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2015/09/21

『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信

3年ほど積読していた本作。『満願』の前に読んでおこうと本棚から引っ張り出してきました。

バベルの会という読書サークルの名が作中のどこかで出てくるという僅かな繋がりの連作短編集。ジャンルはミステリ、ホラー、ブラックユーモアの融合体。死人が出た場合、誰が殺人を犯したのかは解かれるけれど重要なのはそこではない。ミステリ的に言うならwhy?の動機が肝なのだけれど、理解できるかどうかは別。理解できる人はバベルの会に入れます、入りましょう。

個人的には「身内に不幸がありまして」のラストが一番綺麗で見事だと思いました。

「山荘秘聞」は煉瓦のような塊と表現するくらいなんだから日銀大結束くらいの厚みがあるのだろうけれど、彼女はどうやってそれを手に入れたのかばかりが気になって。山に籠っていたから給金が貯まったってだけなのだろうか。

「玉野五十鈴の誉れ」は『Story Seller』で既に読んでおりましたが、五十鈴の誉れが主の命に従うことならば、既に主ではない純香の言葉に従ったのなら誉れではない。反対に五十鈴の誉れが主の命に背き、友のために赤子を見殺しにしたことなら…それを誉れと思ってしまう精神こそバベルの会なのでしょうね。

『満願』も楽しみ。でも、『犬はどこだ』の続編『流されないで(仮)』も待っています。

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