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2016/11/05

『殺意の構図 探偵の依頼人』 深木章子

2015年本ミス9位。放火殺人の冤罪事件を中心に、一族に続く不審死の真相と関係者に渦巻く疑心疑念を丁寧に描いた作品。エッセンスに少しばかりのどんでん返しもあり。

犯人と疑われた人物が次の章では無関係とわかり、ころころと物語が転がっていく様がおもしろく一気読み。次第に容疑者が狭まっていくので冤罪事件の構図だけは綺麗に描けましたが、(ネタバレします)毒殺事件の犯人に第一章で読者に対してしっかりいいひとアピールをした○○○を持ってくるのがうまいです。個人的には○○を守るためにという動機よりは正義の履行とかすっかり馬鹿にされた恨みの方が納得できるのですが、ミステリで動機の話はやめましょう。毒の入手経路の伏線がしっかり(自然に)入っていてとても良かったです。

そしてエピローグ。明かされた探偵の素性が個人的にはツボです。これはいい。思わずプロローグを読み返しました。改めて読むと探偵の心情がすっと心に入ってきます。読了後はプロローグに戻ることをお薦めしたいです。

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