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2015/06/26

『生存者ゼロ』 安生正

「このミス」大賞受賞作。「このミス」やメフィスト賞がミステリーじゃないなんてことには慣れたつもりだったけれど、まさか○○○○との戦争モノを読まされるとは。あくまでも新種の感染症と研究者が頭脳戦を繰り広げる物語を読みたかった。

説明なく専門用語が用いられるため情景をイメージしにくく、持って回った言い回しも多いためとにかく読み難い。黙示録の部分を筆頭に半分くらい読み流したのでラストの第五の鉢がなんだったのかまったくわからず。というか、最後に富樫が改心したのすらぽかーん。あれはあの場に赤ん坊がいたからってことで良いのかしら。

全てがもう少しスマートだったら勢いで読めたんだろうなという1冊。あのボリュームは心を折るのに充分。

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2015/06/17

『さくらゆき』 篠田真由美

建築探偵シリーズ番外編。桜井京介returns。

あのかわいいかわいい蒼がまさかの34歳。神代と京介、そして蒼がまだあの家でいっしょに暮らしていることを良しとするかは人によるところか。とりあえず翳の名が出て来ないのが残念。門野さんすらご存命だと言うのに。

収録されている作品は4編。敢えてあげるなら「白くてちっちゃな死の天使」が好みか。敢えてあげるならだけれど。

あとがきで神代が言っていたよう晩節を汚すことになりそうで、好きなシリーズだけれど気持ちは複雑。大人の事情なんて書いてあってまるで作者の本意ではないようだけれど、今月には桜井京介returns第2弾が出ているのよねえ…(遠い目

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2015/06/14

『残留思念捜査 オレ様先生と女子高生・莉音の事件ファイル』 あいま祐樹

このミス大賞隠し玉。残留思念を読みとれる女子高生と心理学者として催眠導入を手伝うオレ様先生の物語。

残留思念を元に事件を解くという設定はともかく、

オレ様先生がオレ様じゃないのはどうにかしていただきたい

オレ様に魅力がツンデレにあるのだとしたら、ツン2デレ8でちょっと口の悪い人程度になってますけど。オレ様だったのってプロローグぐらいだよね。顔もスタイルも頭も良くておぼっちゃまという最高のスペックなだけに惜しい。ならば私はたっちゃんの方が好き。

事件や莉音の過去の重たさから考えると文章の軽さが少し気になるところ。もう少しミステリ部分に重点を置いてくれればオレ様への突っ込みが先にくるなんてことはなかったかも。とりあえず、引田の供述がとうてい理解できるものではなく、あれを書けることは素直にすごいと思った。

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2015/06/10

『自覚 隠蔽捜査5.5』 今野敏

隠蔽捜査シリーズ第7弾。スピンオフ短編集。

竜崎は魔法を使っているわけではなく、ごくごく当たり前のことをごくごく普通に話しているだけなのに、皆が皆、憑きものを落とされたかのような反応をするのが実に微笑ましい。

個人的には「訓練」で電話を受けた時の竜崎の心のなかがどんなだったのかを知りたい(笑)

戸高が活躍しているのも嬉しい。

伊丹の出番が少なかったのが残念だけれど、それはまた次の長編で。それにしても『宰領』は絶対に読んだのだけれどレビューがないのがおかしいな。

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2015/06/06

『異邦の騎士 改訂完全版』 島田荘司

既読作もあるものの、刊行順に読むことにしました御手洗潔シリーズ。

第4弾である『異邦の騎士』はファンの間でも人気の高い1冊。そして、御手洗潔の最初の事件なわけですが(ここからネタバレします)

記憶喪失の男が○○○ってのがすごい

シリーズ4作目でこういう趣向の作品を持ってくるサービス精神?が好きです。

あれ?○○○が出て来ないぞ?と思う読者が大半だと思うので、も記憶喪失の男が○○○だと察することはもちろん可能ですが、私は充分に驚かせていただきました。とりあえず、○○の死の原因(犯人)は○○○だと思うのですがそこは触れてはいけないポイントなのでしょうか。もちろん刺殺(出血死)なので警察の捜査は行われたと思うのですが、あの家族が○○○のことを警察に話すわけがないし、操られ、言わば心神喪失状態の○○○を罪に問えたかと言えば疑問ですが、そのまま迷宮入りってのも微妙ですね。そもそも○○○の心情的にすっきりしない(いつ警察がくるか時効までビクビクする状態)ような気がするのですが。

私は恋愛小説にはあまり興味がないのですが、そういったアプローチから本作を評価する方も多いようです。あとは改訂前の方が勢いがあったとかなかったとか。

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2015/06/04

『虚像の道化師』 東野圭吾

ガリレオシリーズ第7弾。収録されている4編はどれもドラマ化済。

ガリレオらしい物理(学)トリックが用いられた「幻惑す」「心聴る」の方が好み。「心聴る」はドラマではカットされた北原という草薙の同期の存在が良かった。どうして改変した…というか、ドラマでは草薙がそもそも空気でしたね。原作に逆輸入してきた内海はとても良いですが、やはりコンビは男女じゃないと!という考えは理解できない。

そして、本作でも感じた湯川の人間らしさ。私は湯川にそういう側面を求めていないので、「偽装う」の礼とか不要に感じてしまうのだけれど、一般的には違うのでしょうね。

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2015/06/02

『Another エピソードS』 綾辻行人

『Another』からのスピンオフ。鳴が夜見山を離れた一週間を描くエピソードsummer。

作品の分類としてはホラーとミステリの中間かと。とにかく読み易く、あっという間に読了。Anotherの設定をうまく活かしたラストのどんでん返し(幽霊の正体)については描写があからさまなので看破するのは容易。綾辻らしいです。

これからも広がりをみせていきそうな『Another』、とりあえず想が夜見山に越してきたらしいのでそれで1本書けちゃいますね。鳴たちの年代が特殊な終わり方をした年として語り継がれていたらいい。

個人的にはエピソードSはセンチメンタルのSだと思っております。

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