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2016/12/14

『東京結合人間』 白井智之

2016年本ミス8位。

いきなり始まるグロ描写と奇妙な世界観。胸糞悪い少女売買と監禁、そして殺人というキツイ前半を乗り越えるとロジックばりばりの本格ミステリが始まります。私もグロは決して得意ではありませんが、それでも読んで良かった、おもしろかったと思えた1冊。

愛し合った男女が結合し、4つの目、ドラム缶のような胴体、4本ずつの手足という結合人間が生活を送る世界。想像するとちょっとキツイので、覚えて欲しいのは結合の際にエラーが起こり、嘘を吐けないオネストマン(正直者)が生まれてしまうという事実。このオネストマンが集められた島で殺人事件が起こります。オネストマンは嘘が吐けないはずなのに、誰も殺人を犯していないという。つまりはオネストマンのなかにノーマルマン(正常に結合した嘘の吐ける人)がいるということ。さて、ノーマルマンは誰なのか。

読者はノーマルマンが島に2人いること、そのうちの1人が誰なのかを知っているわけですが、それでもすべての謎は解けません。(ここからネタバレします)寺田ハウスのオナコの生死がわかっていないので、オナコがスーツを着てメンバーの中に紛れ込んでいる可能性には思い至りましたが、羊歯病を発症した双里かと匂わせておいて○○とは。オナコの性別が○であることが少しトリックに絡んでましたが、どうしてオナコなんてあだ名にしたんだろう。いや、名字から…ってのはわかるんですが、やはり最後にコがつくと子を連想してしまうので○○トリックは少しやりにくいような?

今井、生き残りの3人、そしてエピローグで語られる3つの推理。うち2つは偽物なのでもちろん強引なところもありますが、やはりロジックで読ませる作品は好きです。頭がこんがらがりそうになりながら必死で読むのが良い。設定で喰わず嫌いしていましたが、読んで良かったです。おもしろかった。

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