書籍・雑誌

2017/08/22

『十二大戦』 西尾維新

アニメ化の前に。十二支をモチーフにしたバトルロイヤルノベルです。

キャラカタログの側面が強いですが、これだけ魅力的なカタログなら十分。それぞれの能力が伏線として効いていて無駄なキャラがいないこともすごいです。逆打ちで死んでいくので誰が優勝するのか丸わかりなのが残念でしょうか。そんな彼も、皆が彼にデジャブを感じるという伏線がありましたね。

個人的には丑と寅の物語がちょう好みでした。というか、アニメ化したら丑×寅絶対追いかけるわ(キリッ

中村光のキャラデザも良いですね。兎とか兎とか兎とか。cvは岡本信彦か…合いますね!午が緑川光とかちょっともったいないすぐ死ぬし。個人的に戌は安元さんで再生されてたんですが主催者老人役。チョーさん出演嬉しい。とにかくアニメが楽しみです。とってもアニメ映えすると思います。

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2017/08/16

『狩人の悪夢』 有栖川有栖

作家アリスシリーズ最新長編。

アリスが懇意にするホラー作家の自宅に招待され、そこで死体の第一発見者となるという定番パターン。(ここからネタバレします)ラスト、火村の鬼気迫る狩りは素晴らしかったですね。ここまで熱くなる火村は珍しいような気がしました。そして、最終的に犯人の心に刺さったアリスの「作家として」の言葉。バディものであることを強く感じた1作でした。

タイトルの通り「悪夢」がテーマなので遂に火村の悪夢が明らかになるかと少しだけ、すこーしだけ期待しましたがもちろん何もわかりませんでした。ですが、エピローグで火村の悪夢に踏み込もうとするアリスの言葉、ふたりのやりとりを読んでいて火村の過去は明らかにならぬままシリーズが終わるかもしれないと感じました。アリスにとって大切なのは火村がこちら側で踏みとどまることであって、火村の過去を知ることじゃないんですよね。興味はあると思います。踏みとどめるために火村の過去を暴くことが必要ならするでしょう。でも、平時なら(火村が安定しているなら)それを穿り返そうとはしないのがアリスなんですよね。

文化の日に嬉しい予定が入ったので、次回作はその様子からお願いします。事件に巻き込まれるのは予定がすっかり終わったあとにしてください…ね?

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2017/08/12

『ダンガンロンパ霧切 5』 北山猛邦

大好きダンガンロンパ霧切シリーズ第5弾。4巻のレビューで残りの3つの事件+霧切のピンチ+組織(龍造寺月下)との対決を次巻1冊で書ききるのは難しそうと書いたのですが、しっかり書ききってくれました。ちょっと小粒でしたが。

一番大きな扱いは主人公である結の事件。久しぶりに“物理の北山”を思い出して嬉しくなりました。かなり大掛かりなトリックですが見取り図のおかげで推理しやすい。難易度は低め。それよりもBARと博物館のトリックが蓋然性に乏しすぎやしませんかね。成功する確率の方が低いと思うのですがいったいいくらのトリックだったんだろう。

霧切のピンチと龍造寺との対決はあっさり終わってしまいましたね。リコルヌ有能すぎ…るので敵にまわるのは勘弁してください。4、5巻での暗躍はルールを守ろうと思ってとの談ですが、その様子から6つどころか12全部をひとりで解決できただろうリコに霧切&結だけで対峙するのは心許無さすぎますね。不比等おじいちゃんに期待。

あと2巻くらいで終わりでしょうか。早く読みたい。早く読まないとこれまでの物語を忘れてしまう(笑)今回、協力してくれている探偵たちのパーソナルな部分と状況がすっかり頭から抜けてしまっていてかなり困ったので、次巻からはあらすじかキャラクタ一覧があると本当に助かります。これから読む方は3~5巻一気読み推奨です。

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2017/08/09

『日曜は憧れの国』 円居挽


円居挽らしからぬ普通の日常モノミステリ。私が円居作品に求めるのは軽快痛快な語り口とどんでん返しなので、そのふたつを封じられて戸惑うばかり。それら無しで読ませる何かがあるわけでもなく、いつおもしろくなるんだろうと思っているうちに終わってしまいました。

ロジックが一番綺麗だったのは「レフトオーバーズ」でしょうか。個人的におもしろそうな講座だと思ったのが「幾度もリグレット」。

4人のJCの成長物語としても微妙で絶望的におもしろくないわけではないのだけれどコレジャナイ感が残る作品でした。

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2017/08/01

『新・新本格もどき』 霧舎巧

『新本格もどき』続編。趣向は変わらず新本格の有名作品をもどく連作短編集なのだけれど、連作の部分にこだわり教団関係を縦軸に入れた関係で複雑&強引な作品になってしまったのが本当に残念。

普通に吉田さんの記憶を取り戻すためにお馴染みのメンバーが新本格をもどくだけではいけなかったのだろうか。単純にナースのエリさんとの関係が深まっていくのを縦軸にすれば良かったのでは?なんと言いましょうか、教団関係の連続殺人がまさに“意味のない殺人”なんですよね。描写もなにもない。ただ死体発見と素性の文章があるだけ。ミステリはそういうものだけれどさすがにこれは…。

