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2013/02/03

『新参者』 東野圭吾


犯人にその手が届くまで脇目も振らずに捜査するのが刑事の仕事…というわけじゃない。日本橋署に赴任して来たばかりの「新参者」加賀恭一郎が、殺人事件だけでなく、街に生きる人たちの物語に触れ、解決していく様を描いた本作が今日のレビューです。

ドラマは観ていなかったのでどんな物語なのかは知らずに読んだのですが、殺人事件とは全く(ではないにせよ)関係のないところから物語が始まったのには驚きました。本作は九つの短編からなる連作と紹介しても良いのでしょうね。商店街に生きる人たちのドラマに触れるうちに少しずつ形作られる十番目の物語。それが主題であるはずの殺人事件だって言うのだからすごい。この形は新しい。その辺りが2010年このミス1位たる所以でしょうか。

加賀恭一郎の人情味あふれる部分とそうじゃない「キレ者」の部分と。どちらが彼の本質に近いのかにとても興味がある私としては、その両方が程良く描写されていて嬉しくなってしまいました。知らないところで暗躍していた加賀が最後に驚きの真相を語ってくれるってのも好きなんですけどね。父親に対するコンプレックス(?)を妄想できるような箇所もあって…ってのは本当に妄想が過ぎるかもしれませんが。

ところで、最後の最後に数行描かれた「加賀恭一郎が警視庁捜査一課を追い出されるに至った事件」ってのはどの作品のことなのでしょうか?まだ書かれてませんよね?いつか作品として形になる…そう信じております。

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