■海堂尊

2014/02/07

『ブレイズメス1990』 海堂尊

個人的に海堂作品のベストだと思っている『ブラックペアン1988』の続編、世良を中心に若かりし東城大を描いたシリーズ第2弾です。

今回、世良に与えられたミッションはモナコの地よりモンテカルロ・エトワール、天才外科医・天城雪彦を連れて帰ること。そして、世良によって桜宮に導かれし天城に与えられたミッションはこの地に心臓手術専門病院であるスリジエ・ハートセンターを設立すること。けれど、新施設設立の前には様々な問題(主に費用)が立ちはだかっており、天城はその問題をクリアにするために日本で初となる公開手術に踏み切ることを決める…なんてお話。

とにかく『極北クレイマー』ラストで極北の地に現れた世良の姿と本作の天城の姿が被る被る。世良の人格形成にめちゃくちゃ影響を与えたんだなあ…と思いますが、本作のラストがとにかく思わせぶりなのはどうしてでしょう。続編である『スリジエセンター1991』が気になって気になって仕方がないじゃない。

そして、小天狗こと我らが高階病院長(現職)が大人し過ぎるのでは?もっと減らず口…もとい、クイーンとしてナイトと激しいバトルを繰り広げて欲しかったかったです。これも『スリジエセンター1991』に期待…しても良いですよね?

理由はわかっているのだけれど、いま無性に『チーム・バチスタの栄光』を再読したいです。

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2013/12/16

『極北クレイマー』 海堂尊

『ジーン・ワルツ』『マドンナ・ヴェルデ』で触れられていた産婦人科医の件、詳細とその後が知りたくて手に取った本作だったのだけれど、

何にも解決してない\(^o^)/

それどころか、極北市民病院という本丸が抱えた問題についても解決せず、ただただ問題提起(?)していろいろ放り出したままで勝手に終わって行った本作。もちろん消化不良ですとも。

夕張をモデルに医療の現状を知らしめ、問題提起したい。その意欲は伝わってくるのですが、物語として発表している以上、物語として完結して欲しいところ。いや、世良という抗癌剤の投薬で回復の見通し、良かったね!で済ませますと言われてしまえばそれまでなのですが。

とりあえず、三枝先生の件だけは救われる形で解決して欲しいところ。『極北ラプソディ』で語られているのかしら。いや、あちらはジェネラルのお話っぽいしな。ジェネラルはもう、センター(主役)に立つべくして生まれた男だからな。三枝先生ではちょっと力不足か。

それにしても並木看護師…あんな男のどこが(ry ふたりもこれからのウォッチ対象ですね。

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2013/10/11

『アリアドネの弾丸』 海堂尊


田口&白鳥シリーズはこうじゃないと!前作『イノセント・ゲリラの祝祭』が個人的に微妙だったので続きを読むことを躊躇していたのですが、本作はまさしく田口&白鳥シリーズ。私の読みたかった「東城大学内の御家騒動に否応なく巻き込まれ不本意ながら黒腹たぬきの懐刀として本人の意思とは関係なく出世街道まっしぐら」な田口先生がいましたよ!!

400ページ強の本作。前半200ページはAIセンター設立のあれこれと、会議における医療と司法の対立に終始…今回もダメかと思ったんですけどね。そこから、黒腹たぬきが発砲事件の容疑者として身柄を拘束されてからはもう、がっつりミステリですとも。しかも、パズルは発砲事件ひとつかと思わせておいて、実はふたつ…いや、ふたつの事件が実は根を同じくするひとつの事件なんでしたっけ?とりあえず、ショスタコを聴きたくなったとも。

とにかく、白鳥のロジカルモンスターっぷりは健在。事件の解、見事です。そして、田口先生もしっかり昇進。田口先生を取り巻く愉快な仲間たちも活き活きと。本シリーズはこうじゃなくちゃ!という一冊でございました。

