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2014/11/25

『黒翼鳥 NCIS特別捜査官』 月原渉

『月光蝶』に続くNCIS捜査官シリーズ第2弾。

飛行中のオスプレイで起こった密室殺人事件という魅力的な謎ですが、事象をありのまま受け入れるとオリエント急行的な解決か本作の真相の2択(正確には作中で提示されたダミーの真相もあるので3択か)になるかと。個人的には壁に血痕が認められた時点でトリック看破。そこからの展開は蛇足感が否めないです。

ミステリで動機を問題にするのはナンセンスですが、降って湧いた印象を拭えないのが残念。ただ、丁寧に描写されたら楽しめたかって言われるともっと微妙なので難しいところ。

前半、魅力的な謎の提示、ヌーナンが孤軍奮闘する件が素晴らしかっただけに後半が残念。そもそもスターが主役(探偵)の座を奪ってった時点で首を傾げざるを得ないのですが。

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2014/11/21

『盤上の夜』 宮内悠介

盤上で繰り広げられる緻密な駆け引きをたのしむエンタテイメント小説だと思っていたので読んで吃驚。残念ながら私にはこの作品のおもしろさはわからなかった。

唯一、「人間の王」に凝らされた趣向だけは良いと感じた。話の内容ではなく、趣向だけが。

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2014/11/15

『追憶の夜想曲』 中山七里

『贖罪の奏鳴曲』から続く法廷ミステリシリーズ第2弾。

リストラを機に家に籠り、借金をつくり、DVを繰り返す夫にカッターナイフを突き立てた妻。本人も罪を認め、争われているのは量刑だけ…そんな裁判を覆す為に法廷に現れたのは御子柴礼司。担当弁護士を脅してまで弁護を担当したがった御子柴の真意とは?被告人が御子柴にすら隠している真実とは?という一冊。

ミステリ(真実)に関してはあからさまに伏線が張られているので見破るのは容易。どんでん返しが得意な中山作品、○○が犯人からのどんでん返しがあるものだと思っていたらそこで終了。でも、

心理のとんでもないハードルを越えてきました

被告人の過去を追う御子柴、被告人が幼い頃に巻き込まれた事件、妹の死…まさか、まさかねとは思いましたがそのまさかをぽーんと飛び越えてきました。常人の理解を超える…って御子柴は常人ではないかもしれませんが、立場のある身、そんなことできるのでしょうか。まさに贖罪。

第3弾があるのかないのか。できれば読みたい。そのときは御子柴がどのような立場で登場するのか…弁護士であるのか。最初から読みどころでしょう。

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2014/11/14

『戦力外捜査官』 似鳥鶏

ドラマはもちろん観ていません。が、いかにもドラマ化(受け)しそうな設定が詰まっているなあと感心した一作。とりあえず、

似鳥作品らしい緻密さを求めるとがっかりします

ノリとご都合主義(あるいはベルトコンベア方式)てんこ盛りです。並走するふたつの事件、このふたつがどう繋がるんだろうドキドキワクワク!ってのが正しい読書の楽しみ方ですが、特に斬新な繋がりではなく、むしろ王道も王道で「お、おう…」としか言えないです。

うーん、海月のキャラを容認できるかどうかが作品を楽しめるかどうかの大きな鍵なのだろうか。姫デカというサブタイトルが付いていますが、同じ武井咲ちゃんが演じる姫なら西之園萌絵の方が好感持てます。海月はなんていうか養殖の天然っぽさが。

設定は悪くないのだけれど。いつもの似鳥作品並の緻密さ、本格さを求めて手に取ったのが敗因か。評価はシリーズ続刊まで保留にしましょう。次はライトミステリだと思って読みます。それならきっと高評価にな…らない気がしないでもない。

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2014/11/11

『トスカの接吻』 深水黎一郎

芸術ミステリシリーズ第2弾。テーマはプッチーニのオペラ「トスカ」。オペラに関する蘊蓄は丁寧にわかりやすく、そして楽しく披露されます。異化(オストラネーニェ)に関する解説を少年探偵団シリーズでやってくれたのはおもしろかった。

肝になるミステリ、オペラの演出を利用し舞台上でバリトン歌手の命を奪ったのは誰か?に関しても謎の有り方、提示の仕方はとてもとても魅力的。なだけに、解決で肩透かしを食らったのが残念でなりません。個人的にはアンフェア。ノックスの十戒()に抵触しているかな。驚きを以て十戒をねじ伏せてくれるとブラボーなのだけれど、今回はちょっと…事件というより事故ですよね?つまりは犯人に相応しい人物がいない。

瞬一郎の嫌みのない天才っぷりが今後どう昇華されていくのかも気になるので、第3弾『花窗玻璃 シャガールの黙示』も楽しみ。個人的には探偵は止めた方が良いと思う(笑)

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2014/11/06

『旅猫リポート』 有川浩

恋愛ものじゃない有川浩なんて、とこれまで食指が動かなかった一冊。

結果、号泣。

ノリコおばさんの頼みごと、あのシーンでぽろぽろ涙がこぼれました。泣くまいと思っていたのに。

悟の3組の友人たち、彼らが語る昔話も良かった。個人的にはスギ&チカコの…というかスギの屈折した感情がわかりすぎて痛い。『ヒア・カムズ・ザ・サン』の父親に感じた痛さと同じかな。最近の有川作品の裏テーマなのでしょうか。

とりあえず、読了後に猫を撫でたくなる一冊。猫は良い。

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