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2013/12/30

『カラット探偵事務所の事件簿2』 乾くるみ

『カラット探偵事務所の事件簿1』に続くシリーズ二作目、File6~12が収録されております。

個々の事件については特に触れるべきことはなく、事件と呼べるのかどうか疑わしいものばかり。「一子相伝の味」はちょっと良いお話だけれども、難易度は低い。

となればやはり、「つきまとう男」ですよね!前作でもラスト数ページでガラッと世界を変えてきたわけですが、本作でもそれは健在。というか、前作を読んでいるかどうかでこの「つきまとう男」の結末が変わってしまうところが実におもしろい。具体的に、ネタバレをしてしまえば助手の井上が女性であることを知っているかどうか、なのです。つまり、“たとえ男の側にその気がないのが明らかだったとしても、独身の男女をあんな狭い部屋でふたりきりにさせて、”の件、その気のない男=西田カレンで、女が井上助手であるわけです。そして、本作には井上が女性であるという記述はどこにもない。

シリーズものを途中から読む性癖は私にはないのですが、中にはそういう人もいるでしょう。その人は西田カレンと井上助手の性別を誤ったまま読み終える…もちろん違和感なしにというこの趣向。好みです。

ところで、さらりと結婚について書かれておりましたが、詳細はFile21以降に期待でしょうか…ってその前に3巻3巻!

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2013/12/28

『セシューズ・ハイ 議員探偵・漆原翔太郎』 天祢涼



『キョウカンカク』の天祢涼氏によるノンシリーズ。 個人的にはこちらの方が好き。議員探偵とかなかなか新しいじゃない。

収録されている短編は5つ。だけれども、焦点は翔太郎が天才なのかただのバカなのかってこと。個人的にはおバカな方が良いなあ、でも、最後までどっちつかずなまま含みを持たせて終わるんだろうなあ、と思っていたらしっかり結論が出ましたとも。これはこれで嬉しい誤算。惜しむらくはその結論の出し方、最後の推理があまり美しくないってこと。犯人(?)の失言無くしては捕えきれなかったのでは?

ただ、相手の失言を誘って…ってのは他の収録作でもやっていたので、それが翔太郎の戦法のひとつなのでしょう。そうそう、その失言云々の作品に登場した文学少女さん。彼女が有名作家に成長を遂げていて、翔太郎に助け船をだすエンドになるものと思っていましたよ「勲章」は。ロジックが一番美しかったのは「選挙」だと思いますけどね。

なんとなくシリーズ化しそうな気もしますが、果たして。

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2013/12/26

『147ヘルツの警鐘』 川瀬七緒

法医学+昆虫学という新しいミステリのアプローチ。文字を脳内で映像化してはいけないという制約を除けばかなり楽しむことができました。

炭化した焼死体の腹部から見つかった虫の塊。死亡推定時刻から計算して“育ち過ぎ”のその虫たちが教えてくれる真実とは?とまあ、帯の文言借りつつあらすじ説明してみましたが、虫の塊とか片腹痛いよね。もっと直接的な表現で激しく狂おしく説明したくなる…赤堀の不思議な魅力に私もやられてしまっただろうか。

でも、本当に「次はなにをやってくれるだろうか」と期待したくなる吸引力を持った女性ですね、赤堀。実際に彼女が虫を追いかけている様を見たいとは全くこれっぽっちも思わないのだけれど()彼女が次にどんな真実を見つけ出して来るのかにページを捲る手は止まりません。岩楯との関係もね…気になるよね…。

ラスト、赤堀が拓巳のために、生きるために放った虫たち。映像化に相応しいシーンだと思うのだけれど、それまでの○○ボールあたりがそれを拒絶する。惜しい。

次回作にも期待。

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2013/12/25

『美少女教授・桐島統子の事件研究録』 喜多喜久

読書メーターで見つけた一冊。とても読み易く、2時間足らずで読了。ミステリの難度は低めだけれど、そのロジックは綺麗。ただし、

桐島教授を若返らせる必然性が見つかりません!

