書籍・雑誌

2018/12/03

『使用人探偵シズカ 横濱異人館殺人事件』 月原渉

クローズドサークル、見立て、館などなどミステリ好きが喜ぶ設定てんこもり。陰湿な雰囲気がとてもよかったです。縊れたシズカの絵が出てきたときは震えました。

犯人(トリック)はミステリを読み慣れた人なら察することができるかと。見立て返し、見立て返し崩しのロジックがとてもよかったです。メイドという設定や口調の影響でシズカの脳内イメージはドラマ版「探偵が早すぎる」の水野美紀さんでした。トリック返し。

シリーズ続編にあたる『首無館の殺人』の評判がよいので読むのがとても楽しみです。

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2018/12/02

『あなたのための誘拐』 知念実希人

誘拐モノはスピード感があってよいですね。

かなり早い段階から(メタ読みと不倫の件を暴露したときの反応から)○が犯人ぽいなと思っていましたが、真ん中にある五角形で確信。それでも後半もしっかり楽しめました。あっさりと人が死んでいくのが知念作品らしいです。

動機は理解不能というか…普通に応援してあげるだけで奮起したんじゃないかと思うのですが。まさに『あなたのための誘拐』。for my loveです。

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2018/12/01

『虚像のアラベスク』 深水黎一郎

芸術探偵シリーズ。表紙の通りバレエをテーマにした中編集。

怪しい一人称になにか仕掛けがあることを察し、○○トリックは見抜けたけれども…いやあ、おもしろかった。バレエ団なのに旅から旅を続けるドサ回りなんておかしいなとは思ったんだよ。改めて読み返したらもうにやにやが止まらない。うまいなあ。やられました。

バカミスと断じてしまうのはもったいない。実に楽しめる1冊です。

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2018/11/27

『いなくなれ、群青』 河野裕

階段島という、捨てられた人々が住まう島。自分はなぜ捨てられたのか。脱出することのできない島の中で、七草はかつて自分が強烈に憧れた少女と再会する。青春ファンタジー小説ということになるのだろうか。

(ここからネタバレします)誰だって捨ててきた人格はあって、どうして彼らだけがあの島に閉じ込められたのかに興味はあるが…捨てられただけあって面倒くさい人が多く、特に真辺にはイライラします。同族嫌悪でしょうねw

島の仕組みや魔女の存在には惹かれますが、キャラクタひとりひとりの掘り下げは要らないかなあ。シリーズ続刊がどんな雰囲気なのか少し調査して読むかどうか決めたいと思います。

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2018/11/26

『朝が来る』 辻村深月

辻村深月が母になったからこそ書けた作品。冒頭のママ友トラブルとかリアルすぎて怖い。

特別養子縁組をめぐるふたりの女性の人生を描いた作品。どちらの女性に感情移入するかは人によって異なるかと思うが、私は佐都子が朝斗を想うシーンで何度も何度も涙を流した。

解説にあった言葉だが、ひかりを表現するのに「あさはかな」というフレーズはぴったりだと思う。でも、それはひかりがあの日のひかりを喪っていい理由にはならないので、これから広島のお母ちゃんとして恥ずかしくなく生きられるとよいと思う。

ラスト、佐都子の「ごめんなさいね。わかってあげられなくて」が心に響いた。

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2018/11/24

『密室の如き籠るもの』 三津田信三

ノベルス版を発売日に購入した記憶があるので10年弱積んでいたことに。刀城言耶シリーズ短編集。

表題作の密室講義に待ってましたの声を掛けたい。でも、猪丸家の皆さまの「そんなのいいからさっさと解決してくれよ」という気持ちはよくわかるw そんなオチあり?からのラストににやり。納得のいく解決でした。

