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2013/12/09

『13階段』 高野和明

第47回江戸川乱歩賞受賞作。映画化もされたようですが、もちろん観ていない。

いやー、おもしろかった!!

一気に読み切ってしまいました。犯行があった時点の記憶を失った死刑囚。その死刑囚がふと見た石段の記憶から始まった冤罪晴らし。元刑務官と前科を背負った青年が辿り着いた真実、真犯人とは?という一冊。細やかに、かつ、大胆に練られたプロットにほれぼれ…なんですが、

どうにも読了感は良くない

おもしろかったと胸を張って言えるし、その結末に満足もしているのだけれど。ただただ読了感が良くない。救われた者がいる一方で、救った者が救われなかった者に成ってしまったこと、その瞬間がまさに階段を転がり落ちるようでした。どうすれば良かったのかはわかりません。どこで階段を踏み外してしまったのかと聞かれれば、それはもう最初からとしか言いようがなく。最初の一段目でそれに気付いていればまだ傷は浅かったのに、踏み外したことに気が付いたのが13段目に足をかける瞬間とか、それはどんな死神の悪戯か。

高野作品はこれがはじめましてなのだけど、『ジェノサイド』も評判高いので読むのが楽しみです。そしてやっぱり江戸川乱歩賞は信頼に値するなあ、と改めて。

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» 『13階段』 [観・読・聴・験 備忘録]
高野和明 『13階段』(講談社文庫)、読了。 途中でやめられなくなって一気読みです。 後半の真実に近づいていく過程で二転三転するので、いろいろダマされましたー。 2つの事件の関係者が、あまりにも交錯してくるので 「都合よすぎなんじゃないの?」と途中で思ったりもしたのですが、 しかし、よくよく考えてみると、犯罪加害者というのは非常に閉鎖的な社会なんですよね。 『閉鎖病棟』の...... [続きを読む]

受信: 2013/12/10 20:13

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