書籍・雑誌

2019/05/17

『暗闇・キッス・それだけで』 森博嗣

『ゾラ・一撃・さようなら』に続くシリーズ第2弾。キャラクタは継続ですが、事件は続きません。ゾラの物語はあれで終了。

アメリカのIT長者の別荘で殺人事件が起こりますが、謎解きは二の次。解決はしていますが、ミステリとして読んだ場合は物足りなさを感じると思います。犯人がなぜ事件を起こしたのか(頸城の推理は正しいのか)、事件が起きたときの詳細なタイムテーブルは…などと考えてはいけません。あくまでも森博嗣流のハードボイルドを楽しむ作品。

森作品を読むといつもそうですが、こんな洒落た会話を楽しむことは私には一生無理だと思い知らされます。本シリーズはそれが顕著。でも、好き。

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2019/05/16

『掟上今日子の婚姻届』 西尾維新

忘却探偵シリーズ第6弾。デレた今日子さんが最高にかわいい一冊。

今日子さんほどのプロでもモチベーションに左右されるんですね。調査結果からどんな結論を導き出すか。調査結果にどう踏み込むか。事件が小粒だったのでミステリを読んだ感は薄いですが、そこは今日子さんの可かわいらしさでカバーと言うことで。厄介さん役得でしたね。うらやましい。

今回明らかになった今日子さんの正体を探る鍵は、
・警察(警視庁だったか警察庁だったか失念)の偉い人に高校の同級生がいる
これって某Aくんのことですかねえ。

 

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2019/05/15

『掟上今日子の退職願』 西尾維新

忘却探偵シリーズ第5弾。バラバラ死体、飛び降り、絞殺、水死体と多種多様な短編集。今回は厄介さんは登場しません。今日子さんの相棒を務めるのは4人の女性警察官。今日子さんの魅力にメロメロ()な男性陣とは異なるアプローチで今日子さんの内面に迫ります…って簡単に迫らせる今日子さんではありませんが。タイトルの退職願を持った方も登場しますが、事件にはあまり関係ないです。

個人的ベストは「掟上今日子のバラバラ死体」。犯人が死体をバラバラにする理由はいくつか考えられますが、まさかの。ミステリにおいて犯人が○○なのはあまり好きではないのですが、これは納得せざるを得ない。

シリーズを追うごとに今日子さんのかわいさが増している気がしますね。

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2019/05/14

『遭難者』 折原一

折原一の代名詞とも言える倒叙モノではないが、さらっと読めて楽しめました。2冊組だったものを1冊にまとめた文庫版ですが、絶対に2冊組の方がワクワクできる。なぜなら1冊は作中で発行された追悼集の形を取っているからです。こういう趣向は大好きです。

あの人はどんなつもりで追悼集に文を寄せていたのでしょうね。動機を隠すためだとしても蛇足というか、ミステリにおける犯人らしくていいですね。きっと追悼集など出なければ、痛ましい事故としてそっとしておけば、事件にならずに済んだものを。まあ、殺人を犯した者は法の裁きを受けるべきです。

この「○○者」シリーズは作品ごとに傾向ががらっと変わるので、折原一は倒叙モノばかりじゃないんだぞ!という意志を感じます。でも、折原一の倒叙モノ大好きなんだ。

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2019/04/23

『ミステリークロック』 貴志祐介

防犯探偵シリーズ最新作。

表題作「ミステリークロック」のトリックは理解するのが大変。なにが起こったのか(どんなトリックが用いられたのか)は理解できても、犯人の動き、行動を詳細に理解するのが難しい。あとは「どうしてそんな面倒くさいことを…」という気持ちが拭えない(笑) 映像で見たい作品。

個人的ベストは「ゆるやかな自殺」でしょうか。ロジックが綺麗。あと、榎本も人並みにヤクザにビビったりするんだなあ、と。

榎本と青砥のやりとりにまったく色っぽいところがなくていいですね。青砥のトン…推理に付き合ってあげる榎本優しい。密室の定義がどんどんと広義なものになってきているのが気になりますが、やはり密室だけで作品を書いていくのは大変なのでしょう。それでも、ミステリスキー、密室スキーとしてはまだまだ続けて欲しいシリーズです。

