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2013/12/22

『リカーシブル』 米澤穂信

タイトルから想像していた中身と全然違った…どうしてカタカナなの。っていうか、本当に米澤穂信?三津田信三じゃなくて?と言いたくなる、陰鬱で閉塞的な民俗学ミステリ。

訳あって継母の故郷に“逃げて”来た中学1年生のハルカ。初めて来たはずの土地なのに、そこで起こった過去の事件を言い当ててみせる弟のサトルは、この街に根付くタマナヒメ伝承と関係が…タマナヒメの生まれ変わりなのか。高速道路の誘致問題でギスギスするこの街とサトルに隠された秘密とは?みたいなお話。

語り部は中学生ですが、途中からその設定はどこかに消えたかのように理解力が格段と上昇するハルカ()中学1年生の冒険にしてはちょっとレベル高すぎるだろう。謎の解明、ロジックについては伏線もしっかり張られていて明快。ちょっと分かり易すぎるのは登場人物が少ないからか。マルさんというミスリード要因も居たような気がするんだけれどフェードアウトしましたね。

ホラーのテイストにも溢れた本作だけれど、何より怖いのはやっぱり人間だなと改めて。とりあえず、ママが怖すぎだろう。ハルカにわかるよね?と迫ったときのママはもうなんて言うか、ね。しかも、結局のところ他人だから仕方ない、と分からないなりに分かってみせたこちらの気持ちも無碍にしてみせるという。おそろしや。

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コメント

読みにくかったのですが最後まで読めました。
主人公が辛い境遇のなかで、健気に生きていることには胸が詰まる思いでした。
読後感は良かったです。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。

投稿: 藍色 | 2015/07/03 13:54

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» 「リカーシブル」米澤穂信 [粋な提案]
青春の痛ましさを描いた名作の感動ふたたび!この町はどこかおかしい。父が失踪し、母の故郷に引越してきた姉ハルカと弟サトル。弟は急に予知能力を発揮し始め、姉は「タマナヒメ」なる伝説上の女が、この町に実在することを知る――。血の繋がらない姉と弟が、ほろ苦い家族の過去を乗り越えて田舎町のミステリーに迫る。著者2年ぶりとなる待望の長編登場。 語り手は女子中学生のハルカ。学校で普通に振舞い、家庭でも気...... [続きを読む]

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