ただ…海堂作品は他シリーズとのリンクが多過ぎるような。既読作品とのリンクは「ほほう」となれて嬉しいんですけどね。未読の場合は本当に置いてけ堀なのでキツイです。ちょっと臭わす…じゃなく、本気で他作品の内容ガンガン割りますからね。それで他の作品も読みたくなっちゃうから海堂氏的にはしめたものなのでしょうが。

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2013/09/01

『マドンナ・ヴェルデ』 海堂尊

『ジーン・ワルツ』と対をなす、代理母の物語。

『ジーン・ワルツ』を読了した際に、理恵が守りたかったのは赤ん坊だったのか医療だったのか…といったことを書いたのだけれど、『マドンナ・ヴェルデ』を読んで理恵が守りたかったのは医療だったのだと確信。ただ、その魔女の心は母親の手によって少しだけ、ほんの少しだけ溶けたのだけれど。

それにしても、『ジーン・ワルツ』を読んだときにはそこまで違和感を覚えなかったのだけれど、みどりの視点で代理母の話を聞くととんでもないお話だと改めて。みどりに代理母の話を持ちかけたときの理恵の思考回路がもうぶっ飛んでるというか破綻してますよね。もちろん破綻しているのは論理ではなく精神です。もう一度『ジーン・ワルツ』を読んでみようかな。

この物語には何人もの母親が登場するわけですが、最も心打たれた母親はやっぱり甘利さんだなあ、と。「ユイちゃん、まだ出てきちゃダメ。ママのお腹の中にいて。でないと死んじゃう」って凄い台詞だなあと思います。

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2013/03/13

『ジーン・ワルツ』 海堂尊

産婦人科医・曾根崎理恵。冷徹な魔女とも揶揄される彼女に代理母出産供与の疑惑が持ち上がる。果たして彼女は法に触れたのか。彼女が手掛ける5人の妊婦は無事に出産を終えることができるのか。遺伝子のワルツが踊り始める…みたいなお話。

魔女が守りたかったものが赤ん坊だったのか医療だったのか。きっとどっちもだったのだろうと思うし、そういった野望を持てる女性だったのだと思うのだけれど。けれど彼女の行いはやはり違法で、正しくない…のかな? きっと作者が言いたいのは「社会が間違っている(違法である)」ということだと思うのだけれど。けれど、最後…どころでなく一生、自分が産み育てている子どもが「誰の子どもなのかを知らずに」いるだろう一人の登場人物のことを思うと、やはり魔女が犯したのは犯罪だと思うのです。

ラスト、命をまるでゲームの手札のように、切り札のように使った魔女を見て。やっぱりなにが正しいのかわからなくなった一冊でした。

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2009/03/14

『イノセント・ゲリラの祝祭』 海堂尊

イノセント・ゲリラの祝祭 Book イノセント・ゲリラの祝祭

著者:海堂 尊
販売元:宝島社
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今日もまた黒腹たぬきに呼び出され

向かった先は厚生労働省

グッチー、遂に本丸を攻める!?

グッチー&白鳥シリーズ第4弾でございますが…

グッチー&白鳥が活躍した場面ってありましたっけ?

これを正統な「シリーズ第4弾」とは呼べないような気がします。少なくとも私は呼びたくない。

グッチー&白鳥シリーズといえば、東城大学内の御家騒動に否応なく巻き込まれ不本意ながら黒腹たぬきの懐刀として本人の意思とは関係なく出世街道まっしぐら…がお約束だと思っていたのですが。今回の戦場は厚生労働省「診療関連死死因究明等の在り方に関する検討会」…やっぱり一息では読めなかった。しかも今回、

白鳥が真っ当な官僚に見えたんですけど!!

これは重症だ。今回「火喰い鳥」として戦場を焼き尽くすことなく、むしろ講和会議へのご案内までしてみせた白鳥…そんな白鳥が見たいわけじゃない。今回の戦場、白鳥が用意したかのように見えますが…違いますよね?白鳥、喰われた?