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2019/04/22

『インド倶楽部の謎』 有栖川有栖

作家アリス国名シリーズ最新作。

曖昧模糊なワイダニットが強固なハウダニットで補強されれば言うことなしだったのだけれど。(ここからネタバレします)喫茶店で隣に座ってもバレなかったのは誰か…をきっかけとした、もうひとつレベルの高い論理づけが欲しかった。あとは犯人の星の廻り()に少し偶然が多いような気がする。その偶然が重ならなければ人は殺人など犯さないというのなら納得できるのだけれど。

今回はアリスに勝る空想力を見せた火村でした。芯(心、真)のところでドライなのは火村はなくアリスなのかもしれない。なお、私は犯人の動機にまったく少しも共感できませんでした。前世の記憶に掛かる事象について、不思議なことがあるものだ、とは思うけれど信じていないというアリスのスタンスは私にとても近しいものでした。

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2019/04/21

『少女を殺す100の方法』 白井智之

 

相変わらずグロ耐性がないとキツイ白井作品。少女がとにかく殺されていく短編集。

個人的にはノックスの十戒をいじり倒した「「少女」殺人事件」が好み。(ここから少しネタバレしております)十戒をヒントとして使うという発想はなかったです。十戒をなんて守ってたらミステリなんて書けねえよ!という主張には読めなかった。それでもあのオチになってしまうわけですが(笑)

「少女教室」のロジックもなかなか。

読むのがキツかった作品もありましたが、独特な世界観は引き込まれるものありです。

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2019/04/01

『図書館の魔女』 高田大介

 

メフィスト賞受賞作。その分厚さからずっと手に取るのをためらってきた作品。

上巻はなかなか乗りきれませんでしたが、キリヒトの正体が明らかになったあたりから一気に引き込まれました。マツリカの知略が張り巡らされたニザマでの会談が良き。言葉はもちろん、表情、仕草ときには存在。マツリカの行動、そのすべてに意味がある物語作りは圧巻です。

双子座を捕えに向かった先での戦闘描写は読むのが少し辛かったですが、その正体と伏線には驚かされました。

個人的にはアキームがイラムに心奪われたシーンがとても好きです。言葉のないイラムが伝えたあのメッセージが、アキームの心をどれだけ救ったことか。

魅力的、個性的なキャラクタが詰まったボーイミーツガールの物語。キリヒトが向かった先の物語も、アカリの物語も、彼らの未来(続き)が気になります。厚さは少し抑えていただけると助かる…かも。

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2019/03/31

『連続殺人鬼カエル男ふたたび』 中山七里

『連続殺人鬼 カエル男』続編。

グロい殺人は続くが、事件の全貌がなかなか掴めないまま物語は進行します。そして驚きの真相。完全にミスリードに嵌ってしまいました。そうきたか。彼が犯行を行っているとは思っていませんでしたが、その先までよく考えていなかった。確かに、あの人以外に相応しい(あれだけのことをやってみせる執念?怨念?がある)人もいないわけで。

刑法39条について考えさせられる1冊。彼女についての決着がつかぬまま終わってしまったので、きっと続編もあると信じています。彼女を捕えるのは古手川なのか御子柴なのか。古手川が掌の上から飛び立てますように。

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2019/03/30

『グラスバードは還らない』 市川憂人

『ジェリーフィッシュは凍らない』『ブルーローズは眠らない』に続くシリーズ第3弾。

グラスバードの真相(正体)については予想通りでしたが、トリックの要になる○の存在についてはアンフェアに感じました。死角のトリックがよく出来ていただけに、○のトリックは唐突に感じたんですよね。読者がその存在を推理し、導き出せるだけの記述があったかしら。なかったとは言いません。あの手のものがなければ犯行は行えないわけですし。それでも、もうひとつの(類型の)発明品を紹介しようとする思わせぶりなシーンがあったとか、その手の発明を社長が熱望していたとか…なにかもう少しその存在を示す伏線があった方がよりスマートだったと感じます。

スピード感のある展開はよく、個人的には第2弾よりも好み。あとはジェリーフィッシュを知っていて(シリーズを通して読んでいるのが)当然という書き方は少し気になりました。

 

 

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