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2015/04/20

『わたしたちが少女と呼ばれていた頃』 石持浅海


『扉は閉ざされたまま』
でお馴染みの碓氷優佳シリーズ第4弾…ってことになるのでしょうか。番外編?

タイトル通り、優佳がまだ少女だった高校3年間を描いた作品です。とりあえず語り部(小春)による崇拝にも近い優佳の持ち上げが気持ち悪い。これに似た感情は同じく石持作品『玩具店の英雄 座間味くんの推理』でも感じて記事にしていますが、座間味くんにしろ優佳にしろ、そんな崇拝されるようなキャラだったか?と思ったら本作ではラストでしっかり落としてくれました。小春、その推理は本作でもっとも素晴らしい推理と言っても過言ではなくってよ。

優佳の持ち味なのかもしれない思い込みと決めつけをベースにした強引な推理。結果として優佳の想像した通りになったけれど、そうならなかった可能性や的外れだった可能性は無限です。なんにせよ、第三者による反論(議論)がないので。本シリーズはそういうシリーズだと思って割り切って読むべきでしょう。短編だしね。

それでも「握られた手」は良かったと思います。

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2015/04/16

『探偵はバーにいる』 東直己

映画は観たけれど、まさか本作が原作ではないとは。映画はシリーズ第2作目が原作だそうで。

ハードボイルドのお約束と言えば酒と喧嘩と女。要素はしっかり押さえているのに俺(探偵)が最近そこまでなまった北海道弁話す人いないよ!ってくらいなまっているためハードボイルドが吹き飛ぶ()

事件については最初に見えた(想像された)事件像がひっくり返ったところが良し。個人的には最後に描かれた女の強かさが、実に胸糞悪くて好きです。

とりあえず、大泉洋は原作の俺とはキャラ違いですが、大泉さんに寄せて作られた映画も悪くないんじゃないでしょうか。

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2015/04/10

『外田警部、カシオペアに乗る』 古野まほろ

まほろワールド控えめな一冊。見た目は農協の経理担当者、けれどその実態は全国優秀捜査官に認定される凄腕刑事…という外田警部が鉄道にまつわる事件を4つ解決する倒叙もの。というか、コロンボもの。

個人的には「外田警部、市内線に乗る」が好き。単純に将棋ものだからですが()犯人の在り方、投了の姿がいちばん潔くて潔くなかったように思います。

それにしても、もっとも侮れないのは砂糖蟻夫なわけですが、外田警部が砂糖を捕まえる日は来るのでしょうか。とりあえず、既に刊行されている次作『外田警部、TGVに乗る』でも捕まえられなかったに一票。

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2015/04/07

『○○○○○○○○殺人事件』 早坂吝

メフィスト賞が久しぶりに話題になったのでたのしみにしていた一冊。趣向はまさかのタイトル当て。

終盤(解決編)まではごくごく普通の、よくある本格ミステリ。多少エロいシーンがあったりしましたが(表紙もね)その程度でここまで話題になるか?といぶかしんでおりましたが、

解決編で一気にバカミスに

この振れ幅がすごい。座談会でも話題騒然になるわ。それでもしっかり伏線は張られていて、本格ミステリとしての要件は満たしているからすごい。でもやっぱり、トリックだとか犯人だとか探偵だとか、すべてがどうでもよくなるくらいのバカミスっぷりがすごい。

薄さと読み易さにも助けられて、たまにはこういう作品も悪くないと思わせてくれる一冊。シリーズ続編も話題になっているようなのでたのしみ。

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2015/04/04

『石の繭 警視庁殺人分析班』 麻見和史

モルタルで固められた変死体の発見から始まる警察小説。主人公は新人刑事の如月塔子。そして、塔子を支える(指導する)殺人分析班の面々が実に魅力的な1冊。

結局のところ、最初から最後まで犯人の掌の上で転がされていたわけだけれど、トレミーとは一体誰なのかのフーダニットが見事に決まったので実に爽快。意外性は充分、なによりフェア。ちゃんと最初から登場してます。ただ、鷹野が犯人まで辿り着いた直感は少し強引だったかな。直感を信じない男の直感、今回は伏線を張ってあったわけだけれど、塔子とは別のアプローチで論理的に到達してくれたら素晴らしいの一言だった。

塔子を中心とした登場人物たちの魅力的なキャラクタが、この事件をうまく成立させるために後から構築された可能性があるので、シリーズ続刊で彼らを活かしきれるかどうかが課題でありたのしみなところ。『ストロベリーナイト』の姫川玲子と若干キャラ被りしているのは言わない約束かな?

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