« 『傷物語』 西尾維新 | トップページ | 『乱反射』 貫井徳郎 »

2013/02/21

『植物図鑑』 有川浩

「咬みません。躾のできたよい子です」、そんな台詞が可笑しくてついつい拾った「生き倒れの男」。その日から始まる狩り生活と恋物語。

私が定期的に有川作品を読みたくなるのは胸をキュンキュン締め付けて欲しいからですが、本作にもしっかり締め付けていただきました『植物図鑑』。物語の始まりはありがち…創作の世界にはよくある「行き倒れている男(の子)を拾ってみました」ってやつです。現実世界ではまあ有り得ませんが、そんな有り得ない始まりからあの終わりを描きだす有川作品がやっぱり好きだなあ。

ふたりが結ばれて(恋人同士になって)ハッピーエンド、という終わり方かと思って読んでいたので「引き金」のくだりからの胸キュンは不意打ちでやられました。そしてそのあとの展開にも。イツキの正体は薄々感付いていましたが(だってエピソードが唐突すぎる)イツキがどんな気持ちであの家に戻ったのか…「午後三時」の涙に私も泣かされました。「どんだけ傷つけたんだろう」のと呟いたイツキの傷ついた顔を想像したら決壊してしまったよ。

とても良い恋物語でございました。植物図鑑としては…私はやはり街の子なのでしょうか。あまり食指が動かず、美味しくいただけるような気がしなかったのでした。

|

« 『傷物語』 西尾維新 | トップページ | 『乱反射』 貫井徳郎 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/38084/49560504

この記事へのトラックバック一覧です: 『植物図鑑』 有川浩:

« 『傷物語』 西尾維新 | トップページ | 『乱反射』 貫井徳郎 »