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2016/02/27

『名探偵の証明』 市川哲也

第23回鮎川哲也賞受賞、本ミス2014第17位の本作は表紙から想像するよりもずっとずっと本格ミステリでした。

かつて名探偵だった男と、今まさに名探偵たる少女。新旧名探偵が携帯の電波すら届かない山荘で密室殺人事件に挑む本作。とりあえず、老いによる推理力の低下に悩む名探偵とか新しい。これがシリーズ探偵だと切ない以外の言葉が出ませんがね。

事件そのものはシンプルですし、その解決もシンプルです。(ここからネタバレします)事件の真相はふたつ。用意された真相と、それを利用した真の真相と。そのどちらもがよくあるパターンで、定番ならこっち、驚きの真相を謳うならこっち…という感じですぐに到達することが可能。でも、物足りなさを感じないのは老いた名探偵が諦めることなく掴み取ったものだからでしょうか。ハードボイルドこじらせちゃってる感じの屋敷探偵の語り口、好きです。そして、そんなかつての名探偵に憧れて、命をもらったとまで言う蜜柑も好き。名探偵が多いと作品に華がでますね。

シリーズものとして第2弾が出てますが、本作のラスト、その生死がunknownなのが気になります。生きて、ひっそりと探偵していて欲しいですが果たして。

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