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2013/02/26

『命に三つの鐘が鳴る』 古野まほろ

『群衆リドル』でイエ先輩に惚れ、タイトルからしてイエ先輩シリーズに違いないと手に取った本作ですが、イエ先輩シリーズどころか天帝シリーズ番外編、新本格どころか刑事モノでした…が、とても良い作品でした。

本作の主人公は天帝シリーズに登場した二条警視正、その若かりし頃なのですが、正直天帝シリーズのことはあまり覚えておらず二条警視がどんな御方だったか記憶が定かではなのですが、本作で親友と愛した女を亡くした彼が歳を経たのなら、きっと素敵な男性になっていることでしょう。天帝シリーズ、再読してみようかしら。

そして、そんな彼が今回直面した試練とは「愛した女を殺した親友から動機を引き出すこと」なのですが…ここに極左セクトだの内ゲバだの学生運動だのが絡んでくるわけですよ。正直こういうのは嫌いじゃない。二条刑事と親友と愛した女と、三人の三角関係がこの物語の鍵になるわけですが、この運動やら思想やらそれぞれの立場やらを理解するのはとても重要かと。物語がより深くなる。

最後に二条刑事が手にした真相は…まあ、想定の範囲内ではありましたが、それってしっかり手掛かりがばら撒かれていたってことですよね。新本格好きとしては嬉しいことです。そして、真相を暴かないことが被害者の為であるか否か、それを巡ってふたりの男が静かに闘ったわけですが、私は真相を暴くことが是であったと読了後に思ったことだけをここに記しておこうかな。

期待していたイエ先輩モノではなかったけれど、とても楽しい読書の時間でした。古野ワールド抑え気味だったけれど、このくらいの方が読み易いかなあ…なーんてことを言ってみるわけです。

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