書籍・雑誌

2019/07/11

『沈黙のパレード』 東野圭吾

ガリレオ長編最新作。

殺害に用いられた〇〇〇〇やその移動法など推理できないほど難しい技術やトリックは使われていないのだが、それらの組み合わせが効果的 かつ 出し惜しみなく使われていていましたね。

過去に事件のピースを求めるところや「なみきや」でのやりとりなど、湯川がさらに人間らしくなった印象。個人的には湯川に人間らしさは要らないと思っている読者です。『容疑者X』のときは湯川なりに友人のことを助けたいと思っていた=友人だからこそだったと思っていたのですが、今回は知人とも言えない人物のところに足を運んでますしね。仮に、本当に、草薙のために「なみきや」へ通い始めたのだとしたらもう別人と言えるほどの変化ではないでしょうか。単にご飯を食べたかったと言われた方が何倍か納得できる。

次の新刊で湯川が結婚してても驚かないぞ…!

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2019/07/10

『魔眼の匣の殺人』 今村昌弘

シリーズ第2弾。オカルトとミステリの融合というシリーズの骨子は残しつつ、クローズドサークルというミステリのお約束を巧く使った作品。

たったひとつの物証からきっちり犯人を特定する流れは見事。見つける=犯人に直結するのではなく、発想を転換する一捻りする必要があるのが良いです。犯人が呪われていく(と思い込む)伏線もうまかったし、サキミ様の正体というどんでん返しも良かった。

個人的に共犯モノが好きじゃないので-5点だけさせてください(100点満点)。共犯を作るメリットよりもデメリットが顕著でしたね、犯人のみなさんは反面教師にしてください。

ラストで次作を予告してくれるのも嬉しい。はやく第3弾が読みたい。

 

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2019/07/09

『dele2』 本多孝好

 

deleシリーズ第2弾。ドラマが大好きでした。メインのふたりはもうあのふたりしか考えられない。脳内再生余裕。

作品の、優しいのに重くて苦しい、それでいて透明な空気感が初期の本多孝好を連想させてとても好きです。「チェイシング・シャドウズ」は基本的なストーリーはドラマと同じですが、終わり方がドラマよりやわらかで、すぐにケイから連絡があってもおかしくないくらい。

アンチェインド・メロディ」は最後のどんでん返しがミステリ的で良き。

『dele3』はどんな感じで始まるのか。予備知識がないのでとにかく楽しみです。

 

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2019/07/08

『掟上今日子の家計簿』 西尾維新

 

シリーズ第7弾。

「掟上今日子の叙述トリック」から「掟上今日子の心理実験」の流れが秀逸。うまい。気持ちよく騙されました。

「叙述トリック」は登場人物=記号のミステリよろしく犯人が明かされない(特定されない)まま終わってしまって驚いたなんてものじゃない。私にとってあまりにも意外な犯人は刑事さんなのだけれど、音が足りないので違いますね。

しかし、なにがどう家計簿だったのだろう。お金に汚い…もとい細かい今日子さんもかわいいです。

 

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2019/07/07

『QED ~ortus~白山の頻闇』 高田崇史

 

QEDシリーズ最新刊。中編と短編の2作収録。

蘊蓄少なめの「江戸の弥生闇」が読みやすく、ミステリとのバランスも良かった。タタルさんと奈々ちゃんの関係がもっと深まれば言うことなし。いつか、ふたりが夫婦になるお話が読める日が来ることを信じています。

夫婦と言えば沙織ちゃん…。彼女が今後どんな人生を歩むのか、それを読者は少しだけ知っているわけですが、この日のこの事件がきっかけのひとつ、あるいは始まりだったのかなあと思わざるを得ません。

 

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2019/07/06

『敗者の告白』 深木章子

 

事件に関わった者たちの手記・証言という言わば主観から伏線を拾い集め、客観という形で事件の真相を暴いた作品。いったいなにが真実なのだろう。誰が何のために嘘を吐いているのだろう。何が起こったのかを正しく知りたい、そんな思いを原動力にグイグイ読ませる作品。

最初、私は手記や証言の嘘が誰かを救うために吐かれたものだと考えたんです。では、その対象は死者か生者か。妻が悪しざまに書かれる(語られる)ことが増えるにつれ、その対象は生者だったか…と思い始めたところにあの結末。そうか、そうか、全部が。

子どもが、子どもの意思に関係なく、大人の事情に一方的に巻き込まれるのは嫌ですね。単純に後味が悪いです。

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2019/07/05

『ストレイヤーズ・クロニクル ACT-3』 本多孝好

 

読んだのは単行本(ソフトカバー)版ですが、アマゾンで探し出せなかったシリーズ第3弾にして最終巻。

武部の正体が明らかになったシーンが最も滾った。これこれ、これを求めてたんだよ!という感じ。ミステリスキーの血が湧きました。あのおじいちゃんはミスリードだって知ってた。きっと身近な人だって思ってた。だとするともうあの人しか残ってないけど、わかってたけど、わかってても興奮することってあるんです。

ラストがどうなるのかもわかってました。誰ひとりとして心(真)から救われてないところが本多作品らしい。昴、アゲハ、それぞれの疑似家族が自分たちの境遇を忘れて穏やかに暮らしている様が読みたい。ラストの続きが知りたい。つまり彼らは目的を達したのだろうか。難しい。シリーズを通して本多節が利いているようで利いていないようで、自分のなかの評価(置き場)に困る作品。

 

 

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2019/07/04

『ストレイヤーズ・クロニクル ACT-2』 本多孝好

 

シリーズ第2弾。

アゲハとの対立が本格化。井原の組織=常人ではまったく歯が立たない、能力者たちの水面下の駆け引き。戦闘シーン多めなので、映画(映像)でも楽しめそうだなあと思いながら読了。そういえば、今回は映画キャストを事前にチェックしていなかったので、脳内は田島絵で再生されておりました。イラストの昴は切れ味の良いナイフのイメージですが、岡田将生だと少しまろやかになりますね。学の染谷将太は言うことなし。

昴やアゲハが最終的にどうなりたいのか、どうなれるのか、最後が気になる。けど、もっと熱くなりたい。なにがどう足りないのかよくわからないけれど、読んでいて気持ちの昂りが欲しい。

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2019/07/03

『セイレーンの懺悔』 中山七里

 

誘拐事件をマスコミの立場から描いた作品。中山七里の引き出しの多さよ。

しっかし、主人公の女性のいけ好かなさよ。まったく好きになれませんでした。ラストの訴え、あれがセレイーンの懺悔なのだろうが、私にはあまり響かなかった。なにをいまさら、と。それでなにかわかった気になっているの?と。

事件、特に警察の動きをマスコミの立場から見るのは新鮮で、加熱し加速する思い込みの怖さが光っていた。

 

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2019/07/02

『嗤う淑女』 中山七里

 

稀代の悪女・蒲生美智留に騙され、人生を狂わされた人々と美智留自身の物語。

詐欺師につけ込まれる隙を持っていない人などいなくて、誰もが心のどこかで美智留のような人との出会いを求めていると思う。美智留が詐欺のために使った手法、それを正当に…犯罪ではない形で社会に、人に還元出来たら良かったのだろうけれど。うーん、じわじわと宗教になりそうな予感()

銀行での横領があんなにもバレないわけがない…とか突っ込みどころは多々あるが、読みやすいエンターテイメント作品でした。

 

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