そんな中で個人的ベストを挙げるとするならば「殺人史劇の13人」でしょうか。「人狼病の恐怖」で化粧室からいきなり縦ロールが出てくるシーンも良かったですね。

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2017/07/31

『バチカン奇跡調査官 黒の学院』 藤木稟

アニメがとてもミステリミステリしていたので読んでみました。藤木稟は18年ぶりくらいでしょうか。宗教という題材の割にはとても読みやすかったです。

奇跡調査官のタイトル通り、世界中から送られてくる奇跡申請の真偽を調査する物語。今回は処女受胎の奇跡を調査しに黒い噂のある学院に乗りこみます。そして起こる奇跡の数々と、連続殺人事件。これを如何に科学的に解明してくれるのか…!と期待は高まるばかりですが、調査官のふたりはあくまでも調査官であって探偵ではないので関係者の前で推理をドヤァとは披露してくれないのです。爽快感が欲しい。

○○○が絡んできた後半は少し散らかってしまった印象。奇跡の調査ひとつに短編ひとつくらいの方が読みやすいかも。スケールが大きすぎるとぽかーんとしてしまいます。

あとロベルトって活躍しましたっけ?古文書・暗号解析のスペシャリストとのことですが、今回は時間のない平賀のために古文書を読んでキーポイントを拾い上げただけのような。もっとロベルトじゃなきゃできない活躍をして欲しいです。表紙にもなっている次巻に期待。

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2017/07/27

『ヒポクラテスの誓い』 中山七里

大好き法医学教室モノの連作短編集。北川景子でドラマ化したようですね。光崎教授に柴田恭平はイメージよりかなり渋い。

真琴の成長物語として読むも良し、連作短編らしく通しのどんでん返しを楽しむも良し。(ここからネタバレします)個人的には津久場先生への思い入れが少なかったので登場人物ほど驚けなかった印象。まさかあの人が…とさせたいならもう少し津久場先生の出番があっても良かったのも。もっと善人感強めで良かった。でも変に教室外の人を絡ませるとまとまりが悪くなりそうですね。ちなみにドラマでは古谷一行が演じている模様。うーん、ちょっと悪そう(笑)

個人的ベストは「母と娘」でしょうか。代理~はまたか…という感じですが作中に流れる薄暗い空気が好きです。

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2017/07/24

『ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇』 初野晴

カイユ、芹澤、マレン、成島の4人にフォーカスしたハルチカシリーズ番外編。『惑星カロン』のレビューで次回作はキャラクタ掘り下げの短編集だと読みました。物語的にはまたもや足踏みですが~などと書きましたが、3年生引退から新入生入学までおよそ半年間ぶんの物語を一気に、深めに読ませてもらいました。とても面白かった。

個人的ベストは芹澤×片桐の「風変わりな再会の集い」が好きです。ふたりのやりとりがいい。決して友人になれるとは思わないけれど、少し遠いところから聞き耳を立てるなら芹澤さんは最高におもしろいです。ちょっとした謎(再会の集い)の出来も一番良かったですよね。

成島×???の表題作「ひとり吹奏楽部」も良い。リアリストは芹澤かと思ってました、すみません。それぞれの物語が少しずつ繋がっているニヤリ感が良いのですが、意外と近くにいる???と成島がいつか出会えますように。

3年の夏が終わればハルチカも終わってしまうことはわかるのですが、やはり彼らがどこにどうやって着地するのかを早く知りたいです。そして草壁先生の過去も。そう言えばハルチカは最初三角関係のお話でしたっけね。

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2017/07/18

『白い家の殺人』 歌野晶午

信濃譲二シリーズ第2弾。先日読んだばかりの霧舎巧『新本格もどき』でもどかれていたので再読してみました。

雪の山荘、シャンデリアから逆さ吊りされた死体、不可能な毒殺と新本格ミステリらしいガジェットてんこもりです。初出は1989年講談社ノベルス。これだけでどんな作品かわかっていただけると思いますが(ここからネタバレします)事件を難解にしている要素すべてが偶然に起因するので個人的には萎えます。

犯罪にアクシデントは付きものです。入念に準備、計画された犯行がたったひとつのアクシデントから狂いだし、最後には解決への糸口に繋がるのはミステリのセオリーですが、ここまで連続する偶然は作者の意図が丸見えかと。ただ、密室講義でよくある「偶然(アクシデントで)密室になってしまったもの」の代表的な形が読みたければこの作品を推すのがよいかと思います。

あとは前妻の関与を否定するのが彼女たちの申告のみというのも探偵としてぬるいように感じました。

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2017/07/11

『祈りの幕が下りる時』 東野圭吾

映画化が発表されたばかりの加賀恭一郎シリーズ。ついに加賀の母親の失踪について明かされました。もっと劇的な何かが加賀家に起こったのだと思っていましたが、その別れは静かに起こったようです。

そしてその静かで淡々とした感じは事件の捜査でも。驚きの真実が一気に明かされる…!という展開はなく、いや、確かに事件関係者の人生は驚きに値するのですが、じわじわゆっくりと明らかになる真実に驚くよりも読まされる一冊になっています。

個人的にはかつてのような本格ミステリっぽい加賀恭一郎シリーズ(ないしは東野作品)が好きなのですが、加賀の人生に一区切りついた今、シリーズが終わってしまうのか別の形に変化するのか気になります。日本橋を離れ捜査一課に復帰することになったので、以前のような活躍を読める下地は揃ったと期待しても良いのでしょうか。

それにしても、読んでいる間ずっと加賀が阿部寛でした。阿部寛が凄いのか、東野圭吾が凄いのか。

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