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2014/02/20

『犯人に告ぐ』 雫井脩介

 

男児連続殺害事件。解決の糸口を見つけられないまま最初の事件から一年が経とうとしたそのとき、取り入れられた新たな捜査方法…それはマスコミを使った劇場型捜査。担当捜査員がニュース番組に出演し、直に犯人に語りかける。果たしてヤングマンはどんなメッセージを犯人に告げるのか。横山秀夫に福井晴敏、伊坂幸太郎までもが絶賛した警察小説の金字塔。

なのですが、劇場型捜査という言葉からイメージするセンセーショナルさは殆どありません。いや、どんどん失われていくと言った方が正しいでしょうか。二章くらいまでのスピード感には痺れましたが、捜査が停滞する過程で作品そのものも停滞してしまった模様。そもそも、男児連続殺害事件の捜査よりも警察内部のスパイを罠にかける方にページが割かれているような気がしないでもない。

どんでん返しも特になく。本格ミステリ脳の私は「犯人は作品の冒頭から登場していなくてはならない」と勝手に思いこんでいて、まさかあのローラー作戦で本当に犯人を引っ掛けるつもりだとは思ってもいませんでした。というか、決め手がほぼベージュのみ、結構危ない橋でしたね。

最後まで派手さを持ってグイグイと引っ張ってくれていたら「名作!」とスタオベしたくなるような作品になっただろうに…というのが率直な感想。誘拐事件の犯人もね、きっと自殺した彼なのでしょうが、違うかもしれないというのはなんともモヤモヤが残ります。

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