り鑑賞券を入手したのが昨日。最初の感想?

特典の書き下ろしブック、薄っ!?

もしかしたら仕事忙しくて観に行けないかもしれないけど。けど、後でこの特典のことを知って激しく後悔するくらいなら1300円惜しくない。でも、「特典ってまだ残ってますか?残ってるなら前売りください(ハァハァ)」なんて、映画館窓口のお嬢さんに迫っちゃったのはやり過ぎだったかしら?

というわけで、『FINE DAYS』は2回くらいしか読んだこと無いので(えっ?)「イエスタデイズ」がどんな作品だったのか全然覚えてないんですけれど(あらすじ読んだって思い出せなかった)とりあえず本多作品が映画化ってだけでめでたい。

えっと、公開はいつですか?とりあえずカウントダウンブログパーツを貼ってみる。ハードカバで持ってるんだけど、文庫版も買おうかしら通勤用に。でも、朝から地下鉄で目頭を潤ませる女って変態だよね(どうせ欠伸を噛み殺したものと判断されるだろうが)

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2008/09/06

『ALONE TOGETHER』 本多孝好

Alone together Alone together

販売元:楽天ブックス
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呪い

そんなものが本当に存在するのなら

僕は存在すべきではない

何度読んだって好きだ

通勤本としてチョイスした本が(再再再再再読にも関わらず)面白くって、家本そっちのけで読みきっちゃうことってありますよね!?今日のメニューはまじょ。が愛して止まない本多孝好氏の『ALONE TOGETHER』です。そして、今日も読了できないであろう家本は篠田真由美女史の御本です(笑)

初読のときに、そんなに面白いと感じなかった『ALONE TOGETHER』。そのときは『MISSING』に出逢った衝撃が大きすぎて、しばらくどんな本を読んでも面白いと思えない時期だったわけですが。とにかく(『MISSING』と比較して)そんなに思い入れがあるわけではなかった本作。それでも、

相当面白いんだからまいった

私の大好きな本多節炸裂。言葉選びがとにかく秀逸。言葉を代え、見方を代えて書かれる繰り返しの手法が素晴らしい。美しい、という言葉は本多作品を形容するために生まれたんじゃないかと個人的に思う。超個人的に。

そのくらい入れ込んでいる本多作品ですが、ラストが微妙なんですよね。というか、前半と後半にギャップを感じるというか。とりあえず、前半はミステリを書くつもりだったんじゃないかと思うんですよね。なぜ聖職者が殺人を犯したのか…もちろんこの主題は最後まで残っているのですが、それを全面に押し出した作品にするおつもりだったのではないかと。とりあえず、フリージャーナリストは最初は人間だったんだと思います。

それが、途中で主題のすり替えが起こる。後半の主題は…なんなんだろう?“呪い”はこの作品のキーワードですが、便宜上“呪い”という言葉を使っているのであって、主題の座を見事勝ち取った“あれら”は“呪い”ではないと…思うんですけれど、どうでしょう?

個人的希望を申し上げるならば、主人公は救われないで欲しかった。いや、あのラストだって充分救われてないのだけれど。とりあえず、熊谷と巧いことやりまくるのだけは(笑)止して欲しい。主人公に似合うのは熊谷じゃない。漸くとはいえ、弱みを見せた途端に戻ってくる女ってどうよ?完全に好き嫌いの問題ですけれどね。

とりあえず、教会の住職(笑)あたりから読むのがしんどくなるのだけが難点かと。それまでの美しさと痛さったらないです最高です。

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