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2014/03/07

『犯罪小説家』 雫井脩介

『犯人に告ぐ』が良かったので続けて読んでみた雫井作品。

日本クライム大賞を受賞した待居涼司の出世作「凍て鶴」に持ち上がった映画化話。監督に抜擢された小野川は奇才の評判を欲しいままにし、「凍て鶴」にも独自の解釈を持ちこもうとする。かつて世間を騒がせた自殺系サイト「落花の会」についてフリージャーナリストを唆して調べる小野川の真意はどこに?そして、「落花の会」の関係者ではないかと疑われた原作者の待居は本当に元幹部なのか?それとも、異様なまでに「落花の会」に固執する小野川が実は…?というお話。

正直、待居と小野川、どちらが「落花の会」幹部なのかは冷静に考えればわかります。なので、問題はwho?ではなくwhy?だと思うのです。なぜ今になって「落花の会」について調べ回るのか、あるいは、調べ回ることを許すのか。この解がなかなか良かった。少なくとも私はすんなりと府に落ちました。とにかく小野川にイライラさせられる前半、そして、意図的に狙った「全篇に充ちた不穏な空気」(帯より)に結構しんどい読書になりましたが、ラストの○○が真相を知り取り乱したその感情、表情がありありと伝わってきて、一転、良い読書に。

個人的にはラストのラスト、映画館での一幕は蛇足かなあと思ったのですが、どうだろう。あれがないと犯人が野放しになるってことでミステリじゃない…いや、そもそも本作はミステリではなく犯罪小説なのか。さて、どうでしょう?

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