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2013/09/23

『脳男』 首藤瓜於


もちろん映画は観ていない、第46回江戸川乱歩賞受賞作。

江戸川乱歩賞は結構、信頼している私ですが本作はミステリというよりも長い長い自己紹介と読まされた気分でございます。連続爆弾犯の共犯者であると疑われ、精神鑑定を為されることになった男・鈴木一郎。そんな鈴木に感情がないのではないかと推測し、彼の過去を知ろうとする精神鑑定医・真梨子。本作では真梨子が真相に近付いていく過程がおよそ7割を占めます。それがまた、おもしろいのだけれど。

現実として鈴木一郎のような男が存在するかどうかは別として。彼が彼であるためには、ああいう自我(自己)を設定するしかなかったのはとても哀しいことでしょう。哀しいという感覚は彼にはわからないそうだけれど。いつか彼が哀しいという感覚を理解する日はくるのでしょうか。夢はその手伝いをしてくれるでしょうか。シリーズ続刊が些か気になるところ。

映画の方はいくつか設定に変更があるようですが、なかなか重苦しい雰囲気で楽しめそう。なにより、鈴木が少女を助けるシーン、あれは絶対に視覚で楽しむべき。脳内で映像化するには(鈴木じゃあるまいし)限界があるものね。いつか観てみたいものです。

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