書籍・雑誌

2012年5月15日 (火)

『硝子のハンマー』 貴志 祐介

「鍵のかかった部屋」見てます。かつて、こんなに「密室」という言葉が登場するドラマがあっただろうかとミステリ好きとして嬉しく思いながら見ています。そして原作を読んでみました『硝子のハンマー』。

どうしてもドラマと比較して読んでしまうわけですが…テンプレ化したドラマ版のキャラクタよりも数段魅力的な登場人物たち。ドラマ版榎本は「なにを考えているのかわからない」「鍵にしか興味のない」キャラクタとして描かれていますが、原作の榎本は密室、そして殺人という犯罪に対してしっかり正面から向き合っているような気がする。そして、純子に対しても。その感情を「劣等感」という言葉で表現したあたりがとても巧いなと思いました。ふたりの会話もウィットに富んでいて良いですね。本作のラスト、その終わり方がとても好きです。

肝心のミステリ(密室)に関しては…というか、動機に関しては私は全く理解出来なかったんですよね。何故に最初の目的を達した時点で止めなかったのか。それが殺人という行為にすり替わってしまった過程が全く少しも理解できませんでした。それを理解させようとバックグラウンドを読ませてはもらいましたが…やはり目的が殺人へとスライドしてしまったポイントには激しい違和感を覚えずにはいられませんでした。犯人があのトリックを用いるに費やした時間に見合っていない気がする。

ただ、とても楽しい時間を過ごさせてもらいましたので、第2弾第3弾も読むつもりです。そして、ビリヤードやりたい。

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2012年4月 9日 (月)

『デュラララ!!』 成田良悟

ラノベらしいラノベを読もうと思って本棚から引っ張り出してみた。実はアニメ化した際に読もうとして挫折した過去あり。物語の殆どがキャラクタ紹介に割かれておりますが、そのキャラクタが皆ぶっ飛んでいるので愉しく読みました。個人的には新羅とセルティの関係が好き。これからこのキャラクタたちがどう変化していくのかが愉しみであります。挫折しないで最後ま読めますように。

ちなみに、新羅とセルティが好きなのは福山潤とみゆきちであることが関係してないとは云えない。

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2012年4月 8日 (日)

『奇面館の殺人』 綾辻行人

読了直後だというのに読み返して全ての地の文を確認したくなる一冊。大がかりなトリックはないけれど、緻密に計算された謎…ロジックで綺麗にまとめあげてくれるその手法はさすが綾辻。

館シリーズも残すところあと一作。残念ですが、『十角館の殺人』を超える一作が来てくれることを願って。

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2012年3月20日 (火)

『花と流れ星』 道尾秀介

『背の眼』『骸の爪』に続く真備シリーズの短編集。道尾唯一のシリーズものだと思うのですが、しばらく続きが出ていないのが残念です。真備が妻に会える日は来るのか、真備が妻への想いを忘れる…ことは生涯ないにしても、どんな形で終わらせるのか。それを読む日が来ることを願っております。

本短編集では「流れ星のつくり方」が秀逸です。ミステリとしてもその描き方としても秀逸。凛のつくった流れ星に祈る彼の願いが叶う日が来ますように。

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2012年3月15日 (木)

『SOSの猿』 伊坂幸太郎

悪魔祓いと株誤発注と孫悟空のお話。正直、この作品の良さを見つけられなかったのだけれど、伊坂が愉しんで書いただろうことだけはわかった。でも、私は昔のような「どこを読んでも伏線」みたいな伊坂が読みたい。

悪魔祓いの方に主軸があれば感想もまた違ったんだろうな、とは思う。

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2012年3月14日 (水)

『追想五断章』 米澤穂信

五つのリドルストーリーに隠された「アントワープの銃声」の真実を探るお話…と書くとなんだかとても厨二ですが、とても愉しく読みました。リドルストーリーとは敢えて結末を描かないことで読者にその物語の行く先を委ねるという代物。けれど、この五つのリドルストーリーには実はきちんと結末が用意されていて、それを辿ることでアントワープに鳴り響いた銃声、妻殺しの容疑を掛けられた男が死ぬまで口を噤んでいた真実がわかるというお話です。

個人的には、この『追想五断章』もリドルストーリーとして終われば良かったのではないかと思っています。最後に明かされた真実が本当に真実なのか…それを疑問に思わせるような終わり、そんな一文を最後に読みたかったです。

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2012年2月26日 (日)

『オー!ファザー』 伊坂幸太郎

キャラクタの異なる4人の父親に育てられた青年がちょっとし…てないトラブルに巻き込まれるお話。実に伊坂らしい、伏線でぐるぐる手足を縛られているようなお話でした。

4人の父親が皆、自分の子どもを自分なりの愛し方で大切にしている様を素敵に思いました。常人には理解できないけれど。とても4人と1人と1人がうまく共存できるとは思えないけれど…それができるだけの魅力を母親が持っているのでしょう。なんてたって、あの葵さんがあれだけ惚れた女なのですから。

由紀夫が生まれたことは「不測の事態」ではなかったと葵さんが云うシーンが好きです。由紀夫が4人の父親に愛されているシーンもどれも好きだけど…それだとこの本の全てってことになりますね。

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2012年2月20日 (月)

『キケン』 有川浩

大学生の時でも高校生の時でも良かったから、こういうノリで毎日を過ごしたかったと改めて思う一冊。金城一紀の「ゾンビーズ」もそうだけれど、男子のノリってのは女子からすると凄く憧れるもので、こういう無茶をやっている男の子たちが今も何処かに現在進行形でいるのだと思うと愉しくなります。そして、それを防弾ガラス越しに見てみたい…内側にはね、もうこの歳では行けませんよ。なにより、ガラスの向こうは女人禁制ですから。

しかし、有川女史の恋愛描写はやっぱり素敵ですね。尻切れ感は否めませんが、第2話には胸がキュンキュンしました。それにしてもアレはどう考えても誘ってるよねなんて可哀想…!

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2012年2月19日 (日)

『零崎人識の人間関係』 西尾維新


出夢→伊織→双識→戯言の順で読みました。そして、読んだ順でおもしろかった。「戯言遣いとの関係」なんていーちゃん出て来てないじゃん!玖渚が可愛かったから許すけど、人識の存命が確認できたから許すけど、タイトル詐欺な気がするよ。

出夢と人識がいちゃいちゃしているのが好きなので、ふたりがああいう決別を選んでしまったのは哀しいものです。「双識との関係」で出夢のことを語るシーンがあって、そこが凄く好き。あと「伊織との関係」で零崎一族について語るシーンがあって、それが凄く好き。人識には家族もいたし、恋人もいたし、友だちも(たぶん)いたし…殺人鬼ではない殺人鬼としての生は苦しかっただろうけれど、愉しかったんだろうな、が勝つような気がします。

戯言だけどね!

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2012年2月 6日 (月)

『あるキング』 伊坂幸太郎

私にはよくわからなかった、が読了後の正直な感想。王として生まれ、王となることを約束され、紆余曲折しながらも王として生きた野球少年の物語。

伊坂氏はこれを「伝記」と呼んだが、果たして王は成功しただろうか?後世に残る記録を残しはしたかもしれないが、王はその記録を喜んだのであろうか?最後まで、野球をする王が野球を楽しんでいたように読めなかったことと、現れては消える登場人物の何人かが消えっぱなしなのが残念でした。

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