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2016/11/10

『樽』 F・W・クロフツ

電子書籍にて。私が読んだのは訳者が田村隆一となっていたので1962年の角川版でしょうか。

港で盗まれた樽の中から発見された女性の扼殺死体。盗んだ男が犯人かと思われたが、男は自分も騙され指示されただけだと手紙を見せる。男の言うことは本当か。なぜ死体は樽に入れられ運ばれたのか。そもそも死体の女性は誰なのか。地道な捜査により明らかになる真実と犯人の緻密な計算がラストで集約される古典ミステリの名作。

アリバイ崩しもののとして紹介されることの多い本作ですが、アリバイ崩しが始まるのは物語の2/3が過ぎてから。それまでは警察の地道な捜査がとても丁寧に描かれ、容疑者が逮捕されるわけですが…まだまだ中盤、そこから物語は大きく展開します。

(ネタバレします)個人的には犯人がなぜ賭けの話を知っていたかが鍵だと思っていたのですが、偶然にもその場所(店内)にいたというオチでした。そこだけは都合が良すぎるだろうと思いますが、その他は実によく練られており描写も細かく丁寧です。名作はいつ読んでも名作だと改めて実感する1作です。

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