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2013/08/24

『福家警部補の挨拶』 大倉崇裕


倒叙ミステリは警察(もしくは探偵)が如何にして犯人に辿り着くかを楽しむものだけれど、本作の主役たる福家警部補の捜査はとても丁寧でシンプル。文庫版表紙の印象が強く、「女性の勘を働かせちゃう系?」とか思いこんでてすみません、と思わず謝りたくなってしまうくらい見事です。

個人的ベストは「オッカムの剃刀」。准教授はなぜに殺されるに至ったのか…の部分が凄い。ミステリを読んでいると「その動機は有り得ないだろ!」と突っ込みたくなること多々なわけですが、「オッカムの剃刀」の動機は見事かと。そしてラスト1P、福家警部補はいつから犯人を怪しいと思っていたか。差し込まれた5年前のエピソードがこういう形で効いてくるのか!と思わず膝を叩きました。この作品は本当に見事。

他3篇についても実に丁寧に描かれていて、とても好感が持てます。そして、女性が主役のミステリだとどうしても二時間ドラマに登場するようなオバサン刑事になりがちですが、福家警部補には愛らしいところが多くってこれまた好感。シリーズ続刊にも期待したいものです。

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