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2013/09/15

『まほろ駅前多田便利軒』 三浦しをん


直木賞という賞をあまり信用してはいないのだけれど、と書くのは5日ぶり2回目。直木賞を受賞していたとは知らず、もちろん映画もドラマも観ていない『まほろ駅前多田便利軒』だけれど、とても楽しく読ませていただきました。

東京と神奈川の境目、揺り籠から墓場まで過ごせてしまうまほろ市で便利屋を営む多田の元にかつての同級生が転がり込んできたその日から。厄介事が舞い込む…どころか、自ら首を突っ込んでいく行天に振り回されながら。ふたりで過ごした1年の記録。あらすじを書くならこんなところでしょうか。

便利屋としての仕事(厄介事)に関しては深く心に残ったものはないのだけれど。あ、バスの間引きの件は少し気になるけれど(笑)やっぱり多田と行天、ふたりの微妙な関係ですよね。もっとも心に残ったフレーズを引用するならば、

行天はべつに友だちってわけじゃない。心で反論した多田は、「そうか、この子にとっての人間関係は、まだ言葉で規定できるものばかりなんだな」と気づいた。

という一文なのですが。言葉で規定できない関係、それが多田と行天の関係で、敢えてわかりやすい関係になることをふたりがふたりとも望んでいない、とてもふわふわしたふたりの繋がりがとても魅力的な作品でした。

シリーズ続刊にも期待。そして、行天が松田龍平さんらしいので映像化したものも観てみたいものです。

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