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2015/09/02

『十三番目の陪審員』 芦辺拓

裁判員制度が導入される前の1998年に、架空の陪審員制度を元にして描かれた法廷ミステリ。森江春策シリーズ第6弾。

架空の殺人事件を作り出し、冤罪で捕まった上でドキュメンタリーとしてその一部始終を発表する…そんな冤罪計画を持ちかけられ犯人役となった男が、身に覚えのない本当の殺人の罪で裁判にかけられる物語。鍵は陪審員制度とDNA。

DNAは万能という神話を崩しにきてますが、1998年から早17年、科学技術の進歩でDNA鑑定の方法(特定に至るアプローチ)も増えているだろうから、今この作品と同じものは書けないのだろうなあ。もちろん、だからこの作品がダメと言っているわけではないです。むしろ1998年に書いてくれてありがとう。単純に「そんな方法も可能なのか」と目から鱗です。それが1998年だから可能だった方法だとしても。

そして陪審員制度。森江が最終弁論で充分に示唆したとはいえ、12人の陪審員はよくあの方法を選び出せたと素直に感心。私は少しも思い浮かばなかった。パッケージの変わった煙草はマイナスに働く伏線だと思っていたので、ああいう形で着地するとは思ってなかったです。天晴。

裁判が始まってからがべらぼうにおもしろいです。一気に読みました。やっぱり法廷ミステリはいい。

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