いや、探偵役(あるいは表紙)は可愛い女の子の方が良いよね☆ってのはわかります。わかるんだけど、若返りを事件の解決に結び付けてこそでしょうが。百歩譲ってそれが難しいのなら芝村青年の完全免疫を活かせば良いのに。それを活かすための場面はあったし、だから彼にはこんな設定が与えられたのか…と一瞬だけ納得したものですよ。

裏切られたけど

魅力的なキャラクタばかりでとても満足しているだけに、この点だけがとにかく残念。そう言えば桐島教授の過去話も出てきましたが、伏線でもなんでもありませんでしたね。シリーズ化しそうな予感がするので、是非とも続刊でこの設定たちを活かしていただきたく。でも、桐島教授と芝村青年がラブい関係になっていくのは勘弁かなあ…桐島教授が人として可愛らしいのと恋愛展開とは、また別だと思います。

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2013/12/24

『空を見上げる古い歌を口ずさむ』 小路幸也


 を久しぶりに更新。第29回受賞作。とりあえず、読了後の率直な感想は、

?????

です。なにを書き、伝えたかったのだろう。少年時代を思うノスタルジックな気持ちか。でも、それだったらファンタジーは要らねえよ。

せめて、「なぜ人の顔がのっぺらぼうに見えてしまうか」という最大の謎くらいは解決して欲しかったものです。いや、解す者だから違い者だから稀人だからってのはわかるのですが、だったらそれをしっかり解説しなさいよ。また今度、じゃねえよ…と、ついつい言葉も荒くなってしまいます。

シリーズものでない限り、作品の中で提示した謎は作品の中で解決してただきたい。シリーズものなのだとしたらタイトルにそうだとわかるように表記してもらいたい。これって別に我儘じゃなく、当たり前のことだと思うんだけどなあ。

とりあえず、調べたところ本作はpulp-town fictionシリーズというシリーズもので、『高く遠く空へ歌ううた』という続編が出ているようです。が、あらすじを見たところあまり続編っぽくないような気がするのだけれど…読むかどうかは未定。どうせならば東京バンドワゴンの方を読んだ方が有意義なような気がするんですもの。

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2013/12/22

『リカーシブル』 米澤穂信

タイトルから想像していた中身と全然違った…どうしてカタカナなの。っていうか、本当に米澤穂信?三津田信三じゃなくて?と言いたくなる、陰鬱で閉塞的な民俗学ミステリ。

訳あって継母の故郷に“逃げて”来た中学1年生のハルカ。初めて来たはずの土地なのに、そこで起こった過去の事件を言い当ててみせる弟のサトルは、この街に根付くタマナヒメ伝承と関係が…タマナヒメの生まれ変わりなのか。高速道路の誘致問題でギスギスするこの街とサトルに隠された秘密とは?みたいなお話。

語り部は中学生ですが、途中からその設定はどこかに消えたかのように理解力が格段と上昇するハルカ()中学1年生の冒険にしてはちょっとレベル高すぎるだろう。謎の解明、ロジックについては伏線もしっかり張られていて明快。ちょっと分かり易すぎるのは登場人物が少ないからか。マルさんというミスリード要因も居たような気がするんだけれどフェードアウトしましたね。

ホラーのテイストにも溢れた本作だけれど、何より怖いのはやっぱり人間だなと改めて。とりあえず、ママが怖すぎだろう。ハルカにわかるよね?と迫ったときのママはもうなんて言うか、ね。しかも、結局のところ他人だから仕方ない、と分からないなりに分かってみせたこちらの気持ちも無碍にしてみせるという。おそろしや。

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2013/12/19

『福家警部補の再訪』 大倉崇裕

『福家警部補の挨拶』に続く福家警部補シリーズ第2弾。今回も派手さはない、けれど福家警部補らしい丁寧な仕事に「粒ぞろい」という言葉を送りたい。

収録された作品は4編。抜きん出て優れた作品はなかったかな。どれかひとつを推せと言われたら「マックス号事件」だけれど。ラストの証拠の出処が見事だったかな。

それよりも福家警部補のキャラクタですよね。「再訪」を読んで、表紙に描かれているオバサン然した姿よりももっと若い感じなのではないかと思った次第。例えて言うなら……うーん、思い浮かばないので次回作を読むまでに考えておきます。