今回の主役は間違いなく彦根新吾。彦根の熱弁については…現状の医療について詳しい知識を持っているわけではないのでスルーさせていただきます悪しからず。けれど、まさしく過激派テロル。

『バチスタ』に続き『ジェネラル・ルージュ』も映画化され、海堂氏の知名度も鰻登り、著作も売れに売れまくっておりますが…海堂氏はずっとこれが書きたかったんだろうなぁ、と。実現可能な否かは横に置いて、警鐘を鳴らしたかったんだと思います。でも、私はあくまでも小説が読みたかった。痛快なエンタメ小説をグッチー&白鳥シリーズには求めていました。だから、残念。

そういえば、「このミス2008年」に掲載された短篇が間に挟まってましたね。

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2008/05/13

『ブラックペアン1988』 海堂尊

ブラックペアン1988 Book ブラックペアン1988

著者:海堂 尊
販売元:講談社
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外科医の道を歩み始めたばかりの世良

世良が直面した医療の実態は思っていたよりも過酷で汚くて

けれども…その先にあるものを知りたくはないかい?

田口&白鳥シリーズの番外編と云える本作ですが…

番外編にするのは惜しい!
むしろこちらを本編に!!

ってくらい素敵な作品でございました『ブラックペアン1988』。1988年の東城大学医学部付属病院を舞台とした本作で描かれるのは、絶大なる権力を持った佐伯教授の下、考えることを放棄し腑抜けと化した外科医たちの姿。そこに颯爽と毒舌を従えて登場したのは…我らが腹黒たぬき・高階権太、その人であります。

誰にも若かりし頃というのはあるわけで。高階病院長はもちろん、黒崎教授・藤原さん・ネコ・ジュネラルルージュ・ガンガントンネル魔人・グッチー(あれ?動物はさんだあたりから変な呼称がずらずら)と主要キャラ総出演でございます。それだけでもう、田口&白鳥シリーズ好きには堪らないのに…作品そのものが読者をグッと惹き付けて離さないっていうんだから。脱帽。

個人的に涙腺緩ませちゃったのは、矍鑠とした癌患者・小川さんのシーンです。「世良先生、これに懲りずに、いいお医者さん、に、なって下され」なんて台詞、まともには読めない。いやもう、まさかここで泣くとは自分でもびっくり。そして、世良のこの経験が伏線となり、後にまた素晴らしい台詞&展開が待ち受けていようっていうんだから。侮れません。

そして、小天狗&悪魔が怒号を飛ばしながら必死に止血作業に取り組むシーンも好きです。あれだけでっかい口を叩いておきながら(とくに小天狗)術野に神が光臨するまで止血することのできなかった2人。世良だけでなく、この2人にとってもこの日は忘れられない幾日かの一日になったのだろうなぁ、と。

ちなみに本作中で一番笑ったのは、同じシーンのヒラ麻酔医が佐伯教授に毒を吐いたシーンです。

こんな過去こんな日々があったからこそ、高階病院長と藤原さんを毒を吐き合えるのだし、高階病院長と黒崎教授はいがみ合える。同じ術野を囲むということは、互いの信頼関係を確かめ合うということ。表に現れてこない彼らの胸の中の信頼関係をフィルターにして、今の関係を再確認してみたら…これまでの既出作品をもっと面白く読めるかもしれない。そんな風に感じた『ブラックペアン1988』でございました。

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2008/05/05

『夢見る黄金地球儀』 海堂尊

夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38) Book 夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)

著者:海堂 尊
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

8年ぶりに現れたチューリップハット

彼から発せられた「ジハード・ダイハード」

それは…僕らの冒険の合図

う~ん、微妙

微妙と云うか駄作?やっぱり海堂氏の本領は医療ミステリで発揮されるわけで。奇人変人役のガラスのジョーも白鳥ほどキャラ立ちしておらず。いろいろ微妙な『夢見る黄金地球儀』が本日のレビュー作。

