『Ave Maria』 篠田真由美
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Ave Maria (講談社ノベルス) 著者:篠田 真由美 |
薬師寺家事件から早14年
蒼の元に届く「REMEMBER」とだけ書かれたカード
“響”と名乗る差出人…その狙いは?
蒼は薬師寺家事件の呪縛から逃れることはできるのだろうか?
今日という今日はさすがにウンザリしました、当家の本棚に。収納されている本を全部引っ張り出して、作者順シリーズ順大きさ順に並ばせたい。本を痛めたくないからと本棚をクローゼットに押し込んだのが敗因だな…クローゼットに這入るのが面倒臭くなる将来を見通せなかった自らの浅はかさが原因か?
というわけで、15分かけて発掘しました本作『Ave Maria』。念願叶って“過去に苦しむ蒼と自分の懐の狭さに山籠り修行まで考える翳”という美味しい切ない物語を堪能させていただきました。篠田女史の最高傑作だと個人的に信じて疑わない『原罪の庭』を出発点に、守られる側から守る側へ、蒼の脱皮と苦悩の時間を描いた素敵作です。
一応、ミステリ的要素も詰め込まれておるのですが、本日はスルーで。篠田女史もミステリを読ませたいわけではなかろうし。蒼が薬師寺家事件と向き合う契機、鍵が必要だったから挿入させただけだと思いますので。
しかし、蒼は本当に頑張りましたね。『原罪の庭』から蒼のめんさこにノックアウトされ続けたお姉さんは、とても嬉しい。その意味では、蒼の苦悩をきちんと昇華させるべく物語を綴ってくれた篠田女史に賞賛を。相変わらずあとがきは苛っとさせてくれますが。
物語冒頭に篠田女史よりの断りが挿入されておりますが、本作は『原罪の庭』を読まずには読めない仕様となっております。『原罪』の真相割りっぱなしなので、『原罪』を未読の方が装丁の素敵さに本作を手に取っても「なんのこっちゃい」ってな具合でまったく楽しめないかと。むしろ名作『原罪』を純粋に愉しむ機会まで失ってしまうので、損の上塗りかと存じます。お気をつけくださいまし。
というわけで、これまでダラダラどうでも良いことを書いて行を稼ぎましたので(えっ?)ここからは腐女子の時間です。ノーマルな皆様、ここまでのお付き合いをどうもありがとうございました。
ここで再確認ですが、篠田女史はBL的要素を嫌悪していらっしゃるんですよね?なのになぜ、
香澄(蒼)と翳はBL方面へまっしぐら
なんでしょうかね?私の腐女子の割りにBLは読まないので比較はできないのですが、「(クリスマス)にナンパが不首尾で良かった」と云われ顔を真っ赤にしワインに咽ぶ翳とか、眼を開けないのは自分を呼ぶ翳の声をもう少し聞いていたいからとか、香澄(蒼)のためなら“Ave Maria”をいつでも歌ってやるとか、ハグして愛の告白とか、「君も僕の特別」宣言だとか、
これをBLと呼ばずしてなんと呼ぶ
って記述のオンパレードなんですが?まぁ、腐女子の私は充分愉しませていただいたわけですが。京介の行方不明を契機に(『一角獣の繭』参照)蒼と翳がもっといちゃいちゃすれば良いよ。妄想せずとも、もうお腹いっぱいです。ご馳走様でした。
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