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2013/12/16

『極北クレイマー』 海堂尊

『ジーン・ワルツ』『マドンナ・ヴェルデ』で触れられていた産婦人科医の件、詳細とその後が知りたくて手に取った本作だったのだけれど、

何にも解決してない\(^o^)/

それどころか、極北市民病院という本丸が抱えた問題についても解決せず、ただただ問題提起(?)していろいろ放り出したままで勝手に終わって行った本作。もちろん消化不良ですとも。

夕張をモデルに医療の現状を知らしめ、問題提起したい。その意欲は伝わってくるのですが、物語として発表している以上、物語として完結して欲しいところ。いや、世良という抗癌剤の投薬で回復の見通し、良かったね!で済ませますと言われてしまえばそれまでなのですが。

とりあえず、三枝先生の件だけは救われる形で解決して欲しいところ。『極北ラプソディ』で語られているのかしら。いや、あちらはジェネラルのお話っぽいしな。ジェネラルはもう、センター(主役)に立つべくして生まれた男だからな。三枝先生ではちょっと力不足か。

それにしても並木看護師…あんな男のどこが(ry ふたりもこれからのウォッチ対象ですね。

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2013/12/15

『変身』 東野圭吾

東野作品初期の名作と言えばこれになるのでしょうね。

世界初の脳移植手術がもたらした思わぬ副作用。脳が、人格が、徐々に乗っ取られてゆく感覚。狂った意識と世界の果てに待ち受けているものは?なんてお話。

思えば、ドナーの正体が唯一のミステリ要素でしたがバレバレすぎて。東野作品なので最後の最後にどんでん返しが用意されているものを構えておりましたが、特に用意されておらず。素直に終わってしまってなんだか物足りない。いや、人格を乗っ取られた者が辿る末路としては正しいと思うのだけれど。

つまり、ミステリとして読むのではなく、脳が乗っ取られ、人が狂っていくその様を読むべき物語。それならばもう、言うこと無しです。純一が変わっていくとともに、胸に広がって拭えない不快感。でも、不快なのにページを捲る手は止まらない。名作です。

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2013/12/14

『メルカトルと美袋のための殺人』 麻耶雄嵩

長編に向かない探偵とはよく言ったものだ。『夏と冬の奏鳴曲』ではラスト数ページで現れ、意味深な言葉を投げつけてくれたメルカトル鮎の向いているのだろう短編集。確かにサクサクと進む展開はストレスフリー。まあ、美袋のストレスはフリーどころか振りきれてしまっているのだけれど。

収録されているのは7編。正直、抜きん出て優れた作品はないと思う。個人的な好みは「小人間居為不善」かな。どれもメルカトルらしく小気味悪い作品なわけですが、これが一番胸糞悪い気がする。いや、「彷徨える美袋」も負けてない。

論理の美しさでは「化粧した男の冒険」でしょうか。これも小気味悪いよね。いや、小気味悪くない作品はないのだけれど。メルが捜査に乗り出すその動機が素晴らしいですね(棒

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2013/12/11

『ロートレック荘事件』 筒井康隆

文庫裏表紙、作品紹介の欄に「推理小説史上初のトリック」とあるのだけれど、本当にこの作品がこのトリックを用いた最初の作品なのだろうか。ならば、

筒井康隆はもう、それだけで偉人

だと私は思うわけです。2013年現在においてこのトリックは散々使い古されてきているので、開始早々にトリックを理解したわけですが(とりあえず、部屋割が見破ることを容易にしていると思う)、これを最初に思い付き、やろうと思ったのがすごいよね。

敢えてあやふやにしなくてはならない制約から文章がもうめちゃくちゃなのが残念であったり微笑ましかったり。とりあえず、なにも知らずに読んだ人は「筒井康隆って文章下手なのね」と思いかねないのでは。そして、初読にも関わらず重箱の隅を突くように読ませていただいた者としては、視点の切り替えにルールか法則が有った方が綺麗な作品になったのに、と思わずにはおれない。だって、分かってて読んでるのに分からなくなったこと数回。いや、私の読解力がないだけなのかもしれないけれど。

とにかく、これを最初に書いたことだけで、筒井康隆はもう歴史に名前を残したと言っても過言ではない。偉人です。

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2013/12/09

『13階段』 高野和明

第47回江戸川乱歩賞受賞作。映画化もされたようですが、もちろん観ていない。

いやー、おもしろかった!!