ぼったくりフィリピンバーを8年前に潰して以来、消息を断っていたガラスのジョーが桜宮市に帰ってきたのがすべての契機。「ジュース飲まない?」くらいの軽い調子で発せられた「一億円欲しくない?」。作戦の骨子は桜宮水族館深海館に鎮座する黄金地球儀を戴くこと。けれど、ガラスのジョーが参加する作戦がスムースに進むわけがなく…。

ミステリというよりは単なるドタバタコメディ。あれ?これもミステリ・フロンティアから刊行されたんですよね?ミステリ・フロンティアについてそろそろ本気で考えるべきではないかと思っております、個人的に。

そのドタバタもテンポが無いんですよね。とにかく冗長。ラスト数ページでひっくり返そうとするのですが、そこまで至るのにもの凄くエネルギィ使うので、もうどうでも良かったり。ここまでズルズル付き合わせておいて、どんでん返しがなかったらむしろ驚くわ!ってなもんです。

この作品の愉しみ方は、田口&白鳥シリーズとのリンクを発見して喜ぶのが正しいのかも。『ナイチンゲールの沈黙』に登場した小夜ちゃんのその後とか、オープン初日をコンビナート火災によって水をさされたショッピングモール(『ジェネラル・ルージュの凱旋』参照)とか。さらに、これから起こるであろう出来事まで公開されておりまして。桜宮病院火災(『螺鈿迷宮』参照)の跡に立てられたガラスのお城が破壊されていたり、社会保険庁が解体されていたり(絶対、ロジカルモンスターが関係してると思うんだ)。

これからの海堂氏の活躍を愉しみに…ということで。たまにはこんな作品もあるでしょう。

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2007/12/26

『ジェネラル・ルージュの凱旋』 海堂尊

ジェネラル・ルージュの凱旋 Book ジェネラル・ルージュの凱旋

著者:海堂 尊
販売元:宝島社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

救命救急センター部長、通称“ジェネラル・ルージュ”。

ドクターヘリ導入を悲願とする“血まみれ将軍”にかかった収賄疑惑。

リスクマネジメント委員長・白鳥は同期の危機を救うことができるのか?

いやぁ、『螺鈿迷宮』に続き傑作きました!決してミステリではない本作ですが、続きが気になって気になって、結局寝たのは4時…キョウノシゴトハツラカッタ…。『ナイチンゲールの沈黙』の表で進められていた(後出作品ではありますが、間違いなく本作が表だ)グッチー・ミッションは同じ窯の飯を喰った同期=ジェネラル・ルージュの収賄疑惑を晴らすこと。今回も腹黒たぬき・高階病院長に巧いこと丸め込まれて、それでも「私が速水を告発することはあり得ない、と確信しています」と言い切ったグッチーはちょっと素敵でした。本作はグッチー&ジュネラル・ルージュ&ガンガントンネル魔人の友情の物語。

本作は正当なるグッチー&白鳥シリーズではございますが、白鳥の活躍はちょっと薄め。でも、エシックス・コミティでAi導入検討が行われた際のロジカル・モンスターっぷりはゾクゾクきましたね!(なんてたって、唯一の魅せ場)エシックスの面々を相手取り、お得意のロジックで彼等をバッサバッサと切り捨ててゆく白鳥。痛快なんだけど…白鳥とは絶対にディベートでご一緒したくないわ。

あとは、読書中に「この件は絶対にブロ愚に書く」と心に決めた黒崎教授。

ちょっと、すんごい恰好良いオヤジ発見!!

