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2013/01/24

『龍神の雨』 道尾秀介

不遇な、なんて一言で済ませて良いのかわからないほど不幸な2組の兄弟が、雨の日に起こし起こされた事件について描かれている本作。読んでいてとても気分が落ちました。

2組の兄弟(正確には兄弟と兄妹)がどんな境遇にあり、どんな苦悩を抱えて生きているのかにかなりのページが割いてあり、そこに道尾氏の「読ませる技術」「物語に引き込んでいく手腕」が乗っかってもう重たい重たい。半分まで読んだところで「ハッピーエンドは有り得ない。ハッピーエンドに持っていく方法が見つからない」と茫然としましたとも。

そして迎えたエンディング…に、まさかの展開。またしても世界が逆転する感覚を味あわせていただきましたとも!これまで白だと思っていたものが黒になる快感。これが私が道尾作品に求めているもので、本作もしっかりと答えてくれました。っていうか、道尾氏すげえ。そして、犯人気持ち悪い。

ラスト、犯人が残した一言の答えはわからないまま、世界がもう一度ひっくり返る可能性がそこにはあるけれど。それは読者の望む展開にしたら良いのだと思います。現実的には首の索条痕に生活反応があるかどうかで答えは出るのだと思いますが…ってネタバレ?

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