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2013/03/28

『千年ジュリエット』 初野晴

ハルチカシリーズ第4弾、今回はたのしいたのしい文化祭のお話。

今回はどの作品も読みどころがあって好き。「エデンの谷」で明かされた遺言には思わず笑ってしまったし、解錠の後、知った真実には胸が熱くなったし、なにより草壁先生の過去に少し踏み込んでくれたのが嬉しい。あとは日野原会長と萩本兄弟のやりとりがたまらなく好きです。

ミステリ的観点なら「決闘戯曲」を推したいところ。右目が見えず、左手も使えないという圧倒的不利な状況で決闘に勝つことができたのは何故なのか。「決闘法で三つのルール改定が通れば、盾が守ってくれる」とはどういう意味なのか。脚本担当の一年生が姿を晦ましたのは何故なのか…とまあ、こんなお話なのですが、決闘に勝てた方法というのがくだらないけれど巧いんですよね。そもそもの戯曲のおもしろさと演劇部の面々の濃い味が相まって読み応えのある一作。

それでも「失踪ヘビーロッカー」の巧さには負けるけれど。この作品、なにが巧いってタイトルが巧いんですよね。読了後ににやりとできる名タイトル。この「失踪ヘビーロッカー」が表題作「千年ジュリエット」に繋がるわけですが、そこは個人的には微妙かな。

そうそう、『千年ジュリエット』はまだ文庫化していないのでハードカバー版を表示しているわけですが、文庫版よりハードカバー版の装丁の方が素敵だと思いませんか?

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