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2013/11/20

『ジークフリートの剣』 深水黎一郎

読書メーターの評価が高かったので読んでみました。深水作品は『ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!』しか読んだことがなかったためバカミス覚悟で読み始めたのですが、なんだかとってもしっかりしてる…まさか「芸術ミステリ」という分野を確立し、本作もシリーズものの一作だったとは。

あ、でも、本作も「ミステリです」と大きな顔しては言えないような気がしますね。

なんせ、謎が謎として登場したのがラスト50ページ切ってからですから。それまで謎のなの字も登場しませんで、ワーグナーのオペラについての蘊蓄があれこれ。結構読み易かったので案外楽しく読ませていただきましたが、苦痛な人は苦痛かと。

謎解きに関しては「ふむふむ」という感じで特に感慨はなし。なにせ、さっきまでそれを謎と思ってなかったので。これまで何作も読んできたミステリですが、探偵に突撃される第三者の気持ちが本作のそれでしょうか。っていうか、婚約者が死んだと言うのにすっかり第三者になってしまっている主人公ェ…。まあ、それも作者の狙い通りなのですが。

そして、さらに作者の狙い通りなのがラスト。どんなオペラになるのだろう…と引っ張って引っ張ってきた舞台で起こる奇跡。圧巻です。本当に、このラストのために書かれた作品なのだろうなあとすんなり納得できる、納得せざるを得ない。できることなら観客として観たい、そう思わせただけで深水氏にとってはしてやったりなのでしょうか。

芸術ミステリ、他のシリーズ作品も読んでみたいものです。

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