« 2015年10月 | トップページ | 2015年12月 »

2015/11/24

『玄い女神』 篠田真由美

建築探偵シリーズ再読中。家にあったのはシリーズ完結記念の篠田女史蔵書プレゼント企画でいただいた1冊でした。2009年の日付が入っていたのでシリーズ完結からもう6年なのか。

10年前のインドで起こった殺人事件の謎を解くように昔の想い人に頼まれ、群馬山中のホテルまで出向いた桜井京介。そこで起こった新たな殺人事件。果たして過去と今、ふたつの事件の真相とは?という1冊ですが、この本の読みどころはそこじゃない。

事件の方は胸の陥没跡が出来た原因が微妙ですが納得です。メンバーが○をやってるのは至る所に描写されていますし。(ここからネタバレしてます)それよりもカリとナンディの秘密ですよ。伏線やあやしい記述がたくさんなので、看破するのは難しくないです。まあ、わかってて読んでもナンディはナンディなのでカリは見事な女優…そう、女優なのですよ。

ああ、京介の台詞を全部確認したい。

そう思わせてくれる本は大好きです。人称がほぼ蒼なので地の文で女優と書かれていてもOKですが(認識違いにより蒼がその時点でカリを女性だと思っていたら正しい文章)、京介がカリを女優と称していたらアウトですよね。でも、呼称としての女優はセーフだから…などと考えるのは本当にたのしい。

京介が少し蒼に冷たいような気がするし、蒼が京介に愛されてないと感じるなんて有り得ないことですが、それはシリーズ第2弾だからでしょうか。愛され蒼が大好きです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/11/16

『アガサ・クリスティー賞殺人事件』 三沢陽一

『致死量未満の殺人』がかなりおもしろかったので期待して読みましたが、ものすごく詰まらなかったです

ミステリとして簡単すぎる前半4作が表題作でもあり最終話でもある有栖川有栖殺しで昇華されるのかと期待していましたが、まったくそんなことはなく。傍点で強調された「どうして」がキーワードだったのかもしれませんが、それは前半4作から充分に推察できるものにして欲しかった。名前を明かさず夢の中で名探偵っぷりを発揮してきた男≠三沢の叙述トリックを最後まで期待しましたが、それもなく。デビュー作『致死量~』で稼いだ期待値をゼロにしてしまうほどの微妙な1作。

次回作が出たとして、周りの評判を確認してからでないと読む気になれないかな。本当に残念だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/11/11

『ルパンの娘』 横関大

泥棒一家の娘と警察一家の長男が恋に落ち、殺人事件に巻き込まれるエンタテイメントミステリ。

有り得ない設定と一刀両断してしまうと面白くないので、細かいことは気にせずに楽しく読むことをお薦めしたい。というのも、私が「はやく家族に相手は警察一家だと打ち明ければ良いのに」「どう考えてもこのふたりは無理だろ」ともやもやしたからなのですが。というか、やっぱり有り得ないよね。

ミステリ成分は薄め。むしろ事件そのものが謀られ演出されたものと言えるので、嘘臭く感じてしまうのか。読み易いし、続きが気になるという意味では楽しく読めたのだけれど、やはりもやもやが残る。(ここから思い切りネタバレします)ふたり(二家族)が惹かれ合ったから良かったものの、爺さんふたりの自己満足に踊らされた当人たちにしてみたらたまったものではないのでは。

エンタテイメント作品として見せ場が多いので、映像化したものを見てみたい気はします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/11/05

『未明の家』 篠田真由美

このブログを始めた頃には第3部が始まっていた建築探偵シリーズ。いつか再読したいと思いながら叶わないまま十余年。久しぶりにシリーズ第1弾を読みました。

シリーズが完結し、伏線の数々が回収された今となっては思わせぶりな記述の全てににやり。父親と呼ばれる存在に対して思うところありそうな京介とか。蒼が蒼であることは既に当たり前になっている私ですが、そうでなければ蒼の本名の件とかワクワクするんでしょうね。もちろん『原罪の庭』は名作です。

ミステリとしては至ってシンプル。良くも悪くも90年代によくあった(流行った)本格ミステリです。人物相関図と関係性に関する記述とアリバイを丁寧に読み説けば真相に到達するのは容易かと。失意と孤独に身を置いた故人の過去もまあ想像の範囲内ですね。驚きは特にないです。あの○○○○によるアリバイトリックはあからさま過ぎてどうかと思いますが。

それでもたのしく読めるのはやはりキャラクタの魅力なのでしょう。京介の不遜とも取れる態度すらも可愛らしく思えるのは私が歳をとった所為でしょうか。読み始めは京介も深春も年上で大人に思えたものですが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年10月 | トップページ | 2015年12月 »