一気に読み切ってしまいました。犯行があった時点の記憶を失った死刑囚。その死刑囚がふと見た石段の記憶から始まった冤罪晴らし。元刑務官と前科を背負った青年が辿り着いた真実、真犯人とは?という一冊。細やかに、かつ、大胆に練られたプロットにほれぼれ…なんですが、

どうにも読了感は良くない

おもしろかったと胸を張って言えるし、その結末に満足もしているのだけれど。ただただ読了感が良くない。救われた者がいる一方で、救った者が救われなかった者に成ってしまったこと、その瞬間がまさに階段を転がり落ちるようでした。どうすれば良かったのかはわかりません。どこで階段を踏み外してしまったのかと聞かれれば、それはもう最初からとしか言いようがなく。最初の一段目でそれに気付いていればまだ傷は浅かったのに、踏み外したことに気が付いたのが13段目に足をかける瞬間とか、それはどんな死神の悪戯か。

高野作品はこれがはじめましてなのだけど、『ジェノサイド』も評判高いので読むのが楽しみです。そしてやっぱり江戸川乱歩賞は信頼に値するなあ、と改めて。

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2013/12/08

『ミッキーマウスの憂鬱』 松岡圭祐

ディズニーに許可は取ってあるのか、とか、こんなこと書いて松岡氏は消されないのか、とか。とにかくgkbrしながら読んだ夢の国の裏側を描いた一冊。

とりあえずKY男・後藤に苛々しっぱなしの前半。もう少し空気読めよ、大人になれよ、と思わずにはおれない。その怒りが後半になると組織を代表する正社員の面々に向かうわけですが…彼らがクズ過ぎて相対的に後藤の株が上がっているようにしか見えない。いや、後藤も少しは成長しているのかもしれないけれど、たった2日でそこまで劇的に変化するものでしょうか人間性って。それとも、それを成し遂げるのが夢の国パワーなのか。

フィナーレで少し溜飲を下げることができるかもしれないけれど、基本的にあまり読了感は良くない(笑)あの夢の国の裏側はこんなことになってるのか!?のトリビアに関心することは可能かもしれないけれど、でもそれは知らないでおきたかったかな。だってあそこは夢の国、現実を忘れるために行く場所ですもの。

で、着ぐるみって表現は大丈夫なんですかね…?

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2013/12/07

『いつまでもショパン』 中山七里

『さよならドビュッシー』『おやすみラフマニノフ』に続く岬洋介シリーズ第3弾。前2作に比べるとミステリ色は薄め、それでもシリーズで一番好きな作品になりました。

とりあえず、

岬洋介、ええ漢やわ!!!

キャラ萌え、キャラ読みで申し訳ないけれど、ピアニストとしての岬洋介にスポットを充てた本作、読み応えありました。ショパンコンクールに参加したピアニストの面々も個性豊かで好印象。カタカナ名前は覚えられないことで有名な私ですが、誰が誰だかしっかり認識できたもの。

もちろん、コンテスタントが“ピアニスト”と呼ばれるテロリスト…所謂“犯人”なのだろうと構えていたからというのもあるけれど。冒頭でミステリ色は薄めだと書きましたが、おざなりなわけではなく、しっかりと伏線を張って納得のいくレベルには仕上げてくれています。ただ、テロリストたるピアニストの動向よりも、コンテスタントたちの動向の方が気になるというだけで。

今回も岬洋介らしさを如何なく発揮し圧巻のステージを魅せてくれたわけですが、最後のノクターンにまつわるアレはちょっと寒い…もとい、やり過ぎ感があるような気がしないでもない。果たして、あんな風に一躍有名人になってしまった岬洋介はこれからどんなピアニスト人生を歩むのか。もしかしたらノーベル平和賞を受賞しているかもしれないシリーズ第4弾に期待したいものです。