ベストを選ぶのは難しいけれど、表題作「密室の如き籠るもの」か「迷家の如き動くもの」か。

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2018/11/14

『トワイライト博物館』 初野晴

タイトルや表紙から最近の(ハルチカ系の)初野作品らしいボーイミーツガールのふんわりした物語かと思いきや、とんでもなく重苦しい初期の初野だった。脳死を扱っている点はデビュー作『水の時計』と重なりますね。

大切な少女の魂を救うため、魔女裁判が行われていた時代のイングランドに時間旅行。いや、旅行なんて響きは似合わないな。過酷で残酷な旅でした。個性的な学芸員たちの知識を頼りに、魔女裁判の嘘を暴く。実に読み応えのある一冊。

また読みたい。ぜひシリーズ化して欲しい・・・けど、ふたりの旅が苦しいものになるのは間違いないんだよなあ。でも、お姉さんの魂を取り戻さなくっちゃ。

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2018/11/13

『教場0 刑事指導官・風間公親』 長岡弘樹

ついに風間の過去を知る日が来たか…と思いましたが、まだまだ。風間道場として現場で新人を指導する刑事指導官時代の物語。そのカミソリは既にキレッキレです。

風間は現場を見た瞬間に犯人がわかっている可能性が高い=新人教育のために犯人の確保が遅れているわけですが、最終的に捕まえればオーライなのでしょうか。倒叙形式で描かれているのですが、収録作どれも良いのでベストは決めかねています。トリックはわかりやすいですが、犯人を追いこむ様が良かった「第四の終幕」か。「毒のある骸」も好き。

風間がどうして(どうやって)風間になったのか。生粋のものなのか、彼の努力によるものなのか。風間が風間になった物語が読みたい。その場合タイトルは…教場-(マイナス)ってわけにはいかないしなあ。

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2018/11/12

『探偵AIのリアル・ディープラーニング』 早坂吝

早坂作品ですがエロはありません。表紙は物語シリーズでお馴染みのVOFAN。でも、この表紙に騙されてはいけません。

探偵AI(人工知能)が成長しながら事件を解いていくミステリ。AIらしい失敗や物の見方など、なかなか読みどころがあります。個人的に一番気に入ったのは第四話、犯人のAIが全身黒タイツの存在に気付いたところ。犯沢さんは優秀です。

今後、AI探偵ものは増えていくかもしれませんね。事件のデータさえきちんと入力してやれば謎はすべて解けるAI探偵。助手の能力が問題になってきますね。一見どうでも良さそうなことも、事件解決の鍵かもしれない。「なぜ隣家の猫が三毛猫だという重大な手掛かりを黙っていたんだね、ワトソンくん」みたいな。古典的なミステリと変わらないから不思議。

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2018/11/01

『スレイヤーズ16 アテッサの邂逅』 神坂一

18年ぶりの正統続編。まさかまたあの4人組+1匹?の活躍が読める日が来るとは思っておりませんでした。嬉しい。

初回版はリバーシブルカバーになっていて、裏は懐かしの旧デザインになっているということで、ネット系は軒並み在庫切れ。私も書店入荷日にラス2をなんとか購入。スレイヤーズを待ってた人がたくさんいたんだと実感できました。無事に決定した重版もリバーシブルデザインとのことで、欲している人の元に届くとよいなと思います。

さて、肝心の内容ですが…第一部完結で別れたまま、まったく変わらない4人がそこにいました。厳密に言えば持っている武器が違ったり、タリスマンを持っていなかったりと違いはあるんです。でも、そんなことじゃないよね。離れていた月日の長さなんて関係ない。変わらな関係性、チームワーク、信頼。読んでいてとても安心できます。

スレイヤーズ節とも言える文章の運びも懐かしい。ドラグ・スレイブは今でも諳んじられるよ!

あらいずみるい先生のイラストも、懐かしいキャラクタたちが魅力的に、ふんだんに描かれていて満足度が高すぎる。今回が特別とわかっていても、スレイヤーズ17が読める日がまた来ることを夢見て。最高でした。

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