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2016/07/09

『恩讐の鎮魂曲』 中山七里

御子柴シリーズ第3弾。大好き。

(基本的にネタバレしてます)前作『追憶の夜想曲』の衝撃のラストで弁護士を続けられるかどうかの危機に陥った御子柴ですが、苦しみながらも活動継続しておりました。むしろ、死体配達人としての過去を合法的(弁護士的)脅しに使う豪胆っぷりです。しかし、今回の依頼人であり少年院時代の恩師である稲見の前では御子柴の仮面も剥がれる剥がれる。ダークヒーローっぷりは成りを潜め、ただただ恩師を救いたい一人の人間です。新鮮。

これまでの作品でも依頼人=仲間とは限らない…というか依頼人=敵でしたが、今回は過去最大の敵です。なにせ依頼人が無罪を望んでいない。犯した罪に適正な罰を、それが依頼人の望みであり人生なんですよね。でも、御子柴は恩師であり父親とも言える稲見を救いたくて仕方がない。歪んだ証言の先にある真実を暴けば、きっと稲見を救えると信じて突き進む。それが稲見の傷を抉ることになっても。うん、こういうの好きです。

帯ではどんでん返しを謳っていますが、それほどでもないかな。稲見が気づいていなかったとしてもそこまでの驚きはなかったと思います。それよりも量刑ですが、言わばヒーローである稲見の望みがそのまま通ったという形でしょうか。筋の通った、人生を掛けた稲見の主張は実に自然で受け入れやすかったです。

ラスト、自らへの攻撃では捨てようとも思わなかった弁護士バッチを外そうとした御子柴。そんな彼を救ったのは一通の幼い手紙でした。果たして次に御子柴が救うのは誰なのか。個人的には事務員の洋子あたりかと思っているのですが。第4弾に早くも期待。とても楽しみです。

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