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2017/09/03

『そして、何も残らない』 森晶麿

廃校になった中学校で3年前の仲間の死の真相を追う青春ミステリ。森晶麿は初読。

『そして誰もいなくなった』のオマージュであることを考えると連続殺人の真相と意図が読めてくる。ミステリの趣向として悪くないのだが、登場人物たちの話し方や地の文が厨二臭くて少し引いてしまった。

全体的に少しずつ惜しいという感じ。(ここからネタバレします)全員のアリバイ的に連続殺人の成立必須条件が内山の介入なんだけれど、登場人物ほど読者は内山があの場にいると信じていなかったはず。だって内山が呼び出されるがまま現われて、彼らを殺害して回る必要性がない。とすると次に考えるのが彼らの中の何人かが結託している可能性なのだけれど、状況によって行動チームがコロコロと変わっているので結局アリバイなしの人物がいなくなり全員が結託していることがバレバレになってしまう。内山の介入をもっと信じ込ませるか、完全にアリバイなしの人物をひとり作っておくべきだったと思う。というか、最初の毒殺の時点で妹がもっと疑われていないとおかしい。趣向がとても良かったのでもっと作り込んで欲しかったです。

ちなみに、罪を犯した人物は作中で裁かれるべきが個人的なポリシーなのでラストも残念でした。

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