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2015/10/27

『天久鷹央の推理カルテ』 知念実希人

各科で「診断困難」と判断された問題患者が集められる統括診断部。その部長である天久鷹央が頭脳明晰、博覧強記っぷりで病気(謎)をバッサバッサと解決していくメディカルミステリ。

キャラクタも立っているし、医療に関する記述も難しくなくわかり易いのでとてもテンポ良く読める。ちょっと先の展開が読めちゃうのが難点だけれども、短編であることを考えると仕方ないか。個人的なベストは「泡」。最初の作品ということもあって、このシリーズのらしさが全部詰まっていると思う。もちろん伏線も。

鷹央がなぜ小鳥に執着するのか、がこのシリーズ通しての謎かな。恋心じゃないことを祈る。気楽に謎をたのしみたいときに良い1作。

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2015/10/24

『ラン迷宮』 二階堂黎人

7年ぶりの二階堂黎人作品。知らぬうちに蘭子シリーズの新刊が出ていました。そして、

蘭子に○○○がいて、黎人が○○していた…!

衝撃。どうやら1作読み落としている模様。『覇王の死』も読まねば。

本作に収録されているのは中編2作と短編1作の計3編。「泥具根博士の悪夢」なんて雪密室+四重密室×超能力が相手ですよ。胸躍りますね。でも、蘭子の解決はひどく現実的で驚きはないんですよね。それは「蘭の家の殺人」も同じ。どちらの作品も「うん、そうだと思ってたよ。それしか方法ないもんね」という感じで非常に物足りない。それだけフェアな作品だとも言えるのかもしれませんが。

(叙述トリックのような)驚きがない作品がダメだと言いたいわけではないのだけれど、その発想はなかった、なぜ思い付かなかったのかとは言わせてほしい。そんな我儘です。

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2015/10/16

『恋と禁忌の述語論理』 井上真偽

第51回メフィスト賞受賞作。

既に探偵が解決した事件を他の探偵が検証するという設定はとても良かったのだけれど、それを数式化し演算する必要はありましたか?無駄に難解にしているようにしか思えなかったのは私に数学の知識がないからでしょうか。そういえば、数学は国語の勉強ってコピペがありましたね。東工大でしたか。

レッスンⅢの○○○トリックは図解が素晴らしくて納得でしたが、レッスンⅡの論理的な解決(本作においては真の解決)は人物の動きがおかし過ぎて承服できません。それも○○○○のシュミレートだとすれば納得…できないかなあ。レッスンⅡにおいては素人探偵に軍配があがると未だに思っています。探偵のキャラクタが個人的な好みなのはもちろん差し引いて。

それにしても各レッスンに登場する探偵が魅力的…だと思ったのは私だけではないようで、井上真偽第2作『その可能性はすでに考えた』は青髪に深紅のチェスターコートの探偵が登場ですね。奇跡を追い求めるに至った過去の経緯がなかなかいいです。『その可能性は~』は各所で絶賛されているので今から読むのがたのしみです。

あ、硯さんが叔母ではなかった続きも読みたいかな。そのときは数式少なめでお願いしたいです。

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2015/10/03

『悪の教典』 貴志祐介

 

いつか時間ができたら読もうと分厚い背表紙から目を背けること5年。読みやすい文章と引きこまれる展開で3日で読了。

蓮実聖司というサイコパス教師が学校内で自分の王国を作ろうとするも失敗、辻褄を合せるのも面倒なのでクラス全員殺してしまおうという恐ろしい展開。蓮実の犯行が加速していく(計画が瓦解していく)過程は理解できないけれど、納得はできる…かな?どうだろう。蓮実は自らのことを『俺は、君たちと比べると、その際の選択肢の幅が、ずっと広いんだよ』=殺人という手段を選ぶことに躊躇や恐怖がないと語っているし、実際に(失敗はしたけれど)最後までやりきったわけだけれども、やっぱり全員殺してみせようっていうのは自分の力を過信し過ぎだし飛躍し過ぎかと。

そんな蓮実の本性がいかにして衆目にさらされるのか、犯人であるとどう特定するのかをとても楽しみにしていましたが、やっぱりいた生存者の証言で突き崩せない!からの○○○と使うというのは素晴らしい。伏線もしっかり。こういう丁寧な仕事は大好きです。

あと、映画は観ていませんが蓮実に伊藤英明ってのはぴったりでキャスティングした人Excellent!です。

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