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2013/08/20

『キョウカンカク』 天祢涼

 

第43回メフィスト賞受賞作。文庫化の際に『キョウカンカク 美しき夜に』と副題がついた模様ですが、美しき夜の描写はあっただろうか?と首を傾げているところです。

『キョウカンカク』は果たして共感覚なのか強感覚なのか凶感覚なのか…といろいろ想像して手に取った本作。正解は音の色を視ることのできる共感覚、でした。この共感覚という能力、作者による造能力かと思いきや、現実に存在し、研究もされている能力なのですね。自殺願望者の吐息が青く、殺人願望者の吐息が紅いってのは設定かもしれませんが、共感覚×ミステリはなかなかおもしろい。

ただ、本作に限って言えばちょっと狙いました感がありすぎて中途半端な出来になっているように思う。殺人鬼の吐息は紅い→だったらあいつが犯人?→それだとおもしろくないから一捻り→でもやっぱりあいつが犯人で、共感覚は本当でしたって展開になるんだろうなあと思ったらその通りでした。捻るところでもう少し違う捻り方をしてくれたらきっと、もっと素敵な作品になったと思う。

個人的には廃工場で隠し部屋を見つけたみたいな展開多めの本格ミステリを読ませて欲しいと思ったかな。キョウカンカクシリーズは続いているようなので、続刊に期待。ちなみに、美夜と矢萩の計画?に関しては「ふーん」って感じです。吉野ヶ里警部が信奉者だったってのはおもしろかったけどね…って、副題の『美しき夜に』ってのは美夜の名前から取ったのか!

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