「神の指図で動くことが、あれほどの愉悦を伴うものだということを…」「ワシのプライドや肩書きなんて、そうした瞬間には、すべてすっ飛んでしまうくらい、ささやかで他愛もないものなんだ」の素敵台詞は5回は読み返しました。将軍の救命救急センターに対する想いにもかなりグッときましたが、やっぱり本作の功労賞は黒崎教授じゃないかと。この一件で物語がキュッと締まりましたよね?あぁ、やっぱり将軍は東城大学に必要な人材なんだと改めて思い知らされたというか…そして将軍とは決して交わることのない道を行く黒崎教授も必要なんだと思い知らされたというか。いろんな人間が居て、いろんな想いがあるからこそ、人間の“生と死”を司る場として病院があるのだと感じました。

本作はミステリではないので「やれトリックが…」とか書けないのですが、とりあえず読んで損の無い作品だと思います。『ナイチンゲール』も「この作品の裏だと思えば読む価値あったかな」とまで思わせる、他作品の評価にまで影響を与える素敵作品。うん、愉しい読書タイムでございました。

どうでも良いのですが、本作『ジェネラル・ルージュ』と『ナイチンゲール』は元々ひとつの物語であったのを分割させられたのでは?と思ったり思わなかったり。もしこのふたつが同時に語られていたら…それはそれで破綻した物語だったんじゃないかと。分割して良かったね!(って、その前提自体が妄想だよ)

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2007/12/25

『螺鈿迷宮』 海堂尊

螺鈿迷宮 Book 螺鈿迷宮

著者:海堂 尊
販売元:角川書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

-この病院は人が死にすぎる

終末期医療の最先端施設に絶えることなき“黒い噂”。

その噂の正体を確かめるために、似非医学生“アンラッキー・トルネード”とロジカルモンスターの“懐刀”が敵内部に侵入する!

『ナイチンゲールの沈黙』の出来がちょっとばかしアレだったもんで、あんまり期待せずに読んだのですが…

個人的に『バチスタ』より面白かった!

「医学なんてクソッタレ」の似非医学生・天馬大吉(別称 アンラッキー・トルネード)は幼馴染・葉子にまんまと嵌められ、終末期医療=ホスピス病院の潜入捜査に乗り出す羽目に。老人介護センター→ホスピス施設→寺院までを併設した“エスカレータ式だたし天国逝き”のその施設では、前触れもなく人が死んでゆく。似非医学生であっても「異常だ」と感じるほどの唐突な死には、どんな裏側が隠されているのか?

まぁ、こんな感じのストーリーなのですが、終末期医療や大学病院の有り方といった海堂氏お得意の問題提起にファンタジーとセンチメンタルを取り入れた意欲作となっております。施設が隠し持つ闇に光を当ててゆく(解決してゆく)手法も見事だし、そこにセンチメンタリズムを挿入する手法も素晴らしいと感じました。『バチスタ』には無く『ナイチンゲール』ではやり過ぎた部分が綺麗にカチッと物語に填められた印象。

しかも“ロジカル・モンスター”とその懐刀“氷姫”の使い方も良い。ロジカルモンスターのロジカルモンスターたる所以を垣間見ることはできませんでしたが(今回は完全裏方、でも良い仕事してますよ相変わらず)その懐刀“氷姫”は良い意味で期待を裏切ってくれました。私は厚生労働省役人ふたりが火傷治療の為にああだこうだ言い合っているシーンがすごく好き。『家庭の医学』まではカバーしきれていない氷姫データベースが欲しい。あとは火傷の程度「水胞つきのⅡ度に格上げされたのは、姫宮のスペシャル・サービス」の件もね。こういうのたまらねぇっす。

んで、肝心のミステリ部分も“運命の巡り合わせ(ミステリ読者はこれを伏線と呼ぶ)”が見事に作用していて、全てが繋がった(ミステリ読者はこれを伏線の回収されたと呼ぶ…ってくどい?)ときの爽快感は極上。ちょっとやり過ぎかな?と感じる部分もセンチメンタリズムの延長と思えば許容範囲かな?と。闇の部分を闇としてきちんと読ませてくれる作品は好きです。

番外編(なんですよね?)でこれだけのクオリティのものを読ませられては積読本に控えている『ジェネラル・ルージュの凱旋』が楽しみで仕様がない。グッチー&白鳥コンビでもう一花咲かせてもらいたいと思うのが人情じゃないですか。次は柄刀一の『密室キングダム』を読むつもりでしたが、予定変更じゃわい。

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