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2013/08/27

『書物法廷』 赤城毅


世に出れば国を、政治を、歴史を揺るがしかねない秘密をはらむ稀覯本を、あらゆる手段を用いて入手する書物狩人シリーズ第3弾。

本作ではシャーロック・ホームズにとってのモリアーティ教授のように、ル・シャスールにとっての天敵が登場。書物偽造の天才、ミスター・クラウン。書物を、書かれている内容を、書かれるに至った経緯を、その全てを愛してみせる書物狩人にとって、書物の偽造がナンセンスなものであることはもちろん承知なのですが、もっと深い…個人的な確執があるような気がしてならないこのふたり。シリーズ続刊にますます期待。

収録されている4作のなかでは「クイナのいない浜辺」が個人的ベスト。爆弾製造技術に優れたテロリスト・プロフェッサーが欲した一冊の書物。なぜ善良な一市民であったプロフェッサーはテロリストへとコペルニクス的転換を遂げたのか。否、遂げざるを得なかったのかを描いた作品ですが…手に入れた一冊、その最後のページに描かれていた作品が目に浮かぶようでした。

そして、書物狩人シリーズと言えば気障ったらしい物言いや仕草の数々ですが、今回ももちろん健在。「銀の川の蜃気楼」ラスト、レディ・Bとのやりとりとか定番だけどたまりませんね。

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