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2016/04/08

『夢幻花』 東野圭吾

黄色いアサガオが咲き、ひとりの老人が殺された。複雑に絡み合う人間関係と謎の中心で咲く黄色いアサガオ。禁断の花にはどんな秘密が隠されているのか。

3時間弱で読了。ぐいぐい読ませる展開はさすが東野圭吾です。でも、ラストが綺麗にまとまりすぎというか物足りないと思ってしまうのはわがままでしょうか。(ネタバレします)そもそも黄色いアサガオに幻覚作用があるというのは創作ですよね?「アサガオの中には強い幻覚作用(毒性)があるものがある」という事実と「滅びるものには理由がある」という作中でも登場した考え方を掛け合わせて「黄色いアサガオが滅びたのは強い幻覚作用により政府が生育を禁止したからだ」という推測を作り上げたようですが。その推測が正しいかどうかはともかくとして、読者が知り得ない未知の毒薬とかノックスの十戒…は冗談としても都合が良すぎる気がして。物語としてはうまく機能しているんですけどね。

そもそも黄色いアサガオの秘密を知ってしまった(流出させてしまった)責任を果たすために代々黄色いアサガオの情報を集め監視している一家があるという設定が微妙。政府が生育を禁止したり、自白剤として使用するために内務省が秘密裏に栽培していたりと散々スケールの大きいことを言っておきながら、その使用を阻止しようとするのは個人の力っていうのが。せめてどこかの省庁が組織立ってやってくれていたら…それはそれでおかしいんですけどね。

広げた風呂敷がとても綺麗に小さくなってしまって、もっと「なんなんだこれは…」って言いたくなるくらい大胆な畳み方で良いのにと思った作品でした。

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» 『夢幻花』 [観・読・聴・験 備忘録]
東野圭吾 『夢幻花』(PHP研究所)、読了。 鑑賞以外のアサガオの価値・・・・となると想像されるのはやはりアレであり、 本作の真相も、やっぱりアレ方面のお話でした。 しかも、そこに価値を見出していた人々も予想の範囲内。 読みやすいので、どんどん先に進めて、 なんとなくハマッて読んでいたような錯覚に陥りますが、 それほど驚きを感じられたわけでもなく、 可もなく不可もなくと...... [続きを読む]

受信: 2016/04/09 00:55

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