« 『その可能性はすでに考えた』 井上真偽 | トップページ | 『空白の殺意』 中町信 »

2016/06/11

『検事の本懐』 柚月裕子

『最後の証人』に続く佐方貞人シリーズ第2弾。検事の、とあるように佐方の検事時代と彼の父親について書かれた短編集。

個人的ベストはほぼ表題作である「本懐を知る」。佐方の父親についての物語であり、佐方の信念、そのルーツを知る物語。父親を良く知る弁護士から「まっとうに事件を裁かせる」というワードが出てきたときに佐方の「強さ」の根源が垣間見えた。私はこういう親子の物語に本当に弱い。

「拳を握る」はもう少し爽快な展開になって欲しかったが、そうならないのが組織であり、佐方が検察を去ったのもそのままならなさだったと改めて。

その他3編の検事・佐方貞人の物語も上質。ミステリ的どんでん返しがあるのも良い。物語が進むたびに佐方という人間に近づいていくような感覚になる構成だと感じました。シリーズ第3弾も楽しみ。タイトルが『検事の死命』なので検事もののようですが、弁護士(法廷)ものもぜひ。好きなんです。

|

« 『その可能性はすでに考えた』 井上真偽 | トップページ | 『空白の殺意』 中町信 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/38084/65954080

この記事へのトラックバック一覧です: 『検事の本懐』 柚月裕子:

« 『その可能性はすでに考えた』 井上真偽 | トップページ | 『空白の殺意』 中町信 »