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2013/12/05

『天空高事件 放課後探偵とサツジン連鎖』 椙本孝思

『魔神館事件 夏と少女とサツリク風景』に続く…シリーズタイトルは何だろう、とにかく第2弾。今回は学園モノです。

黒彦少年が思ったよりも普通に高校生していて驚いたのも束の間、次々と起こる殺人事件。果たして犯人は誰なのか。黒彦少年は探偵部の面々とともに事件の真相に挑む…というお話ですが、登場人物が少ない上にバタバタと死んでいくので、もう君しか犯人いないよね!という感じです。

とりあえず今回も真っ直ぐな推理は黒彦少年が、ちょっと捻った真相の方を犬神博士が担当。いや、今回は犬神博士の方も捻られてはいなかったな…だって君しか犯人たりえないもの。

となれば、興味は犬神博士の過去やハテナの正体の方に移るわけです。前作のレビューで「果たして彼女は本当に世界最高の知性…犬神の創ったロボットなのか。黒彦が彼女の鼓動を聴く描写がありましたが、だからってロボット説が否定されるわけじゃありませんからね」なんてことを書いたわけですが…うん、やっぱりロボットだね!だって、あんなところから突き落とされて(かつ、確実に死んだと思われるような有り様で)あんなに直ぐ復活できる人間なんていやしねえ。でも、三鳥さんとお風呂に入ったりもしてるんだよなあ…犬神博士の創ったものがお風呂如きで壊れるわけないと言われればその通りですけれど。

とりあえず、黒彦少年はハテナをぎゅっと抱きしめてやってください。きっと怖かったことでしょう。

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2013/12/04

『夏と冬の奏鳴曲』 麻耶雄嵩


なんじゃこりゃあ!!??????

ですよね、本当。ここまで投げっ放しで、真相は読者の皆様が展開()くださいなミステリを久しぶりに読みました。さすが初期の麻耶雄嵩。いや、今も麻耶は麻耶ですけれども。

真宮和音という女優の魅力に取りつかれた若人たちの20年ぶりの再会の旅に同行することになった烏有と桐璃。和音島という彼らがかつて共同生活を送った島で、起こったのは和音を偲ぶフィルム「春と秋の奏鳴曲」の上映会…ではなく、首なし死体から始まる連続殺人事件。しかも、真宮和音という女優には何か秘密があり、彼らはそれを隠しているような…?というバリバリの孤島ものですが、とりあえず、銘探偵は不在です。最後の数ページにしか登場しません。さすがメルカトル()

そして、ここから思い切りネタバレしますが、

すべて、烏有の人生すらも首謀者によって操られたものってことでよろしいか?

真宮和音という少女が存在せず、尚美と同一人物である(彼らは尚美の中に和音を魅い出していた)という私の仮定は半分くらい当たっていたわけですが、さらにその上、和音の復活という奇跡を信じて「春と秋の奏鳴曲」のままに人ひとりの人生をどうこうしようとするとはなんというかまあ、狂ってますよね()

ついに見つからなかった「黙示録」、それはきっと彼らが和音島に戻ってからの一週間について規定されていたのだと思うのだけれど、烏有が起こしてしまった殺人によってすべて狂ってしまった…のでしょうか。それとも、烏有の行動までもが予想通りなのでしょうか。だって、烏有は桐璃を正しく?選んでいるのですから。

とりあえず、「うゆうさん」と「うゆーさん」、ふたりの桐璃に関してどんな風に入れ替わりが行われたのか、とか。これまでふたりの桐璃はどんな生活を送って来たのか、とか。片方の桐璃は本当になにも知らされないままだったのか、とかとかとか。明かされてないことが多すぎる、かつ、ここに書いてあることも私の想像でしかないので正しいかどうかわからないのだけれど、もう一回読もうとは思えないのが麻耶らしいところ。

とりあえず、問題作であることに変わりは有りません。だって、解決編のないミステリだぜ?700ページ読んできてこれじゃ、怒られちゃうよ